2026年2月17日火曜日

2025年度 第37回JIA新人賞 発表

公益社団法人日本建築家協会が、2025年度第37 回JIA新人賞 受賞者を発表した。
2025 年度JIA新人賞は、2020年1月1日より2024年12月末日(5ヶ年)までに日本国内で竣工した建築作品を対象として審査が行われた(審査委員:坂本一成、石田敏明、原田麻魚 )
実施状況 は以下の通り。

2025 年9月5日=応募締切 
2025 年10月23日=第1次審査会にて応募作品95点の中から12点を選出。 
2025 年11月13日=第2次審査会にて現地審査対象作品4点を選出。 
2026 年1月~2月=現地審査実施。 
2026 年2月6日=最終協議を経て、下記受賞者を決定。       


2025 年度JIA新人賞
 ■父子の家   
 畝森泰行
(畝森泰行建築設計事務所)  
改修と新築を混ぜたようなプロジェクトである。新旧の⺠家が混在する郊外住宅地のなかに敷地はあり、そこには⼤⼯だった建主の⽗が⽣前に施⼯した⺟屋やハナレ、作業場、倉庫などが建っていた。これらは少なくとも4回以上の増改築がなされており、そのうちのハナレと作業場を、息⼦である建主家族の住宅に変えること、また⺟の住む⺟屋と適度な距離を保ちつつ、これまでの流れを引き継ぐ計画を求められた。 
既存のハナレは、⽊とスチールによる複雑なつくられ⽅をしていた。その複雑さを維持するように、既存の⾻組や基礎を残しながら、新しく⽊造の屋根と外壁で覆い、床や⽔廻りを加えている。新設部分として⾃⽴させつつも、既存部分にわずかに⼒を預け、また既存と新設のあいだに⼩さな隙間のような空間を⽣むことで、⼤きく開けた窓から、古びた柱や梁、垂⽊などを通して光と⾵を取り⼊れる。そうした新旧が対⽴せず、互いを補い合いながら混在する住宅を⽬指した。 
既存の建物はいわゆる合理的な建築ではなかった。しかし「その時にあったもので」、また「思うままに」つくられたそれらには、ものづくりに向かう本質的な⾃由が感じられた。その創造性のなかに、建主の⽗との⾒えない対話を通じて、私たちもまた参加する。それは時間を超えた協働であり、複数の主体によって⽣まれる建築でもある。そうした他者や時間が折り重なる豊かさを、建築として現したいと考えた。(畝森泰⾏) ▲撮影:Atelier Vincent Hecht 

 ■段庭の家       
 原田将史・谷口真依子(ニジアーキテクツ一級建築士事務所)
いつでも敷地全体で陽の光を⽬⼀杯浴びることができる家を作りたいと考えた。敷地は都内住宅密集地の袋⼩路最奥部に位置している。接道わずか2mの旗竿地で、敷地⾯積も⼩さく建蔽率・容積率も厳しい。周囲は家が建て込んでいるため、斜線最⼤ボリュームで建物を作っても、採光や通⾵は期待できず、残った南側の庭も狭く暗くなりかねない。そこで、陽の光を全⾝で受けられるよう、床⾯積は最⼤限確保しつつ北側上空に向かって徐々にセットバックしていく階段状のボリュームとし、南側に⽴体的なボイドを⽣み出した。 
外構と全ての屋根の上にウッドデッキを敷き詰めることで、ウッドデッキのテラスは段々の丘のようにレベルを変えながら最上段の屋上まで連なっている。ハイキングをするように登り3段⽬のテラスから室内空間へと直接アプローチをする。⼀般的な独⽴した⽞関空間を持たず、各段に間⼝いっぱいの開⼝部がある為、どこからでもアクセスが可能となっている。外部テラスの床よりも内部空間の床を低く設定することで、外部からの程よい奥まった空間を作りだしている。下層に⾏くほどに外部との関係が遠く、逆に上層に⾏くほどに外部の⽀配率が⾼まり、グラデーションのかかった空間の変化が限られた床⾯積の中でも様々な居場所の選択性を住⼈に与えている。 
家全体で受けた陽の光は、内外の段々状の床の隙間から下層まで降り注ぐ。アプローチから連なる全てのテラスはそれぞれ室内の延⻑として過ごすための場所となり、床⾯積を超えて無限の広がりを感じる。 テラスと屋内の床は等価に存在し合い、敷地全体に存在する段が庭となり家となる。(原⽥将史+⾕⼝真依⼦) 撮影:Kazuhisa_Ishikawa





日本建築家協会

0 件のコメント: