2026年11月4日水曜日

【レポート】第3回NEG講演会 西沢立衛 「自作について」

(写真)講演中の西沢立衛氏

日本電気硝子と電気硝子建材は、10月26日(月)「NEG建築家セミナー」を東京都港区の建築会館ホールにて開催した。

本セミナーは、第一線で活躍する建築家を講師に迎え、建築に対する考え方や創作活動、設計プロセスなどを伺い、対話を深めることで、価値を創出することを目的に開催されている。第3回目となる今回は「SANAA」の共同設立者として世界的に知られ、プリツカー賞など数多くの国際的な賞を受賞されている、建築家 西沢立衛氏が登壇された。

■ 西沢立衛氏の「自作について」をテーマにした講演

今回の講演では、これまで自身の事務所、およびSANAAで手掛けらた作品として、豊島美術館(2010年)やルーヴル・ランス *(2012年)、また近年の作品である、A.F.A SHANGHAI H-building(2026年)や竣工前のプロジェクトなど15以上のプロジェクトを紹介し、作品ごとの設計意図や当時のエピソードを交えながら話された。

講演の中でこれまでの自身の作品の紹介から、建築の持続的な関心として、「建築と環境の関係」、「人間と建築の関係」、「歴史への興味」を挙げれた。

各プロジェクトの紹介において、建築が地域や環境とどのように繋がり、関係を持つことが出来るのか、人間が生き生きと建築を使うことの快楽や歓びから、どのようなカタチや平面、空間を想像し、創り出すことが出来るのか、また、歴史や時間の連続性の中で、自身の創作した建築どのよう位置付けることができるのか、などの建築を創造する際の、「環境」「人間と機能」「歴史」といった一貫したテーマを切り口に話された。

(写真) 講演中の西沢立衛氏


■ 日本電気硝子の防水ガラス「ファイアライト」 展示ブース

講演会に併せて会場内では、日本電気硝子の防水ガラス 「ファイアライト」などのガラス建材製品を紹介する展示ブースが設けられた。

ファイアライトは、熱衝撃に強い耐熱決勝ガラスであり、火災時の高温と消火活動時の放水による急冷に破壊しない、 唯一の特定防火設備・防火設備用ガラスである。東京消防庁の火災実験にも採用され、その高い防火性能が実証されている。

(写真) 「ファイアライト」シリーズ 展示風景

(写真) ファイアライトF エアリティ

(写真)「ファイアライト」シリーズ 展示風景

【第3回セミナー概要】

セミナー名:NEG建築家セミナー

会  期 :2026年10⽉26⽇(月)

会  場 :建築会館ホール(東京都港区)

主  催 :日本電気硝子株式会社

共  催 :電気硝子建材株式会社


【会社概要:日本電気硝子】
日本電気硝子株式会社は、滋賀県大津市に本社を置く、世界トップクラスの特殊ガラスメーカーです。新たな機能を生み出す特殊ガラスは、板や管、糸、粉末などさまざまな製品に姿を変え、半導体やディスプレイ、自動車、電子機器、医療、エネルギーなど多岐にわたる分野で活躍しています。当社が70年以上の歴史の中で磨き上げてきた技術と実績により開発された特殊ガラスは、暮らしのあたりまえから産業の最先端まで、幅広い分野で高い評価を受けています。

会社HP:https://www.neg.co.jp/


【会社概要:電気硝子建材】
日本電気硝子の企業理念底流に流れる"文明の産物を創造する"という創業の精神のもとで誕生した個性豊かなガラス建材を、45年以上にもわたり開発・販売してきた特殊ガラス建材の販売会社です。日常と非日常を守る特定防火設備・防火設備用ガラス『ファイアライト®』や機能性と意匠性を併せ持つ『ガラスブロック』など、そのラインアップは幅広く多岐にわたります。

2026年11月2日月曜日

DESIGNART TOKYO 2026 日本最大級のデザイン&アートフェスティバル開催

 DESIGNART TOKYOは、デザインとアートの狭間にあるものづくりの価値を高めることを目的に、2017年に東京で始まったデザイン&アートフェスティバルである。
両者をつなぐ言葉として「デザイナート」という言語を生み出し、一般用語としての浸透を目指している。


第10回となる2026年は、10月30日から11月8日まで開催。
有楽町付近をメイン会場に、表参道、外苑前、原宿、代官山、池尻、六本木、銀座まで広域にわたって展開し、テーマは「Hibiki」である。
世界13カ国から約150組のクリエイティブが集まり、約70会場でデザイン、アート、ファッション、食、テクノロジーなどのプレゼンテーションが行われる。

メイン会場は、旧東京高速道路のKK線に出現する約4000㎡の展示空間「AUTOBAHN / KK線」。
東京都の方針のもと、車専用道路としての役割を終えた高速道路で、今後は段階的に歩行者中心の公共空間へ転換される。
その移行期間中の利用方法を探る取り組みとして、10月30日から11月3日までの5日間、会場となる。
場所は数寄屋橋交差点から銀座一丁目までで、会場は「EXHIBITION」「AUTOBAHN - The Design Store」「PARK & CAFÉ」「STAGE」の4エリアで構成される。

入口は、高速道路の料金所を使用


FLUX TABLE

NII

HAY

FLAT/FORM

YAMAGIWA

Nosou

Tai36

会場デザインを手がけたのは、建築家の津川恵理が代表を務めるALTEMY。
敷地は、外堀の一部を埋め立てて生まれた場所で、戦後の高度成長期にモータリゼーションを象徴。
江戸時代には外堀や川の水の流れが物流と人の文化を育み、周辺のビルは今も旧外堀に向かって建ち並ぶ。こうした都市の骨格を踏まえ、車のための直線的な軸から、有楽町・銀座の街並みへ向かって新たな線を引くことが設計の基本概念となった。

津川恵理氏

設計には複数の制約があった。高架上は道路交通法の規制により、ほとんど何も置けない。敷地は東京都と中央区の管轄にまたがり、トイレや電気設備などのインフラも新設する必要があった。
これらの条件のもと、道路用具などの簡易的なオブジェクトを用いて、新たな線を高架上に引き込む会場が構成された。

DESIGNART TOKYO ホームページ


【YKK AP】「APW」樹脂窓シリーズに樹脂窓業界初となる内観グレイジュ色を追加

YKK APは、「APW」樹脂窓シリーズに樹脂窓業界初となる内観グレイジュ色を追加し、11月2日に発売する。対象は高性能トリプルガラス樹脂窓「APW 430」と高性能樹脂窓「APW 330」。近年ニーズが高まるグレイッシュなインテリアとの調和を図り、住空間全体の統一感を高める提案として展開する。
住宅インテリア市場では近年、グレイを基調としたコーディネートが人気を集めている。YKK APによると、同社の室内ドア製品でもグレイ系カラーの出荷が伸長しており、シンプルでありながら洗練された空間を求める傾向が強まっているという。今回追加するグレイジュ色は、こうしたトレンドや多様化する住まい手のニーズに対応するものだ。

新色はグレイとベージュを組み合わせた「グレイジュ」を採用。わずかに黄みを帯びたやわらかなグレイッシュカラーで、木質系の床材やグレイ系の壁紙、トレンドカラーの家具やインテリアとも自然になじむ。窓枠が空間の中で主張しすぎず、住まい全体のデザインを引き立てる色味として開発された。

また同社は、新色を採用した空間提案ツールとして「APWグレイジュスタイルブック」を発行する。インテリアスタイリストの窪田俊氏が監修し、壁紙や建具、家具まで含めた4つのコーディネート事例を掲載。グレイジュ色の窓を取り入れた住空間を具体的にイメージできる内容となっている。


カラー名称:グレイジュ
対象商品
「APW 430」、「APW 430+」、「APW 430」防火窓、「APW 330」、「APW 330」防火窓、窓リフォーム専用商品「マドリモ 戸建用」樹脂窓、「マドリモ 北海道」トリプルガラス樹脂窓
カラーバリエーション
(組み合わせ) 外観色:プラチナステン、ブラック(※2)
参考価格(※)
「APW 330」 たてすべり出し窓
グレモンハンドル仕様(色:外観色プラチナステン、内観色グレイジュ)
Low-E複層ガラス アルゴンガス無 アルミスペーサー
幅(W)640mm × 高さ(H)1,170mm ・・・53,000円
発売日
2026年11月2日
※:参考価格には消費税・現場搬入費・施工費等は含まれていません。



YKK AP

2026年10月30日金曜日

EcoSmart Fire 新作暖炉「Halo」発表 柴田文江氏との共同開発の流れ

 オーストラリア発のバイオエタノール暖炉ブランド、EcoSmart Fireが、
新作暖炉「Halo(ヘイロー)」を発表。
プロダクトデザイナー・柴田文江氏との共同開発で、2026年10月17日より発売。


同ブランドは、煙やすすを出さず、煙突などの排気設備を必要としない点を特徴とする。
新作では、この特性を土台に「炎そのものを空間に浮かび上がらせる」ことを開発の起点に置いた。


構造は、ガラスフードと脚部を一体化し、極限までシンプルにまとめている。
バーナーだけが宙に浮いているような印象を生み、壁際だけでなく空間の中心にも設置できる。360度あらゆる方向から炎を眺められる設計。

ガラスには繊細なスリットを設けた。燃焼に必要な空気を取り込みつつ、
目に見えない空気の流れをつくる役割を担う。
ゆるやかに湾曲したガラス越しの炎は、柔らかく奥行きのある表情を見せる。


細部のプロポーションやエッジは、日本のものづくりが培ってきた感覚で見直した。
不要な線を削ぎ落とし、機能を満たすだけでなく、静けさと緊張感が共存する佇まいを追求している。
建築の一部として組み込む暖炉ではなく、空間のどこにでも置ける存在として設計された。

発売を記念し、10月17日から11月8日まで、青山のFire EcoSmart東京ショールームでローンチイベントを開催。
インテリアスタイリスト・作原文子氏が主宰するMorning Mountainとのコラボレーション展示「STORY FIRESIDE」も行われ、スタイリング展示は11月30日まで。

Wasabi(グリーン)


Snow(ホワイト)

Stainless Steel(シルバー)

商品名: Halo ( ヘイロー)
 価格: ¥560,000(税別)
 サイズ: φ410 x H708mm
 カラー:Wasabi (グリーン)、Snow (ホワイト)、 Stainless Steel (シルバー ) 
 重量: 27.2kg 
バーナーサイズ:AB3(Halo特別仕様) 
 燃料容量: 2.5L
 継続燃焼時間: 約8時間 
暖房の目安(屋内使用時):20㎡以上 

Ecosmart Fire 公式HP

「Halo」商品ページ

2026年10月29日木曜日

【梓設計・梓総合研究所・MESON】木の循環と設計思想を体感するXRギャラリー「Immersive Wood Gallery」を共創

株式会社梓設計(東京都大田区、以下梓設計)、同社のシンクタンクである株式会社梓総合研究所(東京都千代田区、以下AIR)と、AIとXRを掛け合わせた空間インテリジェンスの研究・実装に取り組む株式会社MESON(読み:メザン、以下MESON)とともに、梓設計の80周年記念事業の一環として、Apple Vision Proを活用したXRギャラリー「Immersive Wood Gallery」を共創した。

▲(写真1)「Immersive Wood Gallery」

「Immersive Wood Gallery」は、梓設計が大切にしてきた木造・木質建築への思想や設計力、森から木材、そして建築へとつながる循環を、梓設計本社であるHANEDA SKY CAMPUSを歩きながら体感できるMRウォークスルー体験である。MESONは、企画編集、体験設計、演出表現、3DCGデザイン、アプリケーションの実装、運用計画を担い、梓設計が持つ思想や空間資産を、空間コンピューティングによるブランドコミュニケーションへと翻訳された。

■「Immersive Wood Gallery」体験概要

▲(動画)「Immersive Wood Gallery」体験概要


「Immersive Wood Gallery」は、Apple Vision Proを装着してオフィス空間を巡りながら木の物語を体感するロケーションベースのMRウォークスルー体験である。木の循環というテーマから着想を得た「こもれび」の演出が体験者を導く。苗木が森になり、伐採・製材を経て建築へとつながっていく木の循環を、現実空間に重畳された表現とともに辿ることができる。


■体験の要素

〇Wood Entrance/創業者の想いに触れる導入演出

▲(写真2)梓設計創業者・清田文永氏のメッセージを通じて、
「Immersive Wood Gallery」の世界観が描かれる。

〇Gate Forest/一株の苗木から木材へ至る森の3D表現

▲(写真3)木材が製材になるまでの時間雄流れや山仕事の数々が、
舞台演出を参照したCGアニメーションによって表現される。

〇Archi Runway/木造・木質建築の実践を描くトンネルギャラリー
▲(写真4)梓設計本社のランウェイ空間を活用し、
梓設計の木造・木質建築のビジョンと実践を紹介。

■体験を支える演出


「Immersive Wood Gallery」での体験では、ナレーションやサウンドスケープなどに加え、使用するApple Vision Proを持つためのオリジナルの木製ハンドルが作成されるなど、体験者の五感に作用するような体験設計により、実空間や素材感を含めて木の存在を感じられる体験が目指された。

■ 会社概要

■株式会社梓設計

代表:有吉 匡
所在地:東京都大田区羽田旭町10-11 MFIP羽田3F
事業内容:建築設計・監理/調査・企画・コンサルタント/都市計画・地域計画/プロジェクトマネジメント/環境デザイン/コンピューテーショナルデザイン
 梓設計 Webサイト:https://www.azusasekkei.co.jp/
AX-team  Webサイト:https://ax.azusasekkei.co.jp/

■株式会社梓総合研究所

代表:墓田 京平
所在地:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル3F
事業内容:調査・研究・コンサルティング事業/ プロジェクト創造事業/政策提言・出版事業/DX・AI・IoT戦略的活用事業 等
AIR Webサイト:https://azs-air.co.jp/

三百年木造構想 特設Webサイト:https://azs-air.co.jp/regenerative/wood

■株式会社MESON

代表:小林 佑樹

所在地:東京都中央区 銀座8-17-5 THE HUB 銀座 OCT 317号

事業内容:拡張現実(AR)、及び仮想現実(VR)、人工知能(AI)技術を用いたサービス/プロダクトの企画、デザイン、開発

Webサイト:https://www.meson.tokyo/

取組事例一覧:https://www.meson.tokyo/cases/

▼「Immersive Wood Gallery」事例掲載ページ

https://www.meson.tokyo/cases/immersive-wood-gallery/


■本件に対するお問合せ

株式会社梓総合研究所

担当:住田 百合耶(すみだ ゆりや)

MAIL:info@azs-air.co.jp


2026年10月28日水曜日

【2026年度 国際交流基金賞受賞式】 福武 總一郎、SANAA、ユディツィウム出版社が受賞

(写真)今年度の受賞者
左から、エメー・マリー・ドルニエル氏、
福武 總一郎氏、SANAAの妹島和世・西沢立衛氏


 令和8(2026)年度「国際交流基金賞」授賞式が21日、グランドプリンスホテル高輪で開催された。

「国際交流基金賞」は学術、芸術その他の文化活動を通じて、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に特に顕著な貢献があり、引き続き活動が期待される個人または団体を顕彰する事業である。

今年度の受賞者として、福武 總一郎(公益財団法人 福武財団 名誉理事長)、SANAA(サナア)[日本]、ユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)[ドイツ]の3者に決定した。


■受賞者スピーチ

〇 福武 總一郎(公益財団法人 福武財団 名誉理事長)

(写真)福武 總一郎(公益財団法人 福武財団 名誉理事長)

福武 總一郎氏は今回の受賞について、「瀬戸内海の直島という小さな離島に、世界から多くのお客様に来ていただける「自然」と「アート」と「建築」が共生するアートサイトを作るという強い目的を持っておりましたので、この度の受賞は大変嬉しく思います。」と喜びを述べた。

スピーチでは、これまでの直島などのベネッセアートプロジェクトや中国の桃花島での地域再生のや取り組みについて「現代アートは国境や言語を超える力をもっていると信じ、アジアを中心とする世界各地との交流を重視し、現代社会に対してメッセージを発信し続けてきた」と語り、これからの自身の活動について「地域の魅力を引き出し、世界中に発信し続けていくことで、文化芸術を通じた国際交流の懸け橋になっていきたい」と抱負を述べた。

〇 SANAA(サナア)[日本]

(写真) SANAA (サナア)
妹島和世(中央)・西沢立衛(右)

SANAAの妹島和世氏、西沢立衛氏は今回の受賞にあたり、「国際交流基金が日本の建築や建築家を世界に紹介し、私たちの活動を国際的な舞台へと繋いで下さいました。」と語った。

SANAAとして設計活動を始めて以来目指してきた「公園のような建築」について、「内部と外部をつなぎ、さらにそれらが、周りの多様な環境に呼応し、複数の関係が重なりあうことで、より豊かな場所が生まれる建築」であると語り、そのような建築を実現するうえで、「建築は、多くの人と共に、そして多くの人のために実現されるのではないかと思います」と、プロジェクトへ関わる多くの人への感謝を伝えた。

また、これからの設計活動について「建築と環境、そして人と人との新しい関係を考えながら、建築を通して新たな可能性を開拓していきたいと思います」と抱負を述べた。

〇 ユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)[ドイツ]

(写真)ユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)の
エメー・マリー・ドルニエル氏

ユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)のエメー・マリー・ドルニエル氏は、受賞についてついて、「ドイツの学術出版社である、ミュンヘンのユディツィウム出版が、受賞団体として選ばれたのは最高の喜びであり、感謝の気持ちでいっぱいになりました」と喜びを語った。

また、今回受賞の要因となった『和独大辞典』の刊行について、国際交流基金の厚く深い支援と、プロジェクトにかかわる執筆者、編集者、校正者、財政支援者への感謝を述べた。

出版に携わる活動の理念について「私たちの書籍プロジェクトは確かな知識を伝えることを目指しています。インターネット、フェイクニュース、ソーシャルメディア、AIがあふれる時代であっても、人々が書いたものを互いに読み継ぎ、他者の残した、アイデア、経験、研究、知識、そして想像力に触発され、鼓舞され続けることを願っています。」と述べた。




■ 国際交流基金賞 概要

国際交流基金賞は国際交流基金設立の翌年である1973(昭和48)年から始まり、2026年度で53回目を迎えます。 本賞では、学術、芸術その他の文化活動を通じて、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に特に顕著な貢献があり、引き続き活動が期待される 個人又は団体を顕彰しています。

国際交流基金賞HP:https://www.jpf.go.jp/j/about/award/


2026年10月27日火曜日

建築家・小嶋一浩のデジタルアーカイブを公開  ―没後10 年、スケッチとノートから創作の過程をたどる― 

 一般社団法人小嶋一浩アーカイブは、建築家・小嶋一浩(1958–2016)が遺したスケッチやノートなどを探索・閲覧できるデジタルアーカイブ「小嶋一浩アーカイブ」を開発し、没後10 年にあたる2026 年10 月13 日に公開された。

▲(写真1)「小嶋一浩アーカイブ」 探索画面

「小嶋一浩アーカイブ」は東京大学大学院情報学環の渡邉英徳教授、同大学史料編纂所の中村覚准教授らが、開発協力と学術支援を行い、261 件の資料情報と11,552 画像を収録される。

アーカイブの特徴として、手書きの一次資料(写真2)に付与された注釈と、複数の視点から資料を探索する仕組み(探索画面)(写真1)が組み合わされ体系化された点である。

同じプロジェクトに関する記述を複数のノートから探したり、時期や地名を手がかりに記録を読み比べられることが可能となり、建築史研究や設計教育において、完成作品とその創作過程をあわせて学ぶための資料基盤としての活用が期待される。


■人手とAI の注釈を手がかりに資料をつなぐ

収録資料には、1979 年から2016 年までのスケッチブックやノートなどが含まれ(写真2)、それらに、東京理科大学小嶋研究室の卒業生による手作業とAI で22,605 件の注釈が整備された。

注釈には、資料の日付、地名、プロジェクト名が関連付けられることで、一つのトピックから様々な資料を時間軸や場所に合わせて横断的に探索することが可能である。

また、探索画面は3D 空間での俯瞰と個々のページの詳細閲覧が可能することが可能な仕様であり、建築家の創作過程を一次資料から読み解くための基盤となることが期待される。

▲(写真2)収録資料の例
画像提供:小嶋一浩アーカイブ

資料の公開範囲は権利関係と個人情報を確認した資料に限り、一般閲覧と会員向け閲覧を設けられる。会員向けの詳細閲覧では、画像共有の国際標準であるIIIF(トリプルアイエフ)(注1)に対応したビューアで、筆跡や描線の細部まで拡大して閲覧することが可能である。

(注1)IIIF (トリプルアイエフ)はInternational  Image  Interoperability  Framework の略称で、デジタル画像などを共通の仕組みで公開・利用するための国際的な標準規格です。対応する閲覧ツールを通じて画像の拡大や比較などが可能である。


■「小嶋一浩アーカイブ」公開・利用について

〇名称:小嶋一浩アーカイブ(Kazuhiro Kojima Archive)

〇URL(アーカイブ・法人公式サイト):https://kojima-archive.jp/ 

                   (日本語・英語)

〇開発・運営:一般社団法人小嶋一浩アーカイブ

一般の利用者は資料や注釈の全体像を見渡し、選ばれた一部の資料画像を閲覧できます。賛助会員向けには170 件・6,991 画像を提供します。賛助会員は、2026 年11 月に受付を開始する予定です。

収録画像のすべてが閲覧対象ではありません。公開するのは、所蔵資料のうち権利関係と個人情報を確認したものに限ります。また、小嶋が関わったすべての資料を網羅するものではありません。資料の利用は、ウェブサイトに掲載する利用条件に従ってください。


小嶋一浩について

小嶋一浩(1958–2016 年10 月13 日逝去)は、大阪府生まれの建築家。1984 年に東京大学大学院修士課程を修了し、博士課程在学中の1986 年に建築設計事務所「シーラカンス」を共同設立しました。東京理科大学、横浜国立大学の教授を務め、建築設計と教育の両面で活動しました。