2026年7月16日木曜日

【立川ブラインド工業】大開口窓への対応を目的に、調光タテ型ブラインド「エアレ」の仕様を拡充

立川ブラインド工業は、調光タテ型ブラインド「エアレ」の仕様を拡充し、2026年8月3日に発売すると発表した。住宅で大開口窓の採用が進み、窓の形状やサイズが多様化するなか、新たに「両開き」と「2連取付仕様」を追加することで対応力を高め、快適性と利便性の向上を図る。

「エアレ」は、カーテンのような柔らかさを感じさせる意匠と、外から取り込む光を調整できる調光機能を兼ね備えた調光タテ型ブラインド。さらに、1枚ずつ独立したスラット(羽根)の間を通り抜けられる構造を採用しており、採光や眺望を確保しながら出入りもしやすい点が特徴となっている。従来の窓まわり製品とは異なるデザイン性と機能性を両立した製品として、近年需要が高まっているという。

こうした背景には、住宅設計において開放感や眺望を重視する傾向が強まり、大きな窓を取り入れた空間づくりが広がっていることがある。一方で、大開口窓ではブラインドを畳んだ際のボリューム感や、製品サイズの制約による対応範囲の限界などが課題となるケースもあり、窓まわり製品にはより柔軟な対応が求められていた。
今回追加される「両開き」は、スラットを左右に分けて開閉できる仕様で、畳み込んだ際に生じるたたみ代を左右へ分散できる点が特徴。これにより、大型窓に設置した場合でも片側にボリュームが集中せず、圧迫感の軽減につながる。窓の形状や家具の配置に応じて、従来の片開きと使い分けられるようになったことも利点となる。さらに同社独自の新構造を採用したことで、採光時に中央の召し合わせ部分へすき間ができにくく、両開きでありながら一体感のある見た目を実現したとしている。機能面だけでなく、窓辺の美観にも配慮した仕様といえそうだ。
あわせて導入する「2連取付仕様」は、片開きの製品2台を並べて設置し、1台の両開き製品のように使用できる仕様となる。単体では対応できない幅広い開口部への設置を可能にするもので、幅6メートルまで対応するレールジョイント仕様と組み合わせることで、最大12メートル幅の大開口窓にも対応する。近年、マンションなどを中心に眺望や開放感を重視した大型窓の採用が増えるなか、そのニーズを見据えた提案となりそうだ。

また、「2連取付仕様」は左右で異なるサイズの製品を組み合わせることも可能で、片引き窓をはじめとするさまざまな窓形状に対応できる。間取りや開口部の条件に合わせた柔軟な設計が可能となるため、住宅ごとに異なる窓環境への適応力向上も期待される。

参考価格は、生地「フォルモ」を使用した幅180センチ、高さ180センチの「両開き」が11万7200円(税別)で、従来の片開きと同価格に設定した。「2連取付仕様」は幅360センチ、高さ180センチの場合で23万4400円(税別)となり、幅180センチの製品2台分に相当する。いずれもメーカー希望小売価格で、取付費や工事費、物流関連費用は含まれていない。製作可能寸法や販売価格は、生地や仕様によって異なる。

大開口窓の普及によって、窓まわり製品には採光や視線調整といった基本機能に加え、空間との調和や使い勝手への配慮も一段と求められている。今回の仕様拡充は、「エアレ」の特徴であるデザイン性と機能性を維持しながら対応領域を広げるもので、多様化する住空間に向けた製品提案を強化する取り組みとして位置付けられそうだ。





立川ブラインド工業
https://www.blind.co.jp/



2026年7月15日水曜日

【SWANTILEグループ】国内初となる大判インクジェットタイル量産ラインを本格稼働開始し、新シリーズ4製品を発売。

大判タイルは、いまや住宅やホテル、商業施設の空間品質を左右する重要な建築素材の一つになっている。目地を極力消し去り、床や壁を一枚の面として見せることで、空間に静けさや伸びやかさをもたらす。しかし国内の設計実務においては、その選択肢の多くを海外製品に頼らざるを得ない状況が続いてきた。そうした中、日東製陶所などを擁するSWANTILEグループが、国内初となる大判インクジェットタイル量産ラインを本格稼働させ、新シリーズ4製品を発売した。

△リムストン施工イメージ (品番:PM-600/RS-101G)
△テラナ施工イメージ (品番:PM-600/TN-202G)
近年の建築設計では、素材そのものの存在感よりも、むしろ「面」としての完成度が求められている。住宅では内外の連続性を高めるために床材をシームレスにつなげ、ホテルや商業施設では空間そのもののスケール感を際立たせるために大判化が進む。

こうした流れの中で600角タイルは、建築家やインテリアデザイナーにとってもスタンダードな選択肢になりつつある。一方で、その多くは輸入製品であり、納期や供給、ロット管理、追加発注などに課題があった。プロジェクトの終盤になって品番が廃番になったり、輸送遅延によって工程全体が影響を受けたりするケースも少なくない。設計者が求めるのは意匠性だけではなく、プロジェクトを最後まで成立させる供給体制でもある。

SWANTILEグループが導入した新ラインは、3,800トンプレスと最新のデジタルインクジェット施釉技術を採用し、最大1200×600ミリサイズまで対応する。24時間あたり約1600平方メートルを生産できる能力を持ち、設計者や施工者が求める安定供給にも応えられる体制を整えた。注目したいのは、技術スペック以上に表現力の進化だ。近年の建築空間では、天然石そのものよりも、石の表情を持ちながら施工性やメンテナンス性に優れたセラミック素材が選ばれる場面が増えている。今回発表された「ベリッシモストーン」「リムストン」「テラナ」「クォーツァ」は、いずれも天然石が持つ柄のゆらぎや質感をデジタル技術によって再構築したシリーズである。

△ベリッシモストーン施工イメージ (品番:PM-600/BEM-1G
△クォーツ
施工イメージ (品番:PM-600/QZ-300G)
なかでも「リムストン」は、ライムストーン特有の穏やかな表情を持ち、住宅やホテルラウンジなどで求められる柔らかな空気感を演出する。「テラナ」は自然石の素材感を備えながらも過度な主張を抑えており、植栽や木質素材との相性が良い。「クォーツァ」は陰影の深い石目によって空間に重厚感を与え、高級住宅や商業施設のエントランスにも対応できそうだ。

さらに設計者にとって見逃せないのが、屋内外をまたぐ使い方を想定している点である。マット仕上げとグリップ仕上げを用意することで、リビングからテラスへ、エントランスから外構へと素材を連続させる設計が行いやすくなった。建築とランドスケープの境界を曖昧にしようとする近年の設計潮流にも合致する提案といえる。

加えて、国産化の意義は環境性能の面でも大きい。高効率焼成炉や排熱利用、太陽光発電の導入に加え、輸送距離の短縮によるCO₂削減も見込まれる。建築業界で脱炭素への要求が高まる中、素材選定そのものが設計テーマとなる時代において、こうした背景はますます重要になるだろう。





日東製陶所
https://swantile.jp/



2026年7月14日火曜日

【文心建設】建築家・青木淳との協業による集合住宅プロジェクト「文心月月」を公開

台湾の文心建設は、建築家・青木淳との協業による集合住宅プロジェクト「文心月月(ウィンシン・ユエユエ)」を台北市松山区で公開する。2026年7月の発表を予定する同プロジェクトは、高密度化が進むアジア都市において、住宅と都市の関係を改めて問い直す試みとして計画された。

計画地となった松山区寶清街周辺には、基隆河や高速道路、高架道路網といった大規模インフラが広がる一方、市場や路地、小さな店舗が今なお生活の風景を形づくっている。巨大な都市スケールと人間的な日常のスケールが交差するこの環境を前に、本計画では都市から切り離された住まいではなく、都市とのつながりを保ちながらも静けさを確保できる居住空間が模索された。
その思想は建築のデザインにも表れている。
公開されたスケッチでは、サンゴから着想を得た有機的な窓の形状が提案されており、均質なファサードでは生み出せない柔らかな表情を建物にもたらしている。街並みに対して過度な存在感を主張するのではなく、周辺環境へ自然に溶け込みながら、光や風、視線を取り込む構成が目指された。都市のランドマークとして際立つ建築ではなく、日常風景の一部として街と呼応する建築を志向している点が特徴といえる。
こうした考え方の背景には、日本建築が育んできた「内と外のあいだ」の空間意識がある。障子や縁側、軒といった伝統的な要素は、空間を分断するのではなく、人と自然、建築と街を緩やかにつなぐ役割を果たしてきた。本計画もまた、その思想を現代の都市型集合住宅へ応用する試みといえる。外部との関係を保ちながら、住戸内部には安心感や落ち着きを確保する。開放と保護、都市性と居住性という相反する要素のバランスがデザインの核となっている。
文心建設によれば、この協業の目的は著名建築家によるブランド化ではない。
住宅市場が成熟し、人々の関心が広さや設備といった性能から、空間体験や暮らしの質へ移るなかで、これからの住宅がどのような価値を提供できるのかを探ることにある。「文心月月」は、住まいを単なる不動産商品としてではなく、都市のなかで自分自身の居場所や時間を取り戻すための環境として提案するプロジェクトだ。急速な変化を続けるアジア都市において、住宅の新たな可能性を示す取り組みとして注目されそうだ。




2026年7月13日月曜日

【tool box】個室と開放感を両立する新商品「木製ガラス窓」発売

 住宅価格の上昇と専有面積の縮小が進む中、住み替えではなく今の住まいを工夫しながら住み続けるという選択が広がっている。そうした住環境の変化を背景に、toolboxは個室と開放感を両立する新商品「木製ガラス窓」を発売した。新製品は、子ども部屋やワークスペース、寝室など、住まいの中に新たな個室を設けたい一方で、光や風、人の気配まで遮断してしまうことには抵抗があるというニーズに応えるために開発された。高さ約1メートルの腰高サイズを採用した木製の室内窓で、大きなガラス面を通じて光や視線が抜けることで、小さな個室にも広がりを生み出す。

近年は在宅ワークやオンライン会議の定着に加え、子どもの成長に伴う学習環境の確保など、住まいの中に独立した空間を求める場面が増えている。一方で、限られた面積の中に壁を立てて部屋を増やせば、その分だけ採光や通風が失われ、住宅全体が閉鎖的に感じられることも少なくない。「木製ガラス窓」は、そうした課題に対し、仕切ることとつなげることの両立を目指した商品といえる。幅1500ミリの大きな開口部に加え、窓枠や中桟を25ミリまで細くすることで、できる限りガラス面を広く確保した。高さは900ミリと1100ミリの2種類を用意し、天井高や空間構成に応じて選択できる。

開閉方式は片引き、片開き、引き違いの3タイプを展開する。必要に応じて窓を開けることで、エアコンの風や自然の風を個室まで届けることができ、換気や空調効率にも配慮した設計となっている。ガラスはフラットガラス、型板ガラス、チェッカーガラスから選択可能で、空間の用途や好みに応じた使い分けにも対応する。
また、素材には無垢の白木を採用した。無塗装仕上げのため、フローリングや家具、建具の色に合わせて自由に塗装でき、住まい全体のインテリアに自然になじませることができる。
今回の新製品には、10年にわたり販売を続けてきた「木製室内窓」の経験が生かされている。2016年の発売当時、室内窓は建具職人による特注製作が一般的で、コストや納期の面から導入のハードルが高かった。そこでtoolboxは、住宅設計で使いやすい規格品として商品化し、リノベーションや住宅設計における選択肢として普及を進めてきた。

その後、多くの採用事例が集まる中で、「より大きな開口部が欲しい」という声が設計者や施主から寄せられるようになったという。空間のアクセントとして用いられる小窓ではなく、住まいの中に新たな個室をつくるための道具として室内窓を活用したいという需要が高まったことが、新商品の開発につながった。家を広げるのではなく、今ある家を使いこなす。そんな住まい方が現実味を増す時代に、「木製ガラス窓」は部屋を仕切るための建具であると同時に、住まいのつながりを保ちながら新しい居場所を生み出すための提案として注目を集めそうだ。






tool box

2026年7月10日金曜日

「ルーシー・リー展ー東西をつなぐ優美のうつわ」ー展が東京都庭園美術館で開催

 

20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リーの回顧展「ルーシー・リー展ー東西をつなぐ優美のうつわ」展が東京都庭園美術館で7月4日から東京都庭園美術館で開幕した。担当学芸員は同館の勝田琴絵。

▲展覧会 会場風景

国内では約10年ぶりの回顧展となる本展は、国内貯蔵の作品66点が一堂に会するほか、ヨーゼフ・ホフマンや、バーナード・リーチ、など、ルーシー・リーと交流のあった作家たちの作品も合わせて展示される。


展覧会の会場となるアール・デコ建築

会場となる、東京都庭園美術館の本館は、1933年に朝香宮家の自邸として竣工したアール・デコ建築。うつわの魅力を引き出す邸宅空間で、リーの作品と旧朝香宮邸の建築の合わせた展示も見どころの一つである。

▲展覧会の会場となる東京都庭園美術館

▲展覧会 会場風景

展示構成

展覧会は本館と新館にまたがる全4章で構成され、リーの作品の特徴である、釉薬や掻き落としの技法などが展示と共に紹介され、彼女が生きた時代背景や交流の深い人と合わせて全容を紐解く内容となっている。

▲ルーシー・リー《白釉ピンク線文鉢》


▲ルーシーリー《熔岩釉鉢》(左)、《練りこみ花器》(右)


旧館会場の2階にはかつて居間や浴室、寝室だった展示室に、リーの花器や鉢、壺などが並び、旧朝香宮家の面影を感じながら、展示を巡ることが出来る。

▲展覧会 会場風景

展示は2013年に新設された新館へと続き、リーの作品に影響を与えた東洋陶磁や、1970年以降のリーの確立したスタイルが紹介される。また、本展では1989年に安藤忠雄が会場設計を手掛け、作品を水面に配置した展示手法にインスピレーションを得て、作品のシルエットが反射する素材を展示台の表面に採用している。

▲展覧会 会場風景

▲展示台に作品のシルエットが反射する

本展ではルーシー・リーの作品の特徴である、釉薬や技法、そして同世代の作家たちとの交流の軌跡を、アール・デコ建築の空間で追従できる貴重な機会となっている。


■展覧会情報
展覧会名:「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」

会期:2026年7月4日(土)〜9月13日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館+新館)(東京都港区白金台5-21-9)
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
 ※8月7日(金)、14日(金)、21日(金)、28日(金)は「サマーナイトミュージアム2026」として21:00まで開館(入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜(ただし7月20日(月・祝)は開館、7月21日(火)は休館)
観覧料:一般 ¥1,400、大学生 ¥1,120、高校生・65歳以上 ¥700/中学生以下無料 ※身体障害者手帳などを持参の場合(+付き添い2名まで)は無料




                                                                                                                                                   

【オカムラ】Foster + Partners Industrial Designと共同開発したタスクシーティング「MUKU」を発表

オカムラは、米シカゴで開催されたオフィス家具見本市「NeoCon2026」において、英国のデザイン集団であるFoster + Partners Industrial Designと共同開発したタスクシーティング「MUKU(ムク)」を発表した。発売は同年11月を予定している。

「MUKU」は、必要最小限の構成要素で成り立ちつつ、快適性と機能性を両立させたタスクチェアで、軽やかな外観により多様な空間に自然に溶け込む設計とした点が特徴となる。名称は純粋さや自然な美しさを意味する「無垢」に由来し、装飾を抑えた簡潔なデザイン思想を体現する。執務エリアや会議スペースに加え、在宅勤務といった幅広い利用環境に対応し、単体での使用はもちろん、複数脚を配置した場合でも空間の統一感を損なわない意匠とした。
機能面では、人間工学に基づく設計を土台に、オカムラ独自のアンクルチルトリクライニング機構や異なる硬さを組み合わせたクッションを採用し、長時間使用における身体負担の軽減を図った。加えて、座面の高さや奥行きの調整機能、前後左右に可動する4Dアジャストアーム、腰部を支えるランバーサポートを備え、利用者それぞれに適した姿勢を確保できるようにしている。こうした多様な調整機構をコンパクトに収めることで、外観の簡潔さと直感的な操作性を両立させている点も特徴の一つとなる。カラーは4色展開とし、空間に応じた選択の幅を持たせた。

開発にあたっては、両社が設計と試作を繰り返しながら検証を重ねるプロセスを採用した。精緻なエンジニアリングとデザインの融合を重視する共通の理念のもと、試行錯誤を積み重ねることで、機能と意匠のバランスを高い水準で実現したとしている。こうした開発手法により、国際市場において求められる品質やデザイン基準への対応を図った製品と位置づけられる。

Foster + Partners Industrial Designは、建築家ノーマン・フォスター氏が率いるFoster + Partnersの一部門として、家具から産業機器まで幅広い領域のプロダクトデザインを手がけてきた。芸術性と工芸的視点、さらに科学的アプローチを組み合わせた設計を特徴とし、メーカーや職人、スタートアップとの協働を通じて開発を進める体制を取る。試作と検証を重ねる反復的な手法や、サステナビリティを踏まえた設計思想も同組織の強みとされる。
近年、オフィス環境を取り巻く状況は、働き方の多様化やハイブリッドワークの定着によって大きく変化しており、機能性に加えて空間との調和を重視した家具への需要が高まっている。こうした動向を背景に、オカムラは国際的なデザインパートナーとの協業を通じて製品開発力を強化し、グローバル市場への対応を進めているとみられる。簡潔な意匠と高度な調整機能を兼ね備えた「MUKU」が、変化するワークプレイスにおいてどのように評価されるかが注目される。




オカムラ

2026年7月9日木曜日

ジョージ・ナカシマの造形-木の声を聴く

ギャラリーエークワッドは7月3日より「ジョージ・ナカシマの造形-木の声を聴く」展を開催する。

本展時はナカシマがおよそ30年かけて家族と築き上げた仕事と生活の場「ジョージ・ナカシマ・ウッドワーカーズ」をはじめとする建築の仕事に焦点を当て、ナカシマの軌跡を建築作品や家具と共に巡っていく。