2013年11月3日日曜日

末光弘和+末光陽子/SUEP.展「自然循環系の一部としての建築」11/4(月・祝)まで

南青山のプリズミックギャラリーで11/4(月・祝)まで開催されている、末光弘和+末光陽子/SUEP.展「自然循環系の一部としての建築」へ。
末光弘和氏と末光陽子氏の二人が代表を務める株式会社SUEP.による企画展。 周囲の自然からシャットアウトした従来の高気密・高断熱で閉鎖的な建築思想に警鐘を鳴らし、自然に対してより開かれた、循環系統の一端をも担うような、今後あるべき建築の姿が提唱されている。
会場では、光、水、風といった目に見えない環境情報を、模型、パネル、映像を使って来場者に解りやすいように視覚化している。
手前:「二重屋根の家」
2012年2月竣工までの様子は事務所が開設している「現場blog」で辿ることができる。
奥および腰壁の上のスタディ模型:「ORIGAMI HALL」。
「ORIGAMI HALL」は、2011年のプロポーザルで最優秀賞に選ばれた佐賀県の「嬉野市社会文化会館」のこと。ミウラ折りと呼ばれる幾何学をホールの屋根に転用している。コンピュテーショナル・デザインを手掛けるスタジオ Ans studio が開発したオリジナルの音響最適化プログラムから得られたデータをもとに、最適な音響効果が得られる屋根の形状に収斂させていった(音響設計は永田音響設計)。

地熱を利用した2010年竣工の住宅「Kubomi」の1/50縮尺模型。

都内の木造住宅密集地で進行中の「光壷の家」(参考:同作品の現場blog)。7つの異なる“壷型”空間から成り、模型は各室の温熱分布をそれぞれ示す。

「地中の棲処」は高低差のある斜面に建つ住宅。躯躰の表面温度をコントロールすることで、エアコンなしでも快適な室内環境をつくり出す。模型の側面では地中の温度分布を図示。

本展終了間際だが、新たに模型が1点追加されている。
「嬉野市立塩田中学校」は、前述「嬉野市社会文化会館」と同じ中州の低地がサイトで、ショッピングセンターを挟んで建設される予定。ほぼ同時期に別々に実施されたプロポーザルだったが、中州全体の防災構想およびランドスケープ案を絡めて提案したSUEP.が勝利した(2作品とも進行中の現場blogあり、嬉野市立塩田中学校嬉野市社会文化会館)。

大川と浦田川に挟まれたこの中州は、水害に見舞われること幾度。10年に一度の割合で有明海の海水が浦田川を逆流、一帯が水浸しになってしまう(昔は水が上がる時期を利用した川港があった)。聞けば、佐賀は昔から治水行政に力を注いできたお国柄で、河川流域には当然堤防もある。だが万が一起こりうる水害を想定し、「嬉野市立塩田中学校」では建物を高床式に、普段はオープンスペースとして活用する中庭はサンクンガーデン状に掘り込み、非常時の貯水池にあてる。氾濫した水が貯水池に流れ込む間に、隣接する市役所と結んだ避難経路から、人々が土手の向こうに避難するという段取り。
緩やかに連続する「嬉野市立塩田中学校」の屋根は、周辺の古い街並みや山並みを意識した形状。降った雨は、屋根をY字に支える漏斗状の柱をつたってサンクンガーデンへと導かれ、建物の冷却効果を促す。
会期は明日いっぱい、開廊時間は13-18時。

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