2019年6月24日月曜日

「Ota Art Archives(OAA) #1 青山悟」展

KOCA(コーカ)にて開催中の「Ota Art Archives(OAA) #1 青山悟」展へ。

左手にあるのは「《アーティストたちの世界地図 (ドローイング)》 2014−」
KOCAは、今年4月1日に開業した京急梅屋敷駅高架下「梅森プラットフォーム」内にあるインキュベーションスペース
内覧会の様子はこちらで紹介しているので参考のこと。

本展では、大田区に長年スタジオを構える美術作家、青山悟氏がKOCAにスタジオを一時的に移して、10月のミヅマアートギャラリーでの個展に向けた作品等を公開制作する。
ここを実験場として、ゲスト作家とのコラボレーション、未発表作、アイディアスケッチなどを展開。


《Sewing Machine with Red Stitch》2019

工業用ミシンを用いて、近代化以降変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表してきた青山氏。

近年では17年に個展「News From Nowhere」(ミヅマアートギャラリー、東京)を開催したほか、「ヨコハマトリエンナーレ」(2017)や「Unfolding: Fabric of Our Life」(2019、Center for Heritage Arts & Textile、香港)などの芸術祭やグループ展にも参加している。

展示は7月19日(金)まで。
詳細はこちら

2019年6月18日火曜日

「自生するデザインの内側」展

Creative Lounge MOV aiiima 1にて6月11日(火)~6月16日(日)にて開催された「自生するデザインの内側」展へ。


本展は、今年の4月から5月にかけて開催した「自生するデザイン」展(デザインギャラリー1953)に合わせて制作したZINEの発売を記念して行う、スピンオフ展覧会。

「自生するデザインの内側」と題し、TAKT PROJECT、we+、YOYの三組のデザインスタジオ、それぞれの「自生(=受注を前提としないデザインのあり方)」に対する姿勢や考え方を、今年のミラノデザインウィークで発表した作品の制作プロセスと合わせて展示。





作品が生まれるプロセスや、制作の芯にある言葉が抽出され、普段は見られない「自生するデザインの内側」が覗ける展示になっている。

※ZINEは下記のサイトで販売中。部数に限りがあります。予めご了承ください。
https://jisei.stores.jp


2019年6月17日月曜日

EMERGENCE OF FORM MILAN DESIGN WEEK 2019 TOKYO EDITION

AGC Studioにて開催中のEMERGENCE OF FORM MILAN DESIGN WEEK 2019 TOKYO EDITION」へ。



AGCは、毎年4月にイタリア・ミラノで開催される世界最大規模のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」に2015年から連続出展している。5年目となる今年は、AGCが保有する多彩な素材と幅広い成型加工技術にフォーカスし、インスタレーション「Emergence of Form」(うまれるかたち)を披露。
本展ではその帰国展として、ミラノでの展示内容を再構成して紹介。多くの用途でニーズの高いガラスの成型加工技術と、3Dプリンター用セラミックスによる機能性造形体を用いた、”見たことのない形”への挑戦を体感できる。


<「BUBBLES」ガラスのシャボン玉>
鉄道車両や自動車のフロントガラス成形時に用いられる大型のガラス成形技術。部分的に熱を加えることで曲面を正確に成形するこの技術を用い、ガラス製の大きなシャボン玉を製作。通常モビリティでは1枚のガラス全体を大きなカーブ形状に成形するが、今回ミラノで展示した「BUBBLES」は平面を残したままガラスの一部を突出させることで技術の面白さや発展性を表現した。


「RIPPLES」セラミックスの水路>
ガラスを熔解する窯はセラミックスの煉瓦で作られているため、AGCはセラミックスの研究や素材開発を続けている。最新のセラミックス成形材料である「Brightorb🄬」と3Dプリンティング技術の融合により、3Dプリンターでセラミックスの最終製品を作ることができた。水の波紋をプログラミングし一瞬の静止した波紋を再現した作品が本作。3Dプリントで成形後、長崎の窯元で釉薬を掛け焼き上げている。



2階では「ミラノデザインウィーク」でのインスタレーションの初期イメージスケッチや会場模型を展示。

関連イベントも開催される。詳細はこちらを参照のこと。
また、19日(水)からは「東京建築士会 住宅建築賞2019 入賞作品展」が同会場2階にて開催予定。

2019年6月14日金曜日

台所見聞録-人と暮らしの万華鏡-

LIXILギャラリーにて開催中の「台所見聞録-人と暮らしの万華鏡-」へ。

住まいに欠かせない、生きるための空間「台所」。食物を扱うため、その土地の気候風土や文化とも密接に関わり、また働く場として機能性を求めた変化もみられる場所。
本展は、建築家と研究者による調査研究を見聞録に見立て、世界の伝統的な台所と近代日本における台所改革の様子を、再現模型や図版、日本の家政書など約90点の資料で展観し、人々が求めてきた理想の台所像を再考する。

宮崎氏の訪問した主な台所<伝統的な鍋の使い方の分布>

建築家の宮崎玲子氏は、世界の伝統的な台所を約半世紀にわたり調査し、これまで訪れた約50ヶ所の記録を世界地図にプロットすることで、北緯40度を境に南北で「火」と「水」の使い方に特徴があることを見出した。
北は鍋を吊り、南は鍋を置く文化圏であることに加え、北では水を使うことが少ないので流しが主役にならず、南では洗う頻度が高いため台所では大量の水を使うことを前提にした設えになっている。この違いは気候風土によるもの。

また、宮崎氏のもう一つの大きな成果物は、調査後に制作された各地域の伝統的住まいの模型(1/10)。
<ドイツ フランケン地方の小作人の家>
北の国の冬は寒くて暗いため、暖かくて明るい火の設備が家の中心に据えられる。

<ネパール カトマンズ地方の農家>
ヒンズー教徒にとって台所は神聖な場所で、最上階に位置する。

<インド タミル地方の商人の家>
南の国では火を焚き続けると暑いため、制御に神経を使う。そのため、火を使う台所には神様が祀られ、神聖な場所とされている。

<ロシア カレリア地方の労働者の家>
ペーチカ(暖炉)で室内全体を暖かくする。
鍋の載った台所のペーチカは隣家と二分して使い、背面で隣室の寝室も暖まる。

<北極圏 イヌイットの雪の家>
カットした雪を丸く積む家・イグルー。台所は外。
 
<日本 武蔵野の農家>
関東では土間を「台所」と呼び、調理場を「勝手」「勝手元」などと呼んだ。

日本の台所は、明治・大正・昭和にかけて、激変する。

神奈川大学特別助教の須崎文代氏は、西洋の影響を受け急速に近代化された台所について、高等女学校の「家事教科書」に着目、収集し、実証的に研究した。その研究から「立働」「衛生」「利便」という3つの理念が当時の台所改革のテーマであったことを確認。


世界各地の伝統的な台所に目をむけた俯瞰的見聞、日本の近代という時間軸で捉えた台所見聞の記録は、人の暮らしに必要不可欠な空間における適材適所の多様性と人々の創意工夫の積み重ねがあることを私たちに伝える。


<建築家の実践>
台所空間の近代化の一端を担った欧米、日本における建築家らの実践例を紹介
<ミース・ファン・デル・ローエ「ファンズワース邸」>
台所空間はガラスを透した外部の自然と一直線に配置された設備がパラレルに対峙する。
<菊竹清訓「スカイハウスのムーブネット」>
台所、風呂、トイレの諸設備が生活の変化に合わせて更新が可能な「ムーブネット」としてデザインされた。

明治以降、台所空間は「明るく」「換気良く」「掃除に便に」という目標が掲げられた。このような状況下で生まれたのがステンレスの流し。ステンレスは錆に強く、耐久性があることから戦前期より国内外の流しの素材に使用されてきた。日本では、技術革新によって溶接しない一体型の深絞り加工が開発され日本住宅公団に採用される。

<公団用のステンレス深絞り流し台>と<1952年ごろの仕様書>

大正から昭和の初めにかけては、タイル、人造石、ガラス、コンクリート、リノリウムなどが新素材として台所空間の内装の主役となっていく。流し台としては、「公団流し」が一般的になるまでは金属板や人造研ぎ出しの流し、通称「人研ぎ流し」も多く見られた。

<人研ぎ流し>と<伊奈の内装タイルカタログ>

人間工学の導入により、人体寸法へ対応される台所
理想の台所を求めて、古今東西に広がる小さな空間へと誘う本展は8月24日(土)まで。
詳細はこちらを参照のこと。

2019年6月11日火曜日

東京建築士会 2019年住宅建築賞表彰


東京建築士会は、65日に2019年住宅建築賞・第5回これからの建築士賞の表彰を行った。


住宅建築士賞は、3年以内に竣工した一戸建住宅・集合住宅及び併用住宅等を対象とした建築賞。今年のテーマは、「住宅から見出す希望」。

金賞は、筑西の住宅/伊藤暁氏が受賞した。筑西の住宅は、建主の生家の敷地内にあった古い蔵を解体し、近くの敷地で新しい材料と組み合わせて再構成した住宅。鉄問屋を営む施主から、金物のいくつかを自主施工すること、収集した金物や建具を住宅内に取り入れることといった条件に応えた住宅。新旧の境をこえていくたたずまいがこれまでにない建築の価値をつくり出していることが評価された。


他、受賞結果は以下。

住宅建築賞 金賞 
・筑西の住宅 設計者:伊藤暁(株式会社伊藤暁建築設計事務所)

住宅建築賞 (受付順)
・欅の音 terrace 設計者:永井雅子+根岸龍介+若林拓哉(つばめ舎建築設計)/藤沢百合(スタジオ伝伝)
・ヴィラ・ポタジェ 設計者:平井政俊(平井政俊建築設計事務所)+關本丹青
・ミナガワビレッジ 設計者:神本豊秋(株式会社再生建築研究所)
・コート・ハウス 設計者:田村裕希+松岡聡(一級建築士事務所松岡聡田村裕希)
             
審査員長 乾 久美子
審査員 青木 淳/中川 エリカ/長谷川 豪/福島 加津也

619日~75日まで入賞作品展を開催

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住宅建築賞2019 入賞作品展
開催期間:2019619日(水)~75日(金)
場所:AGC Studio
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東京建築士会 住宅建築賞

東京建築士会 第5回これからの建築士賞

2019年6月10日月曜日

「安藤忠雄 初期建築原図展――個の自立と対話」内覧会

国立近現代建築資料館では、安藤忠雄(安藤忠雄建築研究所)氏の「初期」建築資料である1990年頃までの手描きによる建築設計図面とスケッチなどを用いて、「安藤忠雄 初期建築原図展」を開催中。
本展のテーマ「個の自立と対話」は、都市・自然・光・歴史風土などとの対話を通して個々人が自らを見いだし、深め、自立するための空間づくりを追い求めた、「初期」の安藤氏が常に抱いていた思い(基本理念・動機)を表すもの。


当館は、我が国の近現代建築に関する資料について、劣化、散逸、海外への流出などを防ぐことを目的として、全国的な所在状況の調査、関連資料を持つ機関との連携、緊急に保護が必要な資料の収集・保管を行う。
収蔵資料を中心とした展覧会を年2回開催し、本展は前期のものにあたる。

川向正人氏(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
当館主任建築資料調査官である川向氏は、安藤氏の「初期」建築についてその後と比べると明らかに異なるふたつの特徴があるという。
第1の特徴は、90年頃まではすべてが国内の仕事だったこと。国内でも、特に大阪と周辺地域に作品が集中し、その内容は住宅が中心、住宅でない場合も規模や性格が住宅に近いもの(集合住宅、茶室、店舗、小教会など)である点。
第2の特徴は、90年頃まではすべての図面が手描きだったこと。
「未公開図面も多数展示され、氏の「思い」が伝わる流れを感じさせる収集をした」と話す。

展示室に入り、まず展示されるのは代表作「住吉の長屋―東邸」(1976年)

芦屋市の山間部に位置する豪邸街の奥池に建つ住宅「領壁の家―松本邸」(1977年)

国立公園内の斜面に埋め込まれて建つ「小篠邸」(1981、1984年)

高瀬川沿いに計画された商業施設「TIME'S Ⅰ」(1984年)


六甲山の急斜面の山肌に展開する氏初の集合住宅「六甲の集合住宅Ⅰ」(1983年)

世田谷区の閑静な住宅街に建つ「城戸崎邸」(1986年)

中世の修道院からイメージされた「六甲の教会」(1986年)

大胆に建築とランドスケープを一体化し計画された「水の教会」(1988年)


数ある氏の作品の中でも最もシンプルでミニマルな建築「光の教会」(1989年)

3期にかけて形成される「大淀のアトリエ」(1981、1982、1986年)

四方の壁には大きな図面や模型、ガラスケースには写真や雑誌の一部、施主とのやり取りの手紙や細かな図面、展示室中央には青焼き製本の複製が展示され、閲覧できる。

安藤忠雄氏(建築家・当館名誉館長)
安藤氏は「世界に誇れる日本の建築デザイン・建築技術・施工技術を残し保管するために作られた本館で展示ができて光栄。約50年前の自分の図面を見て、手抜きをしない、図面に対するエネルギーがあったんだなと感じた。それは建築が好きだったからだ」と振り返り、「人生100年時代と言われているが、より豊かに生きるには建築空間・まちづくりが大事なのでそれに少しでも参加し続けたい」と思いを語った。

会期中無休で開館時間は10:00~16:30。
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