2013年7月22日月曜日

Qusamura Window Gallery にて「植物と建築」展 開催中

六本木にある現代アートギャラリー[hiromiyoshii roppongi]の、芋洗い坂に面した空間に、このほど新たに「Qusamura Window Gallery」が誕生した。
「Qusamura Window Gallery」は、広島に昨年オープンした植物屋「叢 - Qusamura」と、建築家とのコラボレーションの場。ギャ ラリー[hiromiyoshii]のオーナーである吉井氏が、有名なアートコレクターから「叢」を紹介され、店主の小田氏のセンスに惚れこみ、「叢」の更なる魅力を引き出し、伝えるプロジェクトの場として、常設でスペースを設けた。

第一弾は、建築家の谷尻誠氏(SUPPOSE DESIGN OFFICE)を起用。企画展「植物と建築」が7/11(木)より始まっている。
」店主の小田康平氏は、一般の市場では商品とみなされなかったもの、大量生産されていない1点ものの植物の中に、新たな魅力を見出し、世に送り出してきた。傷があったり、一部が枯れていたり、突然変異した多肉植物の中に、生命としての力強さや美しさを感じ取り、小田氏が云うところの『いい顔』をした植物を、それぞれの個性に見合った鉢とあわせて提案している。鉢は、茶器も手掛けている作家に依頼して焼いた特注品。

下の画像で例えると、右端のサボテンは、生長点異常により不思議な造形になったもの。(銘『竜神木綴化』)。その左隣のズッキーニに黄色い花が咲いたような植物は、ハシラサボテンに別種のサボテンを接ぎ木したもの。接ぎ木している先端のサボテンは、葉緑素が抜けてアルビノ化している(銘『黄金連山』)。
ほかにも親木としてたくさんの枝を切り取られたもの、頭頂部をえぐられて子吹きを促されたものなど、業界の従来の価値観では売り物には適さないとされてきた植物ばかり。だが、名付けられた銘からは、育ての親の深い愛情が感じられる。
「Qusamura」の〝Q〟は『Question』からとられている。「個性的な叢の植物たちに出合ったとき、『これ、なに?』と初めに不思議を感じ、〝?〟から叢の世界観に入ってほしい」という、小田氏の願いが込められている(「叢」公式サイト>理念(コンセプト)より引用)。

谷尻氏は今回、展示台をデザイン。
「あくまで主役は植物なので、その場にそっと在る程度でいいと考えた」と谷尻氏。植物が並ぶ波板状の天板や受ける台座は、塗装などせずに鉄の素材をそのままに。また「叢」の植物たちから感じた「ある種の違和感に見合う」什器にしたという。「見る人の目には、先ず植物が飛び込んできて、後になって『あれ? この什器、なんだかおかしいぞ』と気付く。つり合う筈がないのに、つり合っている状態。そんな『いい違和感』を表現した」とのこと。
会期終了日は未定だが、会期中に売れた植物は入れ替えがあり、植物も日々生長するので、初日の画とは異なる展示になっていく筈。ギャラリースタッフによれば、「搬入時から少し変化しているように見える」とのこと。また小田氏によれば、ハシラサボテンなどは現地では数メートルに生長するそうで、前述『黄金連山』は、その爆発的なエネルギーを先端部分が凝縮して受けているので、今後の変化が楽しみな鉢なのだそうだ。
什器の波板状の天板と、受ける台座は接点で溶接されている。実際のシーソーのように、天板上に置かれた植物の配置と重量で、支点の右と左がちょうどつり合うアイデアも当初はあったらしい。

7/11(木)のオープン初日には、小田康平氏と谷尻誠氏とのトークイベントも開催された。会場は立ち見も出る満員御礼。
トークの間、小田氏が何度も「カッコイイ植物」という表現を使っていた。氏の考え方、ターニング・ポイントとなったエピソードなどは、トークイベント会場にも足を運んでいたジャーナリストの加藤孝司氏によるインタビュー記事が詳しい([excite.ism] 20130.5.14掲出)。

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