2016年7月26日火曜日

木のパーティション 西沢立衛+金田克弘

オカムラデザインスペースR(ホテルニューオータニガーデンコート内)にて、建築家西沢立衛氏と構造エンジニアの金田克弘氏による企画展「木のパーティション 西沢立衛+金田克弘」が開催されている。
会場全体を埋めつくす檜の香り。

檜の丸太を2mm厚に削りだした全長300mにもなるパーティションは、薔薇の花びらの様に幾重もの層になって会場全体を埋め尽くしている。
パーティション内部は人ひとりが歩けるほどの間隔があり、実際歩くことが可能。
図面を元に配置をしているが、大まかな間隔を捉えるのみに使用し、パーティション外側に節の模様が来るように配置。
パーティションの波形は、当初、型枠を用いて行っていたが、手で形を付けていく方がうまくいくので、この方法に変更になった。

打ち合わせスペースに使用したイメージ。


8月5日まで。

2016年7月19日火曜日

「創立130周年記念 2016年日本建築学会賞[作品]受賞者記念講演会」開催


 7/6  三田の建築会館で、創立130周年を迎える建築学会の学会賞受賞者による記念講演会が開催された。2016年の受賞者は、以下の通り。

●『流山市立おおたかの森小・中学校、おおたかの森センター、こども図書館』
【受賞者:赤松佳珠子(法政大学教授、CAt/()シーラカンスアンドアソシエイツ代表取締役/小嶋一浩(横浜国立大学大学院Y-GSA教授、CAt/()シーラカンスアンドアソシエイツ代表取締役)】
●『武蔵野プレイス』       
【受賞者:比嘉武彦(kwhgアーキテクツ主宰)/川原田康子(kwhgアーキテクツ主宰)】
●『竹林寺納骨堂』
【受賞者:堀部安嗣(()堀部安嗣建築設計事務所代表取締役社長)】

「作品を語る」という副題の通りに、各受賞が受賞作品に懸けた想いや考え方について以下のように語った。






『流山市立おおたかの森小・中学校、おおたかの森センター、こども図書館』を設計した赤松、小嶋両氏は、「人口増加が著しく設計の基本条件が変動し、なかなか骨が折れた」と語った。
『武蔵野プレイス』を設計した比嘉、川原田両氏は「武蔵のプレイスは『居場所』の集合体」、「人を包む」が一つのテーマと語った。また、2004年のプロポーザルから政治的な紆余曲折や姉歯問題の影響を受けたがなんとか完成にこぎつけたと語った。
『竹林寺納骨堂』を設計した堀部氏は、「歴史的な立派なものを見ると、到底自分は敵わないという前向きなあきらめを感じてしまう」と語った。また、木の根を迂回するアプローチは、人の前に自然があることを考えさせるようにしたと語った。納骨堂が学会賞を受賞するのは今回が初めてだ。

最後に、学会賞はどうあって欲しいかと問われ赤松氏は「建築の力を信じられるものであって欲しい」、小嶋氏は「何年経っても人や社会に響くもの」、比嘉氏は「建築に何が可能か常に問いかけて欲しい」、川原田氏は「建築の力で社会に影響を与えられる、社会に還元できるもの」、堀部氏は「建築は物理的な大きさではない、建築のあり方を示していって欲しい」とそれぞれ答えた。

2016年7月7日木曜日

早稲田大学「ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話」展

早稲田大学會津八一記念博物館にて開催中の「ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話」展へ。
昨年の没後50年「写真家としてのル・コルジュジエ」展に続き、20世紀モダニズム建築を代表する偉大なアーキテクトの業績を顕彰する展覧会。
早稲田大学ル・コルビュジエ実測調査研究会は、2013年度より〈ロンシャンの礼拝堂とその建築群〉の継続的調査を行なっている。今回は、研究会による代表作《ロンシャンの礼拝堂》完成後初の実測調査の記録を中心に、ル・コルジュジエ愛弟子の一人で早稲田大学建築学科教授だった吉阪隆正の仕事も併せて展示。《ロンシャンの礼拝堂》〈ノートルダム・デュ・オー礼拝堂〉に残されている、現場でル・コルビュジエが実際に使用した貴重な青図がみどころ。
1F企画展示室
青図は、会場内に設置されているiPadにも保存してあり、自由に拡大してみたりすることもできる。
2F常設展示室内 東側
ル・コルビュジエのアトリエで吉阪自身が担当して描いた図面と日記帳などを展示。
7/2(土)は、プレス向けの発表及びシンポジウムⅠ「ロンシャンの丘の実測調査 + ル・コルビュジエと吉阪隆正」も開催され、多くの人が来場した。(写真下:左より、古谷誠章氏、塚原史氏、白石哲雄氏)
展覧会は8/7(日)まで。会期中の7/16(土)には現場の様子に詳しいジャン-フランソワ・マテ氏をロンシャンより招きシンポジウムⅡ「ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話」も開催。