2026年7月31日金曜日

【日本建設業連合会】第7回土木賞 第68回BCS賞を決定

一般社団法人日本建設業連合会は7月28日に開催した表彰委員会で「日建連表彰2026」の受賞案件を決定した。第7回土木賞は応募33件の中から特別賞2件を含む12件、第67回BCS賞は応募75件の中から15件が選ばれ、土木・建築分野の優れたプロジェクトが顕彰されることになった。

土木賞は、事業企画から計画、設計、施工、維持管理に至るまでの取り組みを総合的に評価し、良質な社会資本の形成を促すことを目的とする表彰制度。今回はトンネル、橋梁、ダム、鉄道、洋上風力発電施設、港湾・海岸施設など幅広い分野から選出され、老朽化したインフラの更新や維持管理に関する案件が目立った。

受賞案件はいずれも施工プロセスにおける創意工夫が高く評価されたという。新工法の採用や施工自動化、プレキャスト化による工期短縮、安全性の向上、周辺環境や地域社会への配慮など、多様な課題に対して関係者が一体となって取り組んだ点が選定の決め手となった。また、施設の長寿命化や更新需要の拡大を背景に、インフラメンテナンス関連プロジェクトの存在感が高まっていることも今年度の特徴として挙げられている。
土木賞:北港テクノポート線インフラ部整備工事


第7回 土木賞
R3西湘海岸岩盤型潜水突堤整備工事(神奈川県大磯町)
大阪駅前地下道東広場改築プロジェクト(大阪市)
北九州響灘洋上ウインドファーム(北九州市)
喜連瓜破橋大規模更新工事(大阪市)
熊本57号滝室坂トンネル新設工事(熊本県阿蘇市)
JR御茶ノ水駅改良工事(東京都千代田区)
秋芳鉱業 桟橋延伸工事(山口県長門市)
信越線新潟駅付近高架化工事(新潟市)
千五沢ダム再開発事業(福島県石川町)
北港テクノポート線インフラ部整備工事(大阪市)

特別賞
五島洋上ウインドファーム(長崎県五島市)
特定廃棄物埋立処分事業に係る詰替・搬出プロジェクト(福島県内全域)


一方、BCS賞は優良な建築作品を対象に、建築主、設計者、施工者の協働によって実現した建築資産を顕彰する制度で、今回で67回目を迎えた。選考では現地調査や専門分野評価を経て、建築主の構想を設計者と施工者が高い技術力によって具現化したプロジェクトを中心に15件が選出された。

応募作品の用途別では事務所ビルが17件と最も多く、学校施設、複合施設がこれに続いた。近年の傾向として、東京圏への集中だけでなく地方都市における文化施設や交流拠点、スポーツ施設などの評価が高まっており、今回も受賞作品が全国に広く分布する結果となった。日建連は、建築主、設計者、施工者による「三位一体」の取り組みをBCS賞の特色として挙げており、今回もそれぞれの立場が持つ技術や知見を結集した事例が評価されたとしている。
BCS賞: 香川県立アリーナ 

第67回 BCS賞
あきた芸術劇場ミルハス(秋田市)
大阪避雷針工業神戸営業所(神戸市)
小千谷市ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。(新潟県小千谷市)
香川県立アリーナ(高松市)
京都大学下鴨休影荘(湯川秀樹博士旧宅)(京都市)
Daikin Amica Karuizawa(長野県軽井沢町)
TODA BUILDING(東京都中央区)
虎ノ門アルセアタワー(東京都港区)
長崎スタジアムシティ(長崎市)
なでしこ芸術文化センター(神戸市)
ニコン本社/イノベーションセンター(東京都品川区)
庭の床 福武トレス Fギャラリー(岡山市)
藤田美術館(大阪市)
水戸市民会館(水戸市)
YKK AP技術館(富山県黒部市)


表彰式と祝賀会は11月27日にホテルニューオータニ東京で開催される予定。土木賞とBCS賞は、日本の建設業界を代表する表彰制度として位置付けられており、今回受賞した27件は、インフラ整備や建築設計・施工の最前線を示すプロジェクトとして、今後の建設技術や建築文化の発展にも影響を与えそうだ。



日本建設業連合会
https://www.nikkenren.com/sougou/award.html

フランク・O・ゲーリー設計の「グッゲンハイム・アブダビ」26年12月11日に開館へ

アブダビ文化観光局は、故フランク・O・ゲイリー設計による「グッゲンハイム・アブダビ」を2026年12月11日に開館すると発表した。ニューヨーク、ヴェネチア、スペイン・ビルバオに続くグッゲンハイム・ネットワークの新たな拠点として整備が進められてきた同館は、ゲイリーが手掛けた美術館建築としても最大規模のプロジェクトの一つとなる。
建設地は、ルーヴル・アブダビやザイード国立博物館、アブダビ自然史博物館などが集積するサディヤット文化地区の中心部。ゲイリーは、陸と海が交わるサディヤット島の環境と、湾岸地域の伝統的な建築文化から着想を得ながら、近現代美術を収蔵する器としてふさわしいランドマークを構想した。

建物を象徴する10基の巨大な円錐形構造で、最高88メートルに達する彫刻的なフォルムは、遠景からでも強い存在感を放ち、ゲイリーの建築に共通するダイナミックな造形感覚を体現している。一方で単なる造形表現にとどまらず、湾岸地域の気候条件に応答する環境装置としても機能し、自然換気や日射遮蔽によって建物全体のエネルギー効率向上に貢献する。
内部には30のギャラリーが配置され、中央アトリウムを介して多様な展示空間が連続する構成となる。屋内展示面積は約1万1600平方メートル、屋外展示空間は約2万3000平方メートルに及び、延べ床面積は約8万平方メートルに達する。これは現代アートの大型インスタレーションや実験的な作品展示に対応するためのもので、1960年以降の多様な芸術表現を受け止めるスケールが確保されているとともに、地域の歴史や風土との関係性をより強く意識した設計となっている。建築は独立したオブジェとして成立するだけでなく、数千年にわたり交易と文化交流の拠点だったアブダビの土地性を取り込みながら、美術館そのものを文化的対話の舞台として位置付けている。

美術館は1960年代以降の近現代美術を扱い、絵画、彫刻、映像、写真、インスタレーション、ニューメディアなど幅広い表現を収蔵する。展示は年代順や地域別ではなく、「抽象芸術」「土地」「言語」「大衆文化」「物語」といったテーマを軸に構成される予定で、異なる地域や世代の芸術を横断的に読み解く新たな美術館体験を目指している。

サディヤット文化地区では近年、世界的な文化施設の集積が進んでいるが、その中でもグッゲンハイム・アブダビは、フランク・ゲイリーによる象徴的な建築とグローバルな現代アートコレクションを併せ持つ中核施設として位置付けられる。ビルバオで都市の風景を変えた建築家が中東に残す新たな代表作としても、開館に向けて大きな注目を集めそうだ。





グッゲンハイム財団
guggenheim.org

2026年7月30日木曜日

【村上工作所】「鳴子こけし」制作者との共創から生まれたペンダントライト

 伝統工芸を現代の住空間の中でどう生かすのか――。その問いに対する一つの答えともいえる照明作品『灯るこけし』が誕生した。ソニーグループのデザイナーと、宮城県大崎市鳴子温泉で代々「鳴子こけし」を製作する桜井こけしとの共創から生まれたペンダントライトで、照明部分の製造を兵庫県多可町の照明メーカー、村上工作所が担当し、6月17日から伊勢丹新宿店で開催される展示販売会で公開された。
近年の建築・インテリアの分野では、単に伝統工芸を飾るのではなく、暮らしの中で使われるプロダクトとして再編集する動きが広がっている。『灯るこけし』もそうした潮流の中から生まれた作品だ。こけし特有の柔らかな曲線や木肌の表情を生かしながら、ペンダントライトという日常的な照明へと昇華させた。

デザインは、ソニーグループのクリエイティブセンターに所属する三島章正氏が担当。鳴子こけしの製作工程である「ろくろ挽き」から着想を得て、伝統的なこけしのフォルムを現代の照明器具として再構築した。木地製作は桜井こけしの櫻井尚道氏、描彩は櫻井昭寛氏が手掛けており、長年受け継がれてきた職人技と現代デザインが融合したプロダクトとなっている。
その中で重要な役割を果たしたのが村上工作所の照明技術だ。建築照明において光は単に空間を明るくするための設備ではなく、素材感や居心地、空間の印象そのものを左右する存在とされる。今回、同社は木地の美しさを損なうことなく内部から光を灯すための機構設計を担当。木という自然素材の温もりや滑らかな質感を残しながら、柔らかな光がにじみ出るよう細部まで工夫を重ねたという。

完成した『灯るこけし』は、工芸品でありながら照明器具として暮らしに溶け込む。昼間は木工芸としての存在感を放ち、夜になると穏やかな光によって空間に温かみを与える。まるでオブジェと照明の中間にあるような佇まいは、近年の住宅やホテル、ギャラリーなどで重視される「光による空間演出」の考え方とも親和性が高い。

また、このプロジェクトは伝統工芸を保存するだけではなく、新たな需要や価値創出へつなげる試みとしても注目され、地域に根差した職人技術、企業デザイナーによる現代的な解釈、そして照明メーカーの技術が交差することで、従来にはなかったプロダクトが生まれた。建築やインテリアの世界で求められるのが均質な製品ではなく、物語や地域性を備えた素材や家具へと移りつつある中、『灯るこけし』は伝統工芸を暮らしの道具として再定義する事例の一つの選択肢となりそうだ。





村上工作所
https://www.murakami-kousakusho.co.jp/



2026年7月29日水曜日

【堀田カーペット】ウールタイルカーペットコレクション「WOOLTILE for Home」の新商品「Tanbo(タンボ)」

堀田カーペットは、ウールタイルカーペットコレクション「WOOLTILE for Home」の新商品として、英国人デザイナーのフィリックス・コンラン氏と共同開発した「Tanbo(タンボ)」を発売した。7月1日から同社オンラインストアおよびフィリックス・コンラン氏の公式サイトで先行販売を開始しており、8月1日から全国の取扱店で一般販売を始める。

新商品は、2024年に奈良県東吉野村へ拠点を移したコンラン氏が、日本での暮らしのなかで親しんできた田んぼや四季折々の風景から着想を得て開発したウールタイルカーペット。かつて田んぼだった土地の隣に住み、いつか再び稲を植えたいと考えているという同氏の視点をもとに、水面に映る光の揺らぎや季節ごとに移り変わる田園の表情を床面に表現した。
デザインの核となるのは、「田」の字を思わせる四分割のパターンだ。1枚の50センチ角タイルを4区画に分け、2色の配色比率を変えた「1/4」「2/4」「3/4」「4/4」の4種類を展開。利用者が自由に組み合わせることで、整然とした幾何学的な表現から、田んぼの区画や光の変化を思わせるリズミカルなレイアウトまで、多彩な床の風景をつくり出せるようにした。

色は、春の水を張った田んぼをイメージした「ミズカガミ」、夏に育つ稲を表現した「ワカクサ」、収穫後の田畑を想起させる「カレホ」、冬の雪景色を映した「シモシロ」の4色を用意。日本の四季を映し出す色彩構成によって、住空間に自然な奥行きと変化をもたらす。


商品の誕生は、当初から商品化を目的としたものではなかった。工場見学や意見交換を重ねるなかで、コンラン氏がウールタイルによるデザイン案を提案したことが開発の出発点となった。堀田カーペットは、その発想が「既存の床の上に置くだけで空間を編集できる」という「WOOLTILE for Home」のコンセプトと合致すると判断し、製品化へと発展させた。

製造には、堀田カーペットが継承する「アキスタイル織機」を使用する。一般的なタイルカーペットが大判の反物から切り出されるのに対し、この織機は50センチ角のタイルを1枚ずつ製造できるため、高精度な柄表現が可能となる。「Tanbo」の特徴である均等な四分割デザインも、その技術によって実現した。

また、色の異なる糸を撚り合わせたツイード糸と、自然な毛流れを生み出すフリーズ糸を組み合わせることで、田園風景のような複雑な色の重なりや陰影を表現。単なる床材ではなく、季節や暮らしに応じて組み替えながら楽しむ“床の風景”として提案する。




堀田カーペット 
https://hdc.co.jp/


2026年7月28日火曜日

第13回 POLUS‐ポラス‐学生・建築デザインコンペティション。二次審査会 受賞者決定!最優秀賞は『こもり知らずの扉』

▲(写真)公開審査会 審査委員と各受賞者

今年のテーマは「脱家族の家」。応募数は過去最多の822点


 ポラスグループ ポラス株式会社(本社:埼玉県越谷市、代表取締役:中内 晃次郎)は、2026年7月8日に『第 13 回 POLUS-ポラス‐学生・建築デザインコンペティション』の二次審査会を開催し、審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞2点、入選2点を決定しました。当初は優秀賞は1点、入選3点の予定でしたが、候補の2作品が同等の評価となり、特例として優秀賞2作品、入選2作品としました。

▲(写真)公開審査会風景

本コンペティションは、今年度は「脱家族の家」をテーマに2025年11月~2026年5月にかけて作品の募集を行い、過去最多の822点の応募作品から一次審査を通過した5点について、学生のプレゼンテーションや審査員との自由討議を経て、各受賞者を決定しました。

(以下、各賞の結果)
 
最優秀賞
作品名/こもり知らずの扉 
平出 さつき(京都美術工芸大学)

▲(写真)こもり知らずの扉 模型写真

優秀賞
作品名/「個」のつどい
石澤 航(九州大学大学院)

▲(写真)「個」のつどい 模型写真

優秀賞
作品名/壁で編む縁
八木 清花・岡 優志・吉井 洸貴(大阪工業大学大学院)

▲(写真)壁で編む縁 模型写真

入選
作品名/倉庫の家
光安 天舞(東京理科大学大学院)・村上 祥太(東京藝術大学大学院)

▲(写真)倉庫の家 模型写真

入選
作品名/「家族を編む」境界を滲ませる子供のスケール
吉川 大空・脇坂 献徒(京都工芸繊維大学大学院)

▲(写真)「家族を編む」境界を滲ませる子供のスケール
模型写真


■最優秀賞受賞者コメント

作品名/こもり知らずの扉
平出 さつき(京都美術工芸大学)

最優秀賞に選定いただきありがとうございます。今回の機会を励みとして、今後は誰かのサポートができるようなポジションに立って、身近な方々の手助けとなれるような設計ができるように取り組んでいきたいと思います。

■審査委員の講評
 
審査委員長 西沢 立衛氏 (横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA教授)

 今年は大変多くの応募案が集まり、様々な案が競い合って、審査は簡単ではなかった。その激戦の中で最優秀賞に選ばれたのは「こもり知らずの扉」で、方丈のユニットが連続し、繋がったり分かれたりする、群的建築の提案であった。空間の変化と家族の大きさの変化が有機的・動的で、その形のなさは課題である「脱家族の家」に鋭く応えるものであった。的確なスケール感覚とディテールがあり、ひとつも諦めることなく全体をまとめあげた作者の努力の大きさを感じた。                                                                                                                                                                                                                                   
 優秀賞の『壁で編む縁』は、壁が領域を作り、また領域を乗り越え、立体的な新領域を作り出すというもので、私としては最優秀賞に次いで推した。屋根も考えてくれたら、さらに飛躍したのではないだろうか。
 優秀賞『「個」のつどい』は、異形平面の木造住宅がランダムに集合する案で、バラバラな個の表現に鋭さを感じた。他方でその集合には、新しい風景と感じられるものがなかった。
 入選『倉庫の家』は、大倉庫にいろんな人が住むという案で、そのおおらかさとアイデアの大胆さに魅力があったが、大倉庫空間の中に普通の集合住宅を建ててしまったのは残念だった。
入選『「家族を編む」境界を滲ませる子供のスケール』は、子供を家の中心に持ってくるところに提案性があったが、建築は普通であった。



■第13回 POLUS-ポラス-学生建築デザインコンペティション公式ホームページ

■ポラスグループ 公式ホームページ


2026年7月27日月曜日

【アイカ工業】高機能塗り床材の新ブランド「ジョリエースネオ」発売

アイカ工業は、高機能塗り床材の新ブランド「ジョリエースネオ」を立ち上げ、7月13日に発売した。半導体工場や精密機械工場、データセンター、クリーンルームといった高度な製造環境に向けた製品群で、低臭、低アウトガス、高耐久といった性能を強化。製造現場で求められる環境管理レベルの高度化に対応する新たな塗り床材ブランドとして展開する。
近年、半導体や電子部品の製造施設、データセンターなどでは、温度や湿度、清浄度の管理に加え、建材から発生する微量な化学物質への対策も重要なテーマとなっている。製造装置の高精度化が進むなか、床材に対しても従来以上に厳しい性能が求められるようになった。また、工場を稼働させながら進める改修工事の増加を背景に、施工時の臭気低減や環境負荷への配慮も重視されている。こうした市場ニーズを受けて誕生したのが「ジョリエースネオ」だ。アイカ工業が長年展開してきた塗り床材ブランド「ジョリエース」のうち、特に高機能な製品群を再編し、新たなブランドとして体系化した。新ブランドでは、従来製品を移行するだけでなく、「ジョリエースネオ E水系コーティング工法」と「ジョリエースネオ E水系ドーデンコーティング工法」の2工法を新たに開発。用途や要求性能に応じて選択できる全10工法をラインアップしている。

製品の特徴
クリーンな製造環境づくりに配慮した性能にある。水系タイプの工法では揮発性有機化合物(VOC)を使用せず、施工時の臭気を大幅に抑制。新築はもちろん、稼働中施設の改修工事や、臭気への配慮が求められる現場にも対応できる。また、厚生労働省が指定するVOC13物質や、文部科学省の学校環境衛生基準で定める6物質を含有しておらず、公共施設などでも安心して採用しやすい工法となっている。
中でも半導体工場などで注目されるのが、低アウトガス性能だ。アウトガスは建材などから放出されるごく微量のガス成分で、精密機器の誤作動や製品不良の原因になることがある。その発生を低く抑えることで、半導体製造施設やスーパークリーンルーム、データセンターなど、高度な環境管理が求められる施設へ対応可能な工法もラインナップしている。
※ジョリエースネオでは、用途や要求性能に応じた10工法をラインナップしており、工法ごとに備える機能や性能が異なります。

施工性の向上
ラインアップには、下地コンクリート打設後の早期施工に対応する工法や、省工程化を実現した工法を用意。工期短縮による早期稼働を可能にし、特に改修工事では休業期間の短縮や総工事費の抑制につながる。建設コストだけでなく、施設運営を含めたトータルコスト低減にも貢献する考えだ。

耐久性能の進化
新開発の「E水系コーティング工法」は、低アウトガス性能を維持しながら耐摩耗性や硬度を向上させ、紫外線による黄変も抑制。ジョリエースブランドから移行した「Eドーデン流しのべNCP工法 低アウトガス仕様」では、帯電防止性能を強化するとともに、従来必要だった導電中塗り層を不要とすることで施工工程を簡略化している。

ラインアップは全10工法。設計価格は3000円/平方メートルから。アイカ工業では半導体工場、精密機械工場、データセンターを中心に提案を進め、年間売上1億円を目指す。

2026年7月24日金曜日

【チームラボ】インド・ムンバイで開幕したグループ展「Second Nature」に参加

チームラボは、インド・ムンバイのニタ・ムケシュ・アンバニ文化センター(NMACC)で7月3日に開幕したグループ展「Second Nature」に参加し、展示作品を公開した。会期は2027年1月10日まで。同展は、文化センター内のアートハウス全4フロアを舞台に、人間、テクノロジー、自然の関係性をテーマとして開催されるもので、ランダム・インターナショナル、A.A.ムラカミ、サイモン・ヘイデンス、エス・デヴリンら国際的なアーティストとともに作品を展開する。

チームラボ《Nirvana: Fleeting Flowers, Radiance Within》(C) チームラボ
展覧会を企画したリライアンス・グループ取締役のイーシャ・アンバニ氏は、テクノロジーや自然、人間の創造性が相互に影響し合う時代の到来を背景に、好奇心や感情、思索を喚起する体験を目指したとしている。人工知能や高度なデジタル技術が社会に浸透するなか、アートを通じて未来との対話を促す場として位置付ける。

チームラボは、「生と死」「他者との関係性」「自然との共生」をテーマにした3作品を出展する。なかでも大型インスタレーション《Nirvana: Fleeting Flowers, Radiance Within》は、江戸時代の絵師・伊藤若冲による《鳥獣花木図屏風》や《樹花鳥獣図屏風》を着想源とした作品。若冲が用いた「升目画」の表現構造を現代的に再解釈し、花々によって描かれた世界を四方の壁面いっぱいに展開する。鑑賞者は絵画を外側から眺めるのではなく、その内部へ入り込み、身体を通して作品世界を体験する構成となっている。

作品内で咲く花々は、生まれ、成長し、やがて散っていく。鑑賞者が花に触れると花は散り、その部分の世界も変化する。さらに、自分だけでなく他者の行為によっても作品空間は絶えず変容するため、目の前に現れる風景は常に更新され続ける。光の反射によって生まれる煌めきも作品を特徴づける要素で、鑑賞者の動きに応じて光が揺らぎ、絵画空間と実空間が連続するような体験を生み出す。
チームラボ《呼応する小宇宙 - 固形化された光》(C) チームラボ
《呼応する小宇宙-固形化された光》は、チームラボが長年展開してきた「呼応する群体彫刻」シリーズの一作。空間に配置された卵形の彫刻「Ovoid」は、人に押されると光を強く放ちながら自ら立ち上がり、同時に音色を響かせる。その反応は周囲の彫刻へと伝播し、空間全体へ連鎖する。ここでは鑑賞者だけでなく、周囲の環境や他作品との関係性も作品を構成する要素となっており、個々の彫刻は独立した存在でありながら一つの生態系のようにつながり合う。
もう一つの出展作《花と人、コントロールできないけれども共に生きる》は、人間と自然の共生をテーマとした代表作の一つだ。花々は絶えず生まれ、咲き、散りながら空間を移ろい、人々が立ち止まれば周囲に花が咲き広がり、触れたり歩き回ったりすれば花は散っていく。作品はあらかじめ収録された映像ではなく、人々の行動を受けながらリアルタイムで生成され続けるため、同じ情景が再び現れることはない。

チームラボは本作について、自然を完全に制御するのではなく、そのルールに寄り添いながら共に生きる人間の営みを探る試みと位置付けている。他者の存在は作品鑑賞を妨げるものではなく、新たな変化をもたらす存在として組み込まれ、鑑賞者同士の関係性も作品の一部となる。

会場となるニタ・ムケシュ・アンバニ文化センターは、2023年に開館したインド有数の複合芸術施設で、舞台芸術や視覚芸術、伝統工芸など幅広い文化発信を担っている。今回の「Second Nature」は、テクノロジーとアートの最前線で活動する国際的なアーティストが集う大型企画展として開催されており、チームラボは3作品を通じて、人間、自然、他者の関係が絶えず影響を与え合う新たな鑑賞体験を提示している。




チームラボ