YKK株式会社とパナソニック ホールディングス株式会社は11月17日、パナソニック ホールディングスが100%保有するパナソニック ハウジングソリューションズ株式会社(PHS)の株式譲渡契約を締結した。これにより、YKKグループの建材事業を担うYKK AP株式会社と、パナソニックグループの住設機器・建材事業を担うPHSが戦略的パートナーシップを構築し、両社の強みを融合することで、建築資材・住宅設備業界のリーディングカンパニーを目指す。
契約内容
譲渡契約に基づき、パナソニック ホールディングスが保有するPHS株式のうち80%をYKKが設立する中間持株会社が取得する。PHSはYKKグループに加わるが、パナソニック ホールディングスは20%を引き続き保有し、両社が協働して経営を行う体制となる。
PHSはパナソニックブランドと社名を継続使用し、パナソニックが保有する技術・知的財産も中長期的に活用する予定。なお、取引に先立ち、対象事業である建築資材・住宅設備事業を行うパナソニックの連結子会社や合弁会社の事業・資産をPHSに集約する。
背景
国内の新設住宅着工戸数の減少やリフォーム市場の拡大など、事業環境の変化に対応するため、YKK APは事業領域の拡大と競争力強化を進めてきた。同社は窓やドアなどの開口部を中心に、住宅からビル、エクステリア建材まで幅広く提供している。
PHSは住宅設備・建材の製造・販売・エンジニアリングを担い、快適で安全・安心かつ環境性能に優れた製品・ソリューションを展開してきた。今後の市場では、断熱や開口部を含む総合的な製品・ソリューションの高度化、サプライチェーン全体での競争力強化、DXやAI活用などに向けた継続的な投資が不可欠となる。
パナソニック ホールディングスはPHSの長期的成長を図るため、事業ビジョンを共有できるパートナーを検討し、YKKを最適と判断した。両社を合わせた事業規模は約1兆円となり、建築物に必要な建材の大部分をカバーする商品群を提供できる体制が整う。
スケジュール
株式譲渡は2026年3月末に完了し、同年4月から新体制で事業を開始する予定。取引は関係当局の承認など一般的な契約条件を満たすことが前提となる。
会社概要
YKK AP株式会社
所在地:東京都千代田区神田和泉町1
設立:1957年7月
事業内容:窓、玄関ドア、ビル用サッシ、カーテンウォールなどの設計・製造・販売
連結売上高:5616億円(2025年3月期)
従業員数:1万8252人
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社
所在地:大阪府門真市大字門真1048
設立:2022年4月
事業内容:キッチン、バス、トイレ、内装建材、宅配ボックスなど住宅設備・建材の製造・販売
連結売上高:4795億円(2025年3月期)
従業員数:1万0939人
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