カッシーナ・イクスシーは、2025年10月16日より、同社直営店にてIXC(イクスシー)の新作コレクションを展示発表した。今回の展示では、インテリアデザイナー倉俣史朗が手がけた代表作「HAL2」チェアとテーブルの復刻が中心となっている。
IXCは2025年にブランド創設50周年を迎え、“Emotional Minimalism(エモーショナル・ミニマリズム)”をテーマに掲げてリブランディングを実施。その新たなビジョンのもと、ブランドの軌跡を未来へとつなぐプロジェクトが始動した。3月に発表されたGamFratesi(ガムフラテージ)による新作コレクションに続く第二弾として、IXCのアーカイブから倉俣史朗による「HAL」シリーズが復刻された。
「HAL2」チェア 1980年代の日本デザインの革新性を象徴する作品。背もたれには金属を引き伸ばして網目状にしたエキスパンドメタルを採用し、視覚的な軽やかさと構造的な強度を両立。空間に独特の浮遊感をもたらす。ミニマルなスチールフレームに組み合わせた座面には、素材感の際立つOSBボードと、機能性と快適性を確保したクッションシートが用意されている。倉俣が一貫して追求した“かたちと詩情の融合”が、このチェアの中に息づいている。使われる環境に応じて表情を変える彫刻のような佇まいは、家具という領域を超え、アートピースとしても存在し続けている。 ▲photo:HAL2 chair, designed by Shiro Kuramata (IXC)
「HAL2」テーブル 1989年に倉俣がデザインした作品。天板にはHAL2チェアと共通するOSBボードを使用し、木片のランダムなテクスチャーがシンプルなフォルムに温もりと個性を与える。脚部には光沢のあるクロムめっきのポリッシュ仕上げが施され、シャープな印象を際立たせる。特に床面に向かって交差するようにデザインされたクロス脚は、軽やかさと安定感を両立し、視覚的にもモダンなアクセントを加えている。直径600mmのコンパクトなサイズ感は、カフェテーブルやサイドテーブルとして現代のライフスタイルに自然に溶け込み、倉俣が追求した“機能と詩情の融合”を日常空間で体感できる。アートピースのような佇まいが、置かれた場所に静かな存在感をもたらす。▲photo:HAL2 table, designed by Shiro Kuramata (IXC)
今回の新作展示は、青山本店・名古屋店・大阪店・福岡店にて2025年10月16日より開催されている。