2013年6月21日金曜日

第121回建築家フォーラム「前田圭介|建築が生み出す環境について」

「むずかしいテーマをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」をテーマに開催している「建築家フォーラム」。121回めとなる今回、広島県福山市を拠点に活動している前田圭介氏(UID)をゲストに迎えた。本展「建築が生み出す環境について」は、前田氏にとっては東京では初めての単独展示となる。
前田氏は1974年生まれ、国士舘大学工学部建築学科を98年に卒業後、2003年に福山市にUID(UID一級建築士事務所)を立ち上げた。以来、西日本を中心に活動を続け、2009年竣工の《atelier- bisque doll(アトリエ・ビスクドール)》で2012年度・第24回JIA新人賞に選出されている(新人賞は保坂猛氏と共に2名選出)。また最近では地元福山は鞆の浦に建つ築80年の別荘《聴竹居》(設計:藤井厚二)の改修も手掛け、今夏完成予定で現在進行中。

会場はこれまでの LIXIL:GINZA のクリエイティブ・スペースから、西新宿にあるLIXILショールーム東京の7Fロビーに移り、待合や打ち合わせスペースとして使われる空間の壁2面に、UIDが手掛けた5作品のパネルが並ぶ。
2009年《森 × hako》はUIDの事務所や歯科医院などが入居した複合のテナントビル。 レイヤーの壁と開口越しに見えるこの美しい眺めを享受しながら、日々設計活動を行なっているというから羨ましい。

2011年《地表の家》は岡山県内の作品。山の斜面を宅地造成した雛壇状の土地に建つ。

上記2作品の間、会場奥のスクリーンでは、5作品のスライドショーと、実際に建物の中に入りながら撮影した動画を終日投影中(所要約15分)。
画面左から、2010年《森のすみか /nest》、前述の《atelier- bisque doll》、右奥はこども環境学会デザイン賞や、JCDデザインアワード2012銀賞を受賞した《Peanuts》(福山市つくし保育園乳児棟の増築)。

5作品の展示は、図面付きで作品概要を説明した小さなパネルと、幅1メートル80センチの大判パネルを繋いだ写真が1セットというシンプルなもの。写真も内観または外観の1カットのみ。これは、小さいお子さんからお年寄りまで幅広い年代かつ大勢のお客様が訪れ、長い時間を過ごすショールームのロビーという「立地条件」を、建築と人、建築と自然との距離感を大事にしているUIDとして読み解いたひとつの解。
1対1で作品と向き合ってもらうのではなく、座っている人の向こうに作品が見える、あたかも建築作品の中に人が入り込み、溶け込んでいるような光景となるよう、それぞれ写真を選び、サイズも決めた。
普段はLIXILの建材商品の展示も兼ねている壁面に囲まれたロビー空間に、施工時間(納期)等の制約もある中で、イチから、どのように展示するかも今回の課題のひとつ。展示パネルは木枠ではなく、ダンボールを用い、白いナイロンテープで小口を補強している。

会場では、大小のパネルがぴしっと面を揃えて並んでいる様と、天井付近との納まりにも注目して欲しい。断熱材として使われる青いスタイロフォームを角材として切り出し、白く塗装して補強材とし、上部からの照明の当たり具合を見ながら、角材の太さを決めていった。見事な施工ぶりは、母校・国士舘大の国広研究室および南研究室の学生達の奮闘によるもの。
会期は6/25(火)まで、入場無料。開館は10時から17時まで。
最終日には国広ジョージ氏をホストに講演会も開催される。こちらは有料、要事前予約。

0 件のコメント: