2013年6月17日月曜日

マテリアライジング展 / 情報と物質とそのあいだ / 23名の建築家・アーティストによる思索

東京藝術大学で6月7日(金)の夕方、マテリアライジング展プレスカンファレンス及び内覧会が開催された。
「本展は、最先端のデジタル技術や造形技術を積極的に使っている/開催している建築家・アーティストを集め、作品としてのアウトプットだけでなく、その背後にある設計プロセスや技術にまで焦点を当てる。情報だけでもなく、物質だけでもない、そのあいだを展示することで、新しい創造性の価値観を示すことを目的としている。」(以上、リリース文章より)
出展した23組の作家プロフィールや詳細は公式サイトを参照。


会場は東京藝術大学大学美術館陳列館。
会場構成は西澤徹夫氏が監修。今回の展示は、作品単体だけでなく加工技術やソフトウェアなどのプロセスも同時に展示するため、PCやデジタルフォトフレームなどが大量に出てくる。その電気コードの配線がデザインの鍵となり、箱で隠すよりも積極的にデザインの一部として見せていくことでマテリアライジング展のコンセプト(背後の仕組みを見せる)にも合致すると考えた。ケーブル線は電気を通す役割だけでなく立ち入り禁止の柵としても使われ、複数の作品同士を囲いながら会場を区切って動線を確保する役割も担っている。また、作品をただ並べるだけでなく、喧嘩しあったり見合ったりする並べ方にこだわり、色々な角度から作品を見て、その奥にまた作品がある風景を楽しんでもらうことを意図した構成になっている。

一階会場。

二階会場。


 15.『線入力三次元ボロノイ図形による構造体のスタディ』noiz architects

「一般的な点入力による三次元ボロノイパターンの発展形として、三次元の曲線や曲面を入力要素とした発展的な三次元ボロノイ図形の生成プログラムを作成し た。これにより複雑な幾何学形態の生成でこれまで一般的だった数式による入力とは異なる、より直接的かつ直観的な複雑幾何形体を、どういう要素、構成に落 とし込んで物理的に再構成するか、そこにどういった情報や効果を組み込むことができるのか色々と実験をしている。CADデータの段階ではスケールや素材感 などを持つ必然性がない構造でも、物質化をする段階では求める効果や表現の可能性に応じ、絶対的なスケールや素材感、光の透過性、その他多くの属性の組み 合わせが、圧倒的に絶妙かつ大きな力を持つようになる。体験する人との関係性において、展示する大きさや場所、高さなどによる違いと共に、ごくローカルな スケールから中間的、グローバルなスケールまで、さまざまな階層の要素の組み合わせによる効果の違いが与える影響を、この機会に大きなスケールでのアウト プットで試してみたいと思った。」(以上、会場配布物より全文転載)



そのほかの出展者(掲載順は配布資料の通番に準じる)

1.『日々の記録』谷口暁彦 2.『Epoch I』Studio_01+Yakul 3.後藤一真+天野裕(Arup)4.『アダプティブな軽量膜屋根』増渕基 5.『Equilibrium Shelf 』Source Organization Network 6.『ORI-CON』N&R Foldings + Heavy Back Pack 7.『NYC Neural Cartography Project-脳波解析から見た建築-』Proxy Design Studio 8.『knitting paper module<アミガミ>』岩岡幸太郎9. 『デジタルグロテスク』Michael Hansmeyer + Benjamim Dillenger 10.『Red Venation Fence-小石川植物園のフェンス(2011-)』美濃部幸郎(美濃部幸郎アトリエ)11.『Neuro fabrics:ニューロ・ファブリクス』Ans Sutudio 12.『Digitized Grain』吉田博則 13.『PU』kwwek 14.『she』『彼女』[gh/e] 16.『七宝紋胎乾漆透器(しっぽうもんたい・かんしつ・とうき)』 17.『TG_Kit』慶應義塾大学 SFC 松川昌平研究室18.『なごの原の家』doubleNegatives Architecture 19.『フリーフォーム・オリガミ』舘知宏20.『泉』中村竜治21.『Ne キャスト ‐ experimental materializations + α』藤木淳 22.『Super Tensegrities』三木優彰 23.『Trepak 〈くるみ割り人形〉 / Trepak 〈The Nutcraker〉』今井紫緒


プレスカンファレンスに出席した作家。



本展示は6月23日(日)まで。

関連イベント・作家プロフィールなど詳細については
公式サイトを参照。


0 件のコメント: