2012年7月18日水曜日

ニコ設計室《三輪さんの家》オープンハウス

西久保毅人さんが代表を務めるニコ設計室によるオープンハウス《三輪さんの家》を見学。同事務所は先の東京建築士会「住宅建築賞」において作品《ISANA(いさな)》で上位入賞している。
杉並区内の閑静な住宅地にある旗竿敷地。地下1階+地上2階の木造住宅(一部RC造)。
長年、住んでいた建売住宅の建て替えで、隣接する生産緑地のグリーンを室内にとり込んだ住まい。

ステップを上がったところが玄関。
玄関の床は玄昌石。裸足になると解る程度の若干の凹凸がある石。
床の石張りはそのまま土間として右側の納戸、さらに奥のキッチン水まわりに続いている。
玄関横のトイレ。
玄関からの眺め。南面の生産緑地に対して大きく開かれた窓と縁側テラスが見える。
広々としたリビング。床はナラ材のフローリング。
 畳敷きの座でL字に囲んだダイニング。画像左側に置かれた4つは動かしてレイアウトを変えられる。テーブル天板の下は2センチほどの引き出しが収納されている。
キッチン。玄関と納戸から連続した玄昌石の土間はここまで。
施主の要望のひとつであり、設計者の西久保さんもこだわって最優先で確保したこの眺め。縁側テラスとの境の窓サッシは、網などが入っていない透明なガラスに。防火認定は防犯も兼ねて電動シャッターを設けることでクリアした。
縁側から降りたテラスから、1階外観。地面から1.4メートル上げたところが1階の床レベル。
地下の書斎。
半地下の壁面の要所に開けられた小窓が風の通り道になっている。
1階から2階への階段。地下から上がってくる空気が冷んやりとしてとても気持ち良い。この日(7/15)の都内最高気温は32.7℃を記録したが、室内は冷房なしでも快適だった。
2階にあがり、左側に居室が2つ。
2つの居室は施主からのリクエストのひとつだが、間仕切りは引き戸で、将来的に取り払うことも可能。
最初の居室から反対側の眺め。あえて引き戸を開け放って撮影した2階のトイレは壁は紫色。
ところどころの壁は紫、緑、黄色に塗装されている。洋服の裏地の色がふとした時にチラと見えるようなイメージの差し色。パステルのような淡い色は避け、生産緑地のグリーン(緑)の強さとのバランスを考えて配した。
2階の水まわり。
洗面台の前に置かれた椅子やベンチ、フラワーベースなどは、ニコ設計室が用意したもの。「何もないガランとした空間だと、見学者にこれから此処に人が住むイメージが沸きにくいから」と西久保さん。生けた花はそのまま施主にプレゼント。
洗濯機用水栓に引っ掛けられたオブジェも事務所のさりげない演出。
洗面台の反対側の浴室。バスタブに水を張った状態はオープンハウスでは珍しい。
窓の外はぐるりとテラスになっているが、当初のプランと異なる。上棟後に此処からの眺めを確認し、急遽変更に。
浴室を囲ったテラスには、居室側からも出ることができる。
テラスは屋上にもある。此処からの眺めがまた素晴らしかった。
設計:ニコ設計室、構造設計:桑子建築構造事務所、施工:有限会社匠陽


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