ミルグラフは、乾 康代 著『原子力と都市計画』(西山夘三記念叢書 2)を発行した。
本書の主題は、原子力発電所である。
原発はひとたび重大事故が起これば、その影響は甚大かつ広範に及び、回復には長い時間を要する。そのため、原発の立地にはこれまで人口の少ない過疎地域が選ばれてきた。
しかし、どれほど過疎の地域であっても、そこには必ず人々の営みがある。では、原発の設置にあたって、どのような地域開発計画が立てられ、いかなる立地規制が整備されてきたのか。原発事業者は進出先の地域コミュニティにどのような働きかけを行い、立地地域はどのように変容していったのか。そして、福島第一原発事故は私たちにどのような教訓を残したのか。本書は、こうした問いに応えるべく、原子力開発をめぐる都市計画と地域社会の姿を中心に論じていく。(まえがきより抜粋)
日本の原子力開発は茨城県東海村で始まった。そのときそこに都市計画の規制はなかった。
以降、倣うように各地の過疎地域に原発がつくられ、人々の生活や生業が変容してきた。70年にわたる日本の原子力開発と立地地域の歴史を追い、世界の原発の状況と比較する。
福島第一原子力発電所の事故から15年。ロシアのウクライナ侵攻や円安といった国際情勢によるエネルギー価格高騰を受け、国は原発再稼働へと舵を切った現在、都市と社会の安全を根源から考えるための1冊。
『原子力と都市計画』 目次
まえがき
第Ⅰ章 「原子力の平和利用」と原子力開発
1 「原子力の平和利用」
2 若狭と東海村
第Ⅱ章 世界の原発地図
1 原発と都市
2 イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、韓国の原発
3 福島第一原発事故の教訓
第Ⅲ章 東海村と植民地主義開発
1 東海村の原子力開発
2 原産の都市計画
3 近代都市計画と植民地
4 原発計画と植民地主義統治
5 村の原子力関係の建築
第Ⅳ章 原発立地の規制制度
1 住民の安全を軽視した規制制度の系譜
2 中曽根康弘と原子力都市計画法
3 東海村のグリーンベルト構想
第V章 原発と過疎地──福島県大熊町と双葉町
1 過疎農漁村の急増
2 福島県の原発誘致
3 原産の農村調査
4 原産の思惑と地域社会の葛藤
第Ⅵ章 原発立地の全国展開
1 漁村に集中した原発計画
2 原発の誘致と拒否
3 漁村の論理
第Ⅶ章 原子力開発と東海村の変容
1 村に原子の火がともった
2 JCO臨界事故
3 農民のライフヒストリー
4 地域産業の課題
第Ⅷ章 原発立地地域の未来を考える
1 旧産炭地域の教訓
2 原発廃炉地域の教訓
3 福島第一原発事故の教訓
4 ダークツーリズムに学ぶ
第Ⅸ章 現代科学と原子力
1 原子力開発の展開
2 復興と自立
3 参加と対話
あとがき
註
参考文献
図版出典
『原子力と都市計画』(西山夘三記念叢書 2)
発行 2026年3月11日
判型・頁数 四六判・320頁 上製本
言語 日本語
定価 本体3,600円+税
デザイン 小池俊起
発行所 millegraph
印刷・製本 サンエムカラー
ISBN 978-4-910032-14-6
millegraph

0 件のコメント:
コメントを投稿