2026年6月3日水曜日

【昭文社】 サグラダ・ファミリアの全貌に迫る! 『図解でスッと頭に入るガウディと サグラダ・ファミリアの世界』を発売

 昭文社は、建築家アントニ・ガウディと代表作サグラダ・ファミリアの全体像を解説する新刊『図解でスッと頭に入るガウディとサグラダ・ファミリアの世界』を、5月29日に発売した。2026年はガウディ没後100年にあたる節目の年であり、同年にはサグラダ・ファミリアで最高到達点となる「イエス・キリストの塔」が完成を迎える予定で、世界的な関心が高まる中での刊行となる。
本書は、歴史や文化を平易に伝える同社のシリーズ「スッと頭に入る」の一冊として、ガウディの建築思想と主要作品を豊富な図解と写真で整理した。奇抜な造形で知られるガウディ建築を、直感的な表現にとどめず、自然界の法則を応用した合理的な構造として読み解く点に特徴がある。逆さにつるした模型から構造を導き出す「逆吊り模型」や、荷重を効率的に分散させるパラボラアーチなど、ガウディが重視した構造力学の考え方を視覚的に示し、生命感あふれる造形がいかにして成立したのかを解説する。

構成は、人物像と思想に迫る章と、建築作品を網羅的に紹介する章の二部立て。前半では、病弱だった幼少期から建築家としての形成期、パトロンとの出会い、私欲を捨ててサグラダ・ファミリアに没頭した晩年までの歩みをたどり、独創性の源泉を探る。後半では、サグラダ・ファミリアの全体構成や三つのファサード、内部空間、18本の塔の意味をはじめ、「カサ・ミラ」「カサ・バッリョ」「グエル公園」など、バルセロナを中心とする世界遺産群を写真と図解で紹介する。
監修を務めたのは、長年ガウディ研究を牽引してきた建築史家の鳥居徳敏氏。スペイン滞在経験を背景に、建築史的文脈と現地での実見に基づく解説を加え、初学者にも理解しやすい内容にまとめた。A5判128ページと手に取りやすい体裁ながら、サグラダ・ファミリアの建設史や未完計画にも触れ、没後100年という時間軸の中でガウディの仕事を俯瞰できる構成となっている。

サグラダ・ファミリアは1882年の着工以来、100年以上にわたり建設が続けられてきた未完の聖堂で、完成に向けた節目を迎える今、ガウディの思想や建築の全貌を整理する意義は大きい。本書は、観光的な関心にとどまらず、構造や思想の側面からガウディ建築を理解するための入門書として位置づけられ、節目の年における一つの指標となりそうだ。




昭文社

2026年6月2日火曜日

【山口産業】2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で建設に関与したクウェートパビリオンの一部を佐賀県に寄贈

山口産業は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で建設に関与したクウェートパビリオンの一部を佐賀県に寄贈し、佐賀県立産業技術学院(多久市)へ移設することで合意したと発表した。

寄贈対象のクウェートパビリオンは、大阪・関西万博で「先見の明かり」を掲げ、翼を広げた鳥を思わせる有機的なデザインを特徴とする建築として来場者の関心を集めた。山口産業は膜構造技術を活用した施工に携わり、軽量で柔軟性に富む素材特性を生かしながら、大空間と自由度の高い造形を実現したとされる。移設後は展示として保存するだけでなく、来訪者が集い学び交流する場としての活用が計画されており、日常的に人が滞在する地域拠点としての機能が想定されている。


設置先となる産業技術学院との連携により、教育分野での活用も視野に入れる。多久市は伝統工芸や製造業など多様な産業基盤を有しており、学生の実習や地域住民との交流を通じて、実践的な技術習得と地域との結び付き強化を図る狙いがある。膜構造という先端的な建築技術を身近に理解できる環境は、次世代の技術者育成にも一定の役割を果たす可能性がある。

こうした取り組みの背景には、万博施設の活用方法に対する発想転換がある。一過性のイベント終了後、施設を解体または保存するだけにとどめず、地域社会の中で継続的に活用する方向へとシフトする動きが広がりつつある。山口産業は、万博で生まれた象徴的空間を地域に根付かせ、交流や創造を促す拠点として機能させることで持続的な価値創出につなげたい考えとみられる。人々が自然に集まり、関係性を築く場としての役割が期待されている。

同社にとっても万博事業は技術面での重要な経験と位置付けられる。国際的な舞台で培った施工技術や設計ノウハウを地域へ還元することで、自社の技術発展と地域振興の両立を目指す意図がうかがえる。産業技術学院を核として教育と産業、地域社会が交差する空間が形成されれば、人材育成や地域活性化への波及効果も見込まれる。

万博後の施設活用は全国的な課題の一つとされており、民間企業と自治体が連携して再活用を図る今回の取り組みは、その一例として注目を集める可能性がある。山口産業は万博の成果を地域で継承し、新たな価値創造の拠点として機能させることで、多久市から次世代に向けた展開を見据える動きとなりそうだ。


山口産業
https://www.yamasan-grp.co.jp/

2026年6月1日月曜日

【アルマーニ / カーザ】2026 新作コレクション "ORIGINS"を発表

アルマーニ/カーザは2026年の新作コレクション「Origins」を、ミラノ・コルソ・ヴェネツィア14番地の旗艦店で発表した。展示は単なる新作紹介にとどまらず、ブランドを象徴するプロダクトから住空間へと広がるストーリーとして構成されており、過去と現在を往還するような体験性を意図している。
会場の導入となる1階では、「アイコン」と位置づけられる家具や照明が新作とともに提示された。BALOONアームチェアやTOKYOアームチェア、LOGOランプなど、長年にわたりブランドの美学を体現してきたプロダクトを軸に、進化を続けながらも変わらない本質が強調される構成となっている。外からはシルエットとして浮かび上がり、内部に入ることで全体像が明らかになる演出が施され、黒いドレープと金色の展示ケースにより舞台的な空間が演出されている。

一方、2階はジョルジオ・アルマーニの住まいに着想を得たリビング空間として展開される。ここでは、日常的なくつろぎと来客を迎える場としての機能という二面性を軸に、三つの異なるエリアが設けられた。空間にはアルマーニの自邸を想起させる手描きの水彩画が背景として配され、家具や素材、光の関係性を通じて、生活空間としてのヴィジョンが具体化されている。

展示されるプロダクトも、それぞれの場面に応じた構成を見せる。ギャラリーウォールを描いたエリアでは、新作のBORGONUOVOゲームテーブルや、フロアタイプへと発展したLOGOランプが置かれ、チェッカーフロアとの対比により柔らかな色彩が引き立てられる。階段と黒豹の彫刻をモチーフとした空間では、ストーンウォッシュ加工のソファやジャカード織のアームチェア、ブラックアッシュ材のテーブルが配置され、素材と色彩の緊張関係が表現されている。

さらに暖炉と大きな窓を描いた壁面を背景とするエリアでは、ウール素材の新作ソファやアームチェア、ブックケースが並び、親密で落ち着いた時間が流れる空間が演出される。最後のエリアではパンテッレリア島の風景を想起させる背景のもと、モジュラーソファやローテーブル、照明が配置され、「人と過ごす時間」を主題とした開放的な場が提示されている。

全体を通じ、空間は小物や装飾によって完成され、アルマーニ/カーザが掲げるもてなしの美学が体現されている。シンプルであることと、時間とともに変化し続けること。コレクション「Origins」は、その両立を軸に据えながら、ブランドのスタイルを改めて提示する試みとして位置づけられる。



ジョルジオ アルマーニ ジャパン 

2026年5月29日金曜日

【レ・クリント】フェルト素材を用いた新シリーズ「ソフトリー プリーテッド」のペンダントライトを発売

 デンマークの照明ブランド、レ・クリントの日本法人は、フェルト素材を用いた新シリーズ「ソフトリー プリーテッド」のペンダントライトを2026年6月29日に発売する。新作はデザイナーのフィリップ・ブロ・ルドゥヴィセンが手がけたもので、同氏にとって同ブランドとの協働30周年を経ての商品化となる。
本シリーズは、レ・クリントの象徴であるプリーツシェードの意匠を継承しながら、従来主に用いられてきた紙やプラスチックに代えてフェルトを採用した点に特徴がある。シェードは職人の手により折り上げられ、素材ならではの厚みと柔らかさを生かした造形となる。ミシン目状の切り込みをあらかじめ施すことで折りのガイドとしつつ、そこからほのかに光がにじむ構造とし、陰影に奥行きを持たせている。

光の表現にも特性が表れる。フェルトを透過した光はややゴールドがかった柔らかな色調となり、空間全体に温かみのある雰囲気をもたらす一方、シェード下部からの直接光はテーブル面や手元を明るく照らし、日常使用における実用性も確保した。さらにフェルトは中高音域の反射を抑える性質を持つことから、視覚だけでなく聴覚面でも静けさを感じさせる環境づくりに寄与するとされる。

製品は直径420ミリの「S」と同600ミリの「M」の2サイズで展開し、価格はそれぞれ16万5000円と20万9000円。光源は一般的なE26口金のLEDに対応し、住空間から商業施設まで幅広い用途を想定する。フェルトは製造工程上、繊維の組成に個体差が生じるため、色味や風合いにばらつきが出ることも特性としている。
開発の起点は2014年にさかのぼる。同年、デンマークで開催された家具デザインの展示イベントで初めて公開された試作が、改良と検証を重ねる中で約10年を経て商品化に至った。素材選定や量産工程の確立に時間を要したことが背景にあり、「良いモノづくりには時間がかかる」という考えを体現するプロジェクトと位置づけられる。

住宅や商業空間の照明において、視覚的なデザイン性に加え、音環境や居心地といった複合的な要素への関心が高まる中、素材そのものの機能を活用したプロダクトは一定の需要を見込む。フェルトという新たな素材を取り込んだ同シリーズが、伝統ブランドの価値をいかに更新するかが注目される。





レ・クリント
https://www.leklint.jp/





2026年5月28日木曜日

【関が原石材】「大阪ショールーム」を開設

関ヶ原石材株式会社は、大阪支店の移転に伴い、「関ヶ原石材 大阪ショールーム」を2026年6月1日に開設する。石という自然素材の魅力を体感し、設計や空間づくりの可能性を広げる場として位置づけられている。
新ショールームの空間デザインを手がけたのは、神戸とフランス・アルルを拠点に活動する「Teruhiro Yanagihara Studio」で、建材の陳列にとどまらず、建築家やデザイナー、施主が石の質感や表情を五感で感じ、創造力を刺激される場を目指した。

構成は、素材体験を主とする2階と、実践的な選定・打ち合わせを行う3階からなる二層構造となっている。2階は、「石に惹かれ、素材感を体感する空間」として構成されたアプローチフロアだ。関ヶ原石材がプロデュースする天然石ブランド「KISEKI」や、自社オリジナルライン「Strad.」をはじめ、イタリアの名門天然石ブランド「Antolini」の石材を随所に配置。サイズや仕上げの異なる石が大胆に用いられ、手触りや質量、温度感といった石の持つ多様な表情を直接感じ取ることができる。
 
一方3階は、「光の中で選び、創造する空間」をテーマにした実務的な選定フロアだ。壁面にはサンプルライブラリーが広がり、天然石、磁器タイル、クォーツストーンなど、550種以上の素材を展示。2階で体感した天然石ブランドに加え、大判セラミックタイル「ULTRA」や、キッチントップ向け素材「SAPIENSTONE」などの注力商材も揃う。大型の打ち合わせテーブルでは、質感や色味を比較しながら、実際の空間に落とし込むイメージを具体化できる。
大阪ショールームは、単独で完結する場ではなく、日本有数の規模を誇る岐阜・関ヶ原本社への「ゲートウェイ」としての役割も担う。来場者を本社のストーンギャラリーや工場へと誘導し、石が形を変えていく工程や素材の背景に触れてもらうことで、理解と愛着を深める起点とする考えだ。







2026年5月27日水曜日

【コトブキシーティング】小中高校向けの施設事例をまとめた冊子『公立学校向け事例集vol.3』を発行

 コトブキシーティングは2026年4月30日、小中高校向けの施設事例をまとめた冊子『公立学校向け事例集vol.3』を発行した。学校施設の複合化・共用化をテーマに、最新の整備・運用事例23件を収録しており、同年5月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催される教育総合展「EDIX東京2026」の同社ブースで配布した。

同冊子は、公立学校を中心とした施設の活用や設計の実例を、「地域コミュニティ」「多機能な体育館」「探究学習の場」という三つの観点で整理した構成となっている。各事例では整備に至る背景や導入後の効果を写真とともに紹介するほか、教職員や自治体担当者へのインタビューも多数掲載する。教育理念を空間設計にどう反映したかや、教室や体育館、視聴覚室など各種施設が学習活動に与えた影響について、現場の視点から具体的に掘り下げている点が特徴といえる。前号に加え、学校統合に伴い新設された義務教育学校や、生徒の主体性を重視した学習環境づくりに取り組む事例などを新たに収録し、内容を拡充した。

公立学校を取り巻く環境は近年、大きく変化している。児童・生徒の学びの場としての役割に加え、地域住民の交流拠点や生涯学習の場としての機能が求められるほか、公共施設再編の中で新たな役割を担うケースも増えている。限られた敷地や予算の制約の中で、多様な用途に対応できる柔軟な施設整備が課題となるなか、先進事例の共有や具体的な運用ノウハウの蓄積が必要とされている。同社はこうした動向を踏まえ、2022年から同種の事例集を継続的に発行してきた。

EDIX東京2026の会場では、「多目的に活用できる体育館・多目的室」をテーマに、移動式観覧席や大型電動間仕切りなどの製品を実機展示し、効率的な空間利用を想定した提案を示した。同冊子の配布を通じて、教育施設における空間活用の具体策を提示し、自治体や教育機関の施設整備に向けた検討材料としての活用が見込まれる。学校施設の多機能化が進む中、同社の取り組みは実務的な参考資料として一定の位置づけを占める事が期待されている。





コトブキシーティング
 https://www.kotobuki-seating.co.jp/


【エヌ・シー・エヌ】第21回重量木骨プレミアムパートナー総会 開催

 エヌ・シー・エヌは4月16日、札幌市内で「第21回重量木骨プレミアムパートナー総会」を開いた。独自の耐震工法「SE構法」の登録施工店632社の中から選抜された工務店64社で構成するネットワークを中心に、提携するプレカット工場や資材メーカーを含む69社、約150人が全国から参加し、2026年度の重点施策と今後の連携の在り方について認識を共有した。
重量木骨プレミアムパートナーは、「顧客の資産と未来を守る」を理念に掲げ、構造性能と設計自由度を両立するSE構法の価値を実務の現場で体現する工務店ネットワークとして位置づけられている。総会冒頭では、代表取締役社長の田鎖郁男氏が2025年度の取り組みを総括し、インフレや建築資材価格の上昇が続く環境下では、住宅を単なる消費財ではなく資産としてどう示していくかが一段と重要になるとの認識を示した。そのうえで、単独企業では実行が難しい領域について、ネットワーク全体で補完し合いながら推進する2026年度の強化策を提示した。

続いて、常務執行役員の中川勝人氏が、各社の競争力を底上げするための具体的な施策に言及した。人口減少や新設住宅着工戸数の減少、住宅価格の高騰といった厳しい市場環境に触れつつも、富裕層の増加や中古マンション価格の上昇といった動きも踏まえ、注文住宅の価値をどう伝えていくかが問われていると指摘した。その解として、「建物のデザイン」「重量木骨のブランド力」「金融の仕組み」「会社の永続性」という四つの視点を軸に、グループとして住宅の資産価値を高めていく方針を明らかにした。

また、会社の永続性を考える具体例として、創業120周年を迎えた阿部建設の事例が紹介された。6代目の阿部将也氏が登壇し、「継承と多角化」をテーマに講演を行い、事業領域の拡張や組織・人材への投資を通じて、伝統と変革を両立させてきた経営の考え方を共有した。長期視点に立った経営判断の積み重ねが、企業価値の維持につながることを示す内容となった。

総会の終盤には、SE構法の品質を下支えするプレカット工場のうち、安定した性能と品質で資材供給に貢献したランバー宮崎協同組合に感謝状が贈られた。設計や施工に加え、部材加工を含む供給体制全体が住宅の品質と資産価値を左右するとの認識が、参加者の間で改めて共有された。

住宅市場の先行きが不透明感を増す中、エヌ・シー・エヌは、構造性能を基盤とした住宅の資産価値を明確に打ち出すことで差別化を図ってきた。プレミアムパートナー制度は、その思想を実践する中核的な枠組みであり、今回の総会は、選ばれた企業同士が課題意識と戦略をすり合わせる機会となった。資産価値ある住宅の具現化に向け、ネットワークとしての取り組みが次の段階へ進みつつあることを印象づける場だったといえる。

■「第21回重量木骨プレミアムパートナー総会」概要
日 時:2026年4月16日(木)14:00~17:00
会 場:札幌プリンスホテル
式次第:・開会挨拶
・2026年度方針のご提案 田鎖郁男(エヌ・シー・エヌ 代表取締役社長)
・2026年度 施策とプロモーション 中川勝人(エヌ・シー・エヌ 常務執行役員)
・重量木骨プレミアムパートナー 事例発表
・優秀プレカット工場表彰
・閉会挨拶
 
■「重量木骨プレミアムパートナー」実績(2025年1月~2025年12月) 
・プレミアムパートナー社数:64社
・平均受注金額:56,322,464円(昨年比プラス6,700,000円)
・平均平米数(延床面積):139.15平方メートル(昨年比マイナス2.1平方メートル)



エヌ・シー・エヌ
https://www.ncn-se.co.jp