2013年5月15日水曜日

湯島に「国立近現代建築資料館」オープン

ご近所にこのほどオープンした「国立近現代建築資料館」へ。こけら落としの企画展として、5/8(水)から「建築資料にみる東京オリンピック -1964年国立代々木競技場から2020年新国立競技場へ」が始まっている。

同資料館は、近現代の建築図面や模型等の資料の劣化、散逸、海外流出等を防ぐこと等を目的に設立された。名誉館長は安藤忠雄氏。「都立旧岩崎邸庭園」に隣接し、同施設の入園料(400円)でこちらも同日観覧できる。
《旧岩崎邸》からのアプローチ。洋館の一部と別棟《撞球室》では、今夏まで耐震補強ほか工事中。
展示会場は文化庁所属の「湯島地方合同庁舎」の2階にある。屋根の特徴的な形状からしてこの建物もちょっとモダニズムっぽい。
展示会場の入口(画像右のガラス戸の奥)。手前のフロアには、故・二川幸夫氏撮影による大判パネルが。
ワーキングスペースからの展示会場見下ろし。同館の資料室でもあり、ドーナツ状のガラスの什器の下や、壁面は収納スペースとなっている。
波形の既存天井はそのまま残したようだ。 月刊『新建築』2013年3月号に拠れば、展示会場は元は講堂だった空間を改修したもの。

今回の開館記念特別企画展「建築資料にみる東京オリンピック」 では、サブタイトルに「1964年国立代々木競技場から2020年新国立競技場へ」とうたっているように、第1部が「1964 国立代々木競技場」の素面や模型など建築資料27点、第2部は「意匠と技術 丹下健三・坪井善勝・井上宇一 競技場設計を担った三人の技師」と題して、関係者インタビューを含めた資料10点、そしてザハ・ハディドが最優秀賞を獲得して話題となった昨年の新国立競技場設計競技に入選した作品パネルが見られる三部構成。
「東京オリンピック会場施設模型」は5点で1セット(所蔵・資料提供:独立行政法人日本スポーツ振興センター)。
展示説明文に拠れば、開催決定後の昭和37年(1962年)に、海外でPRするために作られたもの。飛行機での持ち運びを意識したサイズで、トランク仕立てというハコの外側の造りは目を見張るものがある。当時の気概というべきか。
メイキング映像「屋内総合競技場本館建設技術記録」は見応えあり。2本のメインワイヤーを主柱間にわたす夜間工事の様子、吊り屋根が張られるところなど、26分ドキドキな展開(制作:清水建設(株)+(株)岩波映画製作所)。この映像を見たか見ないかで、出展されている坪井善勝氏による「円錐面回転サドル」模型へのまなざしも変わってくる。
ピクチャーレールで吊り下げられた「第二体育館建設過程写真」のパネルの後ろは白い収納棚。
フロア中央には新旧2つの大型模型が並ぶ。左手前は昭和32年(1957年)頃に制作された「国立霞ヶ丘競技場模型」の1/300石膏模型。右奥はザハによる1/500の「新国立競技場設計競技一等作品 風洞実験模型」。神宮球場や絵画館、銀杏まで再現されている。
展示第3部では、ザハ・ハディドアーキテクトをはじめ、ファイナリスト11組の透視図のパネルも出展されている。
入賞者(左から):Zaha Hadid(英国)のパネル3点、Cox Architecture(オーストラリア)、SANAA+日建設計(日本)、Populous(英国)、UNStudio(オランダ)/山下設計(日本)。
ほかTabanlioglu Architecture(トルコ)、Dorell.Ghotmeh.Tane / Architecture and A+Architecture(フランス)、梓設計(日本)、伊東豊雄建築設計事務所(日本)、(ドイツ)、仙田満+環境デザイン研究所(日本)の透視図パネルもあり。

開館時間は9:30〜16:30、本特別企画展会期中は無休。
平日の特別展示のみの観覧に限り、国立近現代建築資料館サイトから予約すれば無料(但し、旧岩崎邸庭園には入場不可。5/16追記修正:旧岩崎邸庭園から入場する場合には土日も入館可能、この場合の予約は不要。 なお平日の予約者は春日通に面した庁舎正門からの入場となり、旧岩崎邸側には抜けられないので注意。旧岩崎邸庭園と併せて観覧を希望する場合には、旧岩崎邸から入館のこと)。
展示会場を出た2Fの窓からは、隣接する《旧岩崎邸》の洋館と和館の屋根が見える。
洋館はいわずと知れたジョサイア・コンドルの設計。芝生の緑も美しいこの時期は、《旧岩崎邸》とセットの見学もおすすめ。

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