2025年10月16日木曜日

2025年度グッドデザイン賞発表 大賞は坂茂建築設計「DLT木造仮説住宅」

公益財団法人日本デザイン振興会は「2025年グッドデザイン賞」受賞結果を10月15日に発表した。

授賞作品ベスト100から各カテゴリーから1点20作品を金賞として、また、特別賞を含む33作品を選出。金賞から最も優れたデザインに送られる「グッドデザイン大賞」が選ばれた。

今年の「グッドデザイン大賞」は、能登地震における仮設住宅の建設で、解体せずに恒久的に使い続けることが出来る「DLT木造仮説住宅」(受賞者:坂茂建築設計+株式会社家元+株式会社長谷川萬治商店)が選ばれた。

グッドデザイン大賞を受け、坂氏は「今回の仮設住宅は新しい仮設住宅として開発を続けてきて、今回の能登地震にすぐに対応することが出来た。今回の仮設住宅で使用しているDLT工法はCLTの様な接着剤を使用せず、地元の木を使い、特殊な技術が無くても作ることが出来る工法。3か月ほどで組み上げることが出来る。これからは復興に向け、被災した古民家の瓦や古材を使用した復興住宅と、万博のリングを使用して復興住宅を作るプロジェクトを続けていく。これで終わりではない」と述べた。

通常、仮設建設は早く建てるために緩和処置があるが、今回の「DLT木造仮説住宅」は、最初の段階で仮設の緩和を受けず、一般の確認申請と同じ要件で設計し、それを仮設住宅として建設している。費用は県の基準の仮設住宅と同じになっている。

永山佑子審査副委員長は「継続と進化を感じた。どんどん形を変えて継続していく。続けて社会を変えていくということが素晴らしいこと。今年は特にそのような作品が多かった。いま当たり前だと思っていることは、昔、誰かの思いで変えられたものかもしれない。グッドデザイン賞は未来の当たり前を作るという意味でそれを継続し、皆で守り、進化させていくものだと思う」と述べた。


今年度は5,225件の審査対象の中から、1,619件の受賞を決定した。
2025年度グッドデザイン賞結果はこちら

関連イベント

グッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025

https://kenchiku.co.jp/event/evt20251006-2.html



2025年10月15日水曜日

開催中!「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」

六本木の東京ミッドタウンにて、10/10~11/5までの期間で、デザインの祭典「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」が開催中。東京ミッドタウンが新しく発信するデザインイベントで、「あたりまえの日常が、おもしろくなるデザインイベント。」をスローガンに、国内外で活躍するクリエイターによる作品展示やワークショップ、トークセッションなど多彩なプログラムを通し、日常を覚醒させる新しいかたちのデザイン体験を届ける。
今年のテーマは「ゆさぶる」で、常識や時流にとらわれず、あたりまえを超えていくような多様なデザインが、東京ミッドタウンの芝生広場と館内各所に設けられた。
「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」は、昨年まで同時期に開催されてきた「TOKYO MIDTOWN DESIGN TOUCH」をベースに名称を変えて新たに今年スタート。クリエイティブディレクターに佐藤卓氏、エキシビションのキュレーターに土田貴宏氏を迎え、あらためて「そもそもデザインとは何か?」という問いに立ち返るところから企画が始動した。プレス発表では両氏によるトークイベントも開催された。
▲中央:佐藤卓氏、右:土田貴宏氏

メインコンテンツとなる本格的なデザインのエキシビション<DESIGN LIVE EXHIBITION>は芝生広場、ガレリアB1・1Fで展開。毎年のテーマに基づいて時代を担う多くのクリエイターが参加し、一般の来場者からプロフェッショナルまでを満足させる内容を目指すもので今回は27組の出展者が「ゆさぶる」というテーマに基づいて参加。激しくゆさぶるもの、そっとゆさぶるもの、それぞれのユニークな表現に込められたメッセージを感じとれる作品が展示された。

芝生広場で展示がされている、3組の作品を紹介。
●「0% SURPLUS」AtMa 
内装設計を主に手掛けるAtMaがこれまで手掛けてきた仕事で、施工に使われなかった大理石やタイルの余剰材を引き取り、つくられた椅子やベンチを展示。本来は破棄されてしまうものをそのままの形状も活かし、最小限の金属パーツで連結して、座るための機能をもたらしている。
●「SO-Colored」we+
リサーチと実験に立脚した手法で、新たな視点と価値をかたちにするコンテンポラリーデザインスタジオのwe+。その土地の藻類から色を抽出し、その土地で使われる家具をつくる「SO-Colored」のプロジェクトを今回は東京ミッドタウンで展開。ミッドタウン・ガーデンで採取した微細藻類を培養し、天然由来の樹脂とブレンドしてタイルの一部に使用した作品を展示。藻類と聞くと緑のイメージをする人が多いと思うが培養途中で緑から赤や黄色になったすることもあり、そのような色のタイルも使われている。
協力:株式会社アルガルバイオ、株式会社MagnaRecta、MOLp®︎by 三井化学 、カリモク家具株式会社
●「drawing chair」山田 紗子 
建築設計を手掛ける建築家の山田紗子氏は、線で描いたような家具を出展。人と周囲の境界線としての家具から発想された、自由なアウトラインによって構成した作品で、一見、家具の形をしていないように見えるが、シート・テーブル・フラワーベースが一体になったもの。場の捉え方をゆさぶることが意図された。
そのほか参加クリエイター(敬称略):秋山 かおり、荒牧 悠、MD2V、小野 栞、小泉 創、小関 隆一、小宮山 洋、坂下 麦、sasamoto natsuki、SHOKKI、鈴木 元、SO TANAKA、SOHMA FURUTATE、TAKT PROJECT、竹下 早紀、TOSHIKI YAGISAWA、西本 良太、長谷川 依与、松山 祥樹、May Masutani、盛永 省治、柳川 えいみ、山田 裕人、吉添 裕人
このエキシビションを軸にライブパフォーマンスやワークショップ、トークイベントなどの期間限定コンテンツが館内各所で開催。
同期間中には「TOKYO MIDTOWN AWARD 2025」の受賞作品展示や「DESIGNART TOKYO 2025」の作品展示(一部)などもされている。

日建設計「暮らしのアイデア55展」開催

株式会社日建設計は、「暮らしのアイデア55展」を2025年10月7日(火)より日建設計東京ビルにて開催される。

本展覧会では、人口減少、高齢化、世帯構成の変化、テレワークの定着など、日本の住宅を取り巻く環境が大きく変化し、「ライフスタイルに応じて姿を変えられる柔軟さ」が住まいに求められている。集合住宅の課題に55年間取り組んできた日建ハウジングシステムが日建設計に合流(日建設計ハウジングシステムグループとして再出発)することを受け、これまでの取り組みを結集し、社会課題解決に向けた「暮らしのアイデア55」を、現物・模型・映像など多角的な手法で紹介する。

また、日本で問題になっている放置竹林に対し、日建設計では竹を持続可能な建築建材に使用する取り組み進めており、これまでの研究成果やプロジェクト事例を紹介している。

開催概要

暮らしのアイデア55展

開催日時: 2025年10月7日(火)〜12月5日(金)9:00~17:00 ※土日祝日は閉館

会場:日建設計東京ビル1・2F(東京都千代⽥区飯⽥橋2‐18‐3)

主催:株式会社 日建設計

企画:ハウジングシステムグループ

https://kenchiku.co.jp/event/evt20251010-1.html

2025年10月14日火曜日

【誠文堂新光社】『【原色】木材加工面がわかる樹種事典 第3版』を発売

株式会社誠文堂新光社は、2025年10月3日(金)に『【原色】木材加工面がわかる樹種事典 第3版』を発売した。本書は、2019年1月発行の『増補改訂 原色 木材加工面がわかる樹種事典』を16頁増やし、紹介樹種を36追加して合計325の樹種見本を掲載した事典で、木材見本写真には、木工家・河村寿昌氏が木工ロクロで挽いて作った小箱を使用し、樹種ごとに特徴などをわかりやすく解説している。
追加掲載36樹種
・国産材(20種)
アズキナシ、アセビ、オガサワラグワ、オガタマノキ、オノオレカンバ、クマノザクラ、サキシマスオウノキ、スモモ、セイヨウミザクラ、タイミンタチバナ、チャノキ、ナナカマド、ネコノチチ、ハナミズキ、ヒトツバタゴ、フジ、ホルトノキ、マルバチシャノキ、ヤマグルマ、ヤマモガシ
・外国産材(16種)
アサン、アレルセ、アロマティックシダー、オーセージオレンジ、キッカボク(菊花木)、キューバンマホガニー、コンカーベリー、ジャイアントセコイア、ジンコウボク(沈香木)、ピスタチオ、ヒューオンパイン、ブリッスルコーンパイン、ボックスエルダー、ヨーロピアンオーク、ヨーロピアンビーチ、レバノンスギ

〇 木材見本の写真は加工曲面
小箱の曲面に現れた木肌や杢が鮮明に見える写真を掲載。従来の木材事典では平板の写真が主流だったが、本書では加工前の木地を含めて1樹種につき4カットを基本とする。

〇樹種ごとに、硬さなどを体験に基づきながら紹介
硬さ(1~10までランク付け)、加工のしやすさ、木目、色、匂いなどの特徴を樹種ごとにわかりやすく説明。木材の使い手(木工関係者、インテリア関係者、木材業者など)にとって有益な情報が満載。
例えば、「逆目を感じず加工しやすい。ロクロ加工では、繊維の影響を受けずサラサラと挽ける。油分なくペーパーが効き、仕上げ後に粗が目立たない」などの具体的な記述がある。

〇 特に色と匂いは、具体的なイメージが湧く表現で
色と匂いについては、できるだけイメージしやすい表現を心掛けている。
例えば、「エスプレッソコーヒーのような黒」、「しっとりしたバナナのような黄色」、「杏仁豆腐やサクランボのような匂い」など。

〇 正しい木材名、最新の学名と科名を掲載
木材業界や既刊の事典では、木材名が植物学上の呼称と市場通称名などが入り混じって使われ、混乱していることがある。
本書では、できるだけ整理して、学名と共に正しく記載することに努めている。木の学名や科名は、DNA解析による最新のAPG体系に基づいて掲載(第3版では最新情報をアップデート)。

〇小箱の作品集としての楽しみ
事典としてだけではなく、色や木目の異なる325種の小箱の作品集としても楽しめる。


【書籍概要】
書名:『【原色】木材加工面がわかる樹種事典 第3版』
著者:河村 寿昌、西川 栄明
監修者:小泉 章夫
仕様:A5判、320ページ
定価:3,960円(税込)
発売日:2025年10月3日(金)


株式会社 誠文堂新光社
https://www.seibundo-shinkosha.net/

2025年10月10日金曜日

建築家・高松伸 京の美を宿す器「洛」10月1日発売

岐阜県多治見市に本社を置く株式会社トークリビングは、京都を拠点に世界的に活躍する建築家・高松伸とのコラボレーションによる器「洛(らく)」を2025年10月1日(水)に発売した。鋭くも詩的な造形思想を器というスケールに託し、京都の美意識を表現した本シリーズは、「舞」「雅」の2シリーズ、計5アイテムで構成される。


▲上から「舞」「雅」「白絹」

■高松伸より、「洛」に寄せて
かつてアリストテレスは、この世には我々が知覚し得るところの「地」「水」「火」「風」の四元素が存在するものの、それら以外に我々の感覚ではとらえることが不可能な第五の元素が存在し、それが世界に遍く満ちることによって世界を世界たらしめていると確信した。そして彼はそれを「エーテル」と命名した。
少なくとも応仁の乱以降このみやこで家系を紡がなければ決して「京都人」とは認めていただけないものの、それでもこの地に住んで50年以上。ということで多少の物言いを大目に見ていただくならば、京都には確実にかの「エーテル」が存在し、他でもないそれが京都を京都たらしめていると断言できる。それを「雅」とか「艶」とか「華」とは決して呼ばないでおこう。ともあれ「洛」は、その京都の第五元素に「器」を通じて触れなんとする私なりの作法である。


2025年10月9日木曜日

【KANADEMONO】サステナブル素材のリノリウム家具に新色を8色追加。国内最多級32色の取り扱いへ

ルームクリップ株式会社 KANADEMONOカンパニーは、2025年10月中旬よりリノリウム家具に新色8色を追加し、全32色の展開をオンラインストアにて開始する。
新色は多様なインテリアに馴染むくすみカラーを中心とした8色で、Blue Haze / Macadamia / Brick / Basalt / Denim / Soft Lilac / Espresso / Taupe を追加した。国内最多級のカラーバリエーションにより、幅広いインテリアに対応が可能になる。

KANADEMONOでは、ニュートラルなミニマルテイストやジャパニーズミックステイストなど、さまざまなスタイリングを提案しており、今年7月には、“色を楽しむ”ことをテーマにしたスタイル「Colorphy(カラフィ)」を発表している。今回のくすみカラー追加により、「カラーアイテムを取り入れたいけれど、部屋に馴染むか心配」という気持ちにも寄り添いながら、より気軽に、自分らしい彩りを空間に取り入れられるようになる。

リノリウムはアマニ油を主原料とした自然素材で、環境に優しく人工的な素材に頼らないサステナブルな素材である。色鮮やかなバリエーションながら、人工着色料は一切使用していないKANADEMONOが製品に使用する「ファニチャーリノリウム」は、家具や建具向けに開発された高機能素材で、
・抗菌・抗ウイルス・脱臭・抗アレルギー性に優れる
・自然素材ならではの温かみのあるソフトな手触り
・光沢を抑えた質感と洗練されたカラーリングによる高いデザイン性
などの特徴をもっている。
日々使うデスクワークや書き物の時間を心地よくサポートする。機能性だけでなく、自然素材ならではのあたたかみと、空間に馴染むミニマルな美しさをあわせ持つ点も魅力である。KANADEMONOでは、2020年より本素材を製品に採用しており、今後もTHEシリーズを中心に展開を拡充していく予定。



KANADEMONOオンラインサイト リノリウムコレクションページhttps://kanademono.design/collections/linoleum
※一部既存カラーは在庫限りで順次取り扱い終了の予定





2025年10月8日水曜日

【四国化成建材】豊富なカラーとさまざまな素材に塗装できる高意匠塗料「Texage(テクサージュ)」を発売

 四国化成建材株式会社は、建築・建材の意匠性を高める新しい塗料「Texage(テクサージュ)」を2025年10月から発売する。

「Texage(テクサージュ)」は、さまざまな素材に塗装可能な水性塗料で、豊富なカラーバリエーションを備え、建築仕上げ材としての用途に限らず、門扉・フェンス・塀などの外構製品、家具・物置・店舗什器・室内設備など、アイデア次第でこれまでにない空間提案が可能となる。また、「ボードタイプ(Texage塗装済)」も用意され、納期が短い現場にも対応が可能。【サイズ】・1,000㎜×3,000㎜×3㎜厚(約7.7kg) ・910㎜×1,820㎜×3㎜厚(約4.2kg) 
 

〇Texage(テクサージュ)
【主成分】
アクリルシリコンエマルション
【適用下地】(※シーラー・プライマー塗布などの下地処理が必要)
セメントモルタル、塗り壁、塗料(水性)、鉄、アルミ、アルミ樹脂複合板、無塗装サイディング、タイル(磁器質・陶器質)、せっこうボード、石膏プラスター、耐水合板、ビニルクロス
【材工価格】
艶なし仕上げ:6,300円/㎡~(20㎡以上の製品材工価格。下地処理費用は含まない)
艶あり仕上げ:7,700円/㎡~(20㎡以上の製品材工価格。下地処理費用は含まない)

2025年10月7日火曜日

「奈良監獄ミュージアム」2026年4月27日開館 コンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」

 重要文化財「旧奈良監獄」が、星野リゾートの保存活用事業により「奈良監獄ミュージアム」として生まれ変わる。開館日は2026年4月27日。所在地は奈良県奈良市般若寺町18。

旧奈良監獄は、明治政府が計画した五大監獄のうち、唯一現存する建築物である。
1908年に竣工し、設計は山下啓次郎が担当。1946年には「奈良少年刑務所」と改称され、更生教育を重視する施設として機能した。2017年には国の重要文化財に指定されている。
ミュージアムのコンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」。訪問者が自らと対話し、生き方を見つめ直す契機となることを目指す。施設は保存エリアと展示エリアに分かれ、展示エリアには三つの展示棟、カフェ、ショップが併設される。
(上)上空写真 (下)旧奈良監獄 表門
三つの特徴
建築そのものが最大の展示物
西洋の装飾様式を取り入れた赤レンガ造の建築は、重厚かつ美しい佇まいを持つ。赤レンガは当時の被収容者が職人と共に製作したもので、室内は天井から光を取り入れる設計となっている。

世界的クリエイターによる監修
アートディレクションは佐藤卓氏(TSDO)が担当。デザインの視点から「罪と罰」「自由」などのテーマを掘り下げた展示を構成。Museography SupervisorにはAdrien Gardere氏が参画。世界各地の美術館での展示設計経験を活かし、建築遺産をミュージアムとして再構築する。

三つの展示棟による多角的な問いかけ
A棟では奈良監獄の歴史と建築を紹介。B棟では被収容者の視点から刑務所生活を描き、自由について考察する。C棟では国内外のアーティストによる作品を通じて、監獄と社会の関係性を探る。
(上)A棟イメージ (下)B棟イメージ

施設概要
名称:奈良監獄ミュージアム
所在地:奈良県奈良市般若寺町18
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:00)
定休日:なし(メンテナンス休館あり)
入館料:大人2,500円~
アクセス:近鉄奈良駅からバスで約13分、「般若寺」バス停下車徒歩約5分
URL:https://hoshinoresorts.com/nara-prison-museum/ja
チケット販売開始:2026年2月予定
計画概要
建築面積:1,860㎡
延床面積:2,463㎡
敷地面積:100,478.80㎡(星のや奈良監獄を含む)

耐震改修工事は文化財保存計画協会の技術指導のもと、安井建築設計事務所、飯島建築事務所が設計監理を担当。施工は戸田建設株式会社。内装・展示設計は乃村工藝社が手がける。
旧奈良監獄保存活用株式会社は、法務省との契約に基づき、保存・改修工事とミュージアム・ホテル事業の準備を進めており、2026年中にはラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」の開業も予定されている。


2025年10月6日月曜日

【WhO】NOSIGNERが手掛けるデザインへ、グラデーション含む新色95点を発表

野原グループ株式会社 インテリアスタイルユニットは、同社が展開する壁紙ブランド「WhO(フー)」において、デザイン活動体「NOSIGNER(ノザイナー)」が手掛けた既存シリーズに新色95点を追加し、2025年9月30日にリリースした。
新色は、壁紙のコンセプトである「紙」の素材感を活かしながら、空間になじみやすい色彩と色紙のような色合いに仕上げられている。クラフト紙や付箋など、誰もが一度は目にしたことのある身近な紙製品から着想を得ており、記憶の中にある温かみをデザインに落とし込むことで、空間に自然と溶け込む親しみやすさを目指したという。

NOSIGNERは、「企業のミーティングルームやデザインスタジオ、教育機関の図書室やラウンジのほか、お子様のスタディスペースなど、親しみやすい色と素材感は、空間に安心感を与え、自由な発想を後押ししてくれる」と採用空間のイメージについても言及している。
今回追加された新色は、シリーズ「CREATORS」のNo.CRNS009~103に該当し、価格は税別・送料別で4,500円/m。ラインナップは「crush_gradation」「punch」「random」「rhythm_gradation」「ribbon」「shred_gradation」「tear_gradation」「zigzag」など。
ラインナップ詳細は、こちら

壁紙の素材として使われることが多い「紙」に敢えてスポットライトを当て、“折る”、“破る”、“皺を伸ばす”などの実験的なプロセスを経て、「紙」のもつ本来の美しさを表現。
制作の背景やプロセスは、NOSIGNER代表 太刀川英輔氏のインタビューにて紹介されている。(NOSIGNER太刀川氏のインタビューはこちら





2025年10月3日金曜日

【KAMIYA】猛暑時代の住環境に新提案 通気ルーバードア「POLKU」を発売

室内ドアメーカーの株式会社KAMIYAは、猛暑や気候変動による住宅内の温熱環境改善を目的とした新製品「POLKU(ポルク)」を9月1日に発売した。POLKUは、通気機能を備えたルーバー付き室内ドアで、全館空調との相性の良さを特徴としている。
日本の住宅市場では、国の省エネ政策やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)推進の影響により、断熱・気密性能に優れたエコ住宅の普及が進んでいる。一方で、気密性の高い住宅では空気の循環が課題となっており、室内の快適性を保つための新たな工夫が求められていた。

KAMIYAが開発したPOLKUは、スタイリッシュなアルミ製ルーバーを通気部分に採用。指先で軽くタッチするだけで開閉できる構造となっており、従来の全面ルーバー型とは一線を画すモダンなデザインが特徴。天井まで届く「フルハイトドア(R)」シリーズの一環として展開され、住宅の美観と機能性を両立させる製品として注目される。


製品は片開き戸、片引き戸、ポケット戸、アウトセット片引き戸の4種の開閉様式に対応。
扉幅は590mm~900mm、高さは最大2,700mmまで対応可能で、価格は税抜133,000円~。


2025年10月2日木曜日

丸井グループ×nendoによる<共創型コミュニケーション空間>誕生

株式会社丸井グループは、世界的デザインオフィスnendoの監修のもと、本社ビル内に昨年オープンした3階の「共創HALL」に続き、このたび9階に「共創LOUNGE」を開設。両フロアの運用開始をもって、社内外のオープンかつ活発な対話を促し、イノベーションを生み出す新たな拠点として本格稼働する。

同社が今回完成させた**<共創型コミュニケーション空間>**は、「共創HALL」と「共創LOUNGE」の2つを軸とする。これは、同社が重要インパクトの一つとして掲げる「働く人の『フロー』を生み出す社会の創出」を具現化するための戦略的な取り組み。
この空間は大規模イベント、対話の場、日常のワークスペースとして機能するだけでなく、社員が思い思いの時間を過ごせる場所として設計されており、物理的な環境から社員の「フロー」状態を誘発し、関わる人々が創造的集中状態に入りやすくすることで、共創を加速させ、インパクト(社会への貢献)と利益の両立を実現に導くことを目指す。


■空間デザインについて(nendo佐藤オオキ氏のコメント)
社内外の多様な人々や価値観が交わることで、新たなビジネスやアイデアを創出する<共創型コミュニケーション>を体現する空間が求められたことから、3Fに「共創HALL」、9Fに「共創LOUNGE」と呼ばれる2つのワークスペースを計画しました。
3Fの「共創HALL」は、さまざまな規模のセッションやセミナーに対応できるオープンな空間としています。通常であれば大空間を必要に応じて分割して使用しますが、あえて小規模な空間が緩やかにつながり、ひとつの大きな「場」となることを意図しました。
その結果、複数の円弧状のベンチがかさなりあった「大きな雲」のようなデザインとなっています。