2013年3月16日土曜日

金沢 建築&アート彷徨記

朝8:20に羽田空港を立ち、空路金沢へ(3/9土)。金沢21世紀美術館で3/17(日)までの企画展「ス・ドホ|パーフェクトホーム DO HO SUH PERFECT HOME」が目当て。
オープン247日めで入場者数100万人を突破した金沢21世紀美術館は来秋オープン10周年を迎える。設計はSANAAのお二人(妹島和世+西沢立衛)。
本多通り口(東口)正面。
金曜と土曜は夜の20時まで開館している。「ス・ドホ展」と「ソンエリュミエール、そして叡智」の共通観覧券(1700円)を購入、日没後に再び訪問。
館外から、ミュージアムショップ2の眺め。
入場無料のデザインギャラリー(画像右側)では、津村耕佑氏による「フィロソフィカル・ファッション 1:FINAL HOME」も開催されていて、見所満載。
柿木畠口(南口)脇のアートライブラリー
西の市役所側。
日中は団体客も訪れてチケットカウンターに列をなすが、夜は来場者も少なく静寂に包まれる館内。建物だけでなく、L.エルリッヒ「スイミング・プール」やJ.タレル「ブルー・プラネット・スカイ」などの恒久展示作品の昼夜の違いも楽しめる。
なお、館内は条件付きで撮影可能なエリアもあるが、ネット掲載は同館規定で不可。

ス・ドホ展」は学芸員によるギャラリー・ツアーに参加したこともあり、殊更に面白かった。
展覧会図録は展覧会終了後の今月下旬発行予定。撮影はホンマタカシ氏、テキストを南後由和氏らが執筆。発売日までに館内ミュージアムショップで予約注文すれば送料無料。

3/9(土)午後には企画展「Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之」関連のファイナルイベント「ウクレレがいっぱい」も開催された。
ウクレレ愛好家による演奏と歌声が鳴り響く美術館内。13展示室に設けられたF.エルロによるステージ空間《サイコトロピカル・ランドスケープ》にウクレリアン関口氏(サザンのベーシスト)らが立ち、「Ya Ya (あの時代を忘れない)」ほかを演奏。
O.エリアソンの《カラー・アクティヴィティ・ハウス》を眺めながら、カフェレストラン"Fusion21"で、イベントの前後にランチ休憩。


香林坊から北陸バスで約30分、観音堂下車で《金沢海みらい図書館》へ。設計はシーラカンスKアンドH(堀場弘+工藤和美)。オープンは2011年5月。
エントランス壁面内観。
同館は「世界で最も美しい公共図書館ベスト25(FLAVORWIRE "The 25 Most Beautiful Public Libraries in the World")」に選ばれている。
1F受付に申請してルールを遵守すれば館内撮影可。


[5/10画像13枚追加、シーラカンスKアンドHさんに掲載許可をいただきました)

1F児童図書コーナーと天井見上げ(照明)。
2Fへは総合カウンター前の螺旋階段、エレベーター、もしくは1Fフロア奥の階段を利用。
 
画像は奥の階段途上のサイン。
螺旋階段・円筒状内の開口から、閲覧室方向の眺め。

2Fは一般図書のコーナー。天井高は12メートル。
奥に見える円筒状のものは1Fと2Fを繋ぐ螺旋階段とEVが納められている。
2F生涯学習コーナー。
月刊『新建築』2011年7月号掲載情報によれば、パンチングウォールに開けられた丸い開口は約6000個、柱の数は25本とのこと。
2Fから3Fへ続く階段上から、2F見下ろし。
3Fは地域情報フロアなど。
 
写真を撮っていて感じたのだが、椅子が乱れることなくテーブル下にビシっと収まっていて、非常に気持ちが良かった。利用者がきちんと片付けているのだろう。つい忘れがちな小さなマナーだが、とても大事。

地元にあったらいいなと羨ましくなる公立図書館。


翌日3/10(日)は雷鳴轟く雨天下を早足に歩いて《鈴木大拙館》へ。
設計は谷口吉生氏(谷口建築設計研究所)で、オープンは2011年秋(参考:開館を伝える「北陸経済新聞」10/19記事
玄関棟の正面。左右に開いた自動扉の向こうに「玄関の庭」の緑が見える。
玄関棟のファサード縦格子を透かして外を見る。館内は受付で申請すれば規定内での撮影が可能。
玄関棟・トイレ表示ほか。
建築は、「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」を回廊で結ぶとともに、「玄関の庭」「水鏡の庭」「露地の庭」によって構成されている(公式サイト施設概要より転載)。
展示棟へ続く長い内部回廊と玄関の庭(右)。大きなクスノキの古木が見える。
展示棟内、展示空間から学習空間および露地の庭。

左へ90度曲がると、玄関棟に繋がる外部回廊に出る。往路・復路で全く対照的な回廊となっている。
「水鏡の庭」と、独立した「思想空間棟」。
時折、魚が跳ねたような水音が聞こえる(魚はいない)。上記新聞記事に拠れば、定期的に波紋を生み出す仕掛けがあるとのこと。
敷地は加賀藩加賀八家のひとつで筆頭家老をつとめた本多家の下屋敷跡で、水盤に映る緑は北側に隣接する松風閣庭園のもの。
玄関棟に戻り、復路・外部回廊の眺め。
思想空間棟。
入口を含めて四方に開口があり、外の景色が四角く切り取られる。
水鏡の庭を縁取る回廊から、玄関棟見返り。
水鏡の庭の裏手(北側)には、中村記念美術館と石川県立美術館方面を結ぶ「緑の小径」が通じている。足下要所に低い外灯が配され、夜間はさぞ美しかろう。同館は通常17時で閉館するが、3/26(火)-27(水)は特別に18時から20時まで夜間開放される。
水鏡の庭への突き出し。
定期的に(ボコッ)と聞こえた水音は、この先あたり。雨音のない静寂な雰囲気に包まれた別の季節に再訪したい。

小径と階段を上り、《石川県立美術館》へ。同館公式サイト沿革に拠れば、谷口吉生郎氏の父・谷口吉郎氏が1959年(昭和34年)設計した当初の建物(石川県美術館)は既に無く、1983年(昭和58年)に新しく建て直した。
2008年(平成20年)の大規模改修で誕生した館内カフェ「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」でランチ休憩(引用:「北陸新聞」2008.9/12記事)。この後、《金沢21世紀美術館》へ徒歩で移動、津村耕佑氏によるアーティスト・トークを聴講。
ブランド・ロゴに込められているメッセージを質疑で初めて知る。
家のカタチを上下さかさまに2つ重ねているのだが、原子力の放射能標識からの引用でもあるそうだ。安心安全なHOME、対して立ち入り禁止・危険を知らせるアテンション、物事には二面性があるという意味。津村氏が「FINAL HOME」を立ち上げたのは1994年。2000年1月に青木淳氏が「住宅フォーラム」(INAX出版主催、後に12の対話集『住宅論 12のダイアローグ』として刊行)のゲストに招き、その席上で津村氏が「究極の家は服ではないか」と説明したブランド・コンセプトは、19年の時を経て些かもブレていない。

煙霧の影響か小松空港到着便が15分遅れたが、帰りは揺れもせずにランディング。

0 件のコメント: