2013年3月15日金曜日

建築家フォーラム第118回展覧会 平田晃久「からまること/集まること」

京橋3丁目のLIXIL:GINZA7Fにて、平田晃久さんの展覧会「からまること/集まること」が開催されている。118回を数える「建築家フォーラム」に関連したもの。入場無料、会期は3/19(火)まで。
生きている世界は、もともと無関係なもの同士のからまり合いが、幾重にも連鎖してできている。建築もこの織物の一部としてとらえたい。「からまりしろ」という(平田氏の)造語はそういう建築のキーワードである。――会場内パネルの冒頭分より転載(カッコは編集部註)。

会場は大きく3つに分かれ、 震災前後2~3年の間の作品を段階的に展示、最近の平田氏が考えていることなどもまとめている。

最初の展示は初期の比較的小規模の住宅作品および集合住宅のプロジェクト。
2011年の作品「coil」(年表記は会場パネル表記に準じる)。ウナギの寝床のような敷地に立てられた3本の柱を中心に、階段とも床ともいえないものが絡みついている建築。会場では室内の情景を映した動画も上映中。
2009年に始まった集合住宅プロジェクト(以下PJ)「Tree-ness House」。ところどころに樹木が植えられている。

次に、台湾における3つのプロジェクトを紹介。
2011年に台湾高尾市における「マリタイム・カルチャー・アンド・ポピュラー・ミュージックセンター国際コンペ(高雄海洋文化及流行音楽中心)」で2等となった「Foam Form」より、高尾港に注ぐ河川の上に架かる橋のイメージとウレタン模型。

1等に選ばれていれば、水の中からはこのような眺めが。
海と河のからまり、陸と橋のからまり、橋を渡る地元住民と観光客とのからまり、など。

対面の2作品は、惜しくも2等となった上記提案をみたクライアントから依頼されたもの。共に台湾にて。

台湾の金山温泉郷で進行中の「Hotel J」(2011-)は、建物がひとつの渓谷を形成しているかのようなリゾートホテル。
参考リンク:「ケンプラッツ」NET-K記事2012.2.15(注/記事詳細を読むには会員登録が必要)。

台湾におけるもうひとつのPJ「Taipei Complex」の断面CG。

提案図のイメージを見ると、大型のアート作品を配置することも想定しているようだ。日本では今や建てられない規模のヴィラ。芸術と建築、緑と人、さまざまなからまり。

昨春「第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」日本館展示において、伊東豊雄、乾久美子、藤本壮介氏らと共同出展した「みんなの家」が金獅子賞に選出されたことは、未だ記憶に新しい。昨秋実施された釜石市のプロポーザルで、平田氏は幼保一体施設「こども園」と集会所を併設した災害復興公営住宅の設計者に決まった。会場ではこの最優秀案の設計プロセスと模型を見ることが出来る。
大小いくつかの箱の連なりの上に、大きな屋根を架け、空間を共有。建設予定地の地形から風の流れのシュミレーションも行なった。
「小さい集まる空間をまとめながら、住宅全体としてのコミュニティを創出するという集合住宅として新しい提案を行なっている点や、地形を読み込んで防災公園のあり方を示した点、周辺地域への開放性の面から釜石の顔、また復興のシンボルとしてふさわしい点が評価された。」――平成24年度釜石市災害復興公営住宅(東部地区天神町)建設工事設計業務委託プロポーザル評価書類より転載。
「建築の襞(ひだ)」や「からまりしろ」などに言い表される平田氏の設計思想は、著作『建築とは<からまりしろ>をつくることである』(LIXIL出版、2011)に詳しい。そういえば、同書刊行記念トークイベントは、震災がおきた日に行なわれる予定だった。19日(火)に古谷誠章氏をホストに開催される講演会では、震災を経たその後の平田氏の考えが聴けそうだ。


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