2026年1月8日木曜日

【AXIS】」vol.235 winter 表紙は、ビャルケ・インゲルス、特集は「未来視点のデンマークデザイン」

デザイン誌「AXIS」を発行する株式会社アクシスは、2025年12月27日(土)にvol.235を発売した。本号の表紙は、ビャルケ・インゲルス、特集は「未来視点のデンマークデザイン

COVER STORY
ビャルケ・インゲルス(Founder and Creative Director, Bjarke Ingels Group)
快楽主義的な持続可能性が、世の中の複雑な矛盾を整合させ、優れた解決策を提示する。
世界で最も注目されている建築家のひとりであり、デンマークを代表する人物でもあるビャルケ・インゲルス。彼が率いるビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)は、ニューヨークや上海など世界9カ所に事務所を構え、総勢700人が働くという。2023年に建設された本社屋はコペンハーゲン湾の一角にあり、インタビュー中、大きな窓からはゆったりと航行する大型クルーズ船が見えた。
 
特集
■未来視点のデンマークデザイン
未来を見据えた視点は、今やものづくりに欠かせないものになりました。それを軽やかに取り込み、原動力に変えているのがデンマークのデザインです。前提を問い直しながら暮らしに寄り添う建築。環境負荷や製品寿命、労働環境まで考慮しながら、美しさや心地よさに妥協しない家具やファッション。自ら挑戦の場を生み出すデザイナー。市民や生産者が協働して更新し続ける持続的な食文化。そしてそれらを後押しする社会の仕組みや制度。共通するのは、彼らにとって未来とは身構えて語る理想ではなく、日々の暮らしをより良くするための選択の積み重ねだということ。この国の " 未来視点" は、生活のなかで自然と育まれています。
■暮らしが育てるコペンハーゲンの街
公園や運河でくつろぎ、自転車でどこへでも行ける。心地良い日常が息づくコペンハーゲンでは今、各地で再開発が進んでいる。人々の暮らしを大切にしながら、どう街を育てているのか。デンマークに2012年頃から住み、今は日本と2拠点で活動するモック・アーキテクツ(mok architects)の森田美紀と小林 優に話を聞いた。
■時代を静かに更新する家具ブランドとデザイナー
今の時代にものを生み出すことの意味と責任を見つめ、真のサステナビリティを実践する家具ブランド。自らの手を動かし、問いを深めながら新たなアイデアを試すデザイナー。伝統的なクラフトマンシップを大切にしながら、価値観を静かにアップデートする、ふたつの家具ブランドと4組のデザイナーを訪ねた。
■協働がつくる食文化 - 進化し続けるデンマークの日常食
「デンマークの食」といえば、食を文化や科学、社会などの文脈から総合的に捉えるガストロノミーの先駆的存在として名を馳せたノーマ(Noma)を思い浮かべる人は多い。しかしノーマに注目が集まる一方で、デンマークの日常食もまた、未来を見据えた視点で進化を続けてきた。その背景にある歴史や考え方について、フードジャーナリストの君島佐和子が、デンマーク食文化研究家のくらもとさちこに話を聞いた。
■美しさと責任を両立させるデンマークファッションの今
ファッション領域で "サステナブル最先端" と称されるデンマーク。パリの物語性、ミラノのラグジュアリー、ニューヨークの商業合理性とは異なり、機能性と控えめな美意識を土台に、環境配慮と社会的責任がデザイン思想を育んできた。過去10年で大きく転換したデンマークのファッションシーンを辿り、未来志向のものづくりの精神に触れる。
■デンマーク建築はなぜ今、世界の未来像を更新しているのか
サステナビリティと創造性を両輪に、都市計画から文化遺産まで多様な領域で革新を続けるデンマーク建築。地域性に根ざしたデザインから気候変動への応答、そして日常を豊かにする遊びの提案まで、注目の5事務所を紹介する。後半では、BIGでの経験をもつ建築家の神谷修平が、その背景にある "体系的創造性" の本質を語る。
■「人間中心の街」 コペンハーゲンはどうつくられたか - 都市を変えた建築家、ヤン・ゲール
ヤン・ゲールといえば、都市計画を勉強したことがある人なら知らぬ人はいないほど著名な建築家であり、学者、アーバニストでもある。最初の著作『建物のあいだのアクティビティ』(1971年)は世界各国で翻訳され、今も読み継がれる名著だ。2000年代に入り、ニューヨーク、ロンドン、シドニーといった大都市の市長たちは、こぞってゲールに教えを請うたという。彼の最初の実験都市であるコペンハーゲンについて、ゲールに尋ねた。

Contents
COVER STORY ビャルケ・インゲルス(Bjarke Ingels Group)
特集 未来視点のデンマークデザイン
■暮らしが育てるコペンハーゲンの街
■街と人を動かすデザインイベント
■時代を静かに更新する家具ブランドとデザイナー
■タクト サステナビリティを実践し、伝統を更新する
■A. ピーターセン 時間をかけてつくり出すデザインとクラフトの融合
■ヨナス・トランぺダック クラフトからインダストリアルを生み出す
■クリス・リリエンバーグ・ハルストロム デザインとテキスタイルアートを行き来する
■キャスパー・クスター 制約を設けず、思うままに実験し続ける
■アーカイバル・スタディーズ 「本当にこれが最善なのか」、 建築のあり方を問い続ける
■協働がつくる食文化 - 進化し続けるデンマークの日常食
■「AAMANNS」 アダム・オーマンに聞く 伝統食「 スモーブロ」のリデザイン
■「食は自己表現」- デンマークのベーカリーブームを支える育種家
■美しさと責任を両立させるデンマークファッションの今
■FRITZ HANSEN EXHIBITION in HONJIMA 2025
■成熟した自転車文化が示す、新しい移動のかたち
■デンマーク建築はなぜ今、 世界の未来像を更新しているのか
■「人間中心の街」 コペンハーゲンはどうつくられたか - 都市を変えた建築家、ヤン・ゲール
スコープ
■インダストリアル ロマンティシズムは失われた夢を取り戻すことができるか
■プロジェッティスタ城谷耕生 - イタリアから雲仙小浜へ ひとりのデザイナーの軌跡
■Design That Moves You タンジェリンが実践する三層の「Move」


デザイン誌「AXIS」vol.235 winter
発売日:2025年12月27日
言語:和英併記(バイリンガル表記)
体裁:A4判変型(274 x 210mm)
定価:2,500円(税込)
発行:株式会社アクシス

2026年1月7日水曜日

【TOOLBOX】 トレンドの「くすみカラー」を採用した『マットカラーのキッチン天板』販売開始

toolboxは、2025年12月11日、新商品『マットカラーのキッチン天板』を発売した。ホワイト、ブラック、ベージュ、グレー系の計8色を揃え、マットな質感と1mm単位のサイズオーダーに対応することで、キッチンをインテリアとして楽しむ提案を行っている。

キッチンのインテリア性を高める「くすみカラー」採用のオーダー天板
『マットカラーのキッチン天板』は、ホワイト、ブラック、ベージュ、グレー系の「くすみカラー」をラインナップしたマット質感の天板である。近年、ファッションやメイクで注目される「くすみカラー」は、インテリア業界でも広がりを見せており、Pantone社が発表した2025年の「カラー・オブ・ザ・イヤー」ではブラウン系のくすみカラーが選定された。日本流行色協会(JAFCA)も、彩度を抑えたニュアンスカラーを春夏のトレンドとして発表している。人気商品となっている幅・奥行きを1mm単位でオーダーできるステンレス製『オーダーキッチン天板』に追加された新シリーズは、キッチンをLDKの中心的存在としてインテリアの一部に取り込むニーズに応える。

マットな質感と全8色のカラーバリエーション
カラーはホワイト、オフホワイト、ホワイトベージュ、グレーベージュ、ライトグレー、グレー、ダークグレー、ブラックの8色。木材や鉄など素材感のあるアイテムとの相性が良く、光沢を抑えた梨地のような質感が柔らかな反射を生む。タイルなど光沢素材との組み合わせでも調和が取れる。表面は高圧メラミン仕上げで、耐熱性・耐汚染性に優れ、傷がつきにくい。濃色系(グレーベージュ・ダークグレー・ブラック)は指紋レス仕様。日常の手入れは水拭きと乾拭きで十分であり、汚れには中性洗剤が使用可能。
サイズオーダーと多様な設計対応
幅は最大3010mm、奥行きは1100mmまでオーダー可能。ダイニングテーブル一体型の大型キッチンからコンパクトキッチンまで対応する。シンクやコンロの有無を選択でき、II型やL型キッチンの計画も可能。収納カウンターや棚板にも利用でき、LDK全体の一体感を演出する。専用ブラケットでフロート型にしたり、toolboxの『ユニキッチンシステム』(全21種)と組み合わせることもできる。シンクはステンレス製とクォーツ素材の2種類で、クォーツシンクはホワイト、サンド、ブラックの3色展開。
加工性とデザインの自由度
現場でカット可能な加工性を備え、リノベーション現場での調整にも対応。小口形状は「見付40」(半円形)と「見付20」(角にわずかなアール)の2種類から選択できる。見付40は家具のような柔らかい印象を、見付20はシャープでスッキリした印象を与える。
キッチンを空間全体で考える提案
『マットカラーのキッチン天板』は、キッチン単体ではなくLDK全体との調和を重視するtoolboxの提案を体現するアイテムである。木製システムキッチンやキッチン構成要素のパーツ販売と組み合わせることで、オリジナリティある空間づくりを後押しする。


2026年1月6日火曜日

「teamLab Phenomena Abu Dhabi」建築概要を公開 サディヤット文化地区に没入型ミュージアム誕生

アブダビ文化観光局とデベロッパーのミラル社は、サディヤット文化地区に新たな没入型ミュージアム「teamLab Phenomena Abu Dhabi」をオープンし、建築概要を公開した。開業日は2025年4月18日(金)。アート、テクノロジー、イノベーションが融合する唯一無二の体験を提供する施設として、アブダビの文化・芸術シーンにおける重要な節目となる。
「teamLab Phenomena Abu Dhabi」の建築 (C) アブダビ文化観光局、ミラル

建築コンセプトとデザイン
「teamLab Phenomena Abu Dhabi」は、コンセプト「環境現象」をテーマに、デジタルテクノロジーによるアート作品を展示する。建築はMZアーキテクツが設計を担当し、砂漠の砂丘や海の波といった自然の有機的な形態からインスピレーションを得た。うねる曲線と有機的な形状は光の移ろいを捉え、静止の中に動きを感じさせる。壁面は流れるように連続し、従来の建築が持つ硬直した境界をなくし、形態と空間がシームレスにつながる。
プリンシパルアーキテクトのトニー・アビ・ゲブライエルは「生きていると感じられる建築を創ることを目指した。形、光、知覚が常に対話する空間で、訪れる人々が見るだけでなく感じることができる場所を実現した」と語る。

設計プロセスと技術的挑戦
チームラボアーキテクツ代表の河田将吾は「今回は通常と逆の順序で設計した。内部空間の形状を先に決定し、その後ファサードを設計したため、外観には内部の形状がそのまま現れている」と説明する。総床面積は17,367.43平方メートルに及び、作品群は「環境現象」に基づき、現象を生む環境そのものによって成立している。
作品《Wind Form》の複雑な3D曲線を実現するため、デジタル形状と現実空間の誤差を自動可視化するソフトを開発し、複数の関係者とデータ連携を行った。また、作品《Circulating Universe of Water Particles》では、柱のように見える構造体が視覚的演出と機材収納を兼ね、広大な柱のない空間を実現している。


建築概要
所在地:アブダビ、サディヤット文化地区
敷地面積:28,930.54㎡
建築面積:12,156.68㎡
延床面積:17,367.43㎡
構造:鉄筋コンクリート
外装:GRC+GRPパネル


ミュージアム詳細:https://www.teamlab.art/jp/e/phenomena/
建築概要:https://architects.team-lab.com/jp/projects/teamlab_phenomena_architecture/
ハイライト動画:https://www.youtube.com/watch?v=xodyJxgxW2U

2026年1月5日月曜日

【大和書房】 近代建築の巨匠「ル・コルビュジエ」のクロノロジカルな記録の集大成!『ル・コルビュジエ 理念と形態』発売

大和書房は『ル・コルビュジエ 理念と形態』(ウィリアム・J・R・カーティス:著、中村 研一:訳)を2025年12月17日に発売した。

本書は、「コルビュジエを知るのであれば、まずこの本を最初に参照すべきである」と評された、ル・コルビュジエ研究の世界的第一人者ウィリアム・J・R・カーティスによる『Le Corbusier Ideas and Forms (Second Edition)』(Phaidon Press, 2015)の、待望の全訳である。生涯の歩みをまとめた伝記的記述、建築創作上の重要な理念の詳述、愛情溢れる作品解説だけでなく、都市計画や家具デザイン、雑誌編集・絵画など建築にとどまらない活動を網羅するものとなっている。

目次

I シャルル・エドゥワール・ジャンヌレの形成期 1887-1922
生誕地
個人的原理の探求
ジュラ地方のための古典主義
パリ、ピュリスム、レスプリ・ヌーヴォー
II 建築的理想と社会的現実 1922-1944
新たな工業都市のための建築型の定義
住宅、スタジオ、ヴィラ
機械時代の宮殿と公共施設
意図の構造:サヴォワ邸
集合体の提示:難民センターとスイス学生会館
機械化、自然、地域主義
政治、都市計画、旅行
III 古代の感覚:後期作品 1945-1965
モデュロール、マルセイユ、地中海の神話
聖なる形態、古代の連想
インドにおけるル・コルビュジエ:チャンディガールのシンボリズム
アーメダバードの商人たち
回顧と創造:最後のプロジェクト
IV 原理と変容
建築的理念の領域
形態の起源
独自性と典型性
変容するル・コルビュジエ
終章:モダニズム、自然、伝統

書籍概要
書名:ル・コルビュジエ 理念と形態
著者:ウィリアム・J・R・カーティス
訳者:中村 研一
発売日:2025年12月17日
判型:A4判
頁数:672ページ
定価:15,400円(税込)
発行元:株式会社大和書房 



大和書房