2010年10月31日日曜日

東京ミッドタウンでは「DESIGN TOUCH 2010」も開催中

六本木・東京ミッドタウンに出現した"白いビッグウェイブ"。場所は「DESIGN TOUCH」および「DESIGN TIDE TOKYO」のインフォメーション前。

AXISで開催中の「more trees展」に「空気の森」などを展開中のアーティスト鈴木康広氏の作品。「瞬間にすわる ーミッドタウンに流れるものを見る」=ベンチです(小さい子はちゃんと解っていて、迷わずに駆けていき、ベストの高さちょこんと腰掛けてご満悦。我々オトナが失った感性である)。会期11/3まで。



ライティング協力:カラーキネティクス・ジャパン
注: 11/3夜間撮影画像3枚を追加


B1Fメトロアベニューに展示中の作品は「Tokyo Midtown Award 2010」アート部門のファイナルに残った4組のもの。最終審査は既に終了(10/20-blog)、28日正午にグランプリほか各賞が正式に発表された。

テーマ:JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)~ガラスケースへの挑戦~
グランプリ:きのした がく「春夏秋冬東京動画絵巻」
4つの場面からなるアニメーション作品。画中の登場人物、乗り物、花びらまでもが四季を移ろってゆくのでお見逃しなく。


準グランプリ:牧野永美子+山崎裕治「あのなる木」
彫刻によるインスタレーション作品。「あ」という文字がなっている木、それに羊が気付いて見上げている図。精巧な造作も評価された。


佳作:石山和広「es.kei.wai」
映像作品。複数が広範囲に散らばって、同じ時刻に見上げた空をひとつの映像にMIXしている=個人の視覚では捉え切れないビジョンだという。


佳作:井口雄介「その先にあるもの」
虹によるインスタレーション作品。デジカメでは判りにくいが、ガラスケースの中にまるい虹が発生している。通りがかりに気付いた人は、例えば霧吹きなどは使っていないのにいったいどうやって?ととても驚く。


通路の反対側ではデザイン部門の受賞作品も展示中。

デザインコンペ2010テーマ:On the Green
グランプリ:TRsN(とれせん)相馬翔、齋藤俊一郎、渡辺博史、神保雄大、齋藤雄太「Tokyo Green Dictionary」
辞書のような装丁の本、と見せかけて、実はレジャーシート。広げると、植物など緑の図鑑。寝そべりながら読める。

各賞は既に決したが、作品を見た人がお気に入りの作品に票を投じるカウンターも設けられている。同アワード表彰式は11/2(火)。


ガレリアB1Fアトリウムでは、DESIGN TOUCH Exhibition「未来のつくりかた展」開催中。ドイツのメディアアート総合文化施設「アルスエレクトロニカ」とのコラボレーション展。 PR映像には明和電機が一瞬だけ映っていた。

折り紙ロボット「Oribotics(オリボティクス)」は、ポリを紙でサンドした薄い花弁と、LEDのめしべ、センサーのめしべを持ち、手を近づけたり、正面に人を感知すると、花びらが開き、色も変化する。





ガレリアB1F特設会場「"時ってなんだろう?" 8組のクリエイターによる、新しい時の感じ方。」では、デザイナー、インターフェースデザイナー、漫画家、書道家らとセイコーエプソン(株)とのコラボレ—ション作品展。


台形を互い違いに組み合わせた8つのブース。内側は鏡張りになっていて、万華鏡のようなグラフィックをバックに、作品が1つだけ宙に浮いたように展示されている。会場ブースは(株)モーメントのデザイン。

同社が開発した電子ペーパーを文字盤に用い、9枚という条件の中で、それぞれが「新しい時」を表現。まさに8人8色、いや8TIMEか。谷川俊太郎のバンドのデザインは詩人ならでは。

中村勇吾「line」


廣村正彰「NUMBERS」


木野鳥乎「トキメキメラ」

電子ペーパーは液晶など従来のパネルとは異なり、どんな角度からでも見え易く、かつ消費電力が低い。表現媒体としても更なる可能性が期待されている。


"デザインを五感で楽しむ"「DESIGN TOUCH」は 「DESIGN TIDE TOKYO」と同じく11/3(水)まで。「DESIGN TOUCH」では幅允孝氏選書による「Park Library」が恒例となっているが、あいにくの悪天続きである。

2010年10月30日土曜日

スペイン大使館にて「メイドイン ジャパイン」11/3まで

東京デザイナーズウィーク2010関連、スペイン大使館で10/29より始まった「メイド・イン・ジャパイン 」2日め、コンファレンス午前の部「ジャパイン発のインテリア・デザイナーたち」へ。台風接近中にも関わらず場内満席。
クアルト・インテリオール、グルーポ・アラネア 、カワムラ・ガンハビアン 、ラモン・エステベ・ストゥディオ 、 エストゥディ・フランセスク・リフェ の4組がプレゼンテーション。Kawamura Ganjavianのプレゼンは、《ロレックス・ラーニング・センター》のbookstore、Madrid Abiertoでの「infomab10」の動画など。

昨年のOZONEでの「I'm in love!」、同大使館展示では突き抜けた色彩センスに目を奪われたが、今年は冒頭のアニメで見せる。「昔々、日本とスペインは陸続きだった」という驚きの物語が展開(三味線誕生秘話が凄い)。

2枚め画像右奥はSerraydelaRochaの道路安全保安用品「Y CONCEPT」。
昨年同様にカーペットや照明、椅子も出ているが、今年は靴やアクセサリーなどのプロダクツが多い。「STEAM CASE」も出ていた。

それにしても、しかし何故?キャラが蛙???

2010年10月29日金曜日

「TOKYO DESIGNERS WEEK2010」始まる

外苑前「TOKYO DESIGNERS WEEK2010」絵画館前メイン会場へ。今年のテーマは「環境」×「デザイン」、キーワードは「LOVE BLUE」で、足下には"ブルーカーペット"。ショーデザイナーを務めるグエナエル・ニコラ氏(CURIOSITY)によれば「ブルーはインフィニティ、無限のイメージ」。

16:30 Super Studioにて「FUJITSU デザインアワード2011 キックオフミーティング@TDW」。A LIFE with Future Computingと題し、3年後の近未来を想定したノートパソコンのデザインと、2020年のコンピューティングを活用したライフスタイルを創造するデザインを、広く海外も含めて公募する。グエナエル・ニコラ氏ら審査委員3名によるトークセッションも開催。



グエナエル・ニコラ氏(キャリオシティ)は今回の東京デザイナーズウィーク(TDW)のショーデザイナーでもある。「TOKYO Design&Art ENVIROMENTAL AWARDS」のトロフィーのデザイン、幾つかのブースデザインでも監修を務めた。

TDW DOME で上映される「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」や、青山エリアを中止とした「SHOP EXHIBITION」に特別協賛している住生活グループ(LIXIL)のブース(クリエイティブディレクション:グエナエル・ニコラ氏)。INAXは上海万博でも話題となった「黄金色の便器」、トステムはジョージソーデン氏デザインの玄関ドアを出品。





DESIGN TENT 中央の「TERASU BAR」は、今回のテーマ「環境とデザイン」を見事に体現し、かつ思わず溜め息がもれる美しさ。


レジを囲っているカウンターは鏡面仕上げ、天井に吊られた照明が映り込んで星のよう。


同じくニコラ氏によるブース「FRENCH TOUCH」から「TERASU BAR」を見る。


「TERASU BAR」で使われているのは全てトライテラス社のLED製品。今年9月に発売された「スマートシャンデリア」(CMは"しょこたん"こと中川翔子)。
床全体が光ってみえるが、実は照らしているのは端のLEDバーのみ。


同社ではこの年末、文房具「カドケシ」などを手掛けた神原秀夫氏( BARAKAN DESIGN、TOTO出身のデザイナー)による新商品を発売予定。球形に組み合わせたシャンデリアも展示中。



カドケシ」を世に出したのがコクヨのデザインアワード。次回「KOKUYO DESIGN AWARD 2011」のテーマがキリトリ式ペーパーで発表されていた。こちらの会場デザインもニコラ氏。




産業廃棄物の新たな可能性を見出そうとする「NAKADAI PROJECT」は、リサイクル企業(株)ナカダイとNPOデザインアソシエーションの共同PJ。ブースはLANケーブルの生産過程で生じる工場廃棄物の半端モノ(ばり)で建て込まれている。カラーサンプルは青とオレンジが目立つがかなり豊富。

建築は伊東豊雄事務所出身のフロリアン・ブッシュ氏、照明は岡安泉氏、安東陽子氏は天井に張られたテキスタイルを担当。ほか音楽、プロダクトの各分野10名がクレジットされている。




昨年は伊東豊雄、藤本壮介、妹島和世画のTシャツを販売したNPOハートフルジャパン、今年は「建築家・デザイナーのデザインした缶バッジ」。
ブースデザイン:大西麻貴。照明はLED+ペットボトル! 大西麻貴+百田有希blog(10/15)に詳しい。


藤森照信、隈研吾、ザハ・ハディド、吉岡徳仁ら豪華11人の「作品」がなんと300円で買える。石上純也缶バッチは"1色塗り"だが300個全て色が微妙に違うとのこと。西沢立衛「三つ子」のうち一番カワイイ子をゲット。



恒例の「プロフェッショナルエキシビション」には今年もトネリコ、町田ひろ子アカデミーほか29組が出展。
成瀬・猪熊建築設計事務所は、《科学未来館》での「デザイン×科学 地球マテリアル会議展」会場に山と積んだ木造建築廃材の再生紙を、家型の付箋に進化させてきた。。


この再生紙は「瀬戸内国際芸術祭」において、ある作家の作品で障子紙に利用された。「一巡して感無量」と成瀬さん。

この「プロフェッショナルエキシビション」の奥、L字に配されたテントの一番奥にある美術展「TDW ART jalapagos(ジャラパゴス)展」もお見逃しなく。会田誠、束芋、名和晃平、村上隆、山口晃氏らによる計29作品を展示中。もちろん会場入場料込で見られる。


18:00 「CHINTAI DOME」にてTDW2010オープニングパーティ。「TOKYO Design&Art ENVIROMENTAL AWARDS」のうち「Designers of the year」受賞式も行なわれ、隈研吾氏がプレゼンターで登壇するなど華やか。




10/30(土)は台風接近の為、急遽1日closeが決まった。10/31(日)は通常の11時より開場予定。

なお、会場の様子は、[japan architects-blog](10/29)など各媒体web速報にいろいろと詳しい。

11/2追記:「はやぶさ」上映最終回を観る(特別協賛:住生活グループ LIXIL)。海外からの来場者が要所で「 WOW!!!」と歓声をあげて盛り上がるのが面白かった。

「DESIGNTIDE TOKYO 2010」始まる

東京ミッドタウン「DESIGNTIDE TOKYO 2010」プレス内覧会へ。今年の会場構成は中村竜治氏。
会場構成については公式ガイドブック巻末、または公式サイト上の中村竜治氏へのインタビュー:TIDE TALKに詳しい。出展作品が並ぶ前の"がらんどう"な会場の様子は、[excite]イズムコンシェルジュ(加藤孝司氏の記事)でよくわかる。
足下はガッチリ固定されているように見えるが、せいたかのっぽの鉄板の間をすり抜ける時、うっかり身体が触れると、2枚合わさった細い鉄板がゆーらゆーらと揺れたりするもんだから驚いた(壊したかと思った)。
タイドエキシビション出展作品。
《巣鴨信用金庫 常盤台支店》や、中川ケミカルショールームCS DESIGNCENERを手掛けた事で知られるエマニュエル・ムホー氏の作品は、それ以上に繊細。カーボン=計2000枝で構成された「eda」は、とてもデジカメでは映らないので、実際に会場で是非。

MILE(:参のデザイン PJ)は、大理石をカッティングした自転車ストッパー、真鍮のドアハンドル(協力:ユニオン社)の2つ、「LOVE ONE」PJの新商品を発表。
フランク・ラ・リヴィエレ /Flank la Riviere Architects inc「CHAIR 1 COLOR & LINE CHAIR」は、パーツの色や素材を変え、組み合わせ次第でいろいろなタイプに。
制作協力:マルニ ファニシング
501DESIGNATUDIO(ゴーマルイチデザインスタジオ)の"ものさし"。7色のアクリル樹脂を張り合わせ、1色=1センチになるようカッティング。もの凄い高度な技術で作られているらしいが、定規としてはアバウトという、相反する要素を内在した「RAIBOW RULER」。

元木大輔建築設計事務所(スキーマ建築設計から元木氏が今年独立)のブース。ふっかふかの布団が折り畳まれて椅子になった「Sleepy chair」の気持ち良さは、日本人心理に訴えかけてくる。手前の「Lost in Sofa」は、よくモノを紛失しがちなソファの隙間を、読みかけの本とかペンとかペンギン?とかをいっそ挟んでしまえ、という椅子。
Design Office MARRON 「Origin」はたった3本の、しかもそれぞれは独立した脚で、20kgものガラス天板を支えている
Tensegrity構造)。
大村卓/オーデザインFloating Vase」にはかなり感動した。あたかも水面に浮いているかのように見える一輪挿しの花器である。

タイドマーケットにて。
昨年は家具を発表したNOSIGNER(ノザイナー)の作品。「HK white peal」は、強力磁石ネオジウムに、大阪和泉の人造真珠の技法を用いた塗装を施したもの。糸など通っていない、持ち主の意のままに形を変える、NOSIGNER氏いわく「引力を持った真珠」。絶賛販売中。
TIDE ExhibitionとMarketの間にある「Antron Carpet Design Project」。
CU(クウ)永山祐子+ながやまのりこ、津村耕佑、enamelの3組が出展。
制作協力:(株)川島織物セルコン、住江織物(株)、(株)オーノ