2011年3月3日木曜日

青木茂建築工房リファイニング建築完成見学会

青木茂建築工房リファイニング建築《(仮称)三田四丁目」》完成見学会へ(2011.2.28)。
都内高台の住宅密集地に建つ、築40年の4階建て集合住宅をリノベーション、賃貸+オーナー住居として再生された。

再生前は、新築当時(42年前)からの法改正により構造基準、日影制限等、現行法規に適合しない部分があり、所謂、「既存不適格建築」と呼ばれる建物である。よって、通常ならば取り壊して新築となるところ、日影制限等の現行法規に縛られ、今以上の大きさで建てられない為、リファイニングを行なうこととなった。
しかし、本建物には当時の図面も構造計算書も検査済証もなく、行政も確認申請を受け付けないと判断するような、不動産的には「価値無し」と判断される物件であった。そこで、イチから図面および構造計算書の復元まで全て青木事務所で行ない、「既存不適格」の証明をいったん取得した上で、建物の一部を解体、現行法規に適合する補強を行ない、「大規模な模様替え」での確認申請を新たに提出、認可されるに至った(行政にて「耐震改修促進法による認定」取得)。実に42年振りの検査済証を取得、住宅として同じ地に甦った。

このような手法は、リファイニング建築として長年、携わってきた同事務所の得意とするところであり、青木茂氏の著書『建築再生へ  リファイン建築の「建築法規」正面突破作戦』(建築資料研究社)にも詳しいが、本件の事例は都内では今回初めて認可された再生方法だそうだ。

バルコニー面に可動式ルーバーやアルミルーバーを設置し、日射の他、4mの前面道路の向かい側にある集合住宅からの視線も遮断する(配布資料より)。

1階と2階は賃貸住宅1LDK。間取りはほぼ同じで、2階の方が1階のエントランス分だけ広い。

2階賃貸住居のキッチン(1階と仕様は同等)。

天井梁を回避しつつ、照明を入れ、階高をとる工夫が全フロアに共通して見られる。

賃貸住居水まわり。3点ユニットではなく、洗面とWCが独立している。


以降はオーナールーム。

3、4階がオーナー住宅。
最上階は補強も少なく、既存の8m間口を活かした開放的なリビングとなっている。

同階、ルーフバルコニー上部。既存の庇を解体、既存の躯体の8mスパンの空間を維持する為、壁を設けないために、梁に増し打ちを行ない、逆梁補強とした。

オーナー住宅上階、ダイニングキッチン
テーブル上、厚いファイルが、今回の設計で必要となった図面など書類の束。

ガラスで囲まれたオーナー住居下階へ続く階段。R階共にスラブを解体、上部は吹き抜けになっている。また新たにEVを設置した分、1階からR階もスラブを解体している。

オーナー住宅下階の1室。
リファイニング前の画像が所々に掲示され、afterとの比較が解り易い。ほか別室に床檜張り+開閉可の大鏡付きの「舞台」が施主の要望で作られた。

見学会は日曜、月曜の2日間開催され、事務所発表によれば計260名の関係者が訪れた。日曜は晴天に恵まれ、屋上も見学可能で、六本木ヒルズなどが一望できたそうだ。
リファイニング前の画像など詳細は、青木茂建築工房ブログ「青木茂建築工房NEWS」2011.03.01 Tuesday参照。

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