2010年9月20日月曜日

廣村正彰さんと行く西武池袋本店「こんなのどうかなプロジェクト」

9/7にグランドオープンした西武池袋本店を2時間半で巡る「AXIS モバイル・トークセッション5」に参加。各所ロゴを含めてデザインを監修した廣村正彰氏(廣村デザイン事務所)と、参画デザイナーの一人である米谷ひろし氏(トネリコ)の解説付きという贅沢なツアーの集合場所は、地下中央口「光の時計口」。

11000個のLEDが使われている「光の時計」 インテリアデザイン:トネリコ、光の演出:中村勇吾、時を告げる音楽:高橋幸宏


本館中央2F「トランスマーケット」


以下5点:本館中央3〜7Fシーティングスペースデザイン:トネリコ



コンシェルジュデスクの並び、様々なインフォメーションが交錯しがちだが、全体的に上手くいった好例、と廣村氏。


かつては売り場だったというエスカレーター脇の一角。売り場面積を休憩スペースにあてる事は百貨店としては好ましくないが、お客様を迎える側として豊かな場所を提供する必要性を「こんなのどうかなPJ」では説いた。また、シーティングスペースは、従来は避けられてきた白で統一されている(汚れにくい合皮にするなど対策も講じた上で)。


本館北7Fシーティングスペースデザイン:中村竜治
本日最大のお目当て、S氏のブログを見た時からずっと気になっていた。

吊るされた白い"シート"は床材リノリウム、安全面など改良された末の3年越しのプラン成就だったらしい。
グレーのシート(無印良品製)は後付けの品。「遊具ではございません」表示も後から付いた。"人気"のほどが窺える。


本館「be my Gift」インテリアデザイン:トネリコ、ロゴデザイン:廣村正彰
閉店後の一晩でほぼ改装してオープンできることがデザインにも求められた。柱側のディスプレイで目をひきつけ、中央の箱型什器(「金魚すくい」をイメージ)は近付いて覗き込まないと中の商品が見えない、これまでのタブーを逆手にとった。店の感じが羽田空港内の[Tokyo's Tokyo]に似ていると思ったら、やはりマーチャンダイザーに山田遊氏の名が。


本館南8F「カラダステーション」ロゴデザイン:廣村正彰


本館南6Fシーティングスペースデザイン:KEIKO+MANABU

下って5F、ケイコとマナブらしい、蝶々がモチーフのデザイン

4Fもケイコとマナブ。テーブル天板の樹脂は住宅設備機器メーカーT社製


本館南1F「ikeseikirei station(イケセイキレイステーション)」ロゴデザイン:廣村正彰
同店で扱う化粧品28ブランド(ネット上は150以上)を横断して取り扱う(予約制)。顔全体の肌の状態を調べる全顔診断が、貴女に最適な化粧品4-5品目を無料で自動的にセレクトしてくれる。


このほか廣村氏がロゴを手掛けた「サンイデー」や、地下食料品街「生鮮倶楽部」、改装を控えてデザイン新旧分かれているレストラン街を抜ける([美登利寿司]の注文システムにiPadが導入されていたのには驚いた)。

終点は池袋コミュニティカレッジ。カルチャーの分野別に色分けされ、休憩スペースもトイレもロゴを含めて一新された(デザイン:廣村正彰)。うち1室で、参加者からの質疑を廣村氏、米谷氏が受ける。



複雑になりすぎていたという店内のサインは、日本語/英語のバイリンガルでシンプルに統一。アイコンを大きめに設定。百貨店にとって大きな購買層である中国語・ハングルは敢えて出さなかった。「こんなのどうかなプロジェクト」の柱である"人と人とのコミュニケーション"を重視した百貨店側の姿勢の現われ。


「究極の空間はサインなど無い空間。ケアしきれていないから誘導が必要」と述べた廣村氏のコメントには驚かされた。その廣村氏が仕掛けた「こんなのどうかなプロジェクト」は見た目だけのPJではない、と最後の質疑応答で明確に示された。デザインとは、人の内面をも変える力を持つ事を改めて認識。
このような目で商業施設を見る機会は貴重。好評で10/11にも追加ツアーが組まれたとのこと、同様の見学会が今後も増えると良い。

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