2025年12月4日木曜日

【太陽工業】サウジアラビア「アラムコ・スタジアム」の膜施工を受注──2027年アジア最大級サッカー大会の主要会場に

太陽工業株式会社は、ドバイ現地法人Taiyo Middle East LLCを通じ、サウジアラビア東部アル・コバール市に建設される「アラムコ・スタジアム」の膜部分の設計・製造・施工を受注した。同スタジアムは収容人数約4万7千人を誇り、2027年に開催されるアジア最大級のサッカー国際大会の主要会場となる予定だ。

有機的デザインと先進膜構造

アラムコ・スタジアムは、海岸の渦潮をモチーフにした有機的なデザインが特徴。太陽工業は、花びら状のアルミ屋根の間に取り付ける膜パネル、屋根内装膜、さらに上部屋根の膜部分を担当する。膜材には、耐久性と透光性に優れたPTFE膜を採用。軽量で構造荷重を大幅に軽減できるため、鉄骨構造の経済的設計が可能となるほか、自然光を拡散しながら取り入れることで照明使用を抑え、熱の蓄積を防ぎ快適性とエネルギー効率を高める。
PTFE膜は、ガラス繊維織物にフッ素樹脂をコーティングした複合材料で、世界初の恒久膜構造建築物である米ラバーン大学(1973年施工)にも採用された実績を持つ。長期耐久性が実証されており、色調や透光性の変化もほとんどない。

国際大会対応の設計
完成後は、2027年のアジア最大級サッカー大会で主要試合を開催するほか、FIFA基準を満たす設計により、2034年に予定される国際大会ではグループステージから準々決勝までの試合が可能。さらに、サウジアラビアのプロクラブ「アル・カーディシーヤFC」の本拠地としても利用される。
膜施工は2026年1月に開始し、同年6~7月の完成を目指す。太陽工業はこれまで、カタールのハリーファ国際スタジアムや米メルセデスベンツスタジアムなど世界各地で膜構造スタジアムを手掛けており、今回の受注で中東地域での実績をさらに強化する。
アラムコ・スタジアム概要
所在地:サウジアラビア、アル・コバール市
収容人数:約47,000人
施主:Saudi Aramco
設計監修:Populous
実施設計:Dar Al Handasah
構造設計:Maffeis Engineering
元請け:Six Construct Saudi & Al Bawani
膜面積:45,000㎡
膜素材:PTFE膜
膜製造:太陽工業 瑞穂工場(京都)、上海太陽工業膜結構有限公司
膜施工期間:2026年1月~6月
開業予定:2026年6~7月



太陽工業株式会社 
https://taiyomc-me.com/

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