2017年3月15日水曜日

shibuya1000_009 シンポジウム「シブヤ広場合戦」

3月14日、渋谷ヒカリエ8/COURTにて開催されたshibuya1000_009 シンポジウム「シブヤ広場合戦」へ。

shibuya1000は、「渋谷を再発見しよう」をコンセプトに2008年にスタートしたプロジェクト。今後もしばらくは再開発による混乱状態が続くシブヤ。そんなシブヤという街を、もっとクリエイティブに、いっそこの混乱を楽しみませんか!という取り組みだ。
▲会場には多くの来場者が集まり、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった
photo:shibuya1000実行委員会

9回目となる今回は、10年目を迎える来年を一つの節目と捉え、その前段として、誰もが渋谷を実感し、交流し、新しい価値を創出するパブリックな場=シブヤの「広場」について、渋谷に愛着をもつ各界のプレゼンターとその実像に迫り、シブヤの広場の未来を構想した。

プレゼンターは下記のとおり。


小宮山雄飛 ミュージシャン、渋谷区観光大使 兼 クリエイティブアンバサダー
1966年ホフディランのVo&Keyとしてデビュー。渋谷区観光大使兼クリエイティブアンバサダー。音楽以外でも、映画・グルメなどに精通し、数々の連載やメディアへと活躍の場を広げている。

齋藤優一郎 映画プロデューサー、映画「バケモノの子」プロデューサー
1976年生まれ。細田守監督作品『時をかける少女』('06)、『サマーウォーズ』(’09)のプロデューサーを務め、’11年に細田守と共に「スタジオ地図」を設立。『おおかみこどもの雨と雪』(’12)、『バケモノの子』)(’15)を企画・制作。

平井真央 コミュニティーFM渋谷のラジオ 副理事長/総合プロデューサー
『風とロック』代表。慶応義塾大学卒業後、博報堂を経て、2011年に独立。その後、リクルート「ゼクシィ」など数々の広告の企画/プロデュースを手がける。’13年より、実妹・平井理央のマネジメントオフィス「dejaneiro」を設立。'16年4月本放送を開始したコミュニティFM「渋谷のラジオ」(87.6MHz)の総合プロデューサーを務める。
※当初登壇予定だったコミュニティーFM渋谷のラジオ チーフプロデューサーのKATSU佐藤氏に代わって平井氏が登壇。

林千晶 実業家 ㈱ロフトワーク代表取締役
花王を経て、2000年にロフトワークを企業。クリエイティブエージェンシーとして、Web、ビジネス、コミュニティ、空間、地域など、領域にとらわれずに価値創造のプロジェクトを数多く手がける。台湾、スペインなど世界6カ国に展開するデジタルものづくりカフェ「fabCafe」も運営。



小宮山氏は、「渋谷の広場」として代々木公園を例に挙げ、毎週のようにイベントが行なわれている中で、時には「タイフェス」と「ゾンビウォーク」といった全くジャンルの異なるイベントが同時に開催されることを紹介。「タイとゾンビのような異質な存在の共存を受け入れる器の大きさが渋谷の魅力ですね。今後は、イベントを開催する「場」の提供で終わってしまうのではなく、秋葉原や原宿のように「文化」を発信していく街になっていくべきだと考えています」と構想を述べた。
photo:shibuya1000実行委員会

渋谷をモデルとした街での少年の成長を描いた映画「バケモノの子」でプロデューサーを務めた齋藤優一郎氏(左)は、MCに昭和女子大学環境デザイン学科准教授 田村圭介氏(右)を迎え、対談形式で「渋谷」について語った。

『バケモノの子』は、細田守監督にお子さんが誕生し、「変容する社会の中で生きる子どもを、もっとたくさんの大人が祝福するべきでは」と思ったことから生まれたそう。「監督が渋谷を物語の舞台に選んだのは、多様性を受け入れる土壌があり、子どものバイタリティを表現できると思ったからではないでしょうか。また、常に変化しているというところも子どもの成長と通じるものを感じたからなのかもしれませんね」と齋藤氏。

「実は渋谷には、田舎的な人のつながりが根強く残っているんです」と平井氏。「ダイバーシティ、シブヤシティ。」をコンセプトに、地域密着×世界最先端の放送局として昨年開局したコミュニティFM「渋谷のラジオ」には、著名人だけでなく、3か月の間に1100~1200人ものローカルヒーローとも呼べるべき地元の人々が出演している。760名ものボランティア登録者とともに日々番組をつくりあげ、時には17歳と58歳のディレクターが一緒になって番組をつくることもあるのだそう。そんな「渋谷のラジオ」を平井氏は、「町内会のような放送局」だと話す。

林氏にとって、様々な価値観を持った人が集う場である渋谷の広場は「拾う神様と出会う場所」だという。そうした前提の中で、「異質なものに対して、まあいいよね、ってできるシブヤの強さは何だろう?」、「日本の広場は、ふれあい広場・仲良くなるための広場でなければならない。それってずいぶん不自由だなあと思うんです」と疑問を投げかけ、このパートは急遽ディスカッション形式に。
photo:shibuya1000実行委員会

ディスカッションには、本会の実行委員長で、渋谷駅中心地区まちづくり調整会議で副座長を務めるなど、渋谷のまちづくりのキーパーソンである建築家 内藤廣氏(左)と、本会の代表幹事を務める、建築家で東京大学生産技術研究所准教授の川添善行氏(中央)が加わった。

林氏の疑問に対して内藤氏は、「渋谷には異なったものを消化できる胃袋の強さがあるように思う。自然発生的に湧いてできた街だと思うので、コミュニティも強いのではないか。コミュニティとは地続きではなく、サークルがまとまりになったもので、何重にも輪がかけるもの。そうやってつくられた広場であれば、林さんが感じているような、排他的な場所にはならないのではないか」などと見解を述べた。

▲会場内には屋台を模した出展ブースも登場し、来場者との交流を深めた





■渋谷1000

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