2026年2月27日金曜日

【tokono】京都の町家オフィスで初のポップアップストアを開催

国産材家具・雑貨ブランド「tokono」を運営する紅中は、2026年3月7日(土)から15日(日)までの9日間、同社京都オフィス1階の展示スペース「Gallery紅中」(京都市中京区・二条)にて、ブランド初となる期間限定ポップアップイベント「POP-UP STORE tokono×sasaki×Taisetsu Mokko」を開催する。

tokonoはオンライン限定で国産材の家具・雑貨を販売してきたが、今回が初のリアル店舗体験の場となる。画面越しでは伝わりにくい木材本来の質感や手触り、職人の技術を直接届けることを目的に企画されたもので、来場者は素材・意匠・クラフトの背景に触れながら、北海道・旭川を拠点とする2つの木工メーカー(ササキ工芸大雪木工)の製品を体感できる。


POP-UP STORE tokono×sasaki×Taisetsu Mokko
期間:2026年3月7日(土)〜3月15日(日)[9日間]
時間:10:00〜18:00
場所:株式会社紅中 京都オフィス
入場:無料



2026年2月26日木曜日

「KANADEMONO YOYOGI PARK」2026年2月27日(金)にグランドオープン


 KANADEMONOは、代々木公園に構えるショールームを全面リニューアルし、体験型拠点「KANADEMONO YOYOGI PARK」を2026年2月27日(金)にグランドオープンする。このショールームは、利用者から寄せられていた“実物を見て選びたい”という声に応える形で生まれた体験空間であり、予約不要で来場できる開かれた施設として位置づけられ、天板と脚の組み合わせが9,000通り以上に及ぶ同ブランドのカスタマイズサービスを、実物を見ながら比較・体感できる唯一の拠点となる。

ショールームの主な特徴
1|9,000通り以上のカスタマイズを構成する部材ラインナップを一望
THEシリーズを中心に、天板・脚など主要部材を壁一面に展示。
素材の表情、色味のニュアンス、触り心地を確認しながら選ぶことができる圧倒的なスケールの展示構成となる。※一部、常設していない脚は店頭で問い合わせ可能。
2|6つのスタイル空間で“自分の好み”を視覚的にイメージ
ミニマル、ジャパニーズミックス、ビビッドアクセントなど、多様なスタイルを6つの空間で再現。THEシリーズのシンプルなデザインを基盤に、同一アイテムでも全く異なる世界観を表現できることを示す展示構成となっている。
3|【New】VRで空間シミュレーション
家具の設置イメージが、その場で体験できるVR機能を新たに導入。
組み合わせを迷う利用者に向けて、スタッフが素材選びやサイズ検討をサポートする体制を整えている。



KANADEMONO YOYOGI PARK
東京都渋谷区代々木5-7-5 Portal Point Yoyogi-koen 1F
営業日:平日(火曜除く)、土日
営業時間:11:00〜18:00
定休日:火曜日




KANADEMONO

2026年2月25日水曜日

【AERA】日本の伝統素材・桐と職人技に焦点を当てた新作チェスト「KIRIDANSU」を発表

日本発のインテリアブランドAREAは、日本の伝統素材・桐と職人技に焦点を当てた新作チェスト《KIRIDANSU(キリダンス)》を発表した。

この新作には、古くから日本に受け継がれてきた「箪笥と記憶」の文化が息づいている。かつて日本では、女性が嫁ぐ際に一竿の箪笥を携えて新しい家へ入る慣習があり、子が生まれるとその箪笥を譲るなど、土地によってさまざまな形で親から子へと受け継がれてきた。AREAのヘッドデザイナー・野田豪氏は、ニューヨークの店舗から新作チェストの依頼を受けた際、この伝統を現代へ再解釈したチェストを制作したいと考えたという。
母から譲り受けた箪笥を開けるたび、ほんのりと漂う樟脳の匂いに記憶が呼び起こされる——そんな情景を、次の世代へもつないでいく家具。箪笥という器に重ねられた愛情や時間が、人々の宝物となるような存在を目指した作品となっている。

野田氏は、日本の伝統的な桐箪笥をそのまま踏襲するのではなく、現代的な解釈を取り入れてデザインした。直線的なシルエットに対し、各所に柔らかな丸みを与えることで、モダンでありながら母性を感じさせる温かみを宿す形状へと仕上げている。
取手には真鍮無垢材を採用。触れない部分は燻むように深い色合いへ変化し、よく触れる部分は金色の輝きを増す。緑青が生まれるほどの長い年月をかけ、家具本体と共に美しい経年変化を楽しめる点も魅力となる。





AERA



2026年2月24日火曜日

【ジャイロアーキテクツ】学生が挑む、“スポーツ×建築”のまちづくりプロジェクト「3S Circulation」始動

 渋谷を舞台に、スポーツと建築を軸にした学生参加型のまちづくりプロジェクト「3S Circulation」が2月6日から始まった。建築設計事務所のジャイロアーキテクツがHAMONZと共催し、Bリーグのサンロッカーズ渋谷と連携して実施する取り組みで、約30人の学生が参加する予定となっている。

ジャイロアーキテクツは、都市課題に向き合う建築活動に加え、次世代を担う人材育成を重要な使命に位置づけてきた。今回のプログラムは、学生の発想と企業・地域の知見を結びつけ、渋谷の未来像をともに描く試みとして企画された。
名称に含まれる“3S”は「SHIBUYA」「SPORTS」「SPACE」を指し、三つの要素が循環し合う関係性を志向する内容となっている。参加者はプロフェッショナルの助言を受けながら、渋谷の都市特性を踏まえた企画立案に挑む。

プログラムでは、再開発が進む渋谷において、スポーツが街のにぎわいや人々の思いをつなぐ媒介となり得るかを検討する。サンロッカーズ渋谷の地域活動を事例に、スポーツと都市の関わりを学びつつ、実装可能性を前提とした企画づくりを進める構成となっている。
学生はフィールドワークを通じて人流や空間の使われ方を観察し、渋谷ならではの場づくりを探る。最終日には、場所・関与者・実施方法まで踏み込んだ企画案をプレゼンテーションとして発表する予定。

期間は2月6日から3月30日までの全5回。初回は「渋谷のスポーツとまちづくり」をテーマに、ジャイロアーキテクツ代表の山本剛弘氏、同社の大村洋平氏、サンロッカーズの山本拓也氏、渋谷区スポーツ協会の久保田淳氏らによるパネルディスカッションが行われる。
会場は渋谷区内を中心に都内数カ所を予定。主催はジャイロアーキテクツ、共催はHAMONZ。協力としてサンロッカーズ渋谷、学生団体MUAC、渋谷区スポーツ協会が名を連ねる。



ジャイロアーキテクツ

2026年2月20日金曜日

第3回「みんなの建築大賞」大賞、推薦委員会ベスト1、JINS賞など決定

みんなの建築大賞推薦委員会(委員長:五十嵐太郎/東北大学大学院教授)が文化庁およびジンズ(JINS)の協力を得て実施した「みんなの建築大賞2026」において、一般投票の結果、EXPO2025大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null²」が「大賞」に選ばれた。また、「推薦委員会ベスト1」に同万博の「大屋根リング」、今回から新設された「JINS賞」には、「ラビットホール」が選定された。さらに、戦後建築の活用提案において新たな方向性を示したことを称えて、「旧香川県立体育館再生計画」に「特別賞」を授与することにした。
「みんなの建築大賞」は建築を伝える立場のプロ約30人(推薦委員会)が、一般投票をまじえて選定する建築アワード2024年に第1回が開催。第一段階として推薦委員会が前年中に完成・発表された建築の中から「世の中に向けて熱く伝えたい建築」10件を選び、これを「この建築がすごいベスト10」として発表。その10件を「X」「Instagram」「Googleフォーム」上に掲載し、2026年2月1日~10日の投票期間に、「いいね」の数が最も多かったものを「大賞」に選出した。(総投票数は28,850(昨年:12,963)、大賞の「null²」は13,750。)
「JINS賞」はジンズホールディングス代表取締役会長CEOの田中仁氏がノミネート10施設のなかから選定する賞で今年から新設された。
▲<大賞>
null²/落合陽一、ノイズ(NOIZ)、フジタ・大和リース特定建設工事共同企業体、乃村工藝社、ワウ(WOW)、アスラテック ほか
(写真 上:磯達雄、下:平塚桂)
▲<推薦委員会ベスト1>
大屋根リング/藤本壮介、忽那裕樹、東海林弘靖、東畑・梓設計JV、大林組、清水建設、竹中工務店
(写真 上:菅原由依子、下:加藤純)
▲<JINS賞>
ラビットホール/青木淳@AS
(写真 上:白井良邦、下:倉方俊輔)
▲<特別賞>
旧香川県立体育館再生計画/旧香川県立体育館再生委員会
(写真:旧香川県立体育館再生委員会)

●第一段階で推薦委員会が選出した<この建築がすごいベスト10>は下記の通り。
(掲載は施設名の50音順、施設名の後は主たる設計者)
1)大屋根リング/ 藤本壮介、忽那裕樹、東海林弘靖、東畑・梓設計JV、大林組、清水建設、竹中工務店
2)霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ/髙橋一平建築事務所
3)Ginza Sony Park/Ginza Sony Park Project、荒木信雄、石本建築事務所、竹中工務店
4)東海国立大学機構Common Nexus/小堀哲夫建築設計事務所
5)ド・ロさまと歩くミュージアム 大平作業場跡/文化財保存計画協会、D4H
6)ニシイケバレイ/須藤剛建築設計事務所
7)null²/落合陽一、ノイズ(NOIZ)、フジタ・大和リース特定建設工事共同企業体、乃村工藝社、ワウ(WOW)、アスラテック ほか
8)広島駅南口ビル/西日本旅客鉄道、ジェイアール西日本コンサルタンツ、東畑建築事務所、SUPPOSE DESIGN OFFICE、大林組、広成建設
9)横浜美術館 空間構築/乾久美子建築設計事務所、菊地敦己事務所
10)ラビットホール/青木淳@AS

【前橋国際芸術祭2026】蜷川実花率いる〈EiM〉、山田紗子、渋谷慶一郎ら  第一弾23組の参加アーティスト・プロジェクトを発表

前橋国際芸術祭実行委員会は、2026年9月19日(土)から12月20日(日)までの80日間、群馬県前橋市の中心市街地を舞台に開催される「前橋国際芸術祭2026」について、第一弾となる参加アーティスト23組および注目プロジェクトを発表した。

本芸術祭は、2016年に前橋市が策定したまちづくりビジョン「めぶく。」を基点に、民間主導で進められてきた都市再生のプロセスと呼応しながら、前橋の現在地と未来をアートによって描き出す国際芸術祭として構想された。
ミュージアム展示にとどまらず、商店街や路地、空きビル、公共空間など都市の日常を舞台に、詩・音楽・映画・建築・リサーチなど多領域横断型の作品・プロジェクトを展開する点が特徴となる。

■ 第一弾参加アーティスト/プロジェクト(A–Z)
アレクサ・ハタナカ
和田彩花
ナイトウカツ
渋谷慶一郎
尾花賢一+石倉敏明
レア・エンベリ
蜷川実花
マイク・エーブルソン
石川直樹
吉開菜央
サム・フォールズ
S.Proski
山田紗子
最果タヒ+佐々木俊
海老原イェニ
山縣良和
白川昌生(駅家の木馬祭り)
田所淳(グーチョキパークラブ)
八木隆行(ya-gins)
前橋映像祭
STREET FURNITURE EXHIBITION
Bentena SHOP+SNARK Inc.
白井屋ホテル アートイルミネーション
※残る約20企画は2026年5月下旬に発表予定。

▼渋谷慶一郎/サウンドインスタレーション《Abstract Music》/
 グラフィックデザイン:八木弊二郎
▼蜷川実花/EiM《Breathing of Lives》
 2023/HOWZE/Photo by Shinya Kigure
▼山田紗子/《outline bar(ART WEEK TOKYO 2023 初出)》
 MEET YOUR ART FESTIVAL2024「New Era」ART EXHIBITION 
▼最果タヒ《詩の加速》2020
 グラフィックデザイン:佐々木俊/作品撮影:丸尾隆一




第一回 前橋国際芸術祭 2026
https://maebashi-biennale.com/
テーマ:「めぶく。Where good things grow.」
会期:2026年9月19日(土)〜12月20日(日)
会場:アーツ前橋、まえばしガレリア、白井屋ホテル、前橋市中心市街地エリア
主催:前橋国際芸術祭実行委員会
共催:前橋市
総合プロデューサー/実行委員長:田中仁
プログラムディレクター:宮本武典

2026年2月19日木曜日

【Roche Bobois】新作コレクション発表イベント開催

フランスを代表するラグジュアリーインテリアブランド、Roche Bobois(ロッシュ ボボア)を運営するRB Japanは、2026年3月12日(木)、Roche Bobois TOKYOにて〈Roche Bobois × Pedro Almodovar〉最新コレクションの発表イベントを開催する。
世界的映画監督ペドロ・アルモドバルとのコラボレーションによる新作を、日本で初めて披露する機会となる。今回のコレクションは、2025年4月にミラノ・サローネ(ミラノデザインウィーク)で先行発表され、高い注目を集めたシリーズ。その世界観をRoche Boboisの「Art de vivre(暮らしの芸術)」と共に体感できる貴重な展示となる。
1960年にパリで創業したRoche Boboisは、インテリアを「暮らしの芸術」として位置づけ、空間をアートの延長として捉える独自の美意識を発信してきた。現在は60カ国以上に展開し、国際的なデザイナーやファッションブランドとの協業を通じ、春夏・秋冬の年2回のコレクションを発表している。
今回の新作は、スペインを代表する映画監督Pedro Almodovar(ペドロ・アルモドバル)との初のコラボレーションによって生まれた。彼が生み出す映画的世界は、色彩・造形・セットデザインを作品の“登場人物”として成立させる独自性で知られる。色彩表現を重要な言語とする両者の価値観が重なり、これまでにない特別なコレクションが誕生している。

アルモドバル作品の象徴的なイメージやポスターをまとった限定ソファ「LOUNGE」(世界限定50セット)をはじめ、チャイナユニット「RONDO 2」、彼がセレクトしたカラー展開のカクテルテーブル「OVNI UP」、さらにラグやクッションコレクションなど、多様なラインアップがそろう。ブランドのアイコニックなソファ「BUBBLE」が誕生から10周年を迎えることを記念し、アルモドバルが厳選した特別カラーを用いたコラボレーションモデルも登場。3月中旬よりRoche Bobois TOKYOで展示が開始される予定となっている。



〈Roche Bobois × Pedro Almodovar〉新作コレクション発表会
日程:2026年3月12日(木)18:00〜20:00
会場:Roche Bobois TOKYO
東京都渋谷区神宮前3-35-1 1F
Google Map:https://maps.app.goo.gl/m6s2udLxSj8QQbmB9


Roche Bobois

2026年2月18日水曜日

【TRIAD】建築家 谷尻誠と長野県大町市木崎湖で共同事業を開始

TRIADは、建築家・谷尻誠と共に、長野県大町市・木崎湖エリアを舞台としたリゾートヴィラ開発の共同事業を開始する。本プロジェクトは、土地取得から建築、売却までの一連の開発プロセスを両者が共同で担う点が特徴で、従来の「設計料を支払い建物を発注する」形とは異なる “利益共有型(プロフィットシェア)” のスキームを採用している。

計画地である木崎湖エリアは、豊かな自然と静謐な環境が広がる地域で、観光拠点としても知られている。TRIADと谷尻氏は、この地が持つ固有の魅力を最大限に引き出す建築と暮らしの在り方を追求し、投資用不動産にとどまらない新しい価値創出に挑む。
公開された完成予想図では、木崎湖を一望する開放的な眺望や、自然環境と調和したモダンな建築の姿が描かれている。

本事業では、不動産開発側と建築家が対等な立場でプロジェクトを推進し、利益を共有する。TRIADは土地取得、事業計画、建設・販売など不動産事業全体を担い、事業性と実現性を確保。一方、谷尻氏は建築家として、建物の質、空間体験、完成度の向上に責任を持つ。
両者がリスクとリターンを共有することで、建築的思想と不動産としての経済性を両立させる新モデルとして位置づけられている。



 谷尻 誠 氏 コメント
「これまで顧問として関わってきたTRIADと、議論と検証を重ねる中で価値観や事業の方向性に強い共通認識が生まれ、今回の共同事業に至りました。構想にとどまらず、事業の実装・成長まで視野に入れて参画します。双方の強みを掛け合わせ、持続性と競争力のある事業モデルを構築し、新たな価値を提案していきたいと考えています。」



TRIAD

2026年2月17日火曜日

2025年度 第37回JIA新人賞 発表

公益社団法人日本建築家協会が、2025年度第37 回JIA新人賞 受賞者を発表した。
2025 年度JIA新人賞は、2020年1月1日より2024年12月末日(5ヶ年)までに日本国内で竣工した建築作品を対象として審査が行われた(審査委員:坂本一成、石田敏明、原田麻魚 )
実施状況 は以下の通り。

2025 年9月5日=応募締切 
2025 年10月23日=第1次審査会にて応募作品95点の中から12点を選出。 
2025 年11月13日=第2次審査会にて現地審査対象作品4点を選出。 
2026 年1月~2月=現地審査実施。 
2026 年2月6日=最終協議を経て、下記受賞者を決定。       


2025 年度JIA新人賞
 ■父子の家   
 畝森泰行
(畝森泰行建築設計事務所)  
改修と新築を混ぜたようなプロジェクトである。新旧の⺠家が混在する郊外住宅地のなかに敷地はあり、そこには⼤⼯だった建主の⽗が⽣前に施⼯した⺟屋やハナレ、作業場、倉庫などが建っていた。これらは少なくとも4回以上の増改築がなされており、そのうちのハナレと作業場を、息⼦である建主家族の住宅に変えること、また⺟の住む⺟屋と適度な距離を保ちつつ、これまでの流れを引き継ぐ計画を求められた。 
既存のハナレは、⽊とスチールによる複雑なつくられ⽅をしていた。その複雑さを維持するように、既存の⾻組や基礎を残しながら、新しく⽊造の屋根と外壁で覆い、床や⽔廻りを加えている。新設部分として⾃⽴させつつも、既存部分にわずかに⼒を預け、また既存と新設のあいだに⼩さな隙間のような空間を⽣むことで、⼤きく開けた窓から、古びた柱や梁、垂⽊などを通して光と⾵を取り⼊れる。そうした新旧が対⽴せず、互いを補い合いながら混在する住宅を⽬指した。 
既存の建物はいわゆる合理的な建築ではなかった。しかし「その時にあったもので」、また「思うままに」つくられたそれらには、ものづくりに向かう本質的な⾃由が感じられた。その創造性のなかに、建主の⽗との⾒えない対話を通じて、私たちもまた参加する。それは時間を超えた協働であり、複数の主体によって⽣まれる建築でもある。そうした他者や時間が折り重なる豊かさを、建築として現したいと考えた。(畝森泰⾏) ▲撮影:Atelier Vincent Hecht 

 ■段庭の家       
 原田将史・谷口真依子(ニジアーキテクツ一級建築士事務所)
いつでも敷地全体で陽の光を⽬⼀杯浴びることができる家を作りたいと考えた。敷地は都内住宅密集地の袋⼩路最奥部に位置している。接道わずか2mの旗竿地で、敷地⾯積も⼩さく建蔽率・容積率も厳しい。周囲は家が建て込んでいるため、斜線最⼤ボリュームで建物を作っても、採光や通⾵は期待できず、残った南側の庭も狭く暗くなりかねない。そこで、陽の光を全⾝で受けられるよう、床⾯積は最⼤限確保しつつ北側上空に向かって徐々にセットバックしていく階段状のボリュームとし、南側に⽴体的なボイドを⽣み出した。 
外構と全ての屋根の上にウッドデッキを敷き詰めることで、ウッドデッキのテラスは段々の丘のようにレベルを変えながら最上段の屋上まで連なっている。ハイキングをするように登り3段⽬のテラスから室内空間へと直接アプローチをする。⼀般的な独⽴した⽞関空間を持たず、各段に間⼝いっぱいの開⼝部がある為、どこからでもアクセスが可能となっている。外部テラスの床よりも内部空間の床を低く設定することで、外部からの程よい奥まった空間を作りだしている。下層に⾏くほどに外部との関係が遠く、逆に上層に⾏くほどに外部の⽀配率が⾼まり、グラデーションのかかった空間の変化が限られた床⾯積の中でも様々な居場所の選択性を住⼈に与えている。 
家全体で受けた陽の光は、内外の段々状の床の隙間から下層まで降り注ぐ。アプローチから連なる全てのテラスはそれぞれ室内の延⻑として過ごすための場所となり、床⾯積を超えて無限の広がりを感じる。 テラスと屋内の床は等価に存在し合い、敷地全体に存在する段が庭となり家となる。(原⽥将史+⾕⼝真依⼦) 撮影:Kazuhisa_Ishikawa





日本建築家協会

2026年2月16日月曜日

【ミラタップ】ミラタップデザインアワード2025 表彰式開催

住宅・建築関連のデザインを対象とする、株式会社ミラタップ主催の「ミラタップデザインアワード2025」の表彰式が、2026年2月5日(木)、東京都内で開催された。
同アワードは今回の開催で10年目の節目を迎え、「プロダクトデザイン部門」と「施工事例部門」の2部門を合わせて427作品の応募が寄せられており、審査の結果、各賞が選出され発表が行われた。

「プロダクトデザイン部門」では、審査委員長を務めたプロダクトデザイナーの倉本仁 氏が講評を述べ、「受賞されなかった作品も含め、年々作品の質が上がっていることを実感した」と作品全体のレベル向上に触れた。

「施工事例部門」は今回から新たな審査体制となり、建築家の山下保博 氏が審査委員長に就任。さらに建築家の山﨑健太郎 氏を新任審査員として迎えたことで、これまで以上に幅広い視点から作品評価が行われた。両部門ともに質の高い応募が並んだことで、審査過程では甲乙つけがたい状況が続き、当初の想定よりも受賞作品数が増加したことが、今年のアワードの水準を物語る結果となった。

表彰式では、ミラタップ代表取締役社長の山根太郎氏が挨拶に立ち、「今後も空間や暮らしの可能性を探求していくとともに、建築やデザイン業界の活性化に貢献できるよう取り組んでいきたい」と述べ、アワードを通じた業界の発展への思いを語った。受賞作品詳細は、特設サイトにて公開されている。




ミラタップデザインアワード2025受賞作品
ミラタップ

2026年2月13日金曜日

【文化庁】国立新美術館で「建築文化サミット ~ まちづくり×ビジネス×デザインのシナジー ~」を開催

 文化庁は、国や地域が持つ文化資源を活用し、官民が協力することで新たな価値の創出と持続的な活用を進める取り組みを続けている。令和5年3月に閣議決定された「文化芸術推進基本計画(第2期)」では、建築文化の振興が価値創造や社会・経済の活性化を支える重点施策として新たに位置づけられ、注目が高まっている。

こうした動向を背景に、文化庁は近現代建築を中心とする建築文化の保存・活用を推進し、制度の検討や普及啓発を進めてきた。各地では、長く市民に親しまれてきた建造物や景観を、現代のニーズに合わせて継承し、新たな役割を持つ空間へと生まれ変わらせる取り組みが広がり、文化と経済の循環を生み出す動きも見えはじめている。

こうした状況を踏まえ、文化庁は3月6日に「建築文化サミット ~ まちづくり×ビジネス×デザインのシナジー ~」を国立新美術館で開催する。取り組みの最前線に立つ実践者を招き、事例紹介や専門的な視点を通じて、建築の歴史的価値と現代的価値をどのように結びつけ、次世代へ引き継ぐかを議論する場として企画されたもの。建築文化振興の今後を展望し、都市や地域づくりが持つ新たな可能性を探る狙いがある(参加無料、事前申込制

建築文化とは、建物や街並みを単なる不動産として扱うのではなく、地域の文化資産として手を入れながら使い続けることで、地域の魅力や経済、暮らしの活力につなげる取り組みを指す。文化庁はこの概念を軸に、建築文化の価値向上をめざした制度や事業を進めている。
サミットは国立新美術館講堂を会場とし、定員は約160人。15時30分の開場後、16時に開会する。イントロダクションに続き、テーマごとの講演が進められる。

テーマと出演者
■テーマ「まちづくり」
株式会社デキタ代表取締役 時岡壮太
NPO法人尾道空き家再生プロジェクト代表理事 豊田雅子
株式会社竹中工務店設計本部伝統・レガシー建築グループ 中嶋徹

■テーマ「ビジネス」
株式会社エンジョイワークス代表取締役 福田和則
一般社団法人創造遺産機構理事 金野幸雄
株式会社リノベリング取締役 水上幸子

■テーマ「デザイン」
株式会社再生建築研究所代表取締役 神本豊秋
東京藝術大学准教授・RFA主宰 藤村龍至
株式会社スペースRデザイン代表取締役 吉原勝己

■「パネルディスカッション」
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授 加藤耕一
工学院大学総合研究所教授 後藤治
株式会社オープン・エー代表取締役 馬場正尊
READYFOR株式会社文化部門長 廣安ゆきみ




参加申し込み

2026年2月12日木曜日

【ディスカバー・ジャパン】2026年3月号「訪ねる建築 暮らす建築」が2月6日に発売

ディスカバー・ジャパンが発行する月刊誌『Discover Japan』2026年3月号「訪ねる建築 暮らす建築」が発売された。近年、全国各地で近現代建築の再生や活用が注目を集め、価値ある建築を次世代へ継承するための法整備も議論が進むなか、建築文化に新たな広がりが見えはじめている。今号では建築の記憶を大切にしながら、時代や地域の個性に沿って新たな役割を得た建築を訪ねる企画と、心地よさを追求した住まいの姿を紹介する特集が組まれ、旅や暮らしの中にある建築の豊かさを読み解く内容となっている。
巻頭では、全国で再生や新たな活用が行われている建築を「訪ねる建築」として取り上げる。さらに「暮らす建築」では、心地よさを追求した最新の住宅事例や、名建築家の自邸などを通じて理想の住まいのかたちを紹介。旅の愉しみから日常の暮らしまで、建築を軸に未来のヒントを探る構成となっている。
モデルで俳優の菊池亜希子が訪ねたのは、東京・豪徳寺に立つ「旧尾崎テオドラ邸」。1888年に尾崎三良男爵が日本と英国の血を引く令嬢テオドラのために建てた水色の洋館で、2020年に取り壊しの危機に直面したが、漫画家たちが保存会を組織し、現在は喫茶とギャラリーとして再生を遂げた。建築と喫茶を愛する菊池が、建物にこもる記憶や魅力を体感する様子が紹介されている。

建築家・堀部安嗣の自邸も取り上げられている。「竹林寺納骨堂」や船のような客船施設「ガンツウ」などで知られ、風土を生かし居心地のよさを追求する堀部が、自身と家族のために設計した住まいを詳しく紹介。生身の人間が感じる心地よさを追求した工夫が随所に見られ、住まいが“実験の場”として機能してきた様子が語られている。あわせて、一般公開されている名建築家の住まいとして、藤井厚二の「聴竹居」、土浦亀城の「土浦亀城邸」、前川國男の「前川國男邸」、池田武邦の「邦久庵」も掲載されている。

「ニッポンの建築をめぐる旅」では、その土地の魅力を映す建築を訪ねる旅を特集。山口・下関では関門海峡を望む「リゾナーレ下関」を紹介し、村野藤吾の名作に滞在できる「ザ・プリンス 京都宝ヶ池」「ザ・プリンス 箱根芦ノ湖」を取り上げる。さらに「アート県かがわ」を巡り、丹下健三設計の香川県庁舎や、画家・猪熊弦一郎の精神を継ぐ丸亀市猪熊弦一郎現代美術館を訪ねる旅も案内。福井県敦賀・若狭地域の風土に触れる旅も収録し、建築を通して地域の魅力に出合う時間を提案している。

沖縄の首里城正殿の復興状況にも焦点を当てる。アジア諸国との交易で栄えた琉球王国の象徴である首里城は、2019年の火災で9棟が被災したが、現在は復元工事が進み、今秋には正殿の完成が予定されている。特集では復元工事の現場に迫り、独自の建築様式から琉球王国の歴史文化を読み解いている。若い世代へ伝統技術を継承する取り組みも紹介し、ユネスコ無形文化遺産登録を目指す沖縄の伝統文化についても、伝統工芸、琉球料理、伝統芸能、空手・古武道、しまくとぅばの五分野から解説が加えられている。

近現代建築の再生や活用をテーマにした「ニッポンの近現代建築 再生・活用案内」では、用途変更を含むコンバージョンを取り上げ、歴史や文化と現代の営みが重なる空間に滞在することで地域の風土に触れられる建築の魅力を紹介。監修・文は建築史家の倉方俊輔が担当。北野メディウム邸(兵庫県)、半田赤レンガ建物(愛知県)、弘前れんが倉庫美術館(青森県)、PORT ART&DESIGN TSUYAMA(岡山県)、札幌市資料館(北海道)、敦賀市立博物館(福井県)、さらさ西陣(京都府)、墨会館・小信中島公民館(愛知県)、ガーデンオリエンタル大阪(大阪府)、笠間の家(茨城県)、nimbus(福井県)、ある町医者の記念館、南の家(鹿児島県)、明治安田CAFE 丸の内(東京都)など、全国の建築が幅広く紹介されている。




ディスカバー・ジャパン

2026年2月10日火曜日

東京大学発AIスタートアップ・燈、TSUCHIYAと構造計算ソフト「SS7」連携の新システムを共同開発

東京大学発AIスタートアップの燈が、TSUCHIYAと共同で、構造計算ソフト「SS7」への入力作業をAIで自動化する新システム「構造設計支援ツール」を開発した。建築図面を読み取り、構造計算に必要な要素を自動抽出する仕組みを備え、設計者の負担を大幅に軽減する構成となる。

本システムは、平面図や断面図などの建築図面をアップロードするだけで、AIが情報を解析し、構造計算に必要なパラメータを抽出する仕組みを採用。抽出したデータを構造計算ソフト「SS7」に取り込み可能な形式で自動生成し、従来の手入力中心の作業にかかっていた工数を削減する役割を担う。

建設業界では、深刻な人手不足が続き、生産性向上が急務となっている。特に構造計算業務では、図面からスパン長、階高、部材位置などの情報を読み取り、構造計算ソフトへ手動入力する作業が大きな負担となる状況が続いてきた。燈はAIによる図面解析技術を保有し、一方TSUCHIYAは建築実務で蓄積したノウハウを持つ。両社はそれぞれの技術を融合する形で新システムの開発に着手し、業務効率化を目指す取り組みへと結び付けた。

「構造設計支援ツール」の特徴
1. 地域情報(積雪量・風速)の自動反映
プロジェクトの住所を入力するだけで、AIが地域ごとの垂直積雪量や基準風速を自動探索し、システムに反映する仕組みを用意。設計者が個別に調査していた作業の負担が軽減される構成となる。
 2. 図面からの高精度情報抽出
AIがレイヤー情報を解析し、利用者が柱・通り芯・梁などの属性を指定することで、階高、符号、スパン長、外壁や床、柱などの部材配置を自動抽出する方式を採用。図面読み取りにかかる時間削減を目指す。
 3. 構造計算ソフト「SS7」へスムーズに連携
抽出データは「SS7」に取り込めるエクセル形式で自動生成され、入力ミスの防止につながる。3Dでのモデル確認や、HELIOSやArchicadなどのBIMソフトとの連携にもつながりやすい構成となる。

入力の自動化により、図面読み取りと構造計算ソフトへの反映作業を中心に、約半分の業務時間削減が可能という。構造計算後は3Dモデルでの確認やBIM連携が容易となり、建築設計全体の効率向上にも寄与する。



燈株式会社(Akari Inc.)
https://akariinc.co.jp/

2026年2月9日月曜日

MUJI×UR「団地をみんなで考える研究所」の始動、「無印良品 東京有明」店舗内に 新モデルルームがオープン

独立行政法人都市再生機構(以下、「UR都市機構」)と「無印良品のリノベーション」を展開する株式会社MUJI HOUSE(以下、「MUJI HOUSE」)は、「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」において、団地や暮らしの新しい価値創造とリノベーションの更なる展開を目指す新プロジェクト「団地をみんなで考える研究所」の始動、及び全国で初めてとなる屋外空間を再現した新モデルルームが、2月6日(金)、「無印良品 東京有明」店舗内(東京都 江東区)にオープンした。

モデルルームは、団地暮らしの本質的な魅力を体感できる空間として、建替えのため除却されることとなった東中神団地等から梁や玄関扉、マンホールなどの資材を取り寄せて制作。また、無印良品の家具を使用することで、新築にはない温かみや味わいを残しながらも、現代的で洗練された暮らしを提案している。

UR都市機構とMUJI HOUSEは、平成24年6月「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」を立ち上げ、平成25年1月に大阪でリノベーション住戸の供給を開始。令和7年11月末までに累計で79団地まで拡大し、供給戸数は約1,500戸に達している。また、令和3年から、団地住戸だけでなく団地外観、屋外広場、商店街区にもリノベーションの対象を拡大し、新たに地域コミュニティの形成にも取り組む事業として、「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」を開始。これまで全国4団地で展開している。 

新プロジェクト「団地をみんなで考える研究所」では、新プロジェクトに賛同・参加する方々を、年間で2万人集めることを目指し、店舗内モデルルーム(オフライン)とWEB(オンライン)の両方で、顧客からの声を幅広く収集し、従来の提案型の枠を超え、顧客との対話を通じて、団地や暮らしに関する商品やサービスを共創する新しいプロセスを確立していく。

 モデルルーム概要:https://www.muji.net/ie/mujiur/modelroom/ariake

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト:https://www.muji.net/ie/mujiur/

MUJI×UR 団地まるごとリノベーションプロジェクト:https://www.muji.net/ie/mujiur/whole_renovation/ 


【トーヨーキッチンスタイル】名作チェアをソフトなアームチェアへと進化させる専用クッション

トーヨーキッチンスタイルは、日本総代理店を務めるイタリアのインテリアブランド Kartell から、新たに名作チェアをソフトなアームチェアへと進化させる専用クッション「アリスズフラワーズクッション」の取り扱いを開始した。花をモチーフにしたこのクッションは、バレンタインの贈り物や新生活を迎える人へのエール、さらには日々の感謝を伝えるギフトとして、暮らしの中に心地よい安らぎを届けることを目指している。

このクッションは、おとぎ話に登場する語りかける花々から着想を得て誕生したもので、デザインを手がけたのはティツィアーノ・グアルディーニとルイージ・チュフレーダ。Kartell を象徴する名作チェアに花びらを思わせるフォルムを組み合わせることで、身体をやさしく包み込むような快適な座り心地を実現した。実際、花びらのように立体的な形状は座る人をそっと支え、ポリカーボネート製チェアの硬さを和らげることで、まるで新たなアームチェアに生まれ変わったかのような使用感を与えてくれる。

素材にはペットボトルなどを再利用した100%再生ポリエステルを採用し、接着剤や異素材を用いない単一素材設計により、使用後も再リサイクルしやすいサステナブルな構造となっている。サイズは Kartell の名作チェアに合わせて設計されており、Masters や Louis Ghost をはじめ、A.I.、ヴェニス、ハイレイチェアアーム、ジェネリックA、ジェネリックC など計7種類のチェアと互換性があるため、既存の家具を買い替えることなく、新鮮な座り心地や表情をプラスできるのも魅力だ。

カラーは豊富な10色展開で、パイピングとのコントラストが際立つ5色のソリッドカラーに加え、遊び心あふれるストライプ2色とポルカドット3色をラインナップ。コンテンポラリーからナチュラルまで幅広いインテリアにアクセントを添えることができる。価格は税込58,900円で、再生ポリエステル繊維を用いた環境配慮型のプロダクトとしても注目される。




トーヨーキッチンスタイル
https://www.toyokitchen.co.jp/

2026年2月6日金曜日

【広浜】端材を活用したサステナブルチェア「バンナ」を発売

広浜が、畳の製造工程で発生する「い草の端材」を再利用した椅子「バンナ」を1月27日に発売した。これまで廃棄されてきた素材に新たな用途を与える取り組みとして、サステナブルなものづくりを志向する同社の新たな展開となる。

本製品は、畳に使われるい草の端材を紐状に加工し、座面として編み上げた点が特徴。天然素材ならではの風合いと香りを生かし、軽さや通気性、適度な弾力を備えた座り心地を持つ構造で、長時間でも蒸れにくい仕様となっている。畳の上に座る感覚に通じる自然な心地よさが残る仕上がりに整えられている。
・開発の背景:製造現場の「もったいない」から始まった挑戦
畳づくりの現場では、畳表を裁断する際に質に問題のない端材が大量に生まれる。しかし畳としては使用できないため、長年にわたり廃棄される状況が続いてきた。広浜株式会社は、これらの端材を資源として活かせないかという視点から再利用の可能性を探り、「い草を最後まで使い切る」という理念のもと製品化に取り組んだ。
椅子の製作では、自社で製造したフレームに職人がい草の紐を手作業で編み込む工程を採用。廃材を用いながらも手仕事による丁寧な仕上げを行い、新たな価値を持つ家具として成立させた。

・天然素材ならではの機能性と空間性
い草は軽さや通気性の高さに加え、優しい弾力を持つ素材。編み込み構造の座面は体を柔らかく受け止め、湿気がこもりにくい特徴を備える。い草特有の自然な香りが空間に穏やかな落ち着きを与え、住宅や店舗、公共施設などさまざまな空間に馴染むデザインを形成している。今回の椅子はアップサイクルの観点に留まらず、日本の暮らしと深く結びついてきた「畳文化」の新たな可能性を示す製品として位置付けられている。今後は別デザインの展開も予定されている。

2026年2月5日木曜日

DICと国際文化会館のアート・建築分野を起点とする 協業本格始動・深化フェーズへ

DIC株式会社と公益財団法人国際文化会館とのアート・建築分野を起点とする協業プロジェクト本格始動記者発表が2月5日国際文化会館にて行われた。

(左からDIC池田氏、ロスコ・チャペル アンテプリ氏、国際文化会館近藤氏)

DIC と国際文化会館は、アメリカ・ヒューストンにあるロスコ・チャペルと各々が新たにパートナーシップ提携を締結。DIC川村記念美術館に展示していたマーク・ロスコの<シーグラム壁画>7点すべてを国際文化会館が建設する新西館に移設し、新設する「ロスコ・ルーム」を共同運営していくにあたり、アメリカのマーク・ロスコの中核拠点であるロスコ・チャペルと連携し、海外との文化的ネットワークを形成する。

国際文化会館の新西館に開設する常設展示室「ロスコ・ルーム」の設計は建築ユニットSANAAが手掛ける。

(建築ユニットSANAA:右から妹島和世氏、西沢立衛氏)

「ロスコ・ルーム」へは、新設される緑豊かなエントランス庭園に囲まれたエントランスホール、自然光を感じることのできる地下のメディテーションスペースからアプローチ。国際文化会館新西館建設計画(仮称)のメインコンセプトの一つである親自然空間体験と、「ロスコ・ルーム」の単独的な空間体験のふたつを両立させ、ひと続きの体験となる構成を目指す。

「ロスコ・ルーム」は、地下の展示室内に設けられる。他の展示と連続しながらも、独立した場となるように計画される。「ロスコ・ルーム」自体が明確な存在感を持ち、訪れる人に象徴的な体験をもたらす空間を目指す。 

© 1998 Kate Rothko Prizel & Christopher Rothko / ARS, New York /JASPAR, Tokyo G4115

建築ユニットSANAAのコメント

「このたび国際文化会館の新西館建設計画の一環として、シーグラム壁画を展示するロスコ・ルームの設計に関わる機会に恵まれ、たいへん光栄に思います。静かな展示環境の中、そこを訪れる人々が作品と深く向き合える場となるよう、設計を進めてまいります。」 

国際文化会館HP:http://dic-ihj.org/