2011年11月28日月曜日

いえつく設計による、西荻窪の店舗兼住居 オープンハウス

<写真提供:いえつく>(※一部KENCHIKU編集部の撮影による写真を含む)
外観と出入口部分。


2階階段ホール。床には鉄道の枕木が使用されており、年月を感じさせる質感が心地よい。

2階リビング部分。奥のキッチンを経由して、店舗部分へと繋がる。
梯子はロフト部分へ、階段は屋上テラスへと続いている。
 店舗部分。施主夫人のネイルサロン(Ricetto 伊語で隠れ家)となる予定。
店舗の外側・内側から撮影した様子。
 1階部分、玄関に備え付けられた靴箱。ベンチやテーブルにもなるという。
 玄関を入ってすぐ脇の寝室。将来は子供部屋も兼ねる予定とのこと。
(※写真ではプロジェクタ稼働中)
 1階部分より見上げた様子。
 
紹介するのは、西荻窪の駅近くに建つ店舗兼住居である。設計は「いえつく」という6人からなるクリエーター集団。彼らの7個目のプロジェクトとなる。

1階部分は寝室、2階部分は店舗兼リビングとして設計された。あえて2階部分を店舗としたのは、人の流れを1階部分で終わらせずに2階部分まで「招き入れる」ため。積極的に人と繋がることを仕掛けたいとのこと。玄関から店舗までの通路を土足可能としたことによって、家の内部と外部の中間層のようなラフに開かれた空間となった。玄関脇に添えられたベンチが日本家屋の縁側のようにも感じられた。通路部分は開口部の多い吹き抜けとなっており、1階の土間の敷石や2階の床に使われた鉄道枕木(オーストラリアの線路で実際に使われていたもの)も、内外部の緩やかな連続性を表現するのに欠かせない要素と言えそうだ。訪問者にくつろいでもらうために外部的なしつらえを積み重ね、さらにSET*という体感温度による温熱環境の検証も行ったそうだ。小さな沢山の仕掛けで、通りがかった人が気軽に入れるような開放的なスペースとなるそう。
 工事中に掲げたメッセージボード。
 地域の人々より寄せられたたくさんのメッセージ。
 
今回は「通りに住まう」をテーマに、地域とのコミュニケーション―「ご近所付き合いのデザイン」に視点が置かれた。

昔からその地域に住む人々にとって、新しく越してきた家族の人物像は多かれ少なかれ気になるところ。また工事期間中の騒音等が問題となり、入居前の時期から住民間のコミュニケーションに壁が出来てしまう例も少なくないという。

いえつくでは家が完成するまでの期間を、新しい住み手と地域コミュニティとが交流を深める期間と捉え、(建築には欠かせない)建築計画のお知らせ看板や地鎮祭、養生シートで閉じている期間等を、近隣に住む人々と積極的に関わるチャンスにつくり変えた。2階部分で施主夫人がオープン予定のネイルサロンが既に近隣の人々からの予約がすでに入っていることからも、その効果の程が伺えるのではないだろうか。*コミュニケーションデザインはPEA...というデザインユニットと協働。


都市での孤独感が問題となる昨今、コミュニティデザインの重要性が改めて問われている。問題への回答として、今後もコミュニケーションを重ねていくことによって“都市の縁側”のような存在となればと、設計担当者は語った。

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