2011年12月27日火曜日

清水建設東京木工場見学ツアー レポート

江戸時代より木材問屋が軒を連ねた東京都江東区・木場にある清水建設東京木工場。今回チーム・ティンバライズの主催により、同木工場の見学ツアーが開催された。
清水建設は1803年の開業から今年で創業217年をむかえる。東京木工場は清水組切組場として1884年に開設され、今年で127年目。越中富山の大工だった創業者・清水喜助のルーツを残そうという方針から大手ゼネコン5社の中で唯一木を扱う部門を持ち、宮大工の頃から培われてきた木工技術を大切に、常に技術革新を続けている。

現在は東京木工場のみで使用されている、マル喜のロゴマーク。(参考リンク:「清水建設の歴史」)



 


木工場は2400坪という広さで、設計・製作・施工・メンテナンスまでを一貫して行っている。その他、加工時に機械から出た微塵を再利用したバイオマス(カーボンエネルギー)の研究も進行中。発電量は1kgあたり1kwで、木工場で使用される電力の10%程を補っているという。オフィスで出されるシュレッダーの紙ゴミを再利用する研究も進んでいる。以下、同木工場が誇る主な技術を紹介したい。


■単板検収
単板とは厚さ0.21.5mmという薄さで紙状にスライスされた木材のこと。11枚検査・選別された単板は、ベニヤ板等の台板へと貼り付けられる。図面通りかつ木目に違和感が無いよう仕上げるため、単板が何枚必要かを正確に計算し、木目と単板の両端が可能な限りまっすぐ平行になるようカットするには熟練された技が必要。
稀少木材の単板も保存されている。

■練り付け
台板へ検収された単板を貼り付ける作業を「練り付け」という。同木工場にはさまざまな材種の単板が保管されているが、癖やプレス後の伸縮の程度は材種によって異なる。各単板の特徴を見極め、伸縮率を計算に入れた上で単板を配置していく技術が必要である。曲がった木ほど枚数が増えるそう。

写真左では、合計10枚の単板が練り付けされている。天然木目の変化は、写真右のように斜めになるのがポイント。プリントではこうならない。(写真右はブラジリアンローズウッドの単板練り付け)


■木取・加工
木取とは丸太等を使用目的に適した大きさに製材すること。木目や材質を合わせなければならないため、豊富な知識と長年の勘が不可欠だ。図面通りの形を造るためには、使用する刃物の形状から整える必要がある。数百種類も保管されている刃物の中から、図面の曲線に最も近い形状を選りぬき、仕上がりをイメージしながらグラインダーで研ぎあげていく。

複雑な形をした刃。刃物屋に依頼せず、全て自社で整えている。


■造作
造作の基本的組立方法はあるが、造るものにより毎回形や材質が異なるため、その都度最適な仕口や加工方法が考案されている。丁寧さに加え納期に間に合わせることも勿論重要で、「キレイかつ早く」がモットー。全国技能グランプリや技能五輪で何度も優勝・入賞しており、その技術は世間に広く認められている。


多数の単板の種類と共に、木工技術についての展示もされている。工場の1階では「stream DEW 2011 清水建設 建築作品展」が開催されていた(20111215日~21日)


近年無垢材の人気が上がっているが、良い木を入手することが困難な場合も。無垢材ではなく、単板だからこその良さもあると、同木工場・田中氏は語った。
歌舞伎座の改修工事伊勢神宮の神楽殿でも、匠の技は存分に振るわれている。見学を終え、チーム・ティンバライズ理事長である腰原氏は、どのように木が使えるようになるのかを設計者がまず知り、設計者側から提案出来たらいい。また造り手と設計者が競い合いながら、一緒に新しいものをつくって行きたい、と語った。

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