2026年4月20日月曜日

【 イカロス出版】建築史家・倉方俊輔による旅先で建築を楽しむための一冊『建築を旅する 歴史と地域を楽しむ「建築ツーリズム」のすすめ』を発売

建築史家の倉方俊輔氏による新刊『建築を旅する 歴史と地域を楽しむ「建築ツーリズム」のすすめ』が、イカロス出版から、2026年4月15日に発売された。本書は、おとなのワンテーマシリーズの一冊として刊行され、建築を目的に旅をする楽しみを体系的に伝える内容となっている。

本書の最大の特徴は、北海道から沖縄まで日本全国を網羅し、「旅の目的としてぜひ訪れてほしい建築」60件を厳選している点にある。選者である倉方氏は、「建築とまち歩き」の分野でも知られる建築史家で、日本近現代建築史の研究と並行して、建築の魅力を社会に伝える活動を続けてきた人物だ。掲載されている建築は、幕末期から現代に至るまで、美術館や図書館、庁舎、ホテル、住宅など多岐にわたり、それぞれが建てられた時代背景や設計思想、地域との関係性を踏まえて紹介されている。

各建築の解説では、単なる作品紹介にとどまらず、なぜその場所に建てられたのか、どのような時間を刻んできたのかといった歴史的文脈が丁寧にひもとかれる。あわせて、周辺のまち歩きへと視線を広げるための鑑賞ポイントや、外観・内観の構成、装飾部に込められた意図など、現地で建築を味わうための視点も示されており、読者が実際にその場を訪れることを前提とした構成となっている。

倉方氏は、本書を通じて「建築を見ることは、その土地を深く知ることにつながる」との考えを提示する。建物に目を向けることで、そこに関わった人々の思いや、時代ごとの価値観、社会の空気感が立ち上がってくるという。本書は、建築を専門的に学んできた読者だけでなく、これから建築に興味を持ちたい人にとっても、無理なく入り口となる一冊を目指している。

紙面では、各施設の外観や内観、装飾のディテールなどを写真で紹介しており、全国から選ばれた「まず訪れてほしい60の建築」を視覚的にも把握できる構成となっている。また巻頭には全国建築マップと本書の使い方が示され、エリア別に〈北海道・東北〉〈関東〉〈甲信越・北陸〉〈中部・近畿〉〈中国・四国〉〈九州〉と分類して掲載。札幌市資料館、せんだいメディアテーク、金沢21世紀美術館、国立京都国際会館、広島平和記念資料館本館、門司港駅など、広く知られた建築に加え、地域に根差した建物も取り上げられている。

さらに巻末には、「建築祭」をテーマとしたコラムも収録されており、東京建築祭やイケフェス大阪、京都モダン建築祭といった取り組みが、まちや人々の関係性にどのような変化をもたらしてきたのかについても言及されている。建築を見る行為が、個人の趣味を超えて、地域と社会をつなぐ営みへと広がっていることを示す内容になっており、建築に関心のある人はもちろん、土地や風土、歴史、まちづくりや人々の交流に興味を持つ読者にとっても、旅の視点を広げる一冊となりそうだ。




イカロス出版
https://www.ikaros.jp/

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