増田信吾氏(増田信吾+大坪克亘)と中川エリカ氏(中川エリカ建築設計事務所)を迎えそれぞれが手掛けた作品を紹介しながら、高橋寿太郎氏(創造系不動産)、藤原徹平氏(フジワラテッペイアーキテクツラボ)と建築家との不動産探しから始める家づくりについてクロストークが行れた。
左から藤原徹平氏、中川エリカ氏、増田信吾氏、高橋寿太郎氏 |
増田氏は「街の家(2018年)」を紹介。
この住宅は東京の商店街に接する開口が狭く奥行きが深い谷間のような敷地に、「創造系不動産」と協働で施主夫婦の望む土地選びから始まった。
「敷地選びに出てみると、三方開けた敷地には旦那さんはオープンで良い、1階で作業がしたいという意見に対し、奥さんはプライバシーがないのではないかと反対し、静かな敷地には奥さんが見晴らしもいいしここがいいと言い、旦那さんはここで自分の場所が確保できるのかなど、場所の特徴で住み手の住まい方が分かるものなのだ」と敷地選びから参加してみて初めて知ったという。
選ばれた敷地は幅2.5m、奥行き15mという特異な地だが、間口は商店街に接し賑やかであり、裏手にある住宅地ともつながるという静と動を兼ね備えている点に夫婦の意見が一致した。
接道の商店街ではバスが通り、暗くなってしまうことやプライバシーの確保などから4.5m上空に二層の家を持ち上げる解決策を取った。ピロティ状のこのオープンスペースはまちに開き、屋内でも屋外でもない空間になった。
狭小地によりメンテナンスの問題からも、閉じられた長手方向の外壁に穴を開けないなどの工夫が施されている。
中川氏は「桃山ハウス(2016年)」を紹介。
この住宅は古いものと新しいものを混ぜたいという思いから生まれた。施主は作りたくてくても作ることが出来ない古い擁壁などの表情に東京では感じられない大らかさに魅了され、家に引き込みたいという考えで敷地を選んだという。
敷地は山を切り崩した古い造成地でくねくねとしたヘアピンカーブに沿っている。
中川氏はこの敷地を地形と人間の格闘の来歴がそのまま風景の材料になっているような沢山の表情を持った場所だと感じ、このまちが何から構成されているのかをリサーチすることから設計を始めた。
既存の擁壁や塀、植栽、岩、門扉を全て残し、建築の材料として活用しながら全体に大きな屋根をかけることで周辺環境や地形と呼応させた住宅となった。
ファシリテーターの藤原氏は二人の作品を「癖の強い敷地を活かせるかは建築家の力量次第だ」とまとめ、家づくりの一歩前である土地探しが創造性につながるのではないかと強調した。
この度スタートする「創造系不動産」とのコラボレーション、リビングデザインセンターOZONE の家づくりサポートメニュー「OZONE 家 design」は建て主にあった建築家探しにアフターケアとサポートを加えた仕組み。
不動産物件探しを前提とした資金計画や、ビジョンの摺合わせの階段から建築家と協働している「創造系不動産」とのコラボレーションは住み手ひとりひとりに合った自分らしい家づくりをする「OZONE 家 design」のさらなる展望が期待される。
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