2025年10月28日火曜日

【日比谷花壇】 旧三笠ホテルを5年半ぶりにリニューアルオープン

日比谷花壇が運営する長野県軽井沢町に所在する重要文化財「旧三笠ホテル」が、約5年半にわたる保存修理工事を経て、2025年10月1日にリニューアルオープンした。同社は新たに指定管理者として就任し、歴史的価値の保全とともに、誰もが憩える文化交流の場としての再生を目指す。

旧三笠ホテルは1906年、実業家・山本直良によって創業された。ガス灯のシャンデリアや英国製カーペットなど、当時としては最高級の設備を備え、文化人や政財界の要人に愛された格式あるホテルである。1970年に営業を終了した後、1980年には純西洋式建築として国の重要文化財に指定され、年間約7万人が訪れる軽井沢の代表的観光地となっている。
今回のリニューアルでは、耐震補強を含む保存修理工事に加え、来場者の快適性を高めるための機能強化が図られた。歴史的意匠を損なうことなく、バリアフリー設備の整備や新たな施設の導入が行われている。館内には、ウエディングの前撮りや座談会などに利用可能な貸室、明治・大正期の雰囲気を味わいながらコーヒーやデザートを楽しめるカフェスペース、ホテルの歴史を伝えるオリジナルグッズを販売するミュージアムショップが新設された。また、レトロな衣装を着用して館内を巡ることができる貸衣装サービスも開始され、来場者にタイムスリップしたような体験を提供している。

日比谷花壇は、全国の公共施設運営で培ったノウハウと、花とみどりの事業から生まれるウェルビーイングな発想を融合させ、旧三笠ホテルを単なる観光地ではなく、心身の豊かさを育む文化交流拠点として位置づけおり、今後もその優美な歴史的・文化的価値を守りながら、多様な利用者に親しまれる施設として、地域社会との連携を深めていく方針だ。


施設概要
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢1339番地342
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌平日)


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