2019年12月26日木曜日

三田の集合住宅オープンハウス

井原正揮+井原佳代/ihrmk 設計の「三田の集合住宅」オープンハウスが12月14日開催された。
正方形の窓が不規則に並び外観からは何階まであるのか分からない。しかし不思議と落ち着いた佇まい。

「三田の集合住宅」は地下1階地上7階。すべて部屋の構成が異なる。オーナーの希望で家族、単身者、SOHO等、利用者を限定しない作りになっている。
建物中央にインナーガーデンを設け、そこに植えられた木の周りを階段が囲んでいる。
 
階段踊り場はインナーバルコニーとして利用できるようにベンチと電源、Wi-Fiを設けている。各部屋とベランダから入る光で心地よい空間になっている。
 
各戸ベランダはインナーバルコニーにつながり、風と光の道としての役割も果たす。 
建物周辺はマンションが多く周辺環境が気になるところだが、不規則に開けられた窓が外部からの干渉の緩衝材となりつつ、光を取り入れてくれるので閉塞感はない。
 
310㎜の柱と梁は意匠に生かされている。落ち着いた感じ。
 
正面の引き戸の向こうがベランダ。引き戸採光には中空ポリカを使用。
各戸ドアと同じ色に塗装された防火扉は、一見パネルが入っているように見え、設備を目立たせない工夫がされている。



2019年12月17日火曜日

「アンスティチュ・フランセ東京 新たな時代に託すもの」展

アンスティチュ・フランセ東京にて、11月9日(土)より開催中の「アンスティチュ・フランセ東京 新たな時代に託すもの」展へ。

アンスティチュ・フランセ東京は、利用者をより居心地のいい、温かくてフレンドリーな空間に迎えるとともに、アンスティチュ・フランセ日本の様々な企画に対応する施設を建てることを目的に増改修中。
この増改修計画に伴い、アンスティチュ・フランセ東京の建物に関する展示をしている。
本展では、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三氏により設計された既存棟の歴史、そして藤本壮介氏(藤本壮介建築設計事務所)による既存棟改修と新棟建設計画について紹介する。

フランスの村をイメージした藤本氏の構想は、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三の設計により1651年に建てられ1962年に増築された既存棟と、延床面積1118㎡の3階建の新棟が、中庭を囲むというもの。新棟と既存棟を合わせた総延床面積は3500㎡になる。

新棟はバリアフリーに対応した設計となっており、快適な十四の教室に加え、ステージを備えたレストランが設けられる。より広くなったレストランには以前同様テラス席が設置される。
既存棟にはオフィス区画のほか、子供向けの教室を含む五つの教室とギャラリー・スペースが設けられる。エスパス・イマージュとメディアテーク、および書籍店「欧明社」はそのまま存続。
中庭についても、日本固有の植物を活かした造園計画が作られ、なるべく現状を温存しつつ新しい木々も植えられる。
増改修工事に伴い、新棟には現場の耐震基準が適用され、既存棟には耐震補強工事が行われる。

『Village as Institue』アンスティチュ・フランセ東京のための建築プロジェクト

藤本壮介建築設計事務所(2021年引渡し予定)

手前の複数の小さな建物が増築部分
なお、工事期間中も、屋外でのイベントを除き、フランス語講座、文化イベント(展覧会、パフォーマンス、講演会、討論会、上映会)、カフェ等、アンスティチュ・フランセ東京はこれまで通り活動を続ける。

本展の会期は、増改修工事期間中(~2021年)まで。入場無料。詳細はこちら

2019年12月16日月曜日

第29回AACA賞 決定

一般社団法人日本建築美術工芸協会は、第29AACA賞の作品を決定し、20191211日に表彰式を開催した。
入賞作品は、以下。


AACA
「福祉型障がい児入所施設 まごころ学園」
山下秀之・山下真理子(山下研究室)・木村博幸(長建築設計事務所)・江尻憲泰(江尻建築構造設計事務所)・武井奈津美(武井奈津美建築設計事務所)
写真:木田勝久

芦原義信賞
「淡路島の住宅」
末光弘和・末光陽子・田中健蔵(SUPE.
写真:中村 絵

優秀賞
「早稲田大学37号館 早稲田アリーナ」
水越英一郎・篠﨑亮平(山下設計)・宮埼俊亮(清水建設)・吉村純一(プレイスメディア)
写真:新建築社写真部

SYNEGIC office
堀越ふみ江・長谷川欣(ウエノアトリエ)・稲山正弘(東京大学)・稲山千華子(ホルツストラ)
写真:平井広行
 
UTSUROI TSUCHIYA ANNEX
垣田博之
写真:母倉知樹

奨励賞
「日本橋旧テーラー堀屋改修」
三井嶺


ACADEMIC-ARK@OTEMON GAKUIN UNIVERSITY
須部恭浩・大草徹也・岩本忠昌・姉歯景介・三上哲哉・関大樹(三菱地所設計)
写真:三菱地所設計

LaLaGrande GINZA 
写真:株式会社エスエス 堀越圭晋

美術工芸賞
i liv(アイリブ)」
大谷弘明・大藤淳哉・府中拓也(日建設計)
写真:Koji Fujii/©Nacása & Partners Inc.



建築美術工芸協会 http://www.aacajp.com/

2019年12月12日木曜日

構の形/UmbreArchitects展 人と環境をつなぐ建築

11月23日(土・祝)からプリズミックギャラリーでは、アンブレ・アーキテクツ初の個展「構の形/UmbreArchitects展 人と環境をつなぐ建築」が開催中。



アンブレアーキテクツでは2009年の設立以来、人と環境をつなぐ建築の在り方を考えてきました。本展覧会では、その場所固有の環境に呼応した建築のかたちについて、矩計図と軸組模型を中心に展示を行います。
――HPより
用途や規模、地域や気候条件が大きく異なる3つのプロジェクトを展示。
それぞれの場所性から導き出した「構の形」について1/10の矩計図と1/50の軸組模型によって表している。

「七光台の住宅」(2014年)
店舗併設住宅


「鯖江の住宅」(2018年)
サテライトオフィス

「だんだん」(2019年)
保内児童センター・保内保育所


会期は12月21日(土)まで。
入場料は無料。詳細はこちら

2019年12月11日水曜日

HAGI STUDIO「LANDABOUT」内覧会

中古マンション再生流通事業を手がける株式会社インテリックスが、東京都台東区根岸に、2020年1月中旬に開業予定のホテル「LANDABOUT(読み:ランダバウト)」の宿泊予約を11月11日より開始している。
企画・内装デザインを株式会社HAGI STUDIO、運営を株式会社ベステイト(1階カフェ・ダイニングバーは株式会社HAGI STUDIO)が行う。
外観
今回は、記者発表会・内覧会に参加。
株式会社インテリックス 代表取締役社長 山本卓也氏は「これからのホテル運営には、ただ箱を作るのではなく、地域の方と協調して、集客し、地域が活性化していく流れが必要」とし、リノベーションによるまちづくりを推進する株式会社HAGI STUDIOをパートナーに迎えた経緯を説明。

株式会社ベステイト 代表取締役社長 石橋拓馬氏はLANDABOUTというネーミングについてあらゆる地域から導かれた道が淀むことなく結ばれる環状交差点(Round about)は、各地から集まった人々が一時をともにし、また旅立っていくホテルとどこか似ている」とし、Round about(環状交差点)からLAND+ABOUT(土地について)という造語が生まれたと振り返った。

株式会社HAGI STUDIO 代表取締役社長 宮崎晃吉氏は「カジュアルで、色々な人が交差点のように集まって交流が生まれる場をつくりたい」とし、コンパクトかつミニマルでリーズナブルな宿泊室で豊かな共用部にしたと話す。
デザインの特徴として、地域に開かれた交流の場としての一階の飲食店、立体的に円環を描き連続的な動線計画(ホテルと飲食店の一体性)、鶯谷のまちの温度を宿したインテリアなどがある。

左から株式会社ベステイト 代表取締役社長 石橋拓馬氏
株式会社HAGI STUDIO 代表取締役社長 宮崎晃吉氏
株式会社インテリックス 代表取締役社長 山本卓也氏
株式会社インテリックス 代表取締役副社長 俊成誠司氏
1F「LANDABOUT Table」バーカウンター
1F「LANDABOUT Table」客席
2Fホテル受付
受付奥では周辺マップでまちを確認できる
セレクトショップも展開
2Fホテルラウンジ
1Fエントランスと吹き抜けでつながる
右手奥に受付、左手にテラス
コンパクトツイン
デラックスツイン
デラックスツイン テラスからの眺め
スカイツリーが望める
メインターゲットを、「宿泊施設のスペック」よりも「その地を楽しむこと」に興味をもとめつつ、デザインに敏感なインバウンドツーリストとし、2月10日以降の予約では7割が海外の旅行者だという。稼働率80%を目指し、1名6000円の料金を想定している。

LANDABOUT HPはこちら

2019年12月4日水曜日

東京都建築士事務所協会「マネジメント支援センター」設立

東京都の建築士事務所を会員とする、(一社)東京都建築士事務所協会が、働き方改革に向けて「マネジメント支援センター」の設立を発表した。
建築士の高齢化、業務の複雑化等、建築設計業界を取り巻く環境がますます厳しくなる中、同センターは、協会の会員の福利厚生及び業務運営の支援を行うことを目的として、各種業務を実施する予定。(写真:12/3記者発表にて趣旨説明をする児玉耕二会長)
主なメニューとしては、各種実務文書フォーマット提供・ホームページの開設支援・弁護士等専門家紹介・任意加入団体保険・共同購入,共同リース・設計図書保管サービス。また来春からは、合同所員研修・協力事務所紹介サービスなども加わり、今後は会員の意見も取り入れながらサービスの追加検討もしていくという。
現在、専用のTELとFAXが開設されており、詳細は同会員誌『コア東京12月号』に掲載される。

2019年12月2日月曜日

KENCHIKUセミナー 第11回 西田 司・山道 拓人・浜田 晶則・鎌谷 潤

11月29日(金)18時より、建報社 セミナールームにて「KENCHIKUセミナー 第11回 西田 司・山道 拓人・浜田 晶則・鎌谷 潤」が行われた。

弊社では「KENCHIKU」ユーザーに役立つ諸企画の一環として、建築講演会を「KENCHIKU セミナー」と題し、2016 年11 月より開催している。

第11回目となる今回は、広く建築に関わる方を対象に、若手建築家西田 司氏・山道 拓人氏・浜田 晶則氏・鎌谷 潤氏を講師に迎え、「今、何を設計しているのか?」をテーマに対談いただいた


西田 司氏(株式会社オンデザインパートナーズ

左:浜田 晶則氏(株式会社浜田晶則建築設計事務所
中央:
山道 拓人氏(株式会社ツバメアーキテクツ 一級建築士事務所
右:
鎌谷 潤氏(株式会社竹中工務店

講演後には来場者も含めた交流会が行われました

若手建築家4者4様の「設計思想」を掘り下げた内容で、建築の現代性や建築をつくる価値を探る対談となった。
ご参加くださった皆様誠にありがとうございました。

イベントの詳細はこちら

12/1開業、平田晃久建築設計事務所「ナインアワーズ水道橋」

水道橋に12/1(日)より開業した、カプセルホテル「ナインアワーズ水道橋」の内覧会が11/29に行われた。 「ナインアワーズ」は、都心における機能的かつ高品質なトランジットサービスという独自のカテゴリーを目指し、部屋という空間概念を捨て、睡眠とシャワー、身支度の3つの機能に特化してそれぞれの品質を研ぎ澄ませる、という考えのもと開発。宿泊に限らず、24時間お客様の都合に合わせて仮眠やシャワーのみでも利用できるトランジットサービスを提供している。クリエイティブディレクションは柴田文江氏(デザインスタジオS)、サイン&グラフィックデザインは廣村正彰氏(ヒロムラデザインオフィス)が手がけている。建築・設計は、店舗により異なる建築家と協業しており、13号店となる「ナインアワーズ水道橋」は、平田晃久氏(平田晃久建築設計事務所)が担当。平田氏が設計するのは5店舗目で、内覧会ではデザインのコンセプトについても説明された(写真3枚目)。
6Fの空中ラウンジ
敷地が首都高とJR中央・総武線が交錯する場所にあること、その周囲を取り囲むビルの屋上はガーデンテラスやパーキングなどとして様々に利用されていることから、それら都市のアクティブな流れをつなぐ上空の仮想的な地平面と見立て、この空中ラウンジがつくられた。開放的なラウンジ空間は、360°風景を望むことのできる、都市に投げだされた場所のような空間をつくりだした。
 4F 男性用のロッカーとシャワー室
 3F 男性用カプセル
2~4Fは男性専用フロア、5,7,8Fが女性専用フロアになっており、女性フロアは専用のエレベーターでなければ、移動が出来ない仕組み。
 地上レベルは建物のボリュームを1層浮かして視線の抜けをつくり、日本橋川や神田川、川沿いに植えられた桜並木を感じることのできるエントランス、カフェスペースとしている。
カフェは、東京都内初「REC COFFEE」路面店が出店。“飲食はその街に出てしてもらう”と考えているナインアワーズだが、お客様が出発する朝、あるいは午後のひとときに満足できる品質のコーヒーを提供したいという思いもあり、水道橋・赤坂・浅草は、スペシャルティコーヒーショップと提携し、カフェを併設した店舗となっている。
今後ナインアワーズは、2月には名古屋、3月に東京・浜松町、6月に半蔵門に順次開業も予定している。