2026年7月22日水曜日

共愛学園前橋国際大学4、5、6号館 合同内覧会 【SALHAUS、CAt、乾久美子建築設計事務所】

▲共愛学園前橋国際大学6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」

SALHAUSが設計された共愛学園前橋国際大学6号館が竣工を迎えられた。共愛学園前橋国際大学は2010年の4号館設計プロポーザル以降、大学の教育ヴィジョンと共に、キャンパスのマスタープランを醸成していくなかで、5号館・6号館とキャンパスの整備を行ってきた。

今回は、大学のご厚意により、乾久美子建築設計事務所による4号館「KYOAI COMMONS」、CAtによる5号館「KYOAI GLOCAL GATEWAY」、SALHAUSによる6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」を合わせた【3棟合同内覧会】が開催された。


見学会の開催に先立ち、大森昭生学長から大学のご紹介、各棟の設計者によるコンセプトや竣工までのプロセスなど説明が行われた。

大森学長は「校舎をつくるにあたって、大学のあるべき姿を学生や教職員と共に議論してきた。設計する際もビジョンを共有することで、本学の教育を象徴するような施設になった」と述べた。

▲大学の紹介をする大森昭生学長


▲4号館について説明する乾久美子氏

▲5号館について説明する赤松佳珠子氏

▲6号館について説明する日野雅司氏

共愛学園前橋国際大学6号館

KYOAI CO-INNOVATION HUB 設計:SALHAUS

▲6号館全景 北西より見る

6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」は情報系の学部「デジタル共創学部」の新設に伴う新校舎である。情報技術と地域社会とのかかわりを研究する領域であり、グループ活動などのアクティブラーニングを促す空間や、キッチンスタジオ、ホールなどの諸室が設置され、それらをまとめるように2層吹き抜けの「コラボレーションプラザ」という広場のような空間が考えられた。

▲2階から「コラボレーションプラザ」を見る

施設の中央に設けられた「コラボレーションプラザ」は階高が高く、見通しの良い明るい場所であり、周囲から気軽にアクセスすることが出来る。のこぎり屋根のハイサイドライトから自然光が取り込まれ、木の格子梁に反射した拡散光が室内に入り込むことで明るい環境が生み出されている。

▲2階から「コラボレーションプラザ」を見る

個別学習に使えるカウンターや棚が通路を縁取ることで、各エリアは緩やかにゾーニングされる。動線上に学習スペースやグループワークのための場所が設けられ、学生がお互いの活動を感じながら学習することが出来る。写真
奥の階段は湾曲することで、大きな入口を通った人の流れをスムーズに2階へと導く。

▲木の格子梁およびハイサイドライトの見上げ

上部の19m×19mの屋根は、木と鉄骨梁で架け渡される。木の格子梁は、スギ製材を9段積み重ねた2mほどの木梁ユニットを風車状に組み合わせ、ダブルグリットの格子梁が構成される。格子梁内のテンションロッドを鉄骨梁、木材を変型留めとして読むことで、準耐火建築物を実現している。

▲1階 Co-Reserch labを見る

▲1階 レクチャーなどに利用できる段床のベンチ

▲1階 レクチャールーム 

▲2階 吹き抜けを囲うように設けられた自習スペース

▲2階 吹き抜けに張り出したプロジェクトルーム

共愛学園前橋国際大学4号館

KYOAI COMMONS 設計:乾久美子建築設計事務所

▲キャンパスプラザから見た北側外観

4号館「KYOAI COMMONS」はラウンジやカフェを中心とした学生が集う場所、メディアセンターや教室を中心とした学びの場という2つのプログラムを内包する建築である。プロポーザルの要項にあった、場所の「重ね使い」をキーワードに、短冊状の各棟と、トップライトによる明るい廊下が交互に並ぶことで全体が計画されている。

▲1階 ICエリアからラウンジを見る

各スペースは鉄筋コンクリート壁と鉄板壁の異なる厚さの壁柱(構造壁)で区切られる。廊下を挟んで向かい合う場所は最低限の間仕切りによって空間がゆるやかに繋がり、部屋同士が関係しあうように設計されている。

▲カフェを見る。天井の高さは6.1m

各廊下の天井にはすべてトップライトが設けられ、廊下を介して各棟に光が取り込まれる。
トップライトを支えるフラットバーも棟同氏を構造的に繋ぐ梁となっている。

並ぶ吹き抜け部分と2階建ての棟はブリッジで繋がる。

壁柱の配置や吹き抜けによる空間の抜けによって、向こう側が見えたり見えなかったするような心地よい「見え隠れ」のある空間を作り出し、新しい学びの場所を実現している。

▲2階廊下から食堂をみる


▲1階グループワークエリアから食堂を見る

▲2階教室 廊下からの採光によって明るい空間となっている

共愛学園前橋国際大学5号館

KYOAI GLOCAL GATEWAY 設計:赤松佳珠子+大村真也/CAt

▲南西側外観 フレキシブルラーニングエリア(FLA)を見通す

5号館「KYOAI GLOCAL GATEWAY」は4号館(KYOAI COMMONS)の竣工後、「学習の場」「集い・交流の場」「事務機能」を一体化した新たな施設として設計された。キャンパスとの関係から、施設の四隅をそれぞれ特徴付け、各エリアを「フレキシブルラーニングエリア」(以下、FLA)と名付けられた廊下空間が繋ぐことで建物が構成されている。


▲南西側 キャンパスゲート側の吹き抜け空間

キャンパスの入り口となる南西側のキャンパスゲートには天井高約8mの吹き抜け空間が設けられ、全面開放可能な折戸によって通りと繋がる。デッキやベンチによって学生や地域の方が気軽に訪れられる場所となっている。


▲事務スペースに設けられたフレキシブルワーキングエリア

南東側の事務スペースには職員の交流を生むことを狙いとした、フレキシブルワーキングエリアが設けられる。2層吹き抜けの空間であり、外部に設えられたグリーンテラスと一体的に利用可能な、開放的な場所となっている。

▲2階FLAが各所室を繋げる

2階には学生が集まるプロジェクトルームや職員の諸室が設けられ、FLAがそれらを繋げる。外周やハイサイドライトからの光が、天井ルーバーによって室内に引き込まれることで、各諸室まで光が届く。FLA沿いには机や棚などのインテリアが配置されることで、諸室からのアクティビティが表出する。

▲KYOAIコミュニティホール 

▲それぞれのエリアにはミドルスケールの什器が並ぶ


見学した各棟ともに共通して、学びの共有空間(ラーニング・コモンズ)を積極的に空間に用いることで、「アクティブラーニング」や「GLOCAL」といった大学の教育ビジョンを明快に反映した施設となっていた。また、キャンパスの全体計画を意識した設計を行うことで施設以外の様々な場所の使われ方も同時にデザインされていることが印象的であった。


■共愛学園前橋国際大学
〒379-2192 群馬県前橋市小屋原町1154-4
Google map URL
TEL.027-266-7575
FAX.027-266-7576

■共愛学園前橋国際大学6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」
設計:SALHAUS
構造:佐藤淳構造設計事務所
設備:設備計画
サイン:氏デザイン
施工:塚本建設

■共愛学園前橋国際大学5号館「KYOAI GLOCAL GATEWAY」
設計:CAt
構造:小西泰孝建築構造設計
設備:設備計画
サイン:TAKIYAMA
施工:塚本建設

■共愛学園前橋国際大学4号館「KYOAI COMMONS」
設計:乾久美子建築設計事務所
構造:佐藤淳構造設計事務所
設備:環境エンジニアリング
サイン:list
施工:鹿島・小林特定共同企業体

2026年7月21日火曜日

【牛窓オリーブ園】「木材を紡ぐ次世代コネクター」として活かされる岡山県のオリーブ残渣

2026年6月28日から7月2日にかけてスペイン・バルセロナで開かれる世界建築家連合(UIA)世界大会に、日本建築家協会(JIA)が食品廃棄物を建築材料として活用した茶室「カタラ庵」を出展した。会場となったバルセロナで議論される循環型社会と建築の関係に対し、岡山県瀬戸内市の牛窓オリーブ園で発生したオリーブ残渣を建築の接合部材へ転換する提案で応える。

世界120カ国以上の建築家や研究者らが集う同大会は、「Becoming. Architectures for a planet in transition(生成する建築―移行期の惑星のために)」をテーマに開催される。JIAは主要テーマの一つである「Becoming Circular(循環へ)」に呼応し、地域で生まれた食品由来の副産物を建築資源へと再編集した空間を展示する計画した。
カタラ庵で建築的な核となるのは、構造を支える小さなコネクターである。使用されるのは、日本オリーブがエキストラバージンオリーブオイルを搾油する過程で生じるオリーブ残渣だ。残渣は通常、食品生産の副産物として扱われるが、今回は樹脂を用いない「フードコンクリート」技術によって成形され、建築の接合部材として再生された。建築において接合部は、単に部材同士を結び付けるだけではなく、構造と形態の双方を決定づける重要な要素とされる。その部分に食品廃棄物由来の材料を採用した点に、このプロジェクトの問題提起がある。
展示建築は、素材の再利用にとどまらず、建築のライフサイクル全体を循環の中で捉えている。展示終了後には土へ還ることを前提としており、建築物を長期保存の対象としてのみ考える従来の発想から一歩踏み込み、自然の循環へ再び接続される存在として位置付けた。資源を採取し、製造し、使用し、廃棄するという直線的な流れではなく、建築そのものを循環系の一部として設計する試みといえる。

形態生成にも土地との関係性が組み込まれている。茶室を構成するジョイントの角度は、バルセロナの緯度である北緯41度を基準に設計されており、地中海性気候の日射や風環境に応答する構成が採用された。普遍的な建築を目指すのではなく、その場所の環境条件から形を導き出す考え方であり、地域固有性を重視する近年の建築潮流とも重なる。
さらに、建築の移動そのものも設計対象となった。茶室全体はスーツケース7個に収まる構成とされ、設計者自らが現地で組み立てる計画になっている。仮設建築でありながら輸送時の環境負荷低減まで視野に入れ、建てる行為だけでなく、運ぶことや解体することまで含めて建築として捉えている点が特徴的だ。

オリーブ残渣の採用には、開催地カタルーニャと牛窓を結ぶ地域的な共通性もある。カタルーニャ地方は古代ローマ時代から続くオリーブオイルの産地として知られ、日本オリーブもバルセロナ近郊と牛窓の双方で農園を運営している。こうした縁からJIAが協力を打診し、日本オリーブが長年研究してきた残渣活用の取り組みと大会テーマが結び付いた。
日本オリーブによると、オリーブ由来の副産物には建築との関わりを示唆する歴史的記録も残されている。古代ローマの博物学者プリニウスの『博物誌』には、オリーブの搾汁液が壁や床などに利用されていたとの記述があり、建築材料としての可能性は古くから存在していたとみられる。今回のプロジェクトは、その歴史的記憶を現代の材料技術によって読み替える試みとも位置付けられる。

設計を担当した三菱地所設計の藤貴彰氏は、オリーブ残渣について「成形しやすく、滑らかで美しい質感を持つ」と評価する。建築材料として求められる性能だけでなく、触覚や視覚に訴える素材性も備えているという。

カタラ庵は、廃棄物の再利用を訴える展示ではない。むしろ、建築が何を資源とみなし、どのような物質を社会の循環へ組み込むのかを問い直す提案といえる。これまで食品生産の残り物として扱われてきたオリーブ残渣は、今回は建築を成立させる接合部として新たな役割を与えられた。小さなコネクターに託されたのは、素材の再評価であると同時に、循環型社会における建築の新たなあり方を探る試みでもある。





牛窓オリーブ園
https://nippon-olive.info/


2026年7月20日月曜日

【ザ・プリンス 京都宝ヶ池】村野藤吾建築の真価を体感する講演会と建築ツアー付きの特別ご宿泊プラン「昭和モダニズム建築とその継承に触れる京都旅」を販売

   ザ・プリンス 京都宝ヶ池では今秋迎えるホテル開業40周年を記念して、2026年9月20日(日)のご一泊で、特別ご宿泊プラン「昭和モダニズム建築とその継承に触れる京都旅」が販売される。このプランでは、武庫川女子大学建築学部の石田潤一郎教授による村野建築の魅力をレクチャーしていただき、ホテルコンシェルジュと巡る館内ツアーが実施される。また、ご宿泊翌日は隣接する国立京都国際会館を見学することができる。

 ▲洛北の自然と共に建つザ・プリンス 京都宝ヶ池 


特別ご宿泊プラン「昭和モダニズム建築とその継承に触れる京都旅」商品概要

【期日】    2026年9月20日(日)からご1泊
【料金】    1名さま¥66,500より※2名さま1室ご利用時
                ※料金には1泊室料、講演会参加料、ホテル館内および国立京都国際会館
    見学ツアー代、夕食、朝食、サービス料・消費税が含まれます。
                ※宿泊税別途     

【スケジュール】 
9月20日(日)
3:00P.M.  講演会「昭和を見つめた名建築の真価~村野藤吾建築の肌ざわり~」
     講師:石田 潤一郎氏(武庫川女子大学建築学部教授・京都工芸繊維大学名誉教授)
                   お茶菓子付き
4:00P.M.  ホテル見学ツアー   ご案内:ホテルコンシェルジュ 澤村拓弥/石田氏
5:30P.M.  ご夕食 会場:バンケットルーム


▲夕食 イメージ写真

<ホテル泊>
9月21日(月・祝)
<ご朝食><「茶寮」無料開放※ご宿泊者さま限定 >
10:30A.M.   国立京都国際会館見学ツアー 
      ご案内:国立京都国際会館スタッフ
11:30A.M.   見学ツアー終了・解散
※写真はイメージです。
※スケジュールは変更になる場合がございます。
【定員】   30名

■館内見学スポット一例

日本庭園に建つ数寄屋造りの茶寮

客室

宴会場「ゴールドルーム」

■国立京都国際会館見学ツアーについて

ホテルに隣接する国立京都国際会館は大谷幸夫による設計でモダニズム建築の傑作と称される。ホテルとは対照的に直線が印象的な意匠である。インテリアデザイナー 剣持勇による家具や意匠を凝らした内装を国立京都国際会館のスタッフが案内する。

◎ご宿泊プランに関するお客さまからのご予約・お問合せは
2026年7月23日(木)より、ホテル公式Webサイト内専用ページにて一般受付開始

お電話でのご予約・お問合せは
ザ・プリンス 京都宝ヶ池  宿泊予約係 TEL(075)712-3456 受付時間:9:00A.M.~5:30P.M.

■村野藤吾(1891~1984)について

▲村野藤吾 写真:読売新聞社提供

早稲田大学理工学部建築学科卒 文化勲章受章(1967) 芸術院会員
<代表作>
宇部市渡辺翁記念会館(山口県、重要文化財)、世界平和記念聖堂(広島市、同)、日本生命日比谷ビル(日生劇場、東京都)など。
 
戦前戦後を通じて第一線で活躍してきた日本を代表する建築家。すみずみまで創意に満ちた芸術性の高い造形は今広く愛されている。
ホテル建築に特に精通し、赤坂離宮を迎賓館に改修する設計を任された際には、欧米の宿泊施設をつぶさに視察してさらに見識を深めた。
他作品として、ザ・プリンス 箱根芦ノ湖、伊豆長岡温泉 三養荘など

▲四季折々の自然が美しいホテル中庭

<主なMICE実績>
1997年12月 地球温暖化防止京都会議(COP3)   2003年 3月 第3回世界水フォーラム 
2005年  5月 ASEM第7回外相会合   2019年 9月 第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会
2021年 3月  第14回国連犯罪防止刑事司法会議  など         
2024年「M&C ASIA」(MICE関連メディア)主催
    「M&C Asia Stella Awards 2024」Best Meetings Hotel(Japan)選出

⇒「開業40周年の歩みを振り返るパネル展」開催中
【期間】  2027年3月31日(水)まで
【場所】  ホテル1階ロビー
村野藤吾の書き込みが残る貴重な図面や建築過程などザ・プリンス 京都宝ヶ池の40年を振り返るパネル展です。期間中はご自由にご覧いただけます。

2026年7月17日金曜日

【高松建設】オリジナルの縦型ショートドラマ「この物語は、半フィクションです。」を公開

高松建設は、オリジナルの縦型ショートドラマ「この物語は、半フィクションです。」を公開した。スマートフォンでの視聴を前提とした全5話構成の作品で、同社が大切にしてきた「人と人とのつながり」という価値観を、近年普及が進む縦型ショートドラマの手法を通じて発信する。YouTube Shortsをはじめ各種SNSで配信している。

作品の特徴は、実際の社員エピソードをもとにしながら、あえてフィクションの要素を織り交ぜた「半フィクション」という表現にある。現実に存在した出来事や社員の思いを骨格としつつ、登場人物の個性や言動を適度に誇張することで、企業の理念や価値観をより身近に感じられる物語へと再構成した。通勤時間や隙間時間でも視聴しやすい短尺コンテンツとすることで、企業情報に日頃触れる機会が少ない層にも届ける狙いがあるとみられる。
ストーリーは、入社間もない主人公・中松が、個性的な先輩たちに囲まれながら仕事に向き合う姿を描く。「この会社の先輩たち、なんかヘンだ」と戸惑う中松の前に突如として現れるのが、“建設の精霊”という不思議な存在だ。精霊は時に核心を突く言葉を投げかけながら彼女を導き、中松は理解の追いつかない出来事の数々を経験していく。その一方で、先輩たちが見せる一見不可解な行動の裏にある顧客や仲間への真摯な思いに触れることで、少しずつ価値観を変化させていく。

作品は、現実と非現実が交差するユーモラスな演出を取り入れながらも、根底には人との関わりや仕事への向き合い方という普遍的なテーマが流れている。奇抜なキャラクターやコミカルな展開を交えながらも、建設業に携わる人々の誠実さや人間関係の温かさを浮かび上がらせる内容となっており、“ちょっとヘンで、すごく真っ直ぐ”な人間ドラマとして描かれている。

制作の背景には、企業の思いや価値観を従来とは異なる形で発信したいという考えがあった。高松建設は2023年、社員の実体験をもとにした書籍『私たちが仕事で大切にしていること―心に残る感動エピソード50選―』を出版し、仕事への姿勢や企業文化を紹介してきた。

その編集過程で浮かび上がったのが、エピソードごとに異なる出来事の中に共通して存在する「人と人との関係性の深さ」と「不器用ながらも真っ直ぐな思い」だったという。今回のドラマは、その実話が持つ温度感をより多くの人に伝えるための新たな試みとして制作された。主人公の中松役はWOWOW連続ドラマW「落日」やテレビ朝日系「家政夫のミタゾノ」などへの出演で知られる俳優の中島ももが務める。

配信は、第1話「ポストマン」、第2話「図面が真っ白な男」、第3話「辞められなくなった男」、第4話「メモリすぎる上司」、第5話「私も、会社の顔」の全5話で構成されており、いずれも特設サイトやYouTube Shortsなどで公開中




高松建設

2026年7月16日木曜日

【立川ブラインド工業】大開口窓への対応を目的に、調光タテ型ブラインド「エアレ」の仕様を拡充

立川ブラインド工業は、調光タテ型ブラインド「エアレ」の仕様を拡充し、2026年8月3日に発売すると発表した。住宅で大開口窓の採用が進み、窓の形状やサイズが多様化するなか、新たに「両開き」と「2連取付仕様」を追加することで対応力を高め、快適性と利便性の向上を図る。

「エアレ」は、カーテンのような柔らかさを感じさせる意匠と、外から取り込む光を調整できる調光機能を兼ね備えた調光タテ型ブラインド。さらに、1枚ずつ独立したスラット(羽根)の間を通り抜けられる構造を採用しており、採光や眺望を確保しながら出入りもしやすい点が特徴となっている。従来の窓まわり製品とは異なるデザイン性と機能性を両立した製品として、近年需要が高まっているという。

こうした背景には、住宅設計において開放感や眺望を重視する傾向が強まり、大きな窓を取り入れた空間づくりが広がっていることがある。一方で、大開口窓ではブラインドを畳んだ際のボリューム感や、製品サイズの制約による対応範囲の限界などが課題となるケースもあり、窓まわり製品にはより柔軟な対応が求められていた。
今回追加される「両開き」は、スラットを左右に分けて開閉できる仕様で、畳み込んだ際に生じるたたみ代を左右へ分散できる点が特徴。これにより、大型窓に設置した場合でも片側にボリュームが集中せず、圧迫感の軽減につながる。窓の形状や家具の配置に応じて、従来の片開きと使い分けられるようになったことも利点となる。さらに同社独自の新構造を採用したことで、採光時に中央の召し合わせ部分へすき間ができにくく、両開きでありながら一体感のある見た目を実現したとしている。機能面だけでなく、窓辺の美観にも配慮した仕様といえそうだ。
あわせて導入する「2連取付仕様」は、片開きの製品2台を並べて設置し、1台の両開き製品のように使用できる仕様となる。単体では対応できない幅広い開口部への設置を可能にするもので、幅6メートルまで対応するレールジョイント仕様と組み合わせることで、最大12メートル幅の大開口窓にも対応する。近年、マンションなどを中心に眺望や開放感を重視した大型窓の採用が増えるなか、そのニーズを見据えた提案となりそうだ。

また、「2連取付仕様」は左右で異なるサイズの製品を組み合わせることも可能で、片引き窓をはじめとするさまざまな窓形状に対応できる。間取りや開口部の条件に合わせた柔軟な設計が可能となるため、住宅ごとに異なる窓環境への適応力向上も期待される。

参考価格は、生地「フォルモ」を使用した幅180センチ、高さ180センチの「両開き」が11万7200円(税別)で、従来の片開きと同価格に設定した。「2連取付仕様」は幅360センチ、高さ180センチの場合で23万4400円(税別)となり、幅180センチの製品2台分に相当する。いずれもメーカー希望小売価格で、取付費や工事費、物流関連費用は含まれていない。製作可能寸法や販売価格は、生地や仕様によって異なる。

大開口窓の普及によって、窓まわり製品には採光や視線調整といった基本機能に加え、空間との調和や使い勝手への配慮も一段と求められている。今回の仕様拡充は、「エアレ」の特徴であるデザイン性と機能性を維持しながら対応領域を広げるもので、多様化する住空間に向けた製品提案を強化する取り組みとして位置付けられそうだ。





立川ブラインド工業
https://www.blind.co.jp/



2026年7月15日水曜日

【SWANTILEグループ】国内初となる大判インクジェットタイル量産ラインを本格稼働開始し、新シリーズ4製品を発売。

大判タイルは、いまや住宅やホテル、商業施設の空間品質を左右する重要な建築素材の一つになっている。目地を極力消し去り、床や壁を一枚の面として見せることで、空間に静けさや伸びやかさをもたらす。しかし国内の設計実務においては、その選択肢の多くを海外製品に頼らざるを得ない状況が続いてきた。そうした中、日東製陶所などを擁するSWANTILEグループが、国内初となる大判インクジェットタイル量産ラインを本格稼働させ、新シリーズ4製品を発売した。

△リムストン施工イメージ (品番:PM-600/RS-101G)
△テラナ施工イメージ (品番:PM-600/TN-202G)
近年の建築設計では、素材そのものの存在感よりも、むしろ「面」としての完成度が求められている。住宅では内外の連続性を高めるために床材をシームレスにつなげ、ホテルや商業施設では空間そのもののスケール感を際立たせるために大判化が進む。

こうした流れの中で600角タイルは、建築家やインテリアデザイナーにとってもスタンダードな選択肢になりつつある。一方で、その多くは輸入製品であり、納期や供給、ロット管理、追加発注などに課題があった。プロジェクトの終盤になって品番が廃番になったり、輸送遅延によって工程全体が影響を受けたりするケースも少なくない。設計者が求めるのは意匠性だけではなく、プロジェクトを最後まで成立させる供給体制でもある。

SWANTILEグループが導入した新ラインは、3,800トンプレスと最新のデジタルインクジェット施釉技術を採用し、最大1200×600ミリサイズまで対応する。24時間あたり約1600平方メートルを生産できる能力を持ち、設計者や施工者が求める安定供給にも応えられる体制を整えた。注目したいのは、技術スペック以上に表現力の進化だ。近年の建築空間では、天然石そのものよりも、石の表情を持ちながら施工性やメンテナンス性に優れたセラミック素材が選ばれる場面が増えている。今回発表された「ベリッシモストーン」「リムストン」「テラナ」「クォーツァ」は、いずれも天然石が持つ柄のゆらぎや質感をデジタル技術によって再構築したシリーズである。

△ベリッシモストーン施工イメージ (品番:PM-600/BEM-1G
△クォーツ
施工イメージ (品番:PM-600/QZ-300G)
なかでも「リムストン」は、ライムストーン特有の穏やかな表情を持ち、住宅やホテルラウンジなどで求められる柔らかな空気感を演出する。「テラナ」は自然石の素材感を備えながらも過度な主張を抑えており、植栽や木質素材との相性が良い。「クォーツァ」は陰影の深い石目によって空間に重厚感を与え、高級住宅や商業施設のエントランスにも対応できそうだ。

さらに設計者にとって見逃せないのが、屋内外をまたぐ使い方を想定している点である。マット仕上げとグリップ仕上げを用意することで、リビングからテラスへ、エントランスから外構へと素材を連続させる設計が行いやすくなった。建築とランドスケープの境界を曖昧にしようとする近年の設計潮流にも合致する提案といえる。

加えて、国産化の意義は環境性能の面でも大きい。高効率焼成炉や排熱利用、太陽光発電の導入に加え、輸送距離の短縮によるCO₂削減も見込まれる。建築業界で脱炭素への要求が高まる中、素材選定そのものが設計テーマとなる時代において、こうした背景はますます重要になるだろう。





日東製陶所
https://swantile.jp/



2026年7月14日火曜日

【文心建設】建築家・青木淳との協業による集合住宅プロジェクト「文心月月」を公開

台湾の文心建設は、建築家・青木淳との協業による集合住宅プロジェクト「文心月月(ウィンシン・ユエユエ)」を台北市松山区で公開する。2026年7月の発表を予定する同プロジェクトは、高密度化が進むアジア都市において、住宅と都市の関係を改めて問い直す試みとして計画された。

計画地となった松山区寶清街周辺には、基隆河や高速道路、高架道路網といった大規模インフラが広がる一方、市場や路地、小さな店舗が今なお生活の風景を形づくっている。巨大な都市スケールと人間的な日常のスケールが交差するこの環境を前に、本計画では都市から切り離された住まいではなく、都市とのつながりを保ちながらも静けさを確保できる居住空間が模索された。
その思想は建築のデザインにも表れている。
公開されたスケッチでは、サンゴから着想を得た有機的な窓の形状が提案されており、均質なファサードでは生み出せない柔らかな表情を建物にもたらしている。街並みに対して過度な存在感を主張するのではなく、周辺環境へ自然に溶け込みながら、光や風、視線を取り込む構成が目指された。都市のランドマークとして際立つ建築ではなく、日常風景の一部として街と呼応する建築を志向している点が特徴といえる。
こうした考え方の背景には、日本建築が育んできた「内と外のあいだ」の空間意識がある。障子や縁側、軒といった伝統的な要素は、空間を分断するのではなく、人と自然、建築と街を緩やかにつなぐ役割を果たしてきた。本計画もまた、その思想を現代の都市型集合住宅へ応用する試みといえる。外部との関係を保ちながら、住戸内部には安心感や落ち着きを確保する。開放と保護、都市性と居住性という相反する要素のバランスがデザインの核となっている。
文心建設によれば、この協業の目的は著名建築家によるブランド化ではない。
住宅市場が成熟し、人々の関心が広さや設備といった性能から、空間体験や暮らしの質へ移るなかで、これからの住宅がどのような価値を提供できるのかを探ることにある。「文心月月」は、住まいを単なる不動産商品としてではなく、都市のなかで自分自身の居場所や時間を取り戻すための環境として提案するプロジェクトだ。急速な変化を続けるアジア都市において、住宅の新たな可能性を示す取り組みとして注目されそうだ。