2026年10月6日火曜日

【SANU】 長野県・東御にSANU 2nd Home「AMANAGI(あまなぎ)」誕生

SANUは、国内最大級のシェア別荘サービス「SANU 2nd Home」の新拠点「AMANAGI(あまなぎ)」を長野県東御市に開業したと発表した。これにより同社が展開するセカンドホームは全国38拠点242室となり、既存建築を再生して活用するリノベーションライン「Selection Series」としては17作目となる。
AMANAGIの企画・設計は、同社のインハウス建築チーム「SANU ARCHITECTS」が担当した。前オーナーが長年育んできた建築の価値を継承しながら、東御市の地形や気候、周辺環境との調和を重視して再構築したもので、多くの会員にとって「もう一つの家」となる滞在拠点として位置付けられている。

施設名の「AMANAGI」は、拠点から望む広大な景観の中で光と風が巡り、凪のような静けさに心がほどけていく情景を表現したものという。浅間山と湯の丸高原の間を吹き抜ける風や、刻々と変化する光の表情を感じながら過ごせる環境を特徴としている。
建築面では、東御特有の自然環境を読み解くことから設計を始めた。浅間山の裾野を見渡し、湯の丸連峰や高原に囲まれた土地は風の通り道として知られ、森や畑を渡る風によって景観や空気感が絶えず変化する。SANU ARCHITECTSは現地調査を重ねながら、そうした自然の揺らぎを建築空間に取り込むことを目指したとし、築35年を経た建物が備える高天井や大開口、連続する細窓、外部へと視線が抜ける構成、コーナーダイニングなどの特徴的な骨格を継承し、大規模な改変ではなく既存の魅力を活かす方向で改修を進めた。木材の質感やグリーンを基調とした配色など、建物に刻まれた時間の蓄積を感じられるよう、家具や内装の仕上げも必要最小限に抑えたという。
室内には、長野県の伝統工芸である内山和紙を用いた特注のペンダント照明を設置したほか、同じ和紙を積層して東御の山並みを表現したアート作品も採用した。地域文化や風景の要素を室内空間に取り込み、土地とのつながりを感じられる環境づくりを図った。
外構計画では、敷地内で長年育ってきた枝垂れ桜や菖蒲、紫陽花、ツツジなどの植生を一本も伐採せずに保存しながら庭を再設計した。新たに設けた焚き火スペースには、鳥や小動物が羽を休められるバードバスなども配置し、人だけでなく地域に息づく生物との共生を意識した空間とした。

SANUは近年、地域に残る建築資産や景観資源を活用した拠点整備を進めており、AMANAGIはその取り組みを象徴する事例の一つとなる。既存建築の記憶を受け継ぎながら土地固有の自然や文化を滞在体験に反映させることで、二拠点居住や多拠点生活の新たな選択肢としての役割も担うとみられる。





SANU

2026年10月5日月曜日

【目黒雅叙園】東京都指定有形文化財「百段階段」を1年ぶりに特別公開

目黒雅叙園は、東京都指定有形文化財「百段階段」の文化財建築特別公開を、2026年10月1日から2027年3月30日まで開催する。運営受託者として実施するもので、展示を最小限に抑え、文化財建築そのものの魅力を体感できる公開企画としては約1年ぶりとなる。

「百段階段」は、1935(昭和10)年に建設された旧目黒雅叙園3号館で、7つの宴会部屋を99段の長い階段廊下で結ぶ木造建築として知られる。昭和初期を代表する画家らによる126枚の日本画をはじめ、螺鈿細工、釘や接着剤を使用せずに組み上げられた組子障子、750点を超える七宝細工、樹齢約200年の檜の床柱など、随所に高度な職人技が施されており、その歴史的・文化的価値から2009年に東京都指定有形文化財に指定された。
<百段階段「漁樵(ぎょしょう)の間」>

<百段階段「静水(せいすい)の間」>

今回の特別公開では、イベント展示や演出を極力排し、建築本来の姿を鑑賞できることが大きな特徴となる。来館者は各部屋に描かれた日本画や装飾意匠、欄間、床柱、長押などを間近に見ながら、かつて“昭和の竜宮城”と称された目黒雅叙園の美意識に触れることができる。金曜日と土曜日には、一般公開終了後に人数限定のガイドツアー付き見学も実施され、専門的な解説を交えながら文化財の見どころを巡る機会を設ける。

見どころの一つとして、戦前に使用されていたものを修復した現存最古の回転テーブルとされる「螺鈿の回転テーブル」を、「十畝の間」で特別展示する。長押や床框に施された螺鈿装飾で知られる同室において、華やかな螺鈿細工をまとった回転テーブルが公開されるのは初めてで、文化財建築と調度品が織りなす往時の宴席空間を伝える展示となる。
また、館内装飾に込められた意味や物語に着目した企画として、「百段階段」に描かれた100のモチーフも紹介する。鶴や龍、牡丹をはじめ、健康や富貴、良縁といった願いを象徴する縁起物をテーマに、一つひとつの意匠に込められた意味を解説することで、建築美術への理解を深める内容とした。
<百段階段>

<百段階段「十畝(じっぽ)の間」螺鈿細工>

<百段階段「草丘(そうきゅう)の間」>

「百段階段」は、厚さ約5センチのケヤキ板で構成された階段廊下と、それぞれ趣向の異なる7部屋によって構成される。天井画や欄間には当時第一線で活躍した画家たちの作品が描かれ、桃山文化や江戸文化の流れをくむ豪華な装飾様式が現在まで受け継がれている。近年は展示会場として活用される機会も多いが、今回は建築そのものに焦点を当てることで、昭和初期の職人技術と美意識の到達点とされる文化財の価値を改めて紹介する機会となりそうだ。




目黒雅叙園

2026年10月2日金曜日

【三晃⾦属⼯業株式会社】屋根シート防⽔⼯法の新製品「ハイタフ®防火」を発売

 三晃⾦属⼯業株式会社(本社︓東京都港区、代表取締役社⻑︓⻘⽊栄⼀)は、2026年10⽉1⽇より屋根シート防⽔⼯法「ハイタフ®」シリーズの新商品として、「ハイタフ®防⽕」を発売する。


新商品では、⽶国シート防⽔材メーカーGAF社と共同開発した、難燃性を⾼めた熱可塑性エラストマー系シート防⽔と、最⼤厚み200mmの断熱ボード(25〜200mmに対応)を組み合わせた構成とすることで、「⾼い断熱性能」と「防⽕性能」を両⽴した新しい屋根シート防水工法となっている。

▲⾦属折板下地(デッキプレート)と断熱ボード厚み200mmでの
飛び火仕様 イメージパース図

また、⼀般財団法⼈ 建材試験センターでの⾶び⽕性能試験への合格により、建築基準法の防火・準防火地域・22条区域すべて対応可能となることで、幅広い用途地区で使用することが出来る。

製品はシート防水屋根を計画されている案件毎に、高断熱、高遮熱、耐火性能、防火性能(飛び火認定指定)の要求にそれぞれ対応可能な仕様であり、高断熱を求められる非住宅の鉄骨造(精密工場、倉庫、大型物流倉庫、学校体育館など)のシート防水屋根の建物へ使用など、建物構造に合わせた最適な設計・施工が提案可能となっている。


▲「ハイタフ®防火」 標準仕様断面図

【新商品概要】
・商品名︓    「ハイタフ®防火」
・発売日︓    2026年10月1日
・施工開始日︓  2027年4月(予定)
・工法名︓    屋根シート防水/ 機械的固定⼯法 / 外断熱⼯法
・主要構成部材︓
  防⽔材・・・「飛び火対応ハイタフシート」(ホワイト/厚み1.52mm)
  断熱材・・・硬質ウレタンフォーム(厚み25mm〜200mm)
  下地材・・・デッキプレート(厚み1.0mm、1.2mm)、
        コンクリート、木製、鋼製など



2026年10月1日木曜日

【建築資料研究社】 卒業設計日本一決定戦の全記録を一冊に収録「せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦 OFFICIAL BOOK」発売

建築資料研究社/日建学院は、全国の書店およびオンライン書店で『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦 OFFICIAL BOOK』を9月15日に発売した。建築を学ぶ学生による国内最大級の卒業設計展「せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦」の公式記録集で、予選から公開審査によるファイナルまでの全審査過程を収録した一冊となっている。

同書はA4変型判160ページで、編者は仙台建築都市学生会議とせんだいメディアテーク。定価は2420円。全国から集まった449作品を掲載するほか、受賞作品を含むファイナリスト10作品の内容や審査経過を詳しく紹介している。また、予選を通過した上位100作品「100選」については個別講評を収録し、さらに「100選」選出審査において当落線上にあった20作品についても、審査員によるコメントを掲載するなど、学生建築の現在地と審査の視点を立体的に読み取れる構成とした。

本書の大きな特徴は、最終結果だけではなく、全国から集まった卒業設計作品がどのような評価を受け、日本一へと絞り込まれていったのかという過程を詳細に記録している点にある。作品集としての役割に加え、建築教育や設計思考の記録資料としての性格も併せ持ち、学生や教育関係者、実務者にとって参考となる内容を収めた。

『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK』P.8-9:「日本一」受賞作品『 重なりの輪郭 』 鈴木 達也(千葉大学)より 撮影:伊藤 トオル  

『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK』P.52-53:セミファイナル審査  撮影:伊藤 トオル

『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK』P.104-105:100選作品  撮影:越後谷 出

2026年大会で「日本一」に選ばれたのは、建築設計における根拠や意味のあり方を問い直した作品『重なりの輪郭』(鈴木達也氏・千葉大学)だった。衛星画像上でメガソーラーを湖と誤認した体験を出発点とし、湖とメガソーラーという異なる世界を重ね合わせながら、住居と変電所という異なる用途の建築を構想したもので、単一の意味に回収されない複数の解釈を生み出す建築表現が評価された。場所や用途といった既存のコンテクストに依拠することなく形態そのものを提示した点に加え、「不条理で矛盾に満ちた現代社会において、建築は何を語り得るのか」という問いに真摯に向き合う姿勢が高く評価され、最高賞の受賞につながったという。

大会の審査は、建築家の内藤廣氏を審査員長とし、伊藤博之氏、保坂健二朗氏、森田祥子氏、市川紘司氏が担当した。公式記録集には受賞作品や100選作品の図版のほか、セミファイナルや公開審査の様子も収録されており、会場で交わされた議論や評価の背景を追体験できる内容となっている。

せんだいデザインリーグは、学生による卒業設計を対象とした日本最大規模のコンペティションとして知られ、多様な発想や社会課題に向き合う提案を発信する場として定着している。今回刊行された公式記録集は、その全容を一冊に集約したアーカイブとして位置付けられ、次世代の建築人材が取り組む設計思想や表現の潮流を伝える資料としても注目を集めそうだ。





建築資料研究社
https://www.ksknet.co.jp/

2026年9月30日水曜日

【Wonderwall】片山正通 氏がインテリアデザインを手がけた「Drawer 青山店」がオープン

Wonderwall®は、同社代表でインテリアデザイナーの片山正通氏が手がける「Drawer 青山店」のリニューアルプロジェクトを担当し、同店が2026年9月10日に営業を再開したと発表した。2003年のブランドデビューと同時に誕生した旗艦店の刷新であり、23年にわたって培われてきた店舗の記憶や空間の個性を継承しながら、現代のブランド像に合わせて再構築した。

今回のリニューアルでは、「継承と深化」をデザインコンセプトに掲げた。店舗が長年育んできたアイデンティティやブランドとともに積み重ねてきた時間を受け継ぎつつ、新たな素材や意匠を加えることで、過去と現在をつなぐ空間へと昇華させたという。オンラインで多様な商品が購入できる時代において、実際に店舗を訪れ、商品を手に取り、スタッフとの対話を通じて得られる体験価値に着目し、人と商品、人と人、そして空間との出会いがブランドの記憶として蓄積される場を目指した。
外観では、2003年の開業以来、「Drawer 青山店」の象徴として親しまれてきたR形状のガラスファサードを継承しながら、新たに重厚感のある黒テラゾを組み合わせた。従来の意匠と新しい素材を対立させるのではなく、相互に引き立て合う関係として再編集することで、「上質なものを受け継ぐ」というブランドの思想を表現したとしている。

店内空間には、グレーの左官仕上げによる楕円アーチを連続的に配置した。2003年当時のデザインに通底するシンメトリーの構成を踏襲しながら、アーチを重ねることで来店者の視線や動線を緩やかに誘導し、商品との出会いを積み重ねながら店の奥へと導く空間演出を図った。空間全体に連続性と奥行きを持たせることで、買い物そのものを体験として味わえる構成に仕上げている。

一方で、ブランドを象徴してきた既存要素は積極的に残した。ドロワー型什器や裸電球を用いたシャンデリア、クラシックなハンガーラックなどは継承されており、単なる設備としてではなく、ブランドが歩んできた時間や記憶を体現する存在として位置付けられている。また、店舗奥のカウンターには新たなシンボルとして黒大理石を採用し、グレー左官との対比によって空間全体を引き締めるとともに、ブランドの世界観にさらなる深みを加えた。

片山氏は、Drawer 青山店について「ブランドデビュー以来、ともに時間を重ねてきた特別な場所」としたうえで、長く親しまれてきた店舗の空気感を受け継ぎながら、これからのDrawerにふさわしい空間として静かに深化させることを目指したとコメントしている。長年の顧客には変わらない安心感を、新たな来店者には新鮮な発見を提供する場として、リアル店舗ならではの価値を改めて提示する狙いがあるとみられる。





Wonderwall


2026年9月29日火曜日

 【東リ株式会社】浴室・浴場用ビニル床シート  「バスナリアルデザイン」新柄・新色発売

 東リ株式会社は、浴室・浴場用ビニル床シートである「バスナリアルデザイン」の新柄・新色を2026年10月21日に発売する。

▲ BNR3502 木目調

「バスナリアルデザイン」は、既存の浴室床の上に直接施工が可能で、住宅や各種施設にむけられた簡易浴室リフォーム用床材である。

今回の新製品では、ヒートショックの緩和性や防滑性など優れた機能はそのままに、表面コートの改良によって水はけ性と清掃性を高め、さらなる機能性の向上が実現された。さらに、木目調・石目調・タイル調など、バリエーション豊かな新柄を追加し、デザイン性もアップデートされた。

これにより、近年多様化する浴室空間のデザインニーズへの対応力を高めるとともに、機能性と意匠性を兼ね備えた浴室用床材として、より快適で質の高い浴室空間づくりに寄与する建材となっている。

▲ BNR3601 
▲ BNR3211 石目調 
▲ BNR3011 タイル調

■商品概要

商品名   :バスナリアルデザイン

規 格   :全厚 3.5mm

       寸法 1820mm×9m

アイテム数 :15アイテム(新9アイテム)

価 格   :10,900円/㎡(材料価格 税抜き価格)

発売予定日 :2026年10月21日


■企業詳細


名称  東リ株式会社
所在地 兵庫県




2026年9月28日月曜日

【TOTOギャラリー・間】ラウムラボア・ベルリン展開催

 TOTOギャラリー・間では、ベルリンを拠点とする建築家・アーティスト集団ラウムラボア・ベルリンの展覧会が2026年9月10日(木)から11月29日(日)まで開催されている。


ラウムラボアは1999年に結成され建築家、アーティスト、パフォーマー、発明家、キュレーターと多様な背景を持つ9人のメンバーで構成されている。

今回のプレスカンファレンスにはメンバーのうちベンヤミン・フェルスター=バルデニウス、アクセル・ティム、フランチェスコ・アプッツォの3名が来日した。

右からベンヤミン・フェルスター=バルデニウス、フランチェスコ・アプッツォ、アクセル・ティム

展示は「水」というテーマのもとに構成されている。

会場に展示されている大きな絵には、東京のギャラリー間、ベルリンからの距離に応じて配置された過去の作品群が描かれ、雲を通じてすべてがつながっているという構成になっている。

画像右上にTOTOギャラリー間など東京の建築物が描かれている

ラウムラボアにとって、建築写真において空間だけでなく人の存在そのものが本質的な意味を持つといい、鳥など生きものの写真も、その場を取り巻く生態系や環境を示すものとして展示に含まれている。



素材の面では、竹のジョイントや魚市場で使われていたプラスチックコンテナ、印刷に使われた廃材のプレート、ランドリーバッグなど、廃材やリサイクル素材を積極的に活用している。


竹と竹を繋ぎ止める材料にも竹材が使われている

展覧会に先駆け、芝浦工業大学建築学部の学生とともに東京湾上でのワークショップを実施し、その記録は会場3階の壁面に展示されている。


2021年にはベルリンのテンペルホーフ空港跡地の貯水池を活用したプロジェクト「Floating University」(※Universityに取り消し線が入った状態が正式名称)でヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞を受賞している。

画像右側に「Floating University」

会場では、代表作「Floating University」やワークショップの様子が紹介されているものなど水にまつわる数々のプロジェクトを収めた書籍も販売されている。


TOTOギャラリー・間 ラウムラボア・ベルリンの展覧会

開館時間 11時~18時
入場無料
休館日 月曜・祝日