2020年1月27日月曜日

建築家・田根剛氏が環境デザイン「ニュウマン横浜」、2020年5月30日(土)JR横浜駅西口に開業。

株式会社ルミネ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:森本雄司)は、2020年5月30日(土)に JR横浜駅西口に商業施設「ニュウマン横浜」を開業することを発表した。
2016年春にJR新宿駅新南口に開業した「ニュウマン新宿」に続くニュウマン業態の2号店で、「ニュウマン横浜」では、建築家・田根剛氏(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が環境デザインを担当。
森本雄司氏(左)と田根剛氏(右)

田根剛氏は、フランス・パリを拠点に活動する建築家で、代表作では『エストニア国立博物館』(2016)、『新国立競技場・古墳スタジアム(案)』(2012)、『とらやパリ店』(2015)、『Todoroki House in Valley』(2018)、『弘前れんが倉庫美術館』(2020予定)などがある。

このプロジェクトでは、“GLOBAL PORT CITY”をテーマに、各フロアで柄の異なるタイルを30万枚使用する等、建物内に居ながら街を歩いているような楽しさを感じられる空間をつくる。タイルはすべてオリジナルデザイン(約60種)のもので、イタリアの工場で制作。各フロアは、世界の港町の地図をパターンを起こしたデザインになるという。
各フロアのタイルのイメージ

ファッション、コスメ、ライフスタイル雑貨、レストラン・カフェなど幅広い業態の全116ショップが出店。

2020年1月21日火曜日

FILTER ー感動を生み出す動きの、新しい見かたー

AGC Studioにて、1月14日(火)より開催中の「FILTER ー感動を生み出す動きの、新しい見かたー」へ。
本展では、AGCのガラス製スクリーンやフッ素樹脂フィルムなどの高機能製品を”FILTER“に見立て、スポーツを可視化するという新しいコンセプトを提案している。
光をコントロールするガラス技術を通して「動き」を情報化し、空間に映し出すことで感動を生み出す秘密を探る。また、数多くのスポーツ施設に採用されているAGCの素材と技術を詰め込んだ架空のスタジアムも展示。


 融合する現実と情報の動き [Key technology: Mirror Screen]

ミラースクリーンは、映像の投影と反射を両立させたスクリーン。
眼前に置かれている巨大なスクリーン。そこに映し出されるのはトップアスリートの「動き」。その実際の「速さ」や「高さ」を体感したり、スクリーンに写った自分の姿と比較して、その驚異的なパフォーマンスを堪能できる。

結晶する一瞬の動き [Key technology: Dichroic Mirror × Glascene®]
ダイクロイックミラーは、特定の色の光を反射し、その他の色の光を透過するミラー。グラシーン®は、プロジェクターの映像を投影できるガラス製透明スクリーン。
様々な大きさと色味のダイクロイックミラーで作られたオブジェの周りを回って、見る角度によって表情を変える姿を楽しめる。
さらにグラシーン®という“FILTER”の前で足を止めてみると、そこには一味違った景色が広がっているかもしれない。
ダイクロイックミラー

また、AGCの素材と技術を詰め込んだ架空のスタジアムも同時に展示されている。

「感動を生み出す動きの、新しい見かた」を体感できる本展は、3月28日(土)まで。
入場無料。期間中本展と連動したイベントも開催予定。詳細はこちらを参照のこと。

2020年1月20日月曜日

アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命 小さな暮らしを考える

ギャラリーエークワッドにて、2019年12月20日(金)より開催中の「アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命 小さな暮らしを考える」へ。

本展は、世界的建築家のアルヴァ・アアルトとその妻、アイノ・アアルトが1920年から1930年にかけて追及した、小さくとも豊かに生活するための、住宅デザインに焦点をあてる
アアルト夫妻は「日常の暮らしにこそデザインが必要である」という思想から建築設計だけでなく、家具、グラスウェアなど現在も使われ続ける名品を多く残した。
また、機能的で衛生面を重視したキッチン設計はアイノ・アアルトが行動力学を追求した効率的なデザインのさきがけとなった。
会場は、1930年にアアルト夫妻が展示した最小限住宅展の再現や、自邸の一部をMITの協力のもとAR(拡張現実)で再現する空間構成となっている。


ZONE1:最小限住宅展
1930年にヘルシンキで行われた「最小限住宅展」の一部を原寸で再現。4~5人家族向けの小規模住宅を想定し、2つの寝室とリビング、ダイニング、キッチンが配置されていた。ROOM2とリビング、キッチンはアアルト夫妻の家具で構成されている。ROOM1の家具は当時、家具デザイナーとして著名だったWerner Westによって手がけられている。
リビング、ダイニング
ROOM1
テーブル:マルセル・ブロイヤー
椅子:パウリ・ブロムシュテット
卓上スタンド:アイノ・アアルト

ROOM2
引き出し:アイノ・アアルト
ダイニングテーブル:アイノ・アアルト

ZONE2:アアルト自邸(ヘルシンキ)をAR(拡張現実)で再現
アイノとアルヴァの工夫が詰まった自邸を、現地にいるかのようにARで体験できるコーナー。壁の写真にカメラを合わせると、解説映像も観ることができる。
アアルト自邸入り口
壁と床に描かれたキッチン図面にタブレットを向けると・・・
AR画面が対応してキッチンを映す
アアルト自邸3D模型
中央の平面図は・・・
ARで立体に表示され、
近づくことで詳細まで眺められる

入場料は無料で、会期は2月27日(木)まで。
詳細はこちらを参照のこと。

2020年1月17日金曜日

増田信吾+大坪克亘展「それは本当に必要か。」内覧会

TOTOギャラリー・間にて2020年1月16日(木)から開催中の増田信吾+大坪克亘展「それは本当に必要か。」へ。

人間・時間・空間それぞれの間合いという、日本特有の概念を表象する「間」の一字を名称とした「TOTOギャラリー・間(ま)」は、社会貢献活動の一環としてTOTOが運営する、建築とデザインの専門ギャラリー。
1985(昭和60)年10月の開設以来、国内外の建築家やデザイナーの個展にこだわり続け、今回、独自性に富んだ建築作品を生み出している若手建築家ユニット 増田信吾+大坪克亘の個展「それは本当に必要か。」を開催。

大坪克亘氏、増田信吾氏
内覧会当日は増田氏、大坪氏から20分間の趣旨説明が行われた後、実際に展示を見て回る20分間の会場ツアーが行われた。

本展は、「躯体の窓」(2014)から6年間でつくられた9物件を紹介している。2007年に大学を卒業してから設計活動をしている2人だが、「躯体の窓」(2014)ができるまで何をしていたのか。
増田氏は「1982年に生まれた。ものに溢れ、何不自由ない生活をしてきている中で、新しい何か“もの”をつくるという欲が、上の世代と比べると欠けていると思いながら、では何をつくるかという問いを強みにして設計してきた」と話す。
2人が大学を卒業してすぐに設計したのは、住宅の塀だった。10m足らずの壁が、住宅の空間を変えずとも、人の生活と庭の植生、街並みを巻きこんでいった時、「ものとものの間を変えるだけで、空間を揺るがす設計があり得るのではないかと学んだ」という。
それから山口県での東屋や、北海道での公園の休憩所の設計を通し、前提を疑い、施主に欲しいといわれたものをつくるより、その場に本当に必要なものは何かを考えるようになった。ここでは内覧会で説明のあった3作品を紹介する。


「躯体の窓」(2014)は、鉄筋コンクリート2階建てのアパートメントを週末住宅とスタジオにリノベーションする計画で、当初はインテリアを依頼されていた。施主の話を伺ううちに、この場に必要なのはインテリアではなく、窓という答えに至った。この窓は、内部への採光とともに、北側に面する庭へ太陽光を反射させ、明るさを与えている。

 「躯体の窓」(2014)


リビングプール(2014)は、山形県のリノベーション計画。基礎を住宅と自然との間を取り持つ境界と捉えなおし、地面を下げることで視界の角度を操作している。ぜひ模型の内部を覗いて見てほしい。

リビングプール(2014)


始めの屋根(2016)は、東京都の2階建て計量鉄骨造の住宅のすぐ脇に新しいスケールの屋根をかけた計画。母屋と離れをつなぐ外廊下の機能を持つ。細いものをつくるとき、普通はゆがみを修正し真っ直ぐにするが、その行為を不自然に感じた2人は、自重でたわむことを享受した設計をしている。

始めの屋根(2016)


「プロジェクト」の紹介よりも、「思考」の展示になるように試みている本展は、9つのプロジェクトを3つの枠組みを使って分解し、建物全体に散りばめている。

3階:Adaptation[適応] 場がうまく回りだす転換点の探求
窓や基礎、軒といった見過ごされがちな部分に着目した、作品のキーとなる部分模型を1/1から1/5までのスケールで展示。



4階:Attitude[姿勢] 場の診断から、最も重要な前提の発見
周辺を含む模型と、スケッチや図面が並ぶ。



1階、地下1階:Appearance[様相] 場に適応する建築と、その周辺への影響
同建物、セラトレーディング 東京ショールームには、写真家 永井杏奈氏による写真が並ぶ。設計過程や敷地模型・モックアップとは違う視点から作品を見られる。


本当に設計すべきことをどのように見出し、環境の中で定着させていくのか、彼らの探求の軌跡が見られる本展は、3月22日(日)まで。入場無料。

TOTO出版より刊行される『Adaptation 増田信吾+大坪克亘作品集』も要チェック。
詳細はこちら