2018年7月20日金曜日

亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界 ―廣瀬染工場創業100周年記念― 長坂常(建築家)×廣瀬雄一(江戸小紋職人)

表参道のGYRE内にあるギャラリーEYE OF GYREにて、展示「亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界 ―廣瀬染工場創業100周年記念― 長坂常(建築家)×廣瀬雄一(江戸小紋職人)」が7/17より開催中。 江戸小紋職人で廣瀬染工場の4代目廣瀬雄一氏とのコラボレーション展示で、長坂氏の視点で江戸小紋の在り方を見出し、さまざまなパターンの反物や家具を展示している。
展示の家具は“遠くから見ると無地の色、近づくと細かな模様”という江戸小紋の特徴をヒントに表面仕上げをデザイン。遠くでは単色に見えるが、近くにくるとC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)3色のドットの重なるパタンとして見える。ドット同士のズレと重なる順番により、異なる色の表現をしている。
展示は8/26までで、誰でも自由に見ることが出来る。

会期 : 2018年7月17日(火)- 8月26日(日) / 11:00ー20:00 / 無休
主催 : GYRE
企画 : 生駒芳子(ファッション ジャーナリスト)
監修 : 飯田高誉(スクール デレック芸術社会学研究所所長)
グラフィックデザイン : 長嶋りかこ(village®)
制作協力 : 廣瀬染工場
会場設営 : TANK
Pixel Furniture製作 : ニュウファニチャーワークス
衣桁製作 : super robot
協力 : HiRAO INC
CONTACT : GYRE(03-3498-6990)
会場 : EYE OF GYRE - GYRE 3F

2018年7月13日金曜日

「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」展内覧会


「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」展77日より六本木ヒルズ展望台東京シティビュー内スカイギャラリー3にて開催中。
(建築情報サイト『KENCHIKU』内イベントページにも情報有)

本イベントは「オーストラリア now」の一部で、現代オーストラリアの文化・ライフスタイル、斬新なイノベーションを紹介する目玉の企画として開催されている。

「オーストラリア now」は、オーストラリアの今の姿を紹介するためにオーストラリア政府が送る20184月から11月にかけての8か月間集中プログラムである。
日本とオーストラリアの協力関係と交流を中心に据えていて、テーマはイノベーション、ライフスタイル、文化・芸術の3つで構成される。



オーストラリアは気候や地質学などの観点から見て、両極端の要素が共存する広大な大陸である。本イベントでは、オーストラリアの南北4千キロ近くにわたる国土で繰り広げられている「建築の旅」を体験できる。

コンテクストと自然とに対応し、責任を持った形で、これからの建築がいかに開発されていくべきなのか–この差し迫った課題への答えを探っていく旅でもある。


内覧会当日は建築家であり本展示キュレーターのウェンディ・ルーウィン氏と千葉工業大学教授の今村創平氏による解説が行われた。




▲「ワンブライ・ストリート」(アーキテクトゥスとインゲンホ―ヘン・アーキテクツ設計)
雨水・汚水の再利用、光・風を取り込むなど環境性能に優れたシドニーのオフィス街に位置するビル。中心の吹き抜けから風を取り込む自然換気をルーウィン氏は「チムニー(煙突)」となぞらえた。






▲「コンセプチュアル・フレキシフレーム・ハウスとサービス・ユニッツ」(マイケル・トラジョンとクラウド・プロダクションズ設計)
本展示の中で唯一実際に建設に至っていない、いわゆるプロジェクトである。
水回りを家の中で自由に動かせる設備の計画で、フレキシブルとサステナブルがキーワードになる。写真下段左のユニットはバスタブと洗面、トイレがセットになっていて、使用したシャワーの水が中で処理され再利用できるという機能を持つ。
同時にキッチンユニットの計画もあり、自動洗浄機と流し台、オーブンの機能を持つ。





▲「ワンセントラルパーク」(アトリエ・ジャンヌーヴェルとPTWアーキテクツ設計) 
シドニーの中央駅そばに位置する集合住宅と商業施設の複合施設である。「積水ハウスをパートナーにシンガポールのゼネコンが担当し施工にあたった」とルーウィン氏。さらに「雨水・排水・汚水の浄化を施設内で行い、エネルギーの無駄遣いをしない、環境性能に配慮された最先端の建築である」と強調した。




▲「羊毛狩り場とケリーズ・コテッジ」(ジョン・ウォードル・アーキテクツ設計)

▲「クランブルック・スクール」(アンドリュー・バーンズ・アーキテクチュア設計)

▲「ムルンバ・ハウス」(アンドレセン・オ・ゴーマン・アーキテクツ)




合計12の建築を、ドローイング、模型、映像で紹介。

「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカ―賞を受賞した建築家などを含む著名な建築物にまつわる作品も展示。
建築がこれからの私たちの未来に、国境を越えてどのようにアプローチしていくことができるのかを考えさせられる展示になっている。

異なる環境が混在するオーストラリアでは、様々な様式の建築が進化を遂げており、この展覧会では、オーストラリアの最先端の建築に触れられる。


8か月間のプログラムには本イベントの他にも
見て・触れて・学べる体験型ショー恐竜どうぶつ園~ティラノサウルス×トリケラトプスの戦い?!~」など家族で楽しめるショーや
オーストラリアのライフ・サイエンス最新情報@バイオジャパン」など最新のイノベーションを体感するイベントも開催される。

本プログラムはオーストラリアが誇る創造性や技術革新、多様性について知る機会になるだろう。

「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」展会期は2018年7月7日(土)~ 8月26日(日)。
詳細はこちらを参照のこと。

なお本チケットで森美術館にも入館可。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」展も要チェックである。(本ブログにて過去記事にしています。)

2018年7月11日水曜日

クリエイションの未来展 第16回 隈研吾監修 KUMA LAB: Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動

京橋にあるLIXILギャラリーにて、「クリエイションの未来展」の第16回目、建築家の隈研吾氏監修のもと「KUMA LAB: Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動」が7/5より開催中。
2009年に始動した「KUMA LAB」=東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動を「Weaving(編む)」という言葉をキーワードに、「KUMA LAB」の各プロジェクトや研究室活動を映像で紹介。また、2018年秋にオーストラリアのキャンベラに設置予定のパビリオンの実物大モックアップを展示している。
会期は9/25まで。

2018年5月30日水曜日

マルニ木工「MARUNI COLLECTION 2018 東京展」

東日本橋にあるマルニ木工にて、今年のミラノサローネ国際家具見本市で発表された新作の「MARUNI COLLECTION 2018 東京展」が開催された(5/28-29)。 同社は、1928年の創業以来、広島で「工芸の工業化」をモットーに木製家具を作り続けてきており、創業90周年、MARUNI COLLECTION 10周年を迎えた。そんな記念の年となる今回は、深澤直人氏デザインのRoundishアームチェアやジャスパー・モリソン氏デザインのFuguチェアなど、木製チェアの新作を中心とした様々なアイテムを発表。人気のT&Oシリーズには、バーテーブルやオーク材が新たに加わった。
<Roundish アームチェア/深澤直人氏>
背もたれ・肘・座面が一体となった形が特徴。一枚の積層合板をひねりながら三次元に曲げて、座る人を包み込むような快適な座り心地を実現。
<Fugu チェア・アームチェア/ジャスパー・モリソン氏>
クッションや張地なしで、最高に座り心地のよい木製椅子をデザインするという意図から生まれたもの。
<T&O ラウンドバーテーブル63・T3 バースツールHigh/ジャスパーモリソン氏>
その他、90周年を記念し全世界で限定90脚のみ販売する特別なHIROSHIMAアームチェアとT&O・T1チェア、ワイドタイプやシェーズロングタイプのHIROSHIMAソファなども展示。
会期終了後も新商品のいくつかはmaruni tokyoで見ることができる。「MARUNI COLLECTION 2018」については、今後、広島・大阪にても展示会を予定(詳細)。

2018年5月29日火曜日

建築倉庫「ル・コルビュジエ / チャンディガール展 ‐創造とコンテクスト‐」内覧会

建築倉庫ミュージアムでは2018年5月26日(土)から「ル・コルビュジエ / チャンディガール展 ‐創造とコンテクスト‐」を開催中。

寺田倉庫は保存・保管のプロフェッショナルとして、お客様にとって本当に価値のあるモノを大切にお預かりし、未来へ届ける「蔵」でありたいという考えのもと、2016年春に模型を『展示しながら保存する』新しい発想のミュージアムとして東京・天王洲アイルに「建築倉庫ミュージアム」をオープンした。
昨年末より更なる展示の充実化を図るために一時休館していたため、今回のル・コルビュジエ / チャンディガール展 ‐創造とコンテクスト‐」はリニューアルオープン初の企画展になる。

内覧会当日は特別鑑賞会と監修を担当した千葉学氏(建築家/東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授)によるオープニングレセプションが行われた。




千葉氏は寺田倉庫からギャラリーを一新するので企画をできないかと持ち掛けられ、今回の展覧会全体のアドバイザリーとして加わっている鈴木布美子氏からル・コルビュジエあるいはチャンディガールをやれないかという話をいただいたため、企画・構想はもともとあったという経緯を話す。

千葉氏は約10年前にチャンディガールへ行き、コルビュジエのインドでの建築に大変感銘を受けたそう。チャンディガールはコルビュジエの構想した都市全てが出来ているわけではないが、そこで彼が考えた事やあるいはそれがインドの町、社会でどう受け止められたのかという事を改めて考えたいと語る。

▲展示は模型やスケッチ、コルビュジエがしたためた文章もあり、様々なことが感じ取れる。

最近、建築家が都市について語ることが大変少なくなってきている。また今の時代に都市を0から構想することはほとんどリアリティがないことだがそれでも都市について考えを巡らすことは価値があるはずである。
今回の展示を通じて彼が一体何を当時考えていたのか、インドというその土地・文化に触れたことが彼にどんな影響を与えたのか、あるいは今の時代に改めて都市を計画するということにどんな価値や意味があるのかを考えるきっかけになると良いと思い企画をしたそう。

▲周辺環境を伴った議事堂の透視図
▲スタディスケッチや図面、表
▲インドの気候・風土を感じる写真家ホンマタカシ氏の写真・映像。
フロアはチャンディガール計画の図面をもとに模型が配置される。
▲ピエール・ジャンヌレによる家具とヒマラヤ山脈を背景にした計画全体の立面図



最後に、初めて見る資料も多く拝見し展覧会の企画を進めていくプロセスでも興味深い時間を過ごせた。今回この展示でいろんな形で協力いただいた皆さんに改めて深く感謝申し上げたい。監修の加藤氏はコルビュジエの専門家なので質問は彼に。僕も一緒に講義を受けたいと締めくくる。


また、建築倉庫ミュージアムは今回のリニューアルで展示室が2つになり、もうひとつの展示室では「建築倉庫ミュージアムが選ぶ30代建築家 –世代と社会 が生み出す建築的地層−」が同時開催中。



どちらの展示も7月16日(月・祝)まで。

「ル・コルビュジエ / チャンディガール展 ‐創造とコンテクスト‐」展では62日(土)にシンポジウム「ル・コルビュジエー都市への眼差しー」、630日(土)にギャラリートークが開催される。

詳細は以下を参照のこと。
建築倉庫ミュージアムURL:https://archi-depot.com/

中川エリカ建築設計事務所×OZONE「SHINJUKU PARK TOWER LOUNGE」内覧会


東京・西新宿にある住まいづくりの情報センター「リビングデザインセンターOZONE」の企画・設計を担当したビル勤務者向けの共用スペース『SHINJUKU PARK TOWER LOUNGE(新宿パークタワーラウンジ)』が201842日(月)にオープン。




内覧会当日は設計に携わった熊谷多生氏(リビングデザインセンターOZONE)と中川エリカ氏(中川エリカ建築設計事務所)によるプレゼンテーションが行われた。


SHINJUKU PARK TOWER LOUNGEは場所を作って終わりではなく、今後様々な展開を予定していると熊谷氏。
本スペースは、施設所在地であるビル「新宿パークタワー」の所有・運営を行う東京ガス都市開発株式会社からの問題点の解決が依頼の起点となった。

その問題点とは以下である。
① 8階に既にあるランチスペースの不足
ここは、平日は満席、休日は開放されず電気も付かない状態にもかかわらず利用者がいる現状。
② 11千人の勤務者満足度・ビル自体の付加価値の高上
③ トイレ渋滞の解消(設計:日建設計、施工:鹿島建設)

ここはかつてリビングデザインセンターOZONEこと東京ガスコミュニケーションズ株式会社のオフィス(天井が貼ってあり、タイル床のありふれたセミナールーム・会議室)であったが、都市型オフィスのパブリックスペースとして勤務者へ向けて開放されることになった。

中川氏は本ビルが1994年に竣工し、24年目になるが大規模な改修はなかったことにより、勤務者の勤務スタイルやニーズがずれていっているのではないかと感じたそう。そのズレを上手くチューニングしながら問題解決と都市型オフィスの新しい共用スペースの形を求めた。
問題であるランチ難民の解消としてのスペースだが、ランチ時以外の朝や日中、夕方の使われ方から解決を狙った。具体的には勤務者が自席以外で働くことのできるシェア空間、お客さんを連れてオープンな会議を行うこと、アフター5に友人と時間を過ごすなどの利用を視野に入れた。人数も滞在時間も不確定なオープンスペースに彼らが提案したのは「水平なパーティション」と呼ばれる異なる高さを持つ什器と低密に配した椅子である。これにより多様で多中心なワンルームが生まれた。

水平なパーティションとは本プログラムで生まれた造語である。普通、パーティションとは垂直に立っていて人と人を隔てたり、空間と空間を分けるために存在するが、今回は水平面を使って人々の距離をとれないか、異なった使い方が同時に行われ、空間を共有することが出来るのではないか、という挑戦が行われた。

また、低密な椅子の配置は集まる人の過ごし方によって自由に移動させやすく、空間に余白が生まれ、様々な利用が展開される。これは新たなイノベーションを呼ぶ仕組みになりうる。 
▲一般的な使われ方と本プロジェクトの比較

大きく資料を広げたり、1人で短時間の準備に利用したり、5人で打ち合わせをすることも、10人でコーヒーを片手に集まることも、ひとつの平面で行うことが出来る。これが500㎡という広さで展開していくと、都市の中で働いているという意識を持ちながらゆるいコミュニティが出来ていくことが期待される。


水平なパーティションは高さが3種類存在。カバンやコーヒーや軽食を傍に置いて広々と腰掛けることのできる430mmのものと、テーブルとして使うことのできる730mmのもの、立って使うことも、スツールに腰掛けながら使うこともできるハイカウンター1100mmのものが用意され、これらを組み合わせながら横断的に使うことを想定。
このアイデアは喫茶店での2人がけや4人がけの席を1人が荷物置きなどに使用し占有している場面を目の当たりにしたことから生まれた。200席用意しても全てが使われるような空間の実現のために水平なパーティションの考えに至ったのだ。

また、1人だったり2人だったり4人だったり、なんとなくここに集まると良さそうだと誘発するように足元のしつらえを全て変えている。ひとつとして同じものがなく、現場に入ってからも検査が続行し、手作りに近い作り方になった。押したり揺らしたりと強度など実際に確かめながら設計者、クライアントの皆で行ったと語る。

▲荷物置きがあるなど場所により表情が異なる
▲机の脚元は木もあれば、鉄骨もある
▲水平面の距離によって人々を緩やかに分節したり、繋げる
▲緑の周りにはゆったりくつろげるソファ席も
▲ホワイトボードになった壁面はオープンな会議の手助けをする
▲椅子はスツールや背もたれ付きなど組み合わせにより多様な居場所が生まれる




使用者が適度な距離感を選び取りながら思い思いに過ごせる様々なアクティビティを許容するシームレスなワンルームになったように思われる。外を望め、天気を感じられる空間で過ごすことは都市で働く中で価値になるのではないか。





 ●施設概要
施設名:SHINJUKU PARK TOWER LOUNGE(新宿パークタワーラウンジ)
所在地:東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー8階
    ※新宿パークタワービル勤務者のみ利用可能
面積:約530㎡
座席:約180席(最大200名程度)
利用用途:ランチスペース、リフレッシュ、簡易な打ち合わせ、Wi-Fi接続(非常時含む)など
運営:東京ガス都市開発株式会社
企画・設計:中川エリカ建築設計事務所
      リビングデザインセンターOZONE(運営:東京ガスコミュニケーションズ株式会社)