2013年6月26日水曜日

「NORWEGIAN ICONS TOKYO(ノルウェージャン・アイコンズ 東京)」開催中

代官山のヒルサイドフォーラムにて、ノルウェーにおける1940年から75年代の様々なデザインを紹介する「NORWEGIAN ICONS TOKYO(ノルウェージャン・アイコンズ 東京)」が開催されている。
デンマーク、スウェーデン、フィンランドと並び、スカンジナビアデザインの一翼を担ってきたノルウェーでは、いわゆるミッドセンチュリーの時代に、革新的なデザインの家具やプロダクトが生み出され、数多くのデザイナーを輩出した。だが、北海油田から安定した原油収入を得るようになった1970年代は、国産デザインがないがしろにされ、デザインビジネスも衰退の一途を辿ったという。 本展では、改めてノルウェーデザインとその輝かしい時代にスポットをあてながら、貴重なヴィンテージを含む殆どの作品を販売する。会場配布のプライスリストのナンバリング数は314(うち2点は非売品)。
「NORWEGIAN ICONS」を立ち上げたのは、1963年にオスロに創業したカフェFuglen(フグレン)―その初代のショップを再現し、海外初進出店ともなった2号店「Fuglen Tokyo」を昨年5月に渋谷にオープンして話題となった―と、アートディーラー「Blomqvist(ブロムクヴィスト)」(上の画像は6/21のオープニングで挨拶する主催者)。今年1月のノルウェーを皮切りに、東京(本展)、年内にニューヨークへと巡回する。
第1室はミッドセンチュリーの装飾品が中心。
手前:Grete Prytz Kittelsen(グレーテ・プリッツ・キッテルセン、1917-2010)が1971年にデザインした、銀にエナメル加工を施したジュエリー。
第2室は、北欧の白樺の林をイメージした空間に、家具とアート作品を組み合わせて配置。但し本展では「白樺」ではなく黒く塗装した竹を用いた(会場構成:NORWEGIAN ICONS)。
Hans Brattrud(ハンス・ブラットルゥ、1933-)による曲げ木のラウンジチェア「Scandia Sr.」(1961年)。「Scandia」シリーズはブラットルゥが未だ学生だった頃に誕生した。
3脚の白いチェアは、Sven Ivar Dysthe(スヴェン・イーヴァル・デュステ、1931-)が1968年にデザインした「Popcorn」。ノルウェーのアートギャラリーの為にデザインされたものだが、1990年頃の改装時にデンマーク製のヤコブセンチェアと入れ替えという憂き目に遭う。ノルウェーの国産デザインとデザイナーがどのような位置に置かれてきたか、窺い知れるエピソード。
本展では、家具や食器、ダイニングセットなどが、壁に掛かったアート作品と共に、実際の生活空間で使われているようなイメージで再現展示されている。
日本ではあまり見かけない「Cigar Table」。半円の蓋を閉じると正円の天板になる。
デザイナーのRolf Rasta(ロルフ・ラスタ)とAdolf relling(アドルフ・レリング)は、オスロにRastad & Relling TEGNENKONTOR(ラスタ&レリング)を1943年に設立、1983年まで若手デザイナーの養成所のような役割を果たした。
ビョルン・エンゴ(1920-1981)が1955年デザイン(後に復刻)した器類と、壁にはエドヴァルド・ムンクの「マドンナ」をはじめ近代アートとが競演。ムンクはノルウェー近代絵画の父であり、今年で生誕150年。なお、本展主催者のひとつ[Blomqvist]は、ムンクを初めて扱ったアートディラーだそうだ。
最後の展示。
奥の写真は現代写真家のRune Johansen(ルネ・ヨハンセン)による「From sea the sky」(2008年)。あわせて5点を今回出展している。
会場で最後に興味深いエピソードを耳にした。1960年頃、日本橋にあった「白木屋」とオスロの百貨店の間で商品を含めた交流があった関係で、大規模な「ノルウェー展」が開催された(島崎信[武蔵野美術大学名誉教授]によるプレスツアーでの談話より)。その当時の会場の様子を撮影したアルバムが、東京巡回の数日前に偶然、オスロ市内の古書店で主催者のひとりであるPeppe Trulsen(ペッペ・トルルセン)氏によって発見された。表紙に竹を使った日本らしい装丁で、60年代当時の様子を伝える貴重なモノクロ写真が収められている。主催者の厚意でこちらも出展されているのでのでお見逃しなく(但し、非売品)。
また会場で販売され、隣接するTSUTAYA代官山にも積まれていたカタログ(3800円)も、デザイナー各氏と作品を紹介 していて読み応えがある。表紙やイメージビジュアルに使われている画像(白い山肌に描かれたノルウェー国旗)に関する説明は、P14-15に記載あり。

会期は7月7日(日)まで、会期中無休、開館は11~19時(最終日は16時閉場)。入場無料。6/28(金)の夜には島崎信先生(武蔵野美術大学名誉教授)によるレクチャーも開催される。
会期中イベントの情報など、公式FBにて随時情報発信中。

2 件のコメント:

職務経歴書の書き方 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

en さんのコメント...

弊サイトをご覧いただき、ありがとうございます。コメントまで残していただきまして、重ねて御礼申し上げます(長らく気付かずに大変失礼いたしました)。またご利用いただけるよう、担当者一同精進いたします。