2011年5月7日土曜日

手塚建築研究所《ふじようちえん 新ツリーハウス》内覧会

手塚建築研究所《ふじようちえん Ring Around a Tree 新ツリーハウス》内覧会へ。

ふじようちえん》園内に新たに増築された英会話塾である。元からあったケヤキの大木を残し、教室部分と階段がぐるりと木を囲っている。「建物の高さは5メートルに過ぎないが、床は7枚。やっと子供が通れる高さの天井高が積層する空間である。」(配布資料より転載)

鉄筋造・地上2階。ケヤキの木を護る為、根っこを避けて杭を打ち込み、床スラブを浮かせている(構造:オーノJAPAN)。
卒園後も小学校6年生まで通える英会話教室として運営する為、幼稚園施設に課せられる設計基準(例えばこの建物の場合ではEVの設置など)からは除外される。

「晴れていれば、木漏れ陽がとても綺麗なのに」と、あいにくの空模様に残念そうな設計者の手塚貴晴氏。


教室の壁面側にもぐるりと回っている什器は、テーブルであり、椅子であり、子供にとっては絶好の探検コースに。めいめいに居心地の良い場所を見つけて過ごし、時には隅っこに授業も固まって行なわれていたり、設計者も予想していなかった空間の使い方をしているという。

「空間の性質上、床は極薄でなければならないので、鉄板にリブがついた鉄板モノコック構造。」(配布資料より転載)

照明はぼんぼり光環境計画。夜間の写真を配布資料で見たが、とても美しい。

「大人も自由に、あちこちに座ってみてください」と手塚さん。試しに下に潜り込んでみる。ガラスの向こう、すぐ目の前にドーナツ型の《ふじようちえん》園舎が見える。

教室側外観。

教室の対面側。こちらも子供なら入り込める"隙間"が随所に。

小さい子なら、このようにガンガン走っていける(後を追いたいが、とてもムリ。嗚呼、子供に帰りたい)。

○○教室といえばとかく通うのがおっくうで続かないものだが、こんな教室だったら毎日でも通うだろう。「大きな樹の下で、英語が喋られるようになる教室」と加藤園長が説明していたが、まさしく同感。

あちこちに白いロープも張られ、大人は背を屈めてやっと通り抜けられる空間もあれば、子供でも狭いところもある。設計に際し、手塚氏は「どこまでタンコブをつくっても大丈夫か」を考え、「どこにタンコブがよくできるかウチの子で調べた」とのこと。

梯子階段で上がりきった屋上より、階下中央部を見下ろす。

建物名の"Ring Around a Tree"とは、建物を見たSir.ピーター・クックによる命名とのこと。

この場所には元々は動物舎があった(下の画像2枚は2007年5月の見学会の時のもの)。今は上画像向かって右に小さなポニー舎が建てられている。

参考:2007年5月27日撮影時の同地。画像右側に写っているのがケヤキの木。

参考:2007年5月27日撮影時。
あの時は未だ園庭は茶色い土のままだった。

今ではこの通り、芝も育ち、見事な緑色。

《ふじようちえん》は経済協力開発機構(OECD)効果的学習環境センター(CELE)が出版する学校施設好事例集の最優秀賞に選ばれた、いわば"世界一の幼稚園"(参考:ふじようちえんブログ>園長先生喜びの声「なんと、文部科学大臣賞をいただきました」)。

園内には、同園が紹介された雑誌のほか、オリジナルグッズも並んでいた(デザイン:佐藤可士和)。園庭から教室に入る際の足拭きマットも佐藤氏のデザイン(そして4年前にも同じ写真を撮っていた)。

なお、前回の《豪徳寺商店街の階段ハウス》見学会に引き続き、今回も東日本震災復興支援のチャリティー見学会となった。

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