国際交流基金(JF)が実施する「国際交流基金賞」の2026年度の受賞者が決定しました。
JFは「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ。」をミッションに、「文化芸術交流」「日本語教育」「日本研究・国際対話」を通じて、世界各地との人的交流を促進し、相互理解と信頼関係の構築を通じて、より豊かな国際社会の実現を目指す独立行政法人です。
JF設立の翌年の 1973 年から実施している本賞は、これまで学術や芸術等のさまざまな文化活動を通じて日本と海外の相互理解促進に顕著な貢献があり、引き続き活躍が期待される個人または団体に授与しています。
第 53回となる今年度は、内外各界の有識者及び一般公募により86件の推薦があり、有識者による審査を経て、建築設計事務所 SANAA、福武財団 名誉理事長 福武總一郎氏、ユディツィウム出版社に決定しました。10月21日(水)に授賞式を開催いたします。
■SANAA(サナア)(日本)
西沢立衛氏と妹島和世氏 ©SANAA
【授賞理由】
SANAAは、建築家の妹島和世氏と西沢立衛氏の共同主宰により1995年に設立された建築設計事務所である。「金沢21世紀美術館」(2004年)、「ニュー・ミュージアム」(2007年)、「ルーヴル美術館ランス別館」(2012年)をはじめ、国内外で数多くの文化・教育施設の建築設計を手がけてきた。内と外、さらには建築と環境といった境界を解体しシームレスに再構成するSANAAの建築では、人々と空間の多様で開かれた関係が結び直され、創造的な対話の場がもたらされている。近年の「ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館ナーラ・バドゥ館」(2022年)や「Taichung Green Museumbrary」(2025年)においても、SANAAが探究する「公園」のような空間のさらなる深化が示された。建築を通して相互尊重に基づく国際文化交流の基盤を創出し続けるその功績は、国境を越えた普遍的意義を有するものとして極めて高く評価される。今後の活躍も大いに期待され、まさに国際交流基金賞にふさわしい存在である。
金沢21世紀美術館 ©SANAA
福武總一郎氏
【授賞理由】
福武總一郎氏は30年以上にわたり、瀬戸内海の離島で数多くの美術館の開設やアートプロジェクトなどを展開し、「瀬戸内国際芸術祭2010」ではそれらを7つの離島と高松港エリアへと拡張させ、2025年まで6回の同芸術祭を総合プロデューサーとして成功に導いてきた。その拠点となった直島は世界に類のない「アートの島」として国際的な注目を集め、急速な過疎と高齢化の進む地域をアートから活性化させたプロジェクトは、海外からも高く評価されている。ベネッセ賞や福武財団などの取り組みを含め、現代美術を中心とした国内外の数多くのアーティストに作品の創造と地域交流の機会を提供し、国際文化交流の推進と国際相互理解の増進に多大な貢献を果たしている。
『和独大辞典』 © Iudicium Verlag
【授賞理由】
ユディツィウム出版社は、ドイツ・ミュンヘンを拠点とする人文学・社会科学の専門出版社である。1983年の設立以来40年余にわたり日本研究、東アジア研究、ドイツ文学、独語教育等の分野において、東アジアとドイツ語圏、特に日独間の学術交流を牽引し、幅広く翻訳文学や研究書、辞書、学術誌を多数出版してドイツ語圏における東アジア研究のプラットフォームとして持続的に研究と文化理解をサポートしてきた功績は高く評価される。特に四半世紀をかけて編纂・出版に携わった大著『和独大辞典』や、ドイツ語による数多の日本研究に加え、日本のドイツ研究者の研究書や学術誌、シンポジウム記録などの出版のいずれにおいても質の高い出版物を上梓し続け、国際的な文化学術交流に貢献してきた。
ベルリンジャパン・マーケットでの書籍紹介
©Sabine Sommerkamp
■国際交流基金賞とは
国際交流基金賞は国際交流基金設立の翌年である1973(昭和48)年から始まり、2026年度で53回目を迎えます。 本賞では、学術、芸術その他の文化活動を通じて、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に特に顕著な貢献があり、引き続き活動が期待される 個人又は団体を顕彰しています。
JF公式ウェブサイト:https://www.jpf.go.jp/j/about/award/






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