NOT A HOTELを手掛けるNOTAは「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」についても、新たに最新ビジュアルを公開した。世界自然遺産として知られる屋久島を舞台に進められているプロジェクトで、「光の魔術師」とも称されるヌーヴェル氏ならではの建築表現が、より具体的な姿として示された。
計画地となる屋久島は、豊かな生態系と原生的な自然環境を有し、年間を通じて多雨な気候に特徴がある。公開されたビジュアルでは、建築は大地から隆起するように現れる岩とガラスによって構成され、周囲の森や地形と一体化するような佇まいを見せている。建築そのものを風景に対置するのではなく、自然の一部として融合させる考え方がうかがえる。
デザインの核となるのは、ジャン・ヌーヴェル氏が長年追求してきた光と自然現象の演出だ。ガラス面には森の気配や雨による陰影が映し出され、降り注ぐ雨や流れる水の音までも空間体験の一部として取り込む構成となっている。屋久島特有の気候条件を制約ではなく建築体験の重要な要素として捉え、自然環境と建築を密接に結び付ける計画としている。
また、建築を構成する岩とガラスの対比も大きな特徴となる。重厚な地形の力強さを感じさせる岩の存在と、光や風景を映し込む透明なガラスが共存することで、自然と人工、物質性と透明性といった相反する要素を同時に表現。時間帯や天候によって刻々と変化する光景が、滞在者に多様な感覚体験をもたらす空間として構想されている。
【ジャン・ヌーヴェルによる「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」コンセプト】
最も洗練されたものは、自然の中にある。風景や小径、起伏、そしてふと現れる眺め。それ以外は、何もない。
このプロジェクトは、単に住まう場所をつくることではない。一本の木、ひとひらの草の葉、ひとつの石と恋に落ちることなのだ。
まるで現代美術の収集家のように、石や庭、むき出しの大地の中にこそ、この島を体験する理想的な方法を見出すことができる。
それは自然であり、場所であり、芸術作品であり、雨であり、水の音だ。
その根底にあるのは石。時間や雨風によって形作られ、歳月の記憶をまとう永遠の存在。
その周囲には岩や石壁が、まるで昔からここに存在していたかのように配置される。
この島はまるで宝物のような場所だ。
現れては消え、すべてが変化しうる場所でありながら、それでも常に、静かに想いに耽る喜びを与えてくれる。
ここでは時間は不変で、静謐は絶対的、瞑想的でなければならない。
ガラスのように最もシンプルな素材が選ばれるのは、雨への感覚を研ぎ澄ますため。
水の透明性や、その向こうに広がる空を映し出し、そこから湧き上がる根源的で自然な感情を呼び起こすためだ。
NOTA
https://nota.com





