銀座1丁目ガス灯通りにて、ファサードが立体的で目をひくビル。竣工したばかりと思われる。
北側側面の窓の開口も特徴的。東面の黒い壁も同じビルのもので連続している。平面はL字と思われる。
グレーがかってみえるパネルはパンチングの穴が無数に開けられ、白く残っているところが大小の花柄。
ビル名で検索した結果、設計はアマノデザイン事務所と思われる。そしてテナント募集中らしい。
2013年2月28日木曜日
2013年2月22日金曜日
松島潤平建築設計事務所《Qilin》オープンハウス
松島潤平建築設計事務所による個人住宅《Qilin》オープンハウスを見学。
作品名は「キリン」と読み、平面形状と内装の関係に由来している。約720平米の敷地面積に対し、予定された建築面積は約100平米。加えて、家屋の南側に増築予定地、工事搬入路と接道、広めのアプローチ、設備機器置き場と裏動線を確保することが求められた。さらに南面の庭と、駐車スペースを北側の屋根下に収めた結果、「Qilin」が自然とかたちづくられていった。
模型画像の手前がアプローチ、奥が庭と増築予定地。微妙な勾配がつけられた屋根下に、ワンルーム空間が緩やかに統合されている。
Qilinの前脚の蹄にあたるところが玄関。ウォークインクローゼットのスペース、水まわりをおさめた箱型空間、一番奥はベッドルームという配置。
1Fリビングとキッチン。南面の開口からは冬の日差しが差し込み、長い影を室内に落とす。
1Fリビング見上げ。薪ストーブで暖められた空気や、夏場に天井付近に溜まりがちな空気を循環させるシーリングファンが2つ回っている。
床の仕上げはオーク材の無垢、壁はラワン合板の乱尺張り(詳細後述)、天井はラーチ材。梁や柱には集成材を採用。なお構造設計はオーノJAPANが手掛けた。
総ステンレスのキッチンは、なんと奥様がデザインし、自ら図面もひいたという特注品。玄関前にあった黒いパイプ付きのクローゼットも同様とのこと。ご夫妻はデザイン業界にお勤めと聞き、成る程と納得。
薪ストーブ越しに、書斎の眺め。Qilinの後ろ足にあたるスペース。
書斎から、外の屋根付き駐車場に直接出入りできる。Qilinの前脚と後ろ脚の間にあたる。黒いパイプは駐輪バー。
書斎から、南側の眺め。「手の届く範囲の南面の庭」というのが、施主リクエストのひとつ。
L字のデッキは端に腰かけられて、かつ昇降に支障のないレベル。両端には、手摺りと布団干しを兼ねたバー(写真手前)と、ランドリーパイプ(写真左奥)を設置。天井にはソーラーパネルも。
東南側に突き出した、Qilinの首から胴体にあたるところの壁の上部は、庭に面して大きくハイサイドライトが開いており、また寝室へと続く廊下の天井は桟になっているので、光を取り込んで、室内のどこに居ても暗さを感じるということがない。
取り外し可能なスノコを敷いた寝室。部屋いっぱいにマットを敷いて家族が川の字で寝たいという希望を受け、清掃しやすく通気性も良いスノコを設えた。後から入れる予定の収納ボックスがすっぽり入る高さ。
壁材は150ピッチのラワン合板に、白色塗装を一度だけかけたもの。製造過程でどうしても生じてしまう合板の色味の差異を、逆に利用して、施主と相談しながら、モザイクをかけるように張っていった。「キリンの目立ちすぎる体の輪郭をぼかし、固体認識を紛らわせるようなあの網目模様の発生原理にも似た操作である」(配布資料より転載)。
玄関前のステップを上がったところから、ロフトと、寝室上部の眺め。 配布資料に書かれている通り、「中に入り込む光の強さで(壁の色の)濃さが変化」する。床や壁の白っぽい色に対して、天井扇やサッシの黒い色が、空間を引き締めるようなアクセントにもなっている。
ロフトの下は、白で統一された水まわり空間。
洗面室の洗面ボウルは2連。奥が脱衣所と浴室。
トイレの扉の白いドアノブは、施主が見つけてきた海外メーカーのもの。寝室で使われていた黒いドアノブも同様。
「設計者と施主、建築家とデザイナーの緊張関係が、空間図式とテクスチャのせめぎ合いへとそのまま転写された住宅が立ち上がった」(配布資料より)。
本作品は松島潤平氏にとっていわゆる処女作品となる。都心から2時間ほどかかるにも関わらず、現場は見学者で溢れていた。
作品名は「キリン」と読み、平面形状と内装の関係に由来している。約720平米の敷地面積に対し、予定された建築面積は約100平米。加えて、家屋の南側に増築予定地、工事搬入路と接道、広めのアプローチ、設備機器置き場と裏動線を確保することが求められた。さらに南面の庭と、駐車スペースを北側の屋根下に収めた結果、「Qilin」が自然とかたちづくられていった。
模型画像の手前がアプローチ、奥が庭と増築予定地。微妙な勾配がつけられた屋根下に、ワンルーム空間が緩やかに統合されている。
Qilinの前脚の蹄にあたるところが玄関。ウォークインクローゼットのスペース、水まわりをおさめた箱型空間、一番奥はベッドルームという配置。
1Fリビングとキッチン。南面の開口からは冬の日差しが差し込み、長い影を室内に落とす。
1Fリビング見上げ。薪ストーブで暖められた空気や、夏場に天井付近に溜まりがちな空気を循環させるシーリングファンが2つ回っている。
床の仕上げはオーク材の無垢、壁はラワン合板の乱尺張り(詳細後述)、天井はラーチ材。梁や柱には集成材を採用。なお構造設計はオーノJAPANが手掛けた。
総ステンレスのキッチンは、なんと奥様がデザインし、自ら図面もひいたという特注品。玄関前にあった黒いパイプ付きのクローゼットも同様とのこと。ご夫妻はデザイン業界にお勤めと聞き、成る程と納得。
薪ストーブ越しに、書斎の眺め。Qilinの後ろ足にあたるスペース。
書斎から、外の屋根付き駐車場に直接出入りできる。Qilinの前脚と後ろ脚の間にあたる。黒いパイプは駐輪バー。
書斎から、南側の眺め。「手の届く範囲の南面の庭」というのが、施主リクエストのひとつ。
L字のデッキは端に腰かけられて、かつ昇降に支障のないレベル。両端には、手摺りと布団干しを兼ねたバー(写真手前)と、ランドリーパイプ(写真左奥)を設置。天井にはソーラーパネルも。
東南側に突き出した、Qilinの首から胴体にあたるところの壁の上部は、庭に面して大きくハイサイドライトが開いており、また寝室へと続く廊下の天井は桟になっているので、光を取り込んで、室内のどこに居ても暗さを感じるということがない。
取り外し可能なスノコを敷いた寝室。部屋いっぱいにマットを敷いて家族が川の字で寝たいという希望を受け、清掃しやすく通気性も良いスノコを設えた。後から入れる予定の収納ボックスがすっぽり入る高さ。
壁材は150ピッチのラワン合板に、白色塗装を一度だけかけたもの。製造過程でどうしても生じてしまう合板の色味の差異を、逆に利用して、施主と相談しながら、モザイクをかけるように張っていった。「キリンの目立ちすぎる体の輪郭をぼかし、固体認識を紛らわせるようなあの網目模様の発生原理にも似た操作である」(配布資料より転載)。
玄関前のステップを上がったところから、ロフトと、寝室上部の眺め。 配布資料に書かれている通り、「中に入り込む光の強さで(壁の色の)濃さが変化」する。床や壁の白っぽい色に対して、天井扇やサッシの黒い色が、空間を引き締めるようなアクセントにもなっている。
ロフトの下は、白で統一された水まわり空間。
洗面室の洗面ボウルは2連。奥が脱衣所と浴室。
トイレの扉の白いドアノブは、施主が見つけてきた海外メーカーのもの。寝室で使われていた黒いドアノブも同様。
「設計者と施主、建築家とデザイナーの緊張関係が、空間図式とテクスチャのせめぎ合いへとそのまま転写された住宅が立ち上がった」(配布資料より)。
本作品は松島潤平氏にとっていわゆる処女作品となる。都心から2時間ほどかかるにも関わらず、現場は見学者で溢れていた。
ラベル:
オープンハウス
2013年2月15日金曜日
「ジオ・ポンティ コレクション展」と「建築家のドローイング展」
アルフレックス ショップ 東京にて〈Molteni&C〉「ジオ・ポンティ コレクション展」と「建築家のドローイング展」を同時開催中。
前者は、イタリアのモルテーニ社が昨春のミラノサローネで発表後、欧州を巡回した「ジオ・ポンティ コレクション」の日本巡回展。
1935~50年代にデザインされた家具―本棚、チェスト、ティーテーブル、パーソナルソファ、ミラー、ラグの復刻版。オリジナルはミラノのポンティ家に実際に置かれていたという。床の立体的にみえる青いタイルも展覧会の為に焼かれたもの。
アルミニウム磨き仕上げのMONTECATINI CHAIR 「D.235.1」は1935年の作。奥のパネルは、前述チェストやチェアの手描き図面。
モルテーニ社では過去の建築・デザインの名作に改めて着目し、作品およびエッセンスを後世に伝えるべく製品化するプロジェクトに取り組んでいる。本展はその第一弾。同社では一部の家具を除き、ポンティ家具作品の製造権を所有しており、本展ではプロダクトのプライスリストも用意されている。
「建築家のドローイング展」では、ジオ・ポンティをはじめ、カルロ・スカルパ、エットーレ・ソットサス、アルド・ロッシ、スーパースタジオ、フランク・ロイド・ライトといった建築界の巨匠の手による貴重なドローイング計31点を、間近に見ることができる(協力:京都 石屋町ギャラリー) 。
アルフレックスでは10年前にも同様の100点ものドローイング展を開催、完売したというから驚き。内覧会の時点で既にオーダーシールが貼られている作品も。
右側のリトグラフも、1979年のヴェネツィア・ビエンナーレに出展された、中世の劇場をモデルにしたアルド・ロッシによる劇場計画案の画。
アルフレックスの家具と共に、空間全体で、インテリアの一部として味わえるという、この贅沢さ。
図面も含めて3枚1セットでの販売となるライトの1910年のリトグラフ。
スーパースタジオ(Super Studio)の作品「niagara o l'architettura riflessa」(1970)、紙・オフセット。
テーブルの上と壁面共に、カルロ・スカルパの「CAPPELLIN社の為の照明ドローイング」。スカルパは1927年から30年にカッペリン・ムラーノガラス社に芸術顧問として在籍していた。
ノーマン・フォスター「ARC Table」のガラス天板を支えている本体部分。この腰から上の高さで眺めるとまた新鮮。
会期は2013年2月19日(火)まで、入店は11:00~19:00、入場無料。2月21日(木)からはアルフレックス ショップ 名古屋にも巡回予定。
協力:株式会社 LIXIL マナトレーディング株式会社
前者は、イタリアのモルテーニ社が昨春のミラノサローネで発表後、欧州を巡回した「ジオ・ポンティ コレクション」の日本巡回展。
1935~50年代にデザインされた家具―本棚、チェスト、ティーテーブル、パーソナルソファ、ミラー、ラグの復刻版。オリジナルはミラノのポンティ家に実際に置かれていたという。床の立体的にみえる青いタイルも展覧会の為に焼かれたもの。
アルミニウム磨き仕上げのMONTECATINI CHAIR 「D.235.1」は1935年の作。奥のパネルは、前述チェストやチェアの手描き図面。
モルテーニ社では過去の建築・デザインの名作に改めて着目し、作品およびエッセンスを後世に伝えるべく製品化するプロジェクトに取り組んでいる。本展はその第一弾。同社では一部の家具を除き、ポンティ家具作品の製造権を所有しており、本展ではプロダクトのプライスリストも用意されている。
「建築家のドローイング展」では、ジオ・ポンティをはじめ、カルロ・スカルパ、エットーレ・ソットサス、アルド・ロッシ、スーパースタジオ、フランク・ロイド・ライトといった建築界の巨匠の手による貴重なドローイング計31点を、間近に見ることができる(協力:京都 石屋町ギャラリー) 。
アルフレックスでは10年前にも同様の100点ものドローイング展を開催、完売したというから驚き。内覧会の時点で既にオーダーシールが貼られている作品も。
右側のリトグラフも、1979年のヴェネツィア・ビエンナーレに出展された、中世の劇場をモデルにしたアルド・ロッシによる劇場計画案の画。
アルフレックスの家具と共に、空間全体で、インテリアの一部として味わえるという、この贅沢さ。
図面も含めて3枚1セットでの販売となるライトの1910年のリトグラフ。
スーパースタジオ(Super Studio)の作品「niagara o l'architettura riflessa」(1970)、紙・オフセット。
テーブルの上と壁面共に、カルロ・スカルパの「CAPPELLIN社の為の照明ドローイング」。スカルパは1927年から30年にカッペリン・ムラーノガラス社に芸術顧問として在籍していた。
ノーマン・フォスター「ARC Table」のガラス天板を支えている本体部分。この腰から上の高さで眺めるとまた新鮮。
会期は2013年2月19日(火)まで、入店は11:00~19:00、入場無料。2月21日(木)からはアルフレックス ショップ 名古屋にも巡回予定。
協力:株式会社 LIXIL マナトレーディング株式会社
ラベル:
architecture,
art,
exhibition,
interior
2013年2月12日火曜日
南洋堂書店のウィンドー・ギャラリー
神保町の南洋堂書店では現在、松岡聡・田村裕希による超詳細図集『サイト 建築の配置図集』(学芸出版社。2013.01)のブックフェアと、原図展を開催中。通りに面したウィンドー・ギャラリーには、超精密なドローイングが出現。
本の表紙を飾っている「S」「I」「T」「E」のロゴは、それぞれ巨匠の作品の一部からとられている。
S=ヨーン・ボウ 《ルイジアナ近代美術館》、
I= ヨーン・ウッツォン 《キャン・リス》、
T=フランク・ロイド・ライト 《落水荘》
E =ル・コルビュジエ 《サン・クルーの住宅》。
今回のドローイングは、松岡聡田村裕希一級建築士事務所スタッフ/町田康氏の手による。
著書未収録の原図も見られる「サイト展」は、南洋堂書店4階の[N+]にて。会期は2/2(土)~2/16(土)、開廊12:00~19:00、入場無料。
本の表紙を飾っている「S」「I」「T」「E」のロゴは、それぞれ巨匠の作品の一部からとられている。
S=ヨーン・ボウ 《ルイジアナ近代美術館》、
I= ヨーン・ウッツォン 《キャン・リス》、
T=フランク・ロイド・ライト 《落水荘》
E =ル・コルビュジエ 《サン・クルーの住宅》。
今回のドローイングは、松岡聡田村裕希一級建築士事務所スタッフ/町田康氏の手による。
著書未収録の原図も見られる「サイト展」は、南洋堂書店4階の[N+]にて。会期は2/2(土)~2/16(土)、開廊12:00~19:00、入場無料。
2013年2月8日金曜日
NHK教育番組が企画展に発展、「デザインあ展」始まる
21_21 DESIGN SIGHTで本日8日に初日を迎えた「デザインあ展」内覧会へ。
グラフィックデザイナーの佐藤卓氏が総合指導を務め、 NHK Eテレで2011年から放送している教育番組「デザインあ」が発展した企画展。テーマは「デザインマインド」。会場での来場者のリアクションが、これからの放送内容にも影響するかも?
会場ではノンフラッシュでの撮影も可能で、ハッシュタグ[#design-ah]をつけてツイッターなどに投稿すれば、「デザインあ展」スペシャルサイトに画像が掲載される。
展覧会グラフィック:林里佳子氏(佐藤卓デザイン事務所)、会場構成協力:五十嵐瑠衣氏。参加アーティストは公式サイト参照。
展覧会ディレクターは番組同様、佐藤卓氏、ミュージシャン小山田圭吾氏、ウェブ・インターフェース・映像デザイナーの中村勇吾氏の三氏が務める(上の画像、右から順に)。
番組上で投稿を受け付けている作品:みんなの「あ」を前に三氏が挨拶。会場でも投稿箱を設けているので、展示は随時入れ替えていく予定。
壁に投影された「あ」に向かって体を動かすと、あわせて文字が変形し、参加者本人の姿も投影される、the ltd.の出展作品:動く「あ」。中村氏によるデモストレーション。
このように、佐藤氏が「誰にでも、どこにでもある」という「デザインマインド」を、全身で理解し、気付き、自分の中から引き出して、育んでいくことを期待している。
tha ltd.が映像を監修し、小山田圭吾氏が音をつけた「モノ・オトと映像の部屋」を抜け、ギャラリー2へ。手前から、「お寿司」、「本」、「器」、「お金」、「学校」の5つのテーマでデザインを観察してみよう。
雑誌のページをシュレッターにかけて色を抽出した作品「本の色」(出展:Perfektron)。商業誌ごとに色味が異なるのが目に見えて解る。
「器」のコーナー、佐藤卓デザイン事務所による作品「しょうゆをさす」。成る程、見えない中身の液体はこうなっていて、こうやって出てくるのか、と今更にして理解するオトナ脳。
右奥に見える「タワー」は、 studio note による作品「なんでも100円分」のうち、水道水100円相当量711.1リットルをペットボトルで積み上げたもの。
同じく佐藤卓デザイン事務所による作品、港区立赤坂小学校6年生の実際の持ちものや校内の備品類が一望できる作品「学校の解散」。
同「教室の作り方」。確かに、こんなフレキシブルな並べ方もありだと思います。
studio note「こすってみコイン」。世界中のコインが100枚! 会場で配布されるがまぐち財布のシートに擦り取ったコイン表面の模様を「持ち帰り」できる。
佐藤卓デザイン事務所と折形デザイン研究所による「おりがみ」。ふね、ふうせん、かぶと等の折形を映像で教えてくれる。所要時間は6~15分ほど。
こちらは「ふろしき」。球体の西瓜(スイカ)や、四角い本、円筒状の瓶などの包み方を体験できる。包み終わったら、ちゃんとほどき直して次の人にバトンタッチ。
「デッサンあ」では、端末上に描かれた画が場内スクリーンに投影され、他の人の画と一緒になってアニメーションのような映像に再編成される。佐藤卓氏がデザインしたロッテのクールミントガムのパッケージに描かれたペンギンがモデル。
plaplaxによる屋外展示:「あ」の広場。よく見ると、多数の株があちこちに植えられていて、会期中にどんどん成長し、変化していく「あ」。
場内では、伊東豊雄氏が出演した過去の回も見られるアーカイブコーナーもあり(番組「デザインあ」より)。老若男女を問わずに楽しめる、インタラクティブ35作品で構成。会期は6月2日(日)まで、会期中はワークショップなど関連プログラムも多数開催。
グラフィックデザイナーの佐藤卓氏が総合指導を務め、 NHK Eテレで2011年から放送している教育番組「デザインあ」が発展した企画展。テーマは「デザインマインド」。会場での来場者のリアクションが、これからの放送内容にも影響するかも?
会場ではノンフラッシュでの撮影も可能で、ハッシュタグ[#design-ah]をつけてツイッターなどに投稿すれば、「デザインあ展」スペシャルサイトに画像が掲載される。
展覧会グラフィック:林里佳子氏(佐藤卓デザイン事務所)、会場構成協力:五十嵐瑠衣氏。参加アーティストは公式サイト参照。
展覧会ディレクターは番組同様、佐藤卓氏、ミュージシャン小山田圭吾氏、ウェブ・インターフェース・映像デザイナーの中村勇吾氏の三氏が務める(上の画像、右から順に)。
番組上で投稿を受け付けている作品:みんなの「あ」を前に三氏が挨拶。会場でも投稿箱を設けているので、展示は随時入れ替えていく予定。
壁に投影された「あ」に向かって体を動かすと、あわせて文字が変形し、参加者本人の姿も投影される、the ltd.の出展作品:動く「あ」。中村氏によるデモストレーション。
このように、佐藤氏が「誰にでも、どこにでもある」という「デザインマインド」を、全身で理解し、気付き、自分の中から引き出して、育んでいくことを期待している。
tha ltd.が映像を監修し、小山田圭吾氏が音をつけた「モノ・オトと映像の部屋」を抜け、ギャラリー2へ。手前から、「お寿司」、「本」、「器」、「お金」、「学校」の5つのテーマでデザインを観察してみよう。
雑誌のページをシュレッターにかけて色を抽出した作品「本の色」(出展:Perfektron)。商業誌ごとに色味が異なるのが目に見えて解る。
「器」のコーナー、佐藤卓デザイン事務所による作品「しょうゆをさす」。成る程、見えない中身の液体はこうなっていて、こうやって出てくるのか、と今更にして理解するオトナ脳。
右奥に見える「タワー」は、 studio note による作品「なんでも100円分」のうち、水道水100円相当量711.1リットルをペットボトルで積み上げたもの。
同じく佐藤卓デザイン事務所による作品、港区立赤坂小学校6年生の実際の持ちものや校内の備品類が一望できる作品「学校の解散」。
同「教室の作り方」。確かに、こんなフレキシブルな並べ方もありだと思います。
studio note「こすってみコイン」。世界中のコインが100枚! 会場で配布されるがまぐち財布のシートに擦り取ったコイン表面の模様を「持ち帰り」できる。
佐藤卓デザイン事務所と折形デザイン研究所による「おりがみ」。ふね、ふうせん、かぶと等の折形を映像で教えてくれる。所要時間は6~15分ほど。
こちらは「ふろしき」。球体の西瓜(スイカ)や、四角い本、円筒状の瓶などの包み方を体験できる。包み終わったら、ちゃんとほどき直して次の人にバトンタッチ。
「デッサンあ」では、端末上に描かれた画が場内スクリーンに投影され、他の人の画と一緒になってアニメーションのような映像に再編成される。佐藤卓氏がデザインしたロッテのクールミントガムのパッケージに描かれたペンギンがモデル。
plaplaxによる屋外展示:「あ」の広場。よく見ると、多数の株があちこちに植えられていて、会期中にどんどん成長し、変化していく「あ」。
場内では、伊東豊雄氏が出演した過去の回も見られるアーカイブコーナーもあり(番組「デザインあ」より)。老若男女を問わずに楽しめる、インタラクティブ35作品で構成。会期は6月2日(日)まで、会期中はワークショップなど関連プログラムも多数開催。
ラベル:
design,
exhibition
2013年2月5日火曜日
手塚建築研究所《高床の家》オープンハウス
手塚建築研究所による《高床の家》オープンハウスを見学。
立地は東京の郊外、駅から徒歩20分ほどの閑静な住宅地。三方を隣家に囲まれ、南が道に面した敷地面積136平米に対し、建築面積は51平米。
作品名が示す通り、1階のレベルが大人の胸の高さくらいまで上がっている。この理由は後述。
これまでの手塚作品を雑誌などで見た上で、施主からの要望は「開放的な住まい」。手塚氏は設計前に敷地を見に来た際、取り壊しを待つ古い家が建っていて、印象が暗く、風通しもあまり良くなかった。「床を上げよう」と手塚氏がひらめいたのは、その時だという。
S造の地上2階建て、構造はオーノJAPANが担当。
床レベルを上げれば当然、住宅地の厳しい北側斜線規制を受けて、天井高が圧迫される。また1階2階共にオンドル式床暖房を採用したので、この設備スペースも確保しなくてはならない。そこで、家屋を敷地の真ん中に配し、北側に空いた土地は黒土の庭に。南側の駐車スペースと繋がった空間は、子供たちにとって格好の遊び場になるに違いない。
玄関は向かって右側。ウッドデッキの階段を上がり、1階には「乗船」するような感じ。外壁の仕上げは白の漆喰(ファインフォールデコ)。
1階長辺東側から 対面を見る。
手前がリビング・ダイニング、奥がキッチン。北(画像右)と南(画像左)は、腰高より上に大判のペアガラスが嵌った窓がそれぞれ4枚。風はもちろん、冬の長い陽差しがフロアの真ん中まで差し込んでくる。いずれはカーテンが付く予定。床の仕上げはパイン材、壁はプラスターボード+AEP塗装。
1階キッチンカウンターの中から、リビング・ダイニングの眺め。1階の天井高は2300ミリを確保した。照明は白熱灯の裸電球(照明計画:ぼんぼり光環境計画)。天井仕上げはプラスターボード+AEP塗装。
注/リビングに置かれた黒いキューブストーブの位置を覚えておこう。
1階 対面式キッチン。
床のスリットはオンドル式床暖房の噴出口。
キッチン裏がトイレ。便器の後ろ側に、2階への階段が設けられている。
階段で2階へ。四方は白く、ステップのみウッド。
2階の寝室。
1階と同様に、右(南)を見ても左(北)を見ても大開口。床レベルを上げている分、隣家の床レベルとは異なる視界を獲得している。天井高は2100。数字を聞けばギリギリの寸法だが、窓からの光が白く塗装した天井や腰壁に反射して、圧迫感を感じさせない。
写ってはいないが、寝室の天井から白い紐がぶら下がっている。天井白熱灯の点灯紐である。ダイヤルで調光可能な最新式なのだが、スイッチ点灯しか知らないきょうびの子供たちへ、あかりのオン・オフは手動でという手塚氏からのメッセージ。
2階にもオンドル式床暖房が入っている。今回の《高床の家》では、この床下設備スペースを確保するのにとても苦労したそうだ。
部屋の奥に収まっている収納棚は可動式。いずれお子さんが増えて大きくなったら、パーテーションとして用いる予定。
2階から南西側の眺め。庇は白いテント膜。住宅密集地に建っていることを忘れさせる眺望。
2階寝室の南西のコーナーから、階段の見下ろし。この家にはあちこちにこのような借景のような「抜け」の空間がある。
2階 北側の廊下。合わせて10枚の引き戸で部屋との間が仕切られている。
大判ガラスは空気層6ミリのペアガラス。木枠は堅いニヤトー材を使用。片手でなんとか開けられるよう、窓の下には百キロ単位の荷重に耐えうるステンレスの戸車が入っている。
今のところは狭くしている納戸スペース。左側の収納棚も可動式で、2階フロアは3つの空間に仕切ることが出来る。
2階洗面室と浴室。
階下のキューブストーブの煙突はここで貫通させている。
浴室。この大きさで、こちらの窓も可動式。
2階廊下の突き当たりに、2階と1階を繋ぐ外階段あり。
階段踊り場から、建物北面を見る。右側(北)が庭。外に出ると、隣家との距離がけっこう近いと改めて判るのだが、室内に居るとそれを感じさせない。いずれカーテンが付けば互いに気にならなくなるだろう。
1階に腰を下ろして、北側窓からの眺め。
「セオリーでは南側に大きく庭を設け、建物を北側に寄せるが、そうしてせっかく外部に開いても、車を停めてしまえば、室内からの眺めを塞ぎ、台無しになってしまう。そこを、ほんの少し床レベルを上げることで、眺望、通風、採光といった、楽しいことが少しずつ増えていった。面白くなりそうなことが積み重なった、そんな住まい(現場を担当したH氏の談)」。その言葉通り、この立地条件で、この開放感は驚くほど素晴らしい。
立地は東京の郊外、駅から徒歩20分ほどの閑静な住宅地。三方を隣家に囲まれ、南が道に面した敷地面積136平米に対し、建築面積は51平米。
作品名が示す通り、1階のレベルが大人の胸の高さくらいまで上がっている。この理由は後述。
これまでの手塚作品を雑誌などで見た上で、施主からの要望は「開放的な住まい」。手塚氏は設計前に敷地を見に来た際、取り壊しを待つ古い家が建っていて、印象が暗く、風通しもあまり良くなかった。「床を上げよう」と手塚氏がひらめいたのは、その時だという。
S造の地上2階建て、構造はオーノJAPANが担当。
床レベルを上げれば当然、住宅地の厳しい北側斜線規制を受けて、天井高が圧迫される。また1階2階共にオンドル式床暖房を採用したので、この設備スペースも確保しなくてはならない。そこで、家屋を敷地の真ん中に配し、北側に空いた土地は黒土の庭に。南側の駐車スペースと繋がった空間は、子供たちにとって格好の遊び場になるに違いない。
玄関は向かって右側。ウッドデッキの階段を上がり、1階には「乗船」するような感じ。外壁の仕上げは白の漆喰(ファインフォールデコ)。
1階長辺東側から 対面を見る。
手前がリビング・ダイニング、奥がキッチン。北(画像右)と南(画像左)は、腰高より上に大判のペアガラスが嵌った窓がそれぞれ4枚。風はもちろん、冬の長い陽差しがフロアの真ん中まで差し込んでくる。いずれはカーテンが付く予定。床の仕上げはパイン材、壁はプラスターボード+AEP塗装。
1階キッチンカウンターの中から、リビング・ダイニングの眺め。1階の天井高は2300ミリを確保した。照明は白熱灯の裸電球(照明計画:ぼんぼり光環境計画)。天井仕上げはプラスターボード+AEP塗装。
注/リビングに置かれた黒いキューブストーブの位置を覚えておこう。
1階 対面式キッチン。
床のスリットはオンドル式床暖房の噴出口。
キッチン裏がトイレ。便器の後ろ側に、2階への階段が設けられている。
階段で2階へ。四方は白く、ステップのみウッド。
2階の寝室。
1階と同様に、右(南)を見ても左(北)を見ても大開口。床レベルを上げている分、隣家の床レベルとは異なる視界を獲得している。天井高は2100。数字を聞けばギリギリの寸法だが、窓からの光が白く塗装した天井や腰壁に反射して、圧迫感を感じさせない。
写ってはいないが、寝室の天井から白い紐がぶら下がっている。天井白熱灯の点灯紐である。ダイヤルで調光可能な最新式なのだが、スイッチ点灯しか知らないきょうびの子供たちへ、あかりのオン・オフは手動でという手塚氏からのメッセージ。
2階にもオンドル式床暖房が入っている。今回の《高床の家》では、この床下設備スペースを確保するのにとても苦労したそうだ。
部屋の奥に収まっている収納棚は可動式。いずれお子さんが増えて大きくなったら、パーテーションとして用いる予定。
2階から南西側の眺め。庇は白いテント膜。住宅密集地に建っていることを忘れさせる眺望。
2階寝室の南西のコーナーから、階段の見下ろし。この家にはあちこちにこのような借景のような「抜け」の空間がある。
2階 北側の廊下。合わせて10枚の引き戸で部屋との間が仕切られている。
大判ガラスは空気層6ミリのペアガラス。木枠は堅いニヤトー材を使用。片手でなんとか開けられるよう、窓の下には百キロ単位の荷重に耐えうるステンレスの戸車が入っている。
今のところは狭くしている納戸スペース。左側の収納棚も可動式で、2階フロアは3つの空間に仕切ることが出来る。
2階洗面室と浴室。
階下のキューブストーブの煙突はここで貫通させている。
浴室。この大きさで、こちらの窓も可動式。
2階廊下の突き当たりに、2階と1階を繋ぐ外階段あり。
階段踊り場から、建物北面を見る。右側(北)が庭。外に出ると、隣家との距離がけっこう近いと改めて判るのだが、室内に居るとそれを感じさせない。いずれカーテンが付けば互いに気にならなくなるだろう。
1階に腰を下ろして、北側窓からの眺め。
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