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2022年12月14日水曜日

「原広司 ー建築に何が可能かー有孔体と浮遊の思想の55年ー」展開催

文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島)にて「原広司 ー建築に何が可能かー有孔体と浮遊の思想の55年ー」が12月13日より開催される。これに先立ち12日に関係者による内覧会が行われた。
本展覧会では原広司+アトリエ・ファイ建築研究所から国立近現代建築資料館に寄贈された建築資料の中から、原広司作品の根源である「有孔体」と「浮遊」をテーマとした図面とスケッチを年代を追って展示している。
挨拶に登壇した原氏は「創作的な仕事に携わる者は新しいことをしなくてはいけない。」と述べた。
会場中央には本展示会の為に制作された模型と「伊藤邸」に実際に飾られていたオブジェが展示されている。
原氏が作成した伊藤邸模型

令和5年3月5日(日)まで

2019年11月1日金曜日

「吉田鉄郎の近代 モダニズムと伝統の架け橋」内覧会

国立近現代建築資料館にて、11月1日(金)から開催中の「吉田鉄郎の近代 モダニズムと伝統の架け橋」内覧会へ。


吉田鉄郎(1894—1956)は、東京中央郵便局(1931)や大阪中央郵便局(1939)などの日本近代建築の名作を残した「逓信省の建築家」として知られている。
本展では、吉田の住宅作品に鮮明に現れるモダニズムと伝統の相克と、この両者への「架け橋」を追求する彼独自の思想と手法を明らかにしようと努めている。



エントランス

展示は大きく4テーマに分かれている。
第1章「様式の模索」では、東京帝国大学入学以前の作品「富山県立農学校全景」や、大学時代の課題 立面図や断面詳細図から、大学卒業後逓信省で設計した電話局や郵便局の図面が展示。


第2章「住宅における「架け橋」の思想と手法」では、吉田の住宅作品にみる特徴である、上流層のライフスタイルに対応して様々な住様式への取り組みが見て取れる。
「馬場氏牛込邸」では和風の外観に洋室、庭園に面する室を雁行状に配置するなどの手法が取り入れられ、「朽木氏銷夏荘」では木造でモダニズムに挑戦している。「馬場氏烏山別邸」はフラットな屋根、水平性を強調する庇、白タイルを貼った外観をもつRC造で、和室には日本建築の伝統素材を用いられている。


第3章「逓信建築にみる「日本的な近代」」では、吉田の代表作「大阪中央郵便局」、「東京中央郵便局」を中心に、逓信モダニズムの精神が貫かれた、外務省や東京都庁のコンペ案も展示。
大阪中央郵便局 模型
外務省庁舎計画案 模型

第4章「近代の探求」では、震災記念堂や忠霊塔などの設計競技案や、海外交流の軌跡が辿れる。
吉田の著書とパスポートや手紙


川向正人氏(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
当館主任建築資料調査官 川向氏は本展の開催の理由を「1つは吉田の生誕125周年という節目に当たること。2つ目は、吉田が自邸に保管していた2,000枚に及ぶ建築図面が当館に寄贈される運びになったことだ」と説明。
「建築図面は近づいて細部まで見る方が多いが、一巡し最後に中二階で展示全体を俯瞰してみてほしい」と話した。


中二階から全体を見る

展示は2月11日(火・祝)まで。
期間中ギャラリートークも開催予定。
詳細はこちらを参照のこと。

2019年6月10日月曜日

「安藤忠雄 初期建築原図展――個の自立と対話」内覧会

国立近現代建築資料館では、安藤忠雄(安藤忠雄建築研究所)氏の「初期」建築資料である1990年頃までの手描きによる建築設計図面とスケッチなどを用いて、「安藤忠雄 初期建築原図展」を開催中。
本展のテーマ「個の自立と対話」は、都市・自然・光・歴史風土などとの対話を通して個々人が自らを見いだし、深め、自立するための空間づくりを追い求めた、「初期」の安藤氏が常に抱いていた思い(基本理念・動機)を表すもの。


当館は、我が国の近現代建築に関する資料について、劣化、散逸、海外への流出などを防ぐことを目的として、全国的な所在状況の調査、関連資料を持つ機関との連携、緊急に保護が必要な資料の収集・保管を行う。
収蔵資料を中心とした展覧会を年2回開催し、本展は前期のものにあたる。

川向正人氏(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
当館主任建築資料調査官である川向氏は、安藤氏の「初期」建築についてその後と比べると明らかに異なるふたつの特徴があるという。
第1の特徴は、90年頃まではすべてが国内の仕事だったこと。国内でも、特に大阪と周辺地域に作品が集中し、その内容は住宅が中心、住宅でない場合も規模や性格が住宅に近いもの(集合住宅、茶室、店舗、小教会など)である点。
第2の特徴は、90年頃まではすべての図面が手描きだったこと。
「未公開図面も多数展示され、氏の「思い」が伝わる流れを感じさせる収集をした」と話す。

展示室に入り、まず展示されるのは代表作「住吉の長屋―東邸」(1976年)

芦屋市の山間部に位置する豪邸街の奥池に建つ住宅「領壁の家―松本邸」(1977年)

国立公園内の斜面に埋め込まれて建つ「小篠邸」(1981、1984年)

高瀬川沿いに計画された商業施設「TIME'S Ⅰ」(1984年)


六甲山の急斜面の山肌に展開する氏初の集合住宅「六甲の集合住宅Ⅰ」(1983年)

世田谷区の閑静な住宅街に建つ「城戸崎邸」(1986年)

中世の修道院からイメージされた「六甲の教会」(1986年)

大胆に建築とランドスケープを一体化し計画された「水の教会」(1988年)


数ある氏の作品の中でも最もシンプルでミニマルな建築「光の教会」(1989年)

3期にかけて形成される「大淀のアトリエ」(1981、1982、1986年)

四方の壁には大きな図面や模型、ガラスケースには写真や雑誌の一部、施主とのやり取りの手紙や細かな図面、展示室中央には青焼き製本の複製が展示され、閲覧できる。

安藤忠雄氏(建築家・当館名誉館長)
安藤氏は「世界に誇れる日本の建築デザイン・建築技術・施工技術を残し保管するために作られた本館で展示ができて光栄。約50年前の自分の図面を見て、手抜きをしない、図面に対するエネルギーがあったんだなと感じた。それは建築が好きだったからだ」と振り返り、「人生100年時代と言われているが、より豊かに生きるには建築空間・まちづくりが大事なのでそれに少しでも参加し続けたい」と思いを語った。

会期中無休で開館時間は10:00~16:30。
詳細はこちら

2018年10月25日木曜日

「明治期における官立高等教育施設の群像――旧制の専門学校、大学、高等学校などの実像を建築資料からさぐる」展内覧会

文化庁国立近現代建築資料館では川向正人氏(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)監修のもと、「明治150年 国立近現代建築資料館 開館5周年記念企画 明治期における官立高等教育施設の群像――旧制の専門学校、大学、高等学校などの実像を建築資料からさぐる」展が10月23日(火)から開催中。
平成30(2018)年は、明治元 (1868) 年から数えて150年、そして国立近現代建築資料館開館5周年と、それぞれにひとつの節目を迎える年。その記念展として「明治期における官立高等教育施設の群像」が開催される運びとなった。

本展では、明治期の日本における、いわゆる「旧制」の、大学とそれ以外の専門学校や高等学校などの高等教育施設のそれぞれの誕生と、競い補完し合うダイナミックな相互の関係を、日本中から集めた図面や古写真などの建築資料を用いて、視覚的に、分かりやすく紹介。

監修した川向正人氏
(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
実行委員会委員長
池上重康氏(北海道大学助教)
展示室に向かってまず最初に展示される
東京第一大学区開成学校開業式之図(複製)
展示は大きく5つのテーマからなる。

1.専門学校と大学の誕生
明治維新後の「大学校」構想にもとづく本校、東校、南校、後続の開成学校、医学校、工部大学校、法学校、駒場農学校、札幌農学校などの初期の大学校、および旧制の東京大学を絵図、図面、模型、写真により紹介。

 2.高等学校
明治19(1886)年「中学校令」により大学・専門学校進学者のための予備教育課程として誕生した高等中学校と、その後身の旧制高等学校を紹介。
東京の第一高等学校、仙台の第二高等学校、京都の第三高等学校、金沢の第四高等学校、熊本の第五高等学校を中心に、迫力ある図面、模型、建築部材を展示。


 3.帝国大学
明治19年の「帝国大学令」の後に整備された東京帝国大学、京都帝国大学、東北帝国大学農科大学(のちに北海道帝国大学)、東北帝国大学理科大学、九州帝国大学工科大学の大判の図面を展示。

4.高等専門学校
高等工業学校、高等商業学校、高等農林学校、高等師範学校、美術学校など全国に設立された個性豊かな高等専門学校を取り上げる。
高等専門学校の中でも異彩を放つのが神宮皇學館。
展示される巻物の全体をデータベース上で確認できる。
全体
ここまでアップにもできる
5.建築教育
中2階では明治期日本の建築教育を、工部大学校、東京高等工業学校、京都高等工芸学校にて、実際に使われた教材や学生の作品を通して紹介。

(当時大判の紙がなかったため)美濃紙を張り合わせて繋げた跡や、墨を含ませて、線を引くのに使う製図用器具・烏口の繊細なようすなど本物の資料だからこそ見て取れる貴重な体験ができる本展示は2019年2月11日(月)まで

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