2014年1月23日木曜日

トラフ建築設計事務所「ここをホッチキスでとめてください。」展

鈴野浩一と禿真哉によるトラフ建築設計事務所による展示会「ここをホッチキスでとめてください。」が、1月18日より、銀座にあるクリエイションギャラリーG8にて開催中。
展示会のタイトルは、折りたたんで簡易製本すると冊子になるポスターに記載された注意書きが、たまたま表面化したもの。
「これをこうしたらどうなる?」頭の中だけでは描き切れない、実験の世界が繰り広げられている。
入口にかかる缶に繋がれたバネ。
これを叩くと、どんな音がするのか?某国営放送の大科○実験じゃないが、やってみなくちゃわからない。会場のあちこちで不思議な音が鳴っている。
天井は鏡張りで、下からは見えない展示品を見ることが出来る。
風になびく光
トラフ建築設計事務所がこれまで行ったプロダクトも展示されている。

2月13日まで。

2014年1月21日火曜日

TOTOギャラリー・間「内藤廣展 アタマの現場」

乃木坂にあるTOTOギャラリー・間にて「内藤廣展 アタマの現場」が1/18より開催中。
内藤廣氏のギャラリー・間での個展は2回目で、1回目は「素形の構図 還元する場のかたち」と題して1995年に催された。今回の展示では数々の作品を生み出してきた内藤廣建築設計事務所の一部を再現するとともに、初期の代表作から現在進行中のプロジェクト、更にはプロジェクトに終わった作品を通して思考の過程を紹介する展示で“アタマの現場”と名付けられた。
第1会場(3F)
第1会場は、内藤氏がいつも使用している机、手近にある小物や本を持ち込み所長室を再現。
今回の展示用で新たに作った模型はひとつもなく、すべて事務所に保管されていたもの。
持ち込んだ本は700冊ほど(事務所にある本の1/3)で気になっている本、よく読んでいる本を持ち込んでいる。特に机の後ろにおいているものは貴重本。
机のすぐ近くに飾られている尊敬するいけ花作家・故中川幸夫氏による書で、「桜」の一文字に込められた気迫に日々圧倒されているという。その隣にあるカンプス・マルティウスの古代ローマの平面図は、著名建築家たちが飾っているのに憧れて手に入れたもの。
進行中の「静岡県草薙総合運動場体育館(2015.1予定)」
代々木体育館よりも少し小ぶりな規模で、先端技術が3~4つも組み合わさっている難しい技術を要する仕事。
棚の上に小物に紛れておいてある「ギャラリーTOM(1984年)」の模型は事務所にある模型で一番古いもの。
中庭
自身が綴った文章の中から格言的なテキストを取り出した「言葉のかけら」を展示。
会場内の本棚から中庭に向かって言葉が飛び出しているようにもとらえられる。
第2会場(4F)
第2会場は所員の執務空間を再現している模型部屋のような空間で、展示されているものは新しいものの古いものも混在している。最新の3つのコンペプロジェクトは下写真机の右側あたりに展示。
木模型の約半分は、前回のギャラリー・間にて使用されたもの。
もうすぐ竣工する「九州大学椎木講堂(2014.2予定)」の模型。
模型の他、スケッチやエスキース、滅多にみることのできない実施設計図面の展示も。会場の奥にはパソコンが2台設置されており、そこで作品の詳細を閲覧することもできる。
内覧会時の内藤廣氏。
展覧会は3/22(土)まで。
関連のシンポジウムは1/31(金)に開催。要申込制で受付は締め切っている。
また会場にて随時、ギャラリートークとサイン会も開催。こちらは申込不要で日程及び詳細はギャラリー・間HPにて確認できる。

2014年1月16日木曜日

東京デザイン2020 オープンセッション Vol.02

2020年オリンピック・パラリンピック東京開催をうけ、オリンピックを契機に始まる新しい社会をどのように構築していくかを考える事が重要であり、このことを話し合う場が必要と考え、公益財団法人日本デザイン振興会、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会、公益社団法人日本サインデザイン協会、日本デザイン学会の5機関が中心となり「東京大会デザイン2020フォーラム」が設置された。
2013年10月31日に「東京デザイン2020  オープンセッション Vol.01」が開催され、今回は東京藝術大学美術学部デザイン科との共催で、東京藝術大学で教鞭者、そして東京藝術大学出身のデザイナーやアーティスト、建築家など9名が登壇し、「東京デザイン2020  オープンセッション Vol.02 -2020年東京をディレクションする-」が、東京藝術大学 美術学部絵画棟1階 大石膏室にて、開催された。(1月10日)

建築家はJIA会長の芦原太郎氏が登壇。デザインを検証出来る機関「日本版CABE(Commission for Architecture and the Built Environment)」設立を提案した。

「CABEはロンドンオリンピックの際に注目された建築や街づくりのための機関。
イギリスでは法的には合法でも、住民にとって有益かどうかを検証する際に、専門家が検証を行い市民が検討をする。市民に対し正しい情報の提供を行い、その地域の人々の生活をサポートする機関がCABEである。
新国立競技場について問題提起をしたくても、関係団体が多く、どこが責任者でどこにして良いのか分からない。この状況を見直したく、オリンピックを契機にデザインを検証出来る機関「日本版CABE」設立を提案する。
東京はオリンピックに向けて臨海部の再開発、インフラ整備が行われ、競技場だけでなく、開発は東京の身近な問題になっていく。オリンピック後の東京を考えながらルール作りをしていきたい。」と述べた。

登壇者及びテーマは下記の通り
宮田亮平[東京藝術大学 学長]
テーマ:上野発
河北秀也[アートディレクター、東京藝術大学 美術学部デザイン科 教授]
テーマ:経済の国から文化の国へ
北郷悟[彫刻家、東京藝術大学 理事・美術学部彫刻科 教授]
テーマ:芸術資源・連携と発信
日比野克彦[アーティスト、東京藝術大学 先端芸術表現科 教授]
テーマ:アートとスポーツ
芦原太郎[建築家、公益社団法人日本建築家協会 会長]
テーマ:日本版CABEの提案
松永真[グラフィックデザイナー、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 理事]
テーマ:2020年の旗
色部義昭[グラフィックデザイナー、東京藝術大学 美術学部デザイン科 非常勤講師]
テーマ:小さな点の集積によって東京の町並みを調える「ふりかけ式の都市調整計画」
宮崎桂[サインデザイナー、公益社団法人日本サインデザイン協会 副会長]
テーマ:2020年、TOKYOをチャーミングな都市へ
中村政人[現代美術家、東京藝術大学 美術学部絵画科 准教授]
テーマ:東東京・都市のスキマ
聞き手〜藤崎圭一郎[デザインジャーナリスト、東京藝術大学 美術学部デザイン科 准教授]