2013年10月27日日曜日

家具デザイン展 [ものから関係へ] 米谷ひろし 藤原敬介 山本達雄 ― 内田繁

西麻布の(株)リラインスのショールーム内にある GALLERY le bain(ギャラリー ル・ベイン)で10/22(火)から始まった企画展:家具デザイン展 [ものから関係へ] は、内田繁氏と、氏のデザイン事務所(現:内田デザイン研究所)を出た米谷ひろし氏、藤原敬介氏、山本達雄氏による4人展。3氏は現在それぞれの事務所(トネリコKEISUKE FUJIWARA DESIGN OFFICE山本達雄デザイン)を構え、第一線で活躍中。

単純に「家具」をモノとして展示するのではなく、使う人間や、置かれる空間との関係性を考えて、というのが内田氏から提示された今回のお題。本展のために全て新作が用意された。
WHITE Phat Graphics の東白英氏が手掛けた本展ポスターを大きく引き延ばしたバナーが目をひく、ホワイエに置かれた2つの作品は、内田繁氏の作品「Cloud」と藤原敬介氏の作品「Before the Rain」。
藤原氏は今回、主に塗装をテーマに制作に取り組んだ。「Before the Rain」はアクリルの下地にガラスビーズをびっしりと張り付けた上から、銀鏡塗装を施した作品。
チェアの上と下はやや濃く吹き付け、グラデーションをつけた。作品名には、雨が降り出す前の“予兆”のようなイメージが込められている。

奥の壁に掛かった作品:内田繁「Art shelf series」は、棚という形式を超えた室内エレメント。
手前の作品:米谷ひろし「FOAM/均等と不均等の泡」
「FOAM/均等と不均等の泡」のモチーフは米谷氏が最近研究しているという“あぶく”。「石鹸を泡立てた時に出来るあぶくのように、常に不安定な全体性の中で、単に自然の複雑さへと起源を遡行する試みではなく、むしろ無機的で単調な要素を推し進めていった先にある、新たな有機の姿である。」――本展リーフレットより米谷氏のテキストの一部を転載。

言われてみれば、作品は下の方がやや小さくなっている。これはあぶくを観察してみるとわかる構造のひとつとのこと。作品は3つの光源でライトアップされ、白い床が淡い虹のような色に染まる。約10分間隔でライトが落とされ、白い姿に。

パーテーションを挟んで、左側(壁側)の作品:山本達雄 「光と影の境界線」、右側の作品:藤原敬介「Autum sunset」。

「Autum sunset」は前述のホワイエに置かれた「Before the Rain」とは対照的なカラフルなチェアだが、基本は同じ、特殊なガンを使いて表面に化学反応を起こさせる銀鏡塗装。その銀色の表面に、別の塗料を吹き付けて、本展開催時期にあわせて秋の夕暮れをイメージしたグラデーションをつけた。
チェアは2脚で1セット。事務所スタッフが用意した模型での説明の画が示す通り、2脚並べて、左から右に、寒色から暖色系の塗料を吹き付けている。
事務所スタッフに「チェアの素材は?」と質問した答えが「FRP」と聞いて、びっくり。金属の塊に見えるが、繊維強化プラスチックなので、持ち上げると当然ながら軽いらしい(ホワイエの「Before the Rain」はガラスビーズの分量で50キログラムくらいあるとのこと)。

山本達雄「光と影の境界線」。壁に掛かったシェルフと、照明器具を出展。
シェルフの扉に注視してほしい。真っ平ではなく、うっすらと影がついている=角度がついて“折れ曲がっている”のがわかるだろうか。扉面材は積層合板で、1層めまで刃を入れて、ギリギリの強度をもたせて“折り曲げて”いる。高度な職人芸に支えられた作品。

冒頭で紹介した内田氏の「Cloud」は、昨年8月に開業した浅草の《ザ・ゲートホテル雷門 by HULIC》のレセプション・ロビーの天井を飾るシャンデリアの発展形。
本展の会場構成は米谷ひろし氏。照明計画はY2 LIGHTING DESIGNの山下裕子氏。つるべ落としの陽が落ちた後、作品からさらなる魅力を引き出す。

会期は11/3(日)まで、10/28(月)休廊。開廊時間は11時から19時(最終日のみ17時まで)。入場無料。

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