2023年9月14日木曜日

「第34回高松宮殿下記念世界文化賞」受賞者決定―建築部門はディエベド・フランシス・ケレ

世界の優れた芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞 (公益財団法人 日本美術協会主催)の第34回受賞者が発表され、建築部門では、サステナブル(持続可能)な建築を数多く手掛けているディエベド・フランシス・ケレ氏が受賞した。 


ベルリンのケレ建築事務所にて 2023年5月 

At Kéré Architecture, Berlin, May 2023 

©The Japan Art Association / The Sankei Shimbun 


ディエベド・フランシス・ケレ 

Diébédo Francis Kéré 

©The Japan Art Association / The Sankei Shimbun 


ディエベド・フランシス・ケレ氏は故国ブルキナファソなどアフリカを中心に、サステナブルな建物の在り方が注目される建築家である。地元の知恵や素材をいかして、気候風土に寄り添った建築は住民の参加を可能にし、地域の発展に寄与してきた。ドイツで木工技術を習得し、ベルリン工科大学で建築を学んだ後、「ケレ財団」を設立。学校のなかった故郷に地元の資源を活用して初の作品となる『ガンド小学校』(2001年)を完成させ、近年は、『リセ・ショルジュ中学校』(2016年)、『ブルキナ工科大学』(2020年)を建設、教育環境の改善にも貢献している。ドイツのベルリンを拠点に、アフリカ以外でもプロジェクトを成功させ、2022年、アフリカ出身で初めてプリツカー賞を受賞した。 


『ガンド小学校』2001年 ブルキナファソ 

Gando Primary School, 2001, Burkina Faso 

Photo: Siméon Duchoud 

Courtesy of Kéré Architecture 

 

『ブルキナ工科大学』2020年 

Burkina Institute of Technology (BIT), 2020 

Photo: Jaime Herraiz 

Courtesy of Kéré Architecture 


『ベナン国会議事堂』外観の完成予想図 

Rendering façade of Benin National Assembly 

Courtesy of Kéré Architecture 

 

他、各部門の受賞者は下記の通り。 


第34回 高松宮殿下記念世界文化賞 受賞者  

■ 絵画部門 ヴィヤ・セルミンス (アメリカ) 

■ 彫刻部門 オラファー・エリアソン (アイスランド/デンマーク)  

■ 建築部門 ディエベド・フランシス・ケレ (ブルキナファソ/ドイツ)  

■ 音楽部門 ウィントン・マルサリス (アメリカ)  

■ 演劇・映像部門 ロバート・ウィルソン (アメリカ) 

 

第26回 若手芸術家奨励制度 対象団体 

■ ルーラル・スタジオ (アメリカ)  

■ ハーレム芸術学校 (アメリカ) 


授賞式典は、10月18日(水)に東京・元赤坂の明治記念館で行われる。5部門の受賞者には、それぞれ顕彰メダルと感謝状、賞金 1500万円が贈られる。若手芸術家奨励制度の2団体には、9月12日(火)にワシントンDCでの発表記者会見の席上、奨励金250 万円がそれぞれ贈られた。 

また、10月19日には建築部門受賞記念講演会2023「ディエベド・フランシス・ケレ 建築を語る」が鹿島 KI ビルにて行われる。聴講は事前申込の抽選方式。応募の詳細は公式サイトにて。  

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