2013年7月9日火曜日

ニコ設計室《山崎さんの家》オープンハウス

西久保毅人氏が代表を務めるニコ設計室によるオープンハウス《山崎さんの家》を見学。
サイトは、駅から続く賑やかな商店街を抜けて脇道に入った住宅密集地で、杉並区の新防火地域に属する。敷地面積は20坪ほどで、西側の前面道路も狭く、現行の法規に準拠するとさらにセットバックしなければならなかったが、昔からこの地に住んでいる近隣の人達と交流しながら暮らしていきたいと施主が希望したこともあり、外壁は極力設けず、外に対して開いた、かつ小ささを感じさせない住まいとなった。
木造二階建て。クリーム色の外壁は色をつけたモルタルで、表面を木ゴテで粗く仕上げたもの。
奥にやや長い土地に対して、建物を多角形の2棟で分け、結んだ真ん中に玄関を設けた。前面道路に面した西南のコーナー部分は、玄関アプローチに誘導するように斜めにカット、縁側が外に開いたベンチとなり、街と連続した庭のような空間となった。玄関前には復活させた井戸も。
1F玄関。
砂利敷きの土間に、弧を描いて嵌め込まれた、綺麗な青い丸モザイクタイルがアクセントに。
入って左側(前面道路側)が和室。
右に見えている、円形ドアノブが付いた扉の向こうはトイレルーム。
和室の奥に座り、開口部を通した外の眺め。L字の縁側が設けられ、家の外に対して開かれた一角。壁はポーターズペイント塗装で、施主と一緒に仕上げた。
和室から、敷地奥の見返り。
風が奥まで抜けて、気持ちが良い。
1F奥の部屋(寝室、将来は子供部屋に)。
床は杉のフローリング。こちらの壁もポーターズペイントで、施主と共に塗装。
1F水まわり。
手前が洗面室、洗面台は青いモザイクタイル張りのカウンター付き。スモークガラスの奥が浴室。
洗面室の床に置かれた踏み台は、後で出てくるこの家の大黒柱の余材。
1Fトイレルーム。
玄関脇の階段を上がり、2Fへ。片側は格子の棚付き。
階段途中からの見上げ。2本ある大黒柱のうちの1本。途中でカットされているのがわかるだろうか。これは本来ならば丸々1本使いたかったところ、住宅密集地につき搬入できないことが事前に判っていたので、泣く泣く切断して繋いだもの。
2F階段上がりぐち。小さい子供が誤って転落しないよう、腰高の引き戸が設けられていて、階段側から施錠できる。
大黒柱には予め「背割り」をすることで、乾燥や湿度による伸縮に対応できる。直径は30センチ近くもあり、寺社ならともかく、住宅レベルではなかなかお目にかからないサイズである。新防火地域に木造住宅を建てる場合、規定領域に耐火皮膜を施さなくてはならず、せっかく木を使っても壁や天井に塗り込められ、見えなくなってしまう。そこで、大黒柱に充分な「燃えしろ」をとることで、構造材としての基準をクリアし、かつ「あらわし」とした。

床はナラ材(オーク)のヘリンボーン寄せ木張り。周辺部には細かい半端ものがたくさん出たが、腕の良い職人さんが綺麗に仕上げた。
デッキの廊下とベランダを挟んで、奥にリビングが見える。手前の床から、ヘリンボーン仕上げ、デッキは内・外共にレッドシダー、奥の部屋は杉のフローリングと、色々な木を使い分けている。
2棟の間は、小さな光り庭になっている。
モルタル仕上げの壁に、葉の模様が掘り込まれていたりするのは、施工中に浮かんだアイデア。左官屋さんの指導のもと、ニコ事務所スタッフの皆で、庭に植えたナンテンの葉などを用いて作成した。中には葉をそのまま残したところも。此処だけではなく、家の中と外のあちこちで鳥(鳩)のレリーフも見られる。
また所々にセンスの良い小物が置かれているのは、ニコ設計室のオープンハウスならでは。
2Fリビングダイニング。大黒柱については前述の通り。
ダイニングテーブルはナラの集成材。テーブル下は、コンクリではなく、フレシキブルボード(繊維強化セメント板)を用いて柔らかな味を出した。
カウンターと壁にモザイクタイルを貼って仕上げたキッチン。シンク下の配管は、扉材と同じ木で囲って隠し、多角形の棟のコーナーに位置する左端は、三角形の引き出しを造作してムダなく収めた。
 
階段を上がると、上は三角形のロフトになっている。
ダイニングテーブルに座って見学者と談笑しているのが、西久保毅人さん。

ニコ設計室のブログ「ニコの気づきとカンサツ」には、地鎮祭以降の設計エピソードが記録されているので、ご参考まで。

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