2018年7月25日水曜日

芦沢啓治建築設計事務所「ナインアワーズ蒲田」内覧会

東京・蒲田に7/27(金)より開業のカプセルホテル「ナインアワーズ蒲田」の内覧会へ。 「ナインアワーズ」は、都心における機能的かつ高品質なトランジットサービスという独自のカテゴリーを目指し、部屋という空間概念を捨て、睡眠とシャワー、身支度の3つの機能に特化してそれぞれの品質を研ぎ澄ませる、という考えのもと開発。宿泊に限らず、24時間お客様の都合に合わせて仮眠やシャワーのみでも利用できるトランジットサービスを提供している。サイン&グラフィックデザインを廣村デザイン事務所が手がけ、アドバイザーとして柴田文江氏を起用。建築・設計は、店舗により異なる建築家と協業しており、8号店となる「ナインアワーズ蒲田」は、芦沢啓治氏(芦沢啓治建築設計事務所)が担当。
「ナインアワーズ」では、それぞれのロケーションに合わせた機能を加えることで、その街で働く人、ビジネスのインフラを目指している。羽田空港と都心を結ぶ街、蒲田にオープンする「ナインアワーズ蒲田」は、ビジネス目的で都心に訪れる客を多く見込んでいることから、フライトまでの空き時間などを有効に利用できるよう、フロント前にデスクスペースを併設。デスクとイスを一体化したユニットは、今回のためのオリジナルデザインで、機能的でありながら、木やスチールの素材感を活かした、コンパクトなユニットデスク。デスク自体もカプセルのようにそれぞれのプライベートが程よく確保され、短時間でも集中して作業ができるように設計されている。

また、これまで「ナインアワーズ」が追及してきた機能性の高さに加え、使い心地の良さにこだわり、インテリアに使用する素材や色、照度に注目、それぞれの細かなディテールやライティングをチューニングし居心地の良さを追求した。街に開きつつも喧噪から一歩離れ、落ち着いた雰囲気で宿泊、休憩ができるような空間を目指した。
シャワールーム
洗面台はアイランド式で、使用している人がいても十分に回遊できるつくりで、荷物のおけるベンチも設けられている。
「ナインアワーズ」は、店舗拡大中で9/21には、9号店となる浅草店もオープンの予定。

2018年7月20日金曜日

亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界 ―廣瀬染工場創業100周年記念― 長坂常(建築家)×廣瀬雄一(江戸小紋職人)

表参道のGYRE内にあるギャラリーEYE OF GYREにて、展示「亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界 ―廣瀬染工場創業100周年記念― 長坂常(建築家)×廣瀬雄一(江戸小紋職人)」が7/17より開催中。 江戸小紋職人で廣瀬染工場の4代目廣瀬雄一氏とのコラボレーション展示で、長坂氏の視点で江戸小紋の在り方を見出し、さまざまなパターンの反物や家具を展示している。
展示の家具は“遠くから見ると無地の色、近づくと細かな模様”という江戸小紋の特徴をヒントに表面仕上げをデザイン。遠くでは単色に見えるが、近くにくるとC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)3色のドットの重なるパタンとして見える。ドット同士のズレと重なる順番により、異なる色の表現をしている。
展示は8/26までで、誰でも自由に見ることが出来る。

会期 : 2018年7月17日(火)- 8月26日(日) / 11:00ー20:00 / 無休
主催 : GYRE
企画 : 生駒芳子(ファッション ジャーナリスト)
監修 : 飯田高誉(スクール デレック芸術社会学研究所所長)
グラフィックデザイン : 長嶋りかこ(village®)
制作協力 : 廣瀬染工場
会場設営 : TANK
Pixel Furniture製作 : ニュウファニチャーワークス
衣桁製作 : super robot
協力 : HiRAO INC
CONTACT : GYRE(03-3498-6990)
会場 : EYE OF GYRE - GYRE 3F

2018年7月13日金曜日

「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」展内覧会


「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」展77日より六本木ヒルズ展望台東京シティビュー内スカイギャラリー3にて開催中。
(建築情報サイト『KENCHIKU』内イベントページにも情報有)

本イベントは「オーストラリア now」の一部で、現代オーストラリアの文化・ライフスタイル、斬新なイノベーションを紹介する目玉の企画として開催されている。

「オーストラリア now」は、オーストラリアの今の姿を紹介するためにオーストラリア政府が送る20184月から11月にかけての8か月間集中プログラムである。
日本とオーストラリアの協力関係と交流を中心に据えていて、テーマはイノベーション、ライフスタイル、文化・芸術の3つで構成される。



オーストラリアは気候や地質学などの観点から見て、両極端の要素が共存する広大な大陸である。本イベントでは、オーストラリアの南北4千キロ近くにわたる国土で繰り広げられている「建築の旅」を体験できる。

コンテクストと自然とに対応し、責任を持った形で、これからの建築がいかに開発されていくべきなのか–この差し迫った課題への答えを探っていく旅でもある。


内覧会当日は建築家であり本展示キュレーターのウェンディ・ルーウィン氏と千葉工業大学教授の今村創平氏による解説が行われた。




▲「ワンブライ・ストリート」(アーキテクトゥスとインゲンホ―ヘン・アーキテクツ設計)
雨水・汚水の再利用、光・風を取り込むなど環境性能に優れたシドニーのオフィス街に位置するビル。中心の吹き抜けから風を取り込む自然換気をルーウィン氏は「チムニー(煙突)」となぞらえた。






▲「コンセプチュアル・フレキシフレーム・ハウスとサービス・ユニッツ」(マイケル・トラジョンとクラウド・プロダクションズ設計)
本展示の中で唯一実際に建設に至っていない、いわゆるプロジェクトである。
水回りを家の中で自由に動かせる設備の計画で、フレキシブルとサステナブルがキーワードになる。写真下段左のユニットはバスタブと洗面、トイレがセットになっていて、使用したシャワーの水が中で処理され再利用できるという機能を持つ。
同時にキッチンユニットの計画もあり、自動洗浄機と流し台、オーブンの機能を持つ。





▲「ワンセントラルパーク」(アトリエ・ジャンヌーヴェルとPTWアーキテクツ設計) 
シドニーの中央駅そばに位置する集合住宅と商業施設の複合施設である。「積水ハウスをパートナーにシンガポールのゼネコンが担当し施工にあたった」とルーウィン氏。さらに「雨水・排水・汚水の浄化を施設内で行い、エネルギーの無駄遣いをしない、環境性能に配慮された最先端の建築である」と強調した。




▲「羊毛狩り場とケリーズ・コテッジ」(ジョン・ウォードル・アーキテクツ設計)

▲「クランブルック・スクール」(アンドリュー・バーンズ・アーキテクチュア設計)

▲「ムルンバ・ハウス」(アンドレセン・オ・ゴーマン・アーキテクツ)




合計12の建築を、ドローイング、模型、映像で紹介。

「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカ―賞を受賞した建築家などを含む著名な建築物にまつわる作品も展示。
建築がこれからの私たちの未来に、国境を越えてどのようにアプローチしていくことができるのかを考えさせられる展示になっている。

異なる環境が混在するオーストラリアでは、様々な様式の建築が進化を遂げており、この展覧会では、オーストラリアの最先端の建築に触れられる。


8か月間のプログラムには本イベントの他にも
見て・触れて・学べる体験型ショー恐竜どうぶつ園~ティラノサウルス×トリケラトプスの戦い?!~」など家族で楽しめるショーや
オーストラリアのライフ・サイエンス最新情報@バイオジャパン」など最新のイノベーションを体感するイベントも開催される。

本プログラムはオーストラリアが誇る創造性や技術革新、多様性について知る機会になるだろう。

「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」展会期は2018年7月7日(土)~ 8月26日(日)。
詳細はこちらを参照のこと。

なお本チケットで森美術館にも入館可。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」展も要チェックである。(本ブログにて過去記事にしています。)

2018年7月11日水曜日

クリエイションの未来展 第16回 隈研吾監修 KUMA LAB: Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動

京橋にあるLIXILギャラリーにて、「クリエイションの未来展」の第16回目、建築家の隈研吾氏監修のもと「KUMA LAB: Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動」が7/5より開催中。
2009年に始動した「KUMA LAB」=東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動を「Weaving(編む)」という言葉をキーワードに、「KUMA LAB」の各プロジェクトや研究室活動を映像で紹介。また、2018年秋にオーストラリアのキャンベラに設置予定のパビリオンの実物大モックアップを展示している。
会期は9/25まで。