2020年10月28日水曜日

DESIGNART TOKYO 2020関連「DESIGNART GALLERY」

表参道ヒルズ本館B3Fスペースオーにて、DESIGNART TOKYO 2020のメインエキシビジョンのひとつである「DESIGNART GALLERY ~デザインとアートの境界線に風穴をあけるもの」が10/27より開催。 (メイン会場の様子はコチラ
鈴木康広氏やnendoをはじめ、若手支援プログラム「UNDER 30」で選ばれた作品、国内外の新進気鋭のデザイナーやアーティスト達によるデザインとアートの境界を超える革新的な作品が集結。(観覧料:500円(税込)、事前予約制)
鈴木康広《日本列島のベンチ》 2014 
日本列島と同じ方位に設置することで、そこから離れた場所や大地とのつながりを身体で感じられるベンチ。渋谷のMIYASHITA PARKには、同シリーズの《渋谷の方位磁針|ハチの宇宙》が今年7月に設置されている。
Stellar Works (new collection by nendo)
上海を拠点とするファニチャーブランド「Stellar Works」と佐藤オオキ率いるデザインオフィス「nendo」のコラボレーション家具。
秋山亮太《Not Implemented Error》
展示台にもなっている発泡スチロールと塗料などの液体を原料として出来た、フラワーベース。分量により出来る質感が異なるようで、柔らかいものや硬いものもある。
アートワークの中で生まれた様々なエラーから新しい何かを見出すような作品群。
AaaM建築設計工作室 / 陳樹仁 彭展華 蕭健偉
2015年に設立し、香港を拠点に活動する、設計・リサーチスタジオ、AaaM Architects(略してArchitecture as a Medium)。飲料用カートンパックを日常のエレメントへ再生させた新たな照明の提案。
フィル FIL MASS Series ”SUMI LIMITED”
阿蘇の風物詩 “野焼き”によって生まれる「黒墨色」の景観にインスパイアされた炭化した杉材と、スチールフレームによる、異素材のコントラストをテーマにしたコレクション。
ニュージーランド生まれで香港を拠点とするデザインアーティスト、Batten and Kampによる新しい彫刻家具作品のインスタレーション。
Studio EJ( DESIGN PIER)
ソウルに拠点を置くデザインスタジオStudio EJ。静的な外側(革)と動的な内側(鏡)の対照的なサーフェスを持つ一連のテーブルコレクション。
そのほか、浮遊球体ドローンディスプレイや新しい生活様式であるソーシャルディスタンスを楽しむプロジェクトなどの展示も。会期は11/3まで。

2020年10月27日火曜日

東京メトロ銀座線5駅リニューアル

東京メトロ(東京地下鉄)株式会社では、銀座線のリニューアルを進めている。今回は日本橋駅、京橋駅、銀座駅、青山一丁目駅、外苑前駅の5駅をリニューアル(※)したことが発表された。
※バックヤードの工事等は今後も継続して行われる。

銀座線は2017年に開業90周年を迎えた。東洋初の地下鉄として東京の街をつないできた歴史を大切にしながら、今後も末永く利用される銀座線を目指して、「伝統×先端の融合」という路線コンセプトのもと、全駅のリニューアル工事を行っている。
今回は銀座エリアの銀座駅、商業エリアの日本橋・京橋駅、トレンドエリアの青山一丁目・外苑前駅の5駅において、多機能トイレやエレベーターなどのバリアフリー設備整備やホームドアの設置を含めた駅リニューアルを実施。

京橋駅ホーム

外苑前駅出入口

リニューアル内容としては、エリアごとの全駅改装、ホームドアの設置、新型車両の導入がある。
リニューアル計画の一環として実施している銀座線全駅の駅改装においては、銀座線の魅力向上に寄与する様々なアイディアを公募する駅デザインコンペを、2012年から5つのエリアコンセプトごとに開催してきた。

銀座駅 デザインコンセプト『憧れの街』
銀座に漂う「上品さ、優雅さ、高級感」を感じられるように、明るさや洗練さを併せ持った空間を演出。
ホーム(渋谷方面)

銀座線のホーム側壁には、一面に古き良き銀座の街並みのイメージを描く。電車を待ちながら移ろいゆく銀座の歴史を感じさせ、銀座に訪れる多様な人々と街を、世代・国・地域を越えてつなぐ役割を果たす。

日本橋駅 デザインコンセプト『橋の街』
江戸時代、1603年に木造太鼓橋で建造された日本橋。橋は幾度かの改修や改架で姿を変えたが、今でも街のシンボルとして存在感を放っている。その日本橋のある街の駅として、江戸時代から続く日本橋の歴史を伝え、にぎわいと活気が感じられる空間を演出する。
ホーム(渋谷方面)

壁面のアーチや、壁天井の木調の仕上げが、かつての江戸の日本橋を表現する。また、間接照明から降り注ぐ柔らかな光が空間に温かみをもたらす。

京橋駅 デザインコンセプト『時のギャラリー』
歴史的建造物や美術骨董品のギャラリーが残る近代的な街、歴史と近代が共生する街のイメージを表現している。東京のガス灯発祥の地であることにフォーカスし、柱のデザインモチーフとした。ガス灯をイメージしたやわらかな灯りが、温もりのある落ち着いた空間を演出する。
改札口(渋谷方面改札)

ガス灯をモチーフとした柱が改札口の存在感を際立たせ、視認性を高める。また、柱内から漏れる灯りは時間帯で変化し、一日を通して様々な表情を見せる。

外苑前駅 デザインコンセプト『スポーツの杜』
銀杏並木、多くの自然に囲まれた競技場など有名な観光スポットを有する外苑前駅は「スポーツの杜」をテーマとし、駅全体に”神宮外苑に集う人々の中に、爽やかさを感じる”デザインを取り入れている。
改札口(神宮球場方面改札)

艶のある明るい天井にトラックをモチーフとした天井のラインを施すことで、スポーツの軽やかさを演出。垂直に伸びる柱の反鏡面スリットは、行き交う人々を映し出し、空間に彩りを添える。

青山一丁目駅 デザインコンセプト『優雅な街並み』
かつて徳川家康の重臣、青山家の大名屋敷があった青山一丁目には、現在青山家跡地の一部に青山霊園の桜並木が作られ、春になると落ち着いた雰囲気の中で美しく咲き誇る桜を楽しむことができる。その桜並木の要素を抽出し、気品ある街並みのモチーフとしたデザインを取り入れることで、優雅さが感じられる空間を演出。
ホーム(渋谷方面)

床はタイルの組み合わせによって、石畳を表現。柱は、桜の木肌を模した艶のあるデザインとした。

東京メトロ

2020年10月23日金曜日

「DESIGNART TOKYO 2020」本日より開催

 デザイン&アートの祭典「DESIGNART TOKYO 2020」が本日10/23~11/3の12日間に渡り開催。
 2017年より開始し、4年目を迎えた今年は、約70箇所で100組以上の出展者が参加し、アート・デザイン・インテリア・ファッション・フードなど、さまざまなジャンルの展示を行う。また今年は、新型コロナウィルスの感染拡大防止も含め、オンラインのコンテンツも充実させた。公式のYouTubeには各出展社の動画が30本ほどアップされている。
(写真は、10/22に開催されたオープニングセレモニーに様子。関係者による挨拶とメイン会場に展示をしている各ブランドより展示説明があった。)
メイン会場:ワールド北青山ビル
「NEW HOME OFFICE EXHIBITION 働き方の新境地」
出展ブランド:Muuto, SEMPRE/Vitra, Steelcase/WSI, emu, 1518,Varier/Shinwa shop

会場構成は、カミヤアーキテクツの神谷修平氏。“HOME(住居)”の原点であるゲルをテーマに、すべての企業に広い間口を提供し、回遊性があるアイコニックな会場構成とした。
コペンハーゲン発の家具メーカー「Muuto」の展示。新作の照明「POST FLOOR LAMP」は、照明ユニットがマグネットにより連結されており、回転・移動が可能。調光もできる。
SEMPRE/Vitra
Vitra、artekを中心に展示。まもなく販売開始するという、コンスタンチン・グルチッチによる新作「シチズン」は、これまでにないデザインと、スチール製のフレームに3点の細いケーブルで座面を吊るす事により驚くべき座り心地を実現した、次世代のラウンジチェア。
オフィス家具のグローバルメーカー、スチールケースがオフィスでのノウハウを活かし、快適な在宅勤務の空間を提案。昇降式のテーブルや用途に合わせた様々な高さのチェア。また、デジタルと木目が融合したプロダクトなども展示。
アスプルンドで取り扱いをしている、イタリアのガーデンファニチャーブランド「emu」の新作家具でつくる、新しいワークスタイル “オープンエア オフィス” の提案を展示。遊び心のあるサボテンのオブジェは間仕切りとして活用。
2020年に設立した家具を主体としたもの作りのコミュニティー・プラットフォーム「1518(いちごいちはち)」。オフィス家具を専門とした複数のメーカーがお互いの技術や知見を共有しながら制作した1518の商品を、デザイナー・関祐介氏率いるデザインチーム<Yusuke Seki>よる空間で展示。
Varier/Shinwa shop
1932 年の設立以来、人間工学と独自性、機能性に重点をおいた家具を生産し続けるノルウェーの会社STOKKE(ストッケ)のVARIER(バリエール)。在宅勤務が増える中、VARIERを用いたストレッチ動画も配信しはじめたとのこと。
DESIGNARTは、メイン会場のほか、それぞれのショップやほかの会場で分散した展示となっているので、イベントを楽しむためには、まず公式タブロイド(WEBよりダウンロード、または各展示会場で配布)を入手すると良い。タブロイドで分からない情報は、起点となるインフォメーションセンター(ワールド北青山ビル(表参道))で教えてもらうと良い。
展示のほか、10/23・24はオンライントーク「DESIGNART CREATIVE COFERENCE BRIDGE」も開催。
イベントは11/3まで。会場によって期間・開催時間・休館日などが異なる。詳細は公式サイト要確認。

2020年10月20日火曜日

アキュラホーム  西口彩乃『木のストロー』発行


間伐材を使った木のストローを作りたい-住宅会社に勤める広報社員の一途な想いからスタートした企画が、周囲の反対や度重なる失敗にもかかわらず多くの人の助けと著者自身の決してあきらめないという粘り強さで製品化を実現するまでを描いた実話。著者は住宅会社で営業職を経て本社広報に配属。日々の広報活動の中である環境ジャーナリストから「木のストロー」を作れないか、という相談を受けたことをきっかけに前人未到の挑戦を始めることになる。間伐材の有効利用の一環として「木のストロー」を作れば森林管理と廃プラ問題の一助になるのではないか、という壮大な夢に向けて苦難の日々。住宅会社で何故「木のストロー」を作る必要があるのかといった社内の反発、試作品を作るまでの失敗等々、組織に所属するいち社員がさまざまな波浪に翻弄されながらも、決して夢を諦めない強い想いで不可能を可能にした姿は読者に多くの勇気を与えてくれる。


「木のストロー」
著:アキュラホーム
  西口彩乃
定価:1400円+税
発行日:2020年10月30日
発行:扶桑社

木のストロー - アキュラホーム

2020年10月19日月曜日

織田建築設計室「妙蓮寺の住宅」内覧会

 神奈川県横浜市港北区に織田建築設計室設計の「妙蓮寺の住宅」が竣工した。今回は10月3日にあった内覧会に参加。


開発中の分譲地の一画に建つ戸建て住宅の計画。
画一的な分譲住宅がそれぞれの敷地いっぱいに建ち並ぶことが想定されるため、注文住宅ならではの周囲との差別化と、建て込んだ環境下でいかに心地よく日常を過ごせる空間を作れるかということが設計に求められた。

2階居間からテラス越しに外の景色を望む

周囲が建て込んでいる立地ということ、南側を道路に接道しているという条件から、日当たりがよいからといって南側に安易に大きな開口部を開けることは得策ではないと考え、外部との間にテラスを介し、そこに大きく開口部を設けられるプランを考えた。

食堂から居間を見る
右手に畳張りの客間。梯子を上るとロフトがある

2階は居間食堂を中心として仕切りのほとんどない空間であるため、空間を覆う大屋根は屋根なりの勾配天井とし、余剰空間としての小屋裏は居間の吹き抜けと程よい距離間でつながりを持たせた書斎的な場所として活用することで、空間の広がりを縦方向にも感じられるような構成とした。

木の香りに包まれたロフトは書斎を想定している

ロフトから居間を見下ろす

迫力ある勾配天井の梁
米松の構造材をあらわしとし、断熱材充鎮の後にシナベニヤを貼った天井仕上げとしている

客間から食堂・居間を見る
右手開口は階段とつながり、その先はテラスを介して外の景色が望める

客間梯子側から見返す
収納の下には地窓がある

客間から台所を見る
キッチンユニットにはGRAFTEKT(グラフテクト)を採用
左手にはトイレがある

トイレ
左手の建具で客間を仕切れる

台所奥には食品庫がある
食品庫内の壁には北欧デザインの輸入壁紙が貼られている。手前の食堂の照明器具は真鍮製のソケットに裸電球を取り付けたシンプルなもの

回り階段を見下ろす

階段吹き抜けを見上げる。アールの壁が柔らかい印象をつくる


1階玄関ホール
背後には大容量のシューズインクローゼットがある

玄関から見て右手に各個室が並ぶ
手前から主寝室、子供室、納戸、子供室

開放的な2階とは対照的に1階には実用的な個室をできるだけ無駄のないように配置しているが、各室をつなげる玄関ホールに少しゆとりを持たせることで窮屈に感じることのないようプラン上の工夫をしている。

主寝室

振り返ると一面紺色の壁がある

実用的な部屋が並ぶ1階の各個室には暗い印象をやわらげるようにビビッドな色の壁面を一面ずつ配置している。

子供室1

子供室2

納戸

洗面室
洗面ボウルはカウンターと一体成形された人工大理石で、継ぎ目のないミニマムなデザインが特徴

浴室

玄関扉が特徴的。米杉の羽目板を表面に貼ったオーダーの扉を採用

居間とフラットにつながるテラスは周囲の視線を感じることなく、南西側に向かってなだらかに下る地形による開けた景色を望むことができ、建て込んだ住宅地の一画であることを忘れさせてくれるような場所になった。


所在地:神奈川県横浜市
主要用途:専用住宅
意匠設計:織田建築設計室 織田遼平
施工:渡邊技建株式会社 小櫃光晴
構造設計:中村哲建築設計事務所 中村哲平
構造:木造
規模:地上2階+ロフト
敷地面積:104.31㎡
建築面積:51.32㎡
延床面積:113.82㎡