デンマークの照明ブランド、レ・クリントの日本法人は、フェルト素材を用いた新シリーズ「ソフトリー プリーテッド」のペンダントライトを2026年6月29日に発売する。新作はデザイナーのフィリップ・ブロ・ルドゥヴィセンが手がけたもので、同氏にとって同ブランドとの協働30周年を経ての商品化となる。
本シリーズは、レ・クリントの象徴であるプリーツシェードの意匠を継承しながら、従来主に用いられてきた紙やプラスチックに代えてフェルトを採用した点に特徴がある。シェードは職人の手により折り上げられ、素材ならではの厚みと柔らかさを生かした造形となる。ミシン目状の切り込みをあらかじめ施すことで折りのガイドとしつつ、そこからほのかに光がにじむ構造とし、陰影に奥行きを持たせている。
光の表現にも特性が表れる。フェルトを透過した光はややゴールドがかった柔らかな色調となり、空間全体に温かみのある雰囲気をもたらす一方、シェード下部からの直接光はテーブル面や手元を明るく照らし、日常使用における実用性も確保した。さらにフェルトは中高音域の反射を抑える性質を持つことから、視覚だけでなく聴覚面でも静けさを感じさせる環境づくりに寄与するとされる。
製品は直径420ミリの「S」と同600ミリの「M」の2サイズで展開し、価格はそれぞれ16万5000円と20万9000円。光源は一般的なE26口金のLEDに対応し、住空間から商業施設まで幅広い用途を想定する。フェルトは製造工程上、繊維の組成に個体差が生じるため、色味や風合いにばらつきが出ることも特性としている。
開発の起点は2014年にさかのぼる。同年、デンマークで開催された家具デザインの展示イベントで初めて公開された試作が、改良と検証を重ねる中で約10年を経て商品化に至った。素材選定や量産工程の確立に時間を要したことが背景にあり、「良いモノづくりには時間がかかる」という考えを体現するプロジェクトと位置づけられる。
住宅や商業空間の照明において、視覚的なデザイン性に加え、音環境や居心地といった複合的な要素への関心が高まる中、素材そのものの機能を活用したプロダクトは一定の需要を見込む。フェルトという新たな素材を取り込んだ同シリーズが、伝統ブランドの価値をいかに更新するかが注目される。
レ・クリント
https://www.leklint.jp/
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