2015年7月29日水曜日

ウィルクハーン新作ワーキングチェア「IN(イン)」発表

ウィルクハーン・ジャパン株式会社は、三次元シンクロメカニズムのトリメンション(Trimension)搭載の新作ワーキングチェア「IN」を発表した。


ウィルクハーンは、身体を動かさないことで起こる腰痛や代謝の悪化が起こりがちなオフィス環境から、より健康的で快適な環境を作る商品開発に取り組んでおり、2009年には三次元シンクロメカニズム、トリメンションを搭載した革新的なワーキングチェア「ON(オン)」を発売し、これまでに17万脚を売り上げている。

トリメンションは、身体に不可欠な「動き」が着座時でも制限されることなく、まるで人間の関節のように柔軟な動きするというメカニズムで、シートは12°から-5°まで、背もたれは最大28°まで、さらに左右に最大13°まで傾斜する広い可動域を持ち、ユーザーの身体の動きを阻害せず背もたれと座面が身体に追随するようなダイナミックにサポートする。また、45~140㎏まで幅広い体重に対応している。

今回発表された「IN」では、「ON」に搭載されたトリメンションメカニズムをさらにコンパクトでシンプルに新解釈されており、「ON」では2本使われていたトリメンションの中核をなすスプリングを「IN」では1本のバネで3Dの動きをコントロールしている。


背座を形成する樹脂フレームには、「2-component technology」と呼ばれる最も画期的な技術が取り入れられた。この技術は近年自動車のパーツ製造に用いられはじめたもので、高度なコンピュータプログラムによって場所ごとにグラスファイバーの混合率を変えることができ、ひとつの同じ樹脂素材を一体整形しているにもかかわらず、腰の部分は柔らかで背もたれの垂直部分は硬く強度が高いなど、場所によって柔軟性の違うフレームが実現している。


背もたれの3Dメッシュでも場所によって織りの密度を変えることのできる特殊な織機を使って作られ、1枚のファブリックで背中のそれぞれの部位に最適なサポートを提供する。



カラーバリエーションもファブリックが7色、スイングアームが5色と多彩。
日本での発売は2015年秋を予定している。価格は122,000(予定)-

2015年7月22日水曜日

国立近現代建築資料館企画展示「ル・コルビュジエ×日本 -国立西洋美術館を建てた3人の弟子を中心に」

湯島にある文化庁国立近現代建築資料館にて7/21よりはじまった企画展示「ル・コルビュジエ×日本 -国立西洋美術館を建てた3人の弟子を中心に」のプレス向け説明会へ。

文化庁国立近現代建築資料館では、近現代における著名な建築・建築家の建築資料に関する収集・保管・調査研究等の事業を行っている。その中で今回は、ル・コルビュジエの弟子であった3人(前川國男、坂倉準三、吉阪隆正)をはじめ、多くの建築資料の所在が判明し、整理とデジタルアーカイブ化を行なったものを展示。
今回の展示では、日本の近現代建築において、ル・コルビュジエがどのように発見・受容され、展開したかを、パリのアトリエで学んだ3人の弟子たち(前川國男、坂倉準三、吉阪隆正)の活動を中心に探るとともに、日本におけるル・コルビュジエ唯一の実作〈国立西洋美術館〉(1959)の建設経緯と建築の魅力を紹介している。
展示資料の中には、前川國男が手掛け実現した戦前最大規模の作品〈上海華興商業銀行総合社宅〉の図面(様々な住戸プランが試みられ、ル・コルビュジエの〈ヴィラ型集合住宅(1922)〉の影響が見受けられる)や吉阪隆正がル・コルビュジエのアトリエで2年間の勤務を終えて帰国する際、ル・コルビュジエから送られたメッセージ(署名の脇には、ル・コルビュジエの名前の語源となっているカラス(フランス語でcorbeau)がかかれている)ものなど貴重な資料も。
会期は11/8まで。入場方法は2つあり、平日は事前申込を行えば無料で入場可(詳細)。

2015年7月14日火曜日

TOTOギャラリー・間 黃 聲遠(ホァン・シェン・ユェン)講演会「Living in Place」

TOTOギャラリー・間で開催中の展覧会「フィールドオフィス・アーキテクツ展 Living in Place」関連の講演会が、去る7/10、三田にある建築学会ホールにて開催された。(展覧会の内容紹介はこちら
講演会では、フィールドオフィス・アーキテクツの多岐にわたる活動(駅前再生・リノベーション・ランドスケープ・土木・公園・博物館・霊園など)を動画と写真をつかって説明をした。
ひとつの建築で完結するのではなく、長い時間をかけて自身で設計した建築同士を繋ぐプロムナードを創出したり、人の流れをつくるためのインフラの整備やグランドデザインにまで拡張し、街並みを形成してきたフィールドオフィス・アーキテクツの話を聞きに、日本の実務者だけでなく海外から日本にきて活動している実務者や留学生なども幅広く来場し、熱心に耳を傾けた。
また質疑応答では、黃氏がみんなで交流や意見交換をしながら考えを追及していくことを大切にことから、1つの質問に対して率直に答えるのではなく、一度に2人からの異なる質問を受け、複数の質問を結びつけながら考えを巡らせ応えるスタイルをとっていた。
初となる作品集も発行。講演会の前後では、サイン会を行い、黃氏は笑顔で声をかけていた。
展覧会は9/12まで。

2015年7月13日月曜日

フィールドオフィス・アーキテクツ展 Living in Place

7/9TOTOギャラリー・間にて開催される「フィールドオフィス・アーキテクツ展」のプレスカンファレンスへ伺う。
フィールドオフィス・アーキテクツは、建築家・黃聲遠(ホァン・シェン・ユェン)氏を中心に、黃氏の建築思想に共鳴し、同じ理想を抱いて台湾各地から集まってきた若者たちで構成される建築家の集団。1994年に黃氏が立ち上げた事務所は徐々にその同志を増やし、今や多くの所員を要するアトリエに成長している。

設立者である黃氏は、台中の東海大学建築学科を卒業後渡米し、イェール大学で修士号を取得。その後、ロサンゼルスの設計事務所で経験を積むも、作品主義的な建築の仕事に疑問を抱き帰国。建築とは、人と社会、そして自然や環境とを繋ぐ対話の窓口であるべきとの信念のもとに、宜蘭の地に新たな活動の場を見いだした。

会場では、こうしたフィールドオフィス・アーキテクツが20年にわたって手がけてきた宜蘭の町づくりから得た4つの「気づき」――「時間と仲良く」、「山、水、土、海と暮らす」、「基準線としてのキャノピー(天蓋)」、「ただ自分の身体に意識を向け、いつしか時を忘れる」をテーマとして設定している。これらに従って、黃氏がこれまで辿ってきた紆余曲折の体験を、ぜひ追体験してみてはいかがだろうか。


▲宜蘭に根付く「協力・助け合い」の精神をあらわしているという土台。
▲宜蘭の自然を意識した展示。
ステンレスのポールは雨、奥に見えるビルは山なのだそう。
▲映像を用いた展示は、本展の特徴のひとつ。
▲「私にとって、作品は大切ではない。
大切なのは、いかに人間が健康的に喜んで生きていく場をつくるかだ」と語った黃氏。





フィールドオフィス・アーキテクツ展 Living in Place
【会 期】 2015710日(金)~912日(土)
【会 場】 TOTOギャラリー・間(東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
【休日】 月曜・祝日・夏季休暇88日(土)~17日(月)2015年度より日曜日も開館
【開館時間】11001800
【入料】   無料

関連書籍『LIVING IN PLACE』(TOTO出版)発売中