2024年3月19日火曜日

「グッドデザイン賞」を主催するJDP、「2023年度フォーカス・イシュー」を公開

 公益財団法人日本デザイン振興会は、2024年3月15日(金)に「2023年度フォーカス・イシュー」を発表した。

2023年度は、フォーカス・イシュー・ディレクターをグッドデザイン賞審査委員長の齋藤精一氏、副委員長の倉本仁氏、永山祐子氏の3名が務め、中村寛氏、野見山 桜氏、林亜季氏の3名がフォーカス・イシュー・リサーチャーとして参加した。

「2023年度フォーカス・イシュー」は、「いまデザインには、あるいは政治、行政、企業には、どのような態度や動きが求められるのか」を、9つの「視点」から具体的な行動を提案する23の「提言」としてまとめ、提言を導くきっかけとなった受賞作品と合わせて紹介している。次なるデザインへつながるアクションプランを提示することにより、対象として挙げているステークホルダーの人々にとって、今後の在り方、目指す方向に悩んだときに立ち返ることができる指針となることを目指している。

<2023年度フォーカス・イシュー>

発表日:2024年3月15日(金)

公開:

・グッドデザイン賞ウェブサイト(ドットジーグッドデザインジャーナル)

https://journal.g-mark.org/posts/focusedissues2023_004

・フォーカス・イシュー全文公開URL(PDF):

https://archive.jidp.or.jp/focusedissues/gda_focused_issues_report2023.pdf

【9つの視点と主な提言】※提言は一部掲載

視点1:「ルール」と「規範」を創造する

提言:【For:政治/行政】デザインのちからを集め、発揮するための法律・条例を整備する

視点2:「あるべきマテリアル」を考えつづける

提言:【For:デザイナー/企業/行政】日々の研究開発から生まれた、新たなマテリアルにかかわる

情報や提案を共有資産化する

視点3:未来からの「逆ベクトル」で考える

提言:【For:行政/企業】「管理する側の都合」を起点とせずに、豊かな社会を模索する

視点4:「土着性」を聴き直す

提言:【For:行政/企業/デザイナー】「土着性」から地球規模の課題にアプローチする

視点5:生み出すのではなく《なおす》

提言:【For:企業/デザイナー】サーキュラー・デザインを重視・推進する

視点6:「デザインの評価軸」を問い直す

提言:【For:政治/行政/企業/デザイナー】「変化」を前提にデザインする

視点7:「レガシー」を受け継ぎ、共有する

提言:【For:グッドデザイン賞】「シンクタンク」としての機能を拡充する

視点8:「スロー経済」に価値を見出す

提言:【For:政治/行政/企業/メディア】「スロー」実践のきっかけや機運をつくる

視点9:「個」と「組織」の関係性を再考する

提言:【For:企業/行政/メディア】企業人・組織人のクリエイティブ・コンフィデンスを高める


「ニッタイ タイル・建材カタログ 2023」発刊

ニッタイ工業株式会社は、「ニッタイ タイル・建材カタログ 2024」を3月18日に発刊した。

「ニッタイ タイル・建材カタログ 2024」には、タイルメーカーの利点を生かして開発した土ものの魅力溢れる内外装壁タイルをはじめ、 ヨーロッパ・アジア等世界各国のデザイン性優れる壁床タイルが豊富に取り揃えられ、新製品のラインナップとして新たに加えられた計 18 シリーズを含め、さまざまなシチュエーションに対応した各種壁床タイルなど時代のニーズに応える全 443 シリーズを掲載。

シリーズの異なる製品を組み合わせたイメージをカタログ内に多数掲載することで、住宅・商業施設・公共施設など多種多様な空間での製品使用が提案されている。



ニッタイ工業株式会社 
(カタログ・サンプル請求ページあり)

2024年3月18日月曜日

イトーキとAIスタートアップ企業の燈、オフィスデータを活用した生成AIの共同開発契約を締結

株式会社イトーキは、AIスタートアップ企業の燈株式会社と生成AI共同開発契約を締結し、「ITOKI OFFICE A/BI SERVICE」の取り組みの⼀環として、オフィスデザイン自動生成AIと関連したアプリケーションの開発を開始することを3月13日に発表した。
燈の空間スキャン技術によりオフィスのデジタルツインを高速に構築し、同社に蓄積されたオフィスデータを活用することで、オフィスデザインを瞬時にシミュレーションできるアプリケーションの実現を目指す。今年2月14日に発表した「ITOKI OFFICE A/BI SERVICE」の更なるアップデートにも繋がる見込み。
▲中央左:イトーキ社⻑ 湊宏司氏、中央右:燈 CEO 野呂侑希氏 を
プロジェクトメンバーが囲む

燈は、日本のAI研究で第一人者と言われる東京大学松尾豊教授の研究室発のAIスタートアップ企業。2021年に当時21歳の野呂氏が起業し、現在は約140名の従業員が在籍。特に建設DX分野におけるサービス等で注目を集めており、今回、オフィス空間のデータサービス事業においてAIの共同開発に至った。

このAIにより、これまでオフィスデザインに要する時間が1ヵ月かかっていたところ、オフィスデザイン自動生成AIを活用することで1時間(1回の打ち合わせ)で完了することが実現可能になってくるという。
主なポイントとして、オフィス内をiPadを持って歩くだけで平面図や家具一覧をその場でアウトプットすること(空間スキャン)、家具の種類と内装のテイストを瞬時にシュミレーションしたりすること(デジタルツイン)、膨大なオフィスデータを学習したAIがレイアウトプランを作成すること(レイアウト生成)について、デモンストレーション動画を交えてプレゼンテーションがされた。

MUJI×UR団地まるごとリノベーション 花見川団地商店街 リノベーション完成

「MUJI HOUSE」と「UR都市機構」が、2021年より花見川団地(千葉市)にて開始した「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」プロジェクトにおける、花見川団地商店街のリノベーションを完成した。

   

今回のリノベーションでは「商店街に人が滞留できる場づくり」を目的に、アーケードの改修・商店街施設棟の外壁修繕、芝生の整備、共用部には高木とストリートファニチャーの設置をいたしました。地域コミュニティ形成支援のコーディネーター役であるMUJI HOUSEがリノベーションの設計監修も実施することで、商店街や地域の方を巻き込んだ活動で得られた知見を設計内容に反映している。
 
地域生活圏の活性化に向けて、継続する取り組みとして、
・地域コミュニティ形成支援について
・団地共用部等を活用した賑わい・交流事業の実証実験
・自動運転モビリティGACHAの実証実験
の継続が発表された。

地域コミュニティ形成支援について
団地外からも訪れたくなる商店街を目指して、プロジェクト開始以降、商店街リノベーションと並行して参画型ワークショップを定期的に開催し、ワークショップやイベントを開催。商店街内のお店を回ってオリジナルバーガーを作る「商店街バーガー」の開発やコミュニティスペース「お休み処えがお」のリニューアルなど、商店街や地域の方を巻き込んだ取り組みを実行。
リニューアルした「お休み処 えがお」

団地共用部等を活用した賑わい・交流事業の実証実験
共用部である商店街や公園を活用して、賑わい・交流創出イベント「花見川団地マルシェ」を定期的に開催。無印良品POP-UPストアを開店し、販売やリユースの取り組みを通じて、地域住民との双方向のコミュニケーションを図ることで、課題やニーズの把握を実行。
花見川団地マルシェ

自動運転モビリティGACHAの実証実験
自動運転モビリティGACHAは、少子化や高齢化が進む地域において、外出機会の創出やコミュニティ形成、地域の活性化に貢献することを目指し、実証実験を3月16日から実施。
自動運転モビリティGACHA


〇MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト
https://www.muji.net/ie/mujiur/
〇MUJI×UR団地まるごとリノベーション
https://www.muji.net/ie/mujiur/whole_renovation/
〇花見川団地(UR都市機構ホームページ)
https://www.ur-net.go.jp/chintai/kanto/chiba/30_1681.html
 
 

ICカードで扉の電気錠を解錠するリーダー「液晶付テンキーカードリーダー R-2810」3月より発売

株式会社アートは、 アート電気錠制御盤システムの端末装置 「液晶付テンキーカードリーダー R-2810」 を 2024年3月より発売する。

R-2810はアート製の電気錠制御盤TS-U501B、BAN-Fシリーズなどに接続して、ICカードまたは暗証番号で扉の電気錠を解錠することができる。カードはFeliCaとMIFAREの使用が可能。カードのみで照合・カードまたは暗証番号での照合・カード+暗証番号での照合、いずれかの方法で運用可能。

【製品仕様】

外形     :W86mm×H150mm×D33mm

重量     :約240g 

電源電圧   :DC24V±10%(150mA)

消費電力   :3.6W

カード通信規格:FeliCa、MIFARE

カード容量  :4,000件

暗証番号容量 :100件

液晶パネル  :2.8インチカラーLCD

防水性    :IP65(生活防水)

使用温度   :-20℃~70℃(結露なきこと)

※FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式。FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標。その他記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標。


「液晶付テンキーカードリーダー R-2810」詳細 

2024年3月15日金曜日

中銀カプセルタワービルのカプセルユニットをINAXライブミュージアムに展示。

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、修復したカプセルユニットA1304を、株式会社LIXILが運営する土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(愛知県常滑市)に貸与。2024年に水まわり・タイル事業が100周年を迎えるLIXILの企画展「なんとかせにゃあクロニクル―伊奈製陶100 年の挑戦―」会場に展示をする。期間は2024年4月13日(土)から2025年3月25日(火)まで。中銀カプセルタワービルのユニットバスは伊奈製陶(現 LIXIL)が制作を担当。カプセルユニットはもちろんのこと、当時の状態のユニットバスを見ることができる。

解体前の中銀カプセルタワービル外観
INAXライブミュージアム外観(提供:INAXライブミュージアム )

INAXライブミュージアム企画展 なんとかせにゃあクロニクル ―伊奈製陶100年の挑戦

KENCHIKUイベント情報 https://kenchiku.co.jp/event/evt20240310-1.html

日本木造耐火建築協会「豊洲 千客万来」完成見学セミナー

今年2/1にオープンした「豊洲 千客万来」の完成見学セミナーが一般社団法人日本木造耐火建築協会主催で開催された。
「豊洲 千客万来」は、豊洲市場に隣接する複合施設で、豊洲ならではのグルメを楽しめる食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」と、箱根・湯河原から毎日運搬される温泉を楽しめる温浴棟「東京豊洲 万葉倶楽部」からなる。江戸の風情ある街並みを再現した食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」には、多摩産材を活用した最先端の木造耐火技術が採用されており、今回のセミナーでは、動画視聴と食楽棟内での設計担当者よる案内で、施設概要と木造耐火技術について説明を聞くことができた。
食楽棟は、日本最大規模の木造耐火商業施設(地下1階~地上3階)で、1階が鉄骨造、2~3階が木造の立面混構造で設計されている。木造設計と材料供給でシェルターが協業。2~3階の木造部の柱と梁には“東京の木 多摩産材”を活用した木質耐火部材「COOL WOOD(1時間耐火仕様)」 を採用。施設全体の木材使用量は1,085㎥で、そのうち102.20㎥は多摩産材(杉)を利用している。
「COOL WOOD」の柱と梁は、三層構造(荷重支持部:木材、燃え止まり層:石膏ボード、表面材:木材)で、木の質感を活かした建物に仕上がるのが特徴。1・2・3時間耐火の国土交通大臣認定を取得しており、木材の選択肢も多く、製材・集成材・LVL・CLTなどで対応可能。
屋根は外周部の屋根を二重垂木とし、一層目の垂木で屋根の耐火性能を確保。下地をガルバリウム鋼板とすることで30分耐火構造としている。耐火建築物でありながら軒下の垂木を現すことを可能とした。
【施設概要】
施主:万葉倶楽部
設計:万葉倶楽部 一級建築士事務所、五洋建設 本社一級建築士事務所、シェルター建築設計事務所
施工:食楽棟 石井工務店、温浴棟 五洋建設
用途:ホテル・物販・飲食・集会場 他
面積:食楽棟 約14,700㎡、温浴棟 約19,100㎡
階数:食楽棟 地下1階 地上3階、温浴棟 地下1階 地上9階
構造:食楽棟 鉄骨造+木造、温浴棟 鉄骨造