2013年8月2日金曜日

MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 《川崎の家(仮称)》オープンハウス

原田真宏氏、麻魚氏の二人が共同代表を務める、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(マウントフジアーキテクツスタジオ)が手掛けた住宅を見学。
敷地は北西から南東にかけて緩やかな傾斜がついていて、目の前に空き地と緑が広がっている。かつては川崎市の市街化調整区域だったが、周囲には住宅が建ち始め、この景観がこれから段階的に変化していくことが予想されるという。「そんな“はざかい”に建つ住まいを考えることは、とても面白い経験だった」と原田真宏さん。
約638平米の敷地面積に対し、建築面積は226.6平米、延べ床面積は 455.36平米。地下1階+地上2階建てのRC造(一部鉄骨造)。
横に長い、三層の住宅は、長方形と平行四辺形を互い違いに積み重ねたような、原田さん曰く「アルファベットのNをイタリックにしたような」フォルムをもつ(作品模型画像提供:MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)。
南東側、アプローチからの眺め。画面右奥にスロープが設けられ、建物1Fの裏手の玄関に続く。出入口は地下駐車スペースの奥にもあり。
前面の土地に住宅が建つことを想定し、背の高い目隠し擁壁をめぐらせている。 床は500角のシラス平板。多孔性のブロックで、舗装面温度抑制効果があり、うち水をした場合の保水力も高いとのこと。
地下玄関前。
全面ガラス壁の向こうに、上階への階段が見える。
玄関室内部。
シラスブロックがそのまま内部に連続している。
階段下から、上階見上げ。
片側の壁に対して、少しだけ斜めの角度がついている。
1Fは吹き抜けの大空間。2Fのテラスからの光が差し込み、白い天井と壁にバウンドして、柔らかい光を内部にもたらす。
空間を大きく斜めに横切るコンクリート壁の向こうに、長い廊下を挟んで、ダイニングキッチンなど7部屋が横居一列に並んでいる。

「いかにもなRC打放しは、壁紙みたいで好きではない」と原田さんは言う。この作品では、コンクリート壁の表面にピーコンボルトの丸い穴がなく、さらりと綺麗な仕上がりとしている。 
オーク材のフローリングと、コンクリート壁との間の僅かな隙間は、冷暖房空調の噴出口。フロアのあちこちにさりげなく配置されていた。
1F北東側のつきあたり部分。

リビングと廊下を仕切る扉は、両面および小口までグレーに塗装された引き戸。開口部の小口はコンクリートの量感と質感の両方を見せている。厚400ミリの壁の間に、この大空間を支える柱やRC造の構造体などが収納されている。
廊下の片側つきあたりにある玄関は、外部のスロープに繋がっている。ガラスブロック越しの光がここでも柔らかい。
1F玄関前から、廊下の反対側の眺め。庭に通じるドアのガラス戸越しの光が差し込んでいる。
床はリビングと同じオーク材。
2Fへ続く大きなステップの直階段。
手摺りの柱は床に接しておらず、壁側で全て支えている。
2Fの階段上付近から、1Fの見下ろし。
1Fリビングルームの奥の窓は、90度の観音開きが可能。本作品を見学した際、階段を上がって地下から1Fに着いた時、ちょうど、1Fテラスに出ていた原田さんが片手で悠々と窓を開けているところだった(光景に見とれて撮影を失念)。
テラスまわりや庭の植栽計画はこれからの予定。
全面ガラスを挟んで、外部のテラスと連続した2Fフロア。
落下防止も兼ねた強化ガラス(12t)のパーテーションが計5枚、ピシっと立てられている。ガラスとガラスのクリア寸法は10ミリ。床懐寸法は200ミリ。下からガッチリと固定されているとのこと。

本作品で使用したガラスの最大幅は3210ミリ。事前にメーカーに相談し、搬入・施工できるギリギリのサイズを検討した。
大空間を支える柱。
なんだかクルーズ客船の煙突のようにも見える。
2Fは建物の内と外でフローリングの幅と流れの向きを揃え、空間の一体感をさらに助長している。内部は1Fと同じオーク材、テラスの材には硬質で水や湿気に強いクリの木を採用。表面は最低限の撥水処理を施し、表情豊かな木目をできるだけ生かした。
ガラス壁の間の細い4本の「縦桟」は、窓枠のようにもみえるが、実は構造上とても重要な柱である。無垢の鉄骨をそのまま見せているとのこと(構造設計はRGB STRUCTURE)。
本作品の施工は、1933年(昭和8年)の創業で、吉村順三、林雅子、内村昭蔵という巨匠建築家とも数々の仕事を共にしてきた(株)岩本組。流石の施工、目の保養になりました。

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