2016年11月18日金曜日

木のいえ一番振興協会・第1回ミーティング開催

1116日、一般社団法人 木のいえ一番振興協会主催の第1回ミーティングへ。

木のいえ一番振興協会は、内外装に木をふんだんに使った本物の「木のいえ」の普及を目的に、2014年に設立。木が醸しだす情感や年月とともに深まる味わいといった本物の「木のいえ」の普及を目指して活動中。また、木をふんだんに使ったログハウスを“木のいえの頂点”として位置づけ、協会内に「ログハウス部会」を設置。ログハウスでの非日常感あふれる暮らしも訴求している。

本ミーティングでは、「家と暮らし~本質を見つけるために~ 時が映える…WOOD aging,GOOD aging」と題し、日本人のDNAに刻まれた「木」への愛着をキーワードに、「木のいえ」での暮らしの魅力を探求した。

CLT小規模低層住宅や国産材ログハウス、現わし使用の手引きについてなど、協会が取り組んでいる技術情報の紹介のほか、第一線で活躍中の建築家や家具デザイナーをプレゼンターに迎え、プレゼンテーションやトークセッション、懇親会と盛りだくさんのミーティングであった。

 ▲「『木のよさを楽しむ』ことを通して木の家を普及させていきたい」と会長の二木浩三氏。




なお、プレゼンテーションを行なったゲストは下記のとおり。

●家具デザイナー・小泉誠
テーマ:「木をいかす家具と住まい~デザイナーからみた経年の味わい~」


素材には「育つ時間」と「使う時間」がある。何万年もかけて形成される石や鉄、ガラスなどではなく、とりわけ木や紙、布といった人間の寿命と近い素材については、「育つ時間」と「使う時間」の間にある「作る」という作業においてじっくりと時間をかけられることや、手直しができるといった点が変色や変形、腐朽といったメンテナンスの煩わしさをも厭わない「いとおしさ」につながっているのではないかと述べた。


●建築家/BESSチーフデザイナー・山中祐一郎氏。
テーマ:「『住む』より『楽しむ』家づくり~時間と空間~」


自身が手掛けた作品を例に、より豊かな時間を過ごすための空間づくりについて講演。
チーフデザイナーとして携わるログハウスブランドBESSはつくり込みすぎない「ラフさ」や「野暮さ」の残る住宅が心を自在に遊ばせるとの思いを具現化し、今年で30周年。さらに、個人の取り組みとして「軒下」や「縁側」といった失われつつある空間に注目し、内と外とをつなぐ中間空間を取り入れた住宅や、風や光の抜けを意識した外とのつながりを感じられる住宅を多く手掛けている。


●建築家/SPEACパートナー/近畿大学准教授・宮部浩幸氏。
テーマ:「築80年の家、古さを新しい価値に転換する方法」


企画・設計・不動産運営・メディアと多様な形態で「家」と関わる宮部氏。大正時代の建物をリノベーションし、新たな住まい手を見つけるまでの話を取り上げ、「人は穏やかな時間の流れに心地よさを感じるが、とりわけ「木」は穏やかな時間の流れを刻み込んでくれる。古いから壊して新しいものを…、ということではなく、長い年月をかけて変化した状態を味わう楽しみも、木の家の醍醐味のひとつなのでは」と述べた。



最後はファシリテーターに土谷貞雄氏を迎え、プレゼンター3人によるトークセッション。
テーマは「経年変化を提案する~家と暮らしの本質を見つける~」


▲トークセッションのようす

木材だけがもつ「経年変化」の魅力を提案していくにあたって、業界の課題として「ユーザーとプロダクトがつながりの弱さ」を提示。ユーザーのニーズはもちろん、職人や工務店といった作り手のよろこびといった、ボリュームゾーンに埋もれてしまいがちなをことを見つめ直し、大切にすることが求められているのだろう、と締めくくった。

 ▲会場となった風來講堂 1Fエントランスにも木をふんだんに使用したインテリアがずらり。

なお協会では、協会の思い、取組みに賛同される建築・木材関係の事業者・個人の新規会員を募集中。入会方法等は、協会ホームページまで。




【お問い合わせ先】
一般社団法人 木のいえ一番振興協会
150-0045
東京都渋谷区神泉町22-2 神泉風來ビル2F
TEL 03-5790-6360
http://www.kinoie-1ban.or.jp/

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