2013年9月5日木曜日

渋谷ヒカリエ8Fに「PAPER GAME CENTER」が期間限定オープン

渋谷ヒカリエ 8F 「8/ CUBE1,2,3」にて、企画展「PAPER GAME CENTER 紙のゲームからはじまるコミュニケーション展」が9/4(水)から始まっている(主催:かみの工作所/福永紙工)。
本展に参加したデザイナー・建築家は、エマニュエル・ムホー、スイッチデザイン、大日本タイポ組合、トラフ建築設計事務所、三星安澄、山中俊治の各氏(敬称略、アイウエオ順)。
本展のために考案された、紙による6つのゲームを実際に会場でプレイできるほか、併設のショップで販売もしている。子供から大人、一人から複数、多様に楽しめるゲームだが、たかがゲームとあなどることなかれ。

本展の会場構成は、出展作家の一人であるエマニュエル・ムホー氏。
色展開は大きく2色、緑(グリーン)と白色。緑色は本展のフライヤーやDMでも使われているイメージカラーで、例えばオセロや野球・サッカーなどのゲーム盤を想起させる色。
6つのゲームが並ぶ2つのブースから併設のショップにかけて、緑を基調とした正方形の色紙と白い紙が、廊下側に一列、天井から特殊な糸2本で吊り下げられている。
置かれた商品の色が映えるよう、ショップは白を基調としている。
反対側のプレイエリア側にムホー氏が配した色は、ゲームそれぞれに遊び方や結末があるように、濃淡さまざまな緑(グリーン)。緑から徐々に白く変化していく紙のグラデーションは、いかにもムホーさんらしい繊細な美しさ。 
エマニュエル・ムホー アーキテクチャー+デザインのスタッフによれば、サイズは750角、枚数は163枚、上質紙やタント紙など幾つかの用紙の中から、色味を重視して5種類ほどの紙を厳選したとのこと。色数は17だが、それ以上あるように見えるから不思議。

そのムホーさんがデザインしたゲームは「kamikado(カミカド)」。
日本ではあまり知られていないが、欧州を中心に世界中で楽しまれているゲーム「ミカド」を、ムホーさんらしいカラーリングで商品化した。
ルールは日本の「将棋崩し」と同じ。紙を幾重にも重ねたスティック41本を、綺麗に収められた箱から出して、テーブルに上にバラバラと散らしたら、他のスティックは動かさずに1本ずつ抜き出していき、数多くとった人が勝ち。

鈴野浩一氏と禿真哉氏が代表を務めるトラフ建築設計事務所が考案したゲーム「ビルディングパズル」。
ビルを模した箱の中に、部分的に道路が描かれた敷地パーツが9枚、折り曲げて組み立てるビルパーツが8種類入っている。形もさまざまなビルの柄はなんと箔押しで、単独でオブジェにもなるようにこだわった。先ずはこの8つのビルを形の合う穴に嵌め込んでいくパズルにチャレンジ。
穴のかわりに池がある公園を含む9つのパーツが準備できたら、敷地パーツに描かれた道路を繋げていく2つめのパズルがスタート(「水道管ゲーム」に似ているが、3×3の正方形を崩してはいけない、4車線になってはいけない等のルールがある)。20~30通りの正解があるらしいが、これが結構難しい。鈴野さんと禿さん曰く「諦めない、しつこさが大事」とのこと。

グラフィックデザイナーの三星安澄氏(ミツボシデザイン代表)による「トータス」は、記憶力と計算力(足し算)が問われるゲーム。
小さな紙コップの裏に1から10までの数字が、三角、四角、多角形など様々な柄と共に描かれていて、神経衰弱の要領でひっくり返しながら、同じ柄で数字を足して10になったら自分の得点として手元にひきとれる。最終的に手元のコップが多いプレイヤーが勝ち(例:「1」+「9」=2P、「1」+「2」+「3」+「4」=4P)。コップは「1」が9個、「2」が8個と小さい数ほど個数が多く、記憶力とたし算能力の両方に長けたプレイヤーほど有利。「10」は最後に卓上に残ったコップを全てもらえるJOKER的な役割のコップで、ひきあてれば、最後に大逆転もありうる。
コップは底に重心をもたせた造りで、ひっくり返す時にカポカポと音がする。
ミツボシデザインのテーブルは、出展作家中唯一、ルール説明書を兼ねていた。

三星氏の「トータス」が算数なら、プロダクト・インダストリーデザイナーの山中俊治氏の遊具は数学の領域。「関数標本」のフォルムは数式から導き出されたもの。
インボリュート曲線、円、放物線、正葉曲線の数値を段階的に変えていくことで得られたかたちが切り抜かれ、数値の順に積み重ねられている。小さなフレームに収められた「標本」を一度バラし、明記されたカタチを表す数式に従って、正確に積み重ねて遊ぶ。
オープニング・パーティでは、山中俊治教授の特別講義も即興で行われた。お題は螺旋と極座標→二枚貝と巻貝のなりたちについて。

秀親氏と塚田哲也氏の二人が1993年に結成した、大日本タイポ組合の作品「G.a.m.e」。
フォントは2種類、表裏の色が黒とグレーの文字ピース16枚で構成されたゲーム。16個の升目のゲーム盤にプレイヤー2名で対し、向きによって「G」、「a」、「m」、「e」に見える文字ピースを、移動・回転・反転させて「Game」という単語を先に成立させれば勝ち。但し、知らず知らずのうちに相手側に有利に並べていた、ということもあるので要注意。

大畑友則氏と瀧ひろみ氏によるデザインユニット switch design の作品「センコウハナビシ」。
 中心の火の玉を落下させないようにしながら、火花のパーツを付けていき、どんどん花火を大きくしていく。火を使わないで遊ぶ、紙の“線香花火”。

「PAPER GAME CENTER」展は、本展を主催した福永紙工によるプロジェクト「かみの工作所」の新製品発表会でもある。企画に際し、主催側からは特に指定はなく、「紙を使って遊べるゲーム」というテーマが与えられたのみで、あとは各組が自由に発想・デザインしたとのこと。

会場併設のショップでは、これらのゲームのほか、 同社がこれまで手掛けてきた「かみの道具」の数々を特別販売している。
トラフ建築設計事務所の「空気の器」や、寺田直樹/テラダモケイの「1/100建築模型用添景セット」、鈴木康広氏の「パラパラハウス」など。
PAPER GAME CENTER」のオープン時間は、13:30~19:00、会期は9/16(月・祝)まで。

なお、出展デザイナーによるトークイベントやワークショップが、9/7(土)と9/8(日)に行われることが追加で決定した。詳細は渋谷ヒカリエ8F[8/ CUBE1,2,3]サイト内の告知を参照。

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