昨年暮れにオープンした《巣鴨信用金庫 江古田支店》を見学。
立地は西武池袋線江古田駅南口から徒歩5分、千川通り沿い。昭和36年(1961年)からこの地で営業していた支店を建て替えた。建築設計は、巣鴨信用金庫(以下巣鴨信金)常盤台支店、志村支店に続き、エマニュエル・ムホー氏(emmanuelle moureaux architecture + design)が手掛けた。
設計に際し、現地を訪れたムホー氏は、駅から続く商店街や住宅が立ち並び、道往く人々との距離が近いことに興味を覚えたという。これらの複雑さとコンパクトな敷地を活かし、外と内との境を曖昧にした、両者がうまく混ざりあっている空間イメージした。また建物それ自体が店の看板となるような外観とした。
敷地面積は574.08平米、建築面積405.36平米、延床面積566.18平米、建物は鉄骨造。
店舗は歩道から2メートルほどセットバックしていて、ウッドデッキにはカラフルなスティックが29本、天を突くように立っている(全長8.91メートル)。
通りに面したガラスウォール越しに、店舗内にも同じようなスティックが立ち並んでいるのが見える。
側面にまわり、外部連続したエントランスから店舗内へ。
向かって右側がATMや窓口などオフィス空間、正面はガラスで囲まれた中庭が2つ、左側は高さ7.25メートルの吹き抜け空間で、スティックと同じ配色のチェアが置かれた、来店者の待合いスペース。
ムホーさんの説明によれば、空間は以下の4層構造に。
1.歩道からセットバックさせた外部デッキ
2.待ち合いスペース(内部)
3.中庭(再び外部)
4.奥のオフィス空間
志村支店のデザイン・キーワードは「虹のミルフィーユ」だったが、今回は「レインボーシャワー」。
見学時は晴天、冬の陽光が差し込み、ぽかぽかと心地良い。見上げれば、中庭上部に四角く切り取られた青空が。
中庭の植栽は真っ直ぐ成長していく竹をセレクト。
使われている色は全部で18色。エントランス側から黄色やオレンジなどの暖色系を配し、一番奥は青色。先ず暖かな色(気持ち)でお客様を迎えるという、巣鴨信金のホスピタリティを表現している。
巣鴨信金は公式サイトで「心迎喜会(しんげいきえ)」というキーワードを掲げている。これは「お客様に感謝し、その出会いを喜び、心からのおもてなしでお迎えしたい」という気持ちを表した造語とのこと。1分1秒でも長く店の中にとどまって、お客様にくつろいでいただけるような、ホスピタリティ溢れる空間を――という巣鴨信金からムホー氏へのリクエストは、ムホー氏が店舗デザインに関与するきっかけとなった新座支店の頃から一貫して変わらない。
千川通り側と、中庭のガラス面には、フロアから1メートル50センチくらいの高さに、スティックのパターン図がカッティングシートで張られている。ちょっとした色の仕掛けだが、衝突防止も兼ねているとのこと。
この立体作品「sticks」は、昨年9月にプリズミックギャラリーで開催された企画展「色切/shikiri」に出展されていた。
1階 窓口などオフィス空間。
1階トイレは完全なるバリアフリー対応。
2階へ。波打つ形状の手摺りは志村支店でも使われているデザイン。掴むと、手に優しいかたち。
2階は融資など法人・事業朱向けの窓口。1階奥には打合せスペース(個室)も用意。
2階奥の打合せスペースから、ガラス越しの1階見下ろし。色が雨のように降り注いでいる。
「色には元気をもらう効果があると思う」とムホー氏が語る通り、いわゆる金融機関の中に居るとは思えない、心地良くも楽しい現場見学会だった。
2013年1月30日水曜日
2013年1月28日月曜日
建設中の《仮称京橋Tビル》のファサード
京橋三丁目の交差点にて、鍛冶橋通の宝町方向に、工事中のビルが目に入る。
グレーのグラデーションがついたファサードが特徴的。
下からの見上げ。白色と、微妙に色を変えたグレー数種によるルーバーか? それとも反射の加減か?
工事看板によれば、ビル名称は「(仮称)京橋Tビル」、東洋熱工業(株)本社ビルの建て替え工事中。設計・施工は鹿島建設(株)、設計監修に隈研吾建築都市設計事務所が名を連ねていた。
正面と斜め側面からのファサードの表情が全く異なる。
地上14階建て。竣工は今年9月の予定。施主である東洋熱工業のリリースによれば、国交省の平成23年度「住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されたとのこと。
グレーのグラデーションがついたファサードが特徴的。
下からの見上げ。白色と、微妙に色を変えたグレー数種によるルーバーか? それとも反射の加減か?
工事看板によれば、ビル名称は「(仮称)京橋Tビル」、東洋熱工業(株)本社ビルの建て替え工事中。設計・施工は鹿島建設(株)、設計監修に隈研吾建築都市設計事務所が名を連ねていた。
正面と斜め側面からのファサードの表情が全く異なる。
地上14階建て。竣工は今年9月の予定。施主である東洋熱工業のリリースによれば、国交省の平成23年度「住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されたとのこと。
ラベル:
東京建築中MAP
2013年1月21日月曜日
TOTOギャラリー・間「ここに、建築は、可能か」
TOTOが運営するTOTOギャラリー・間にて「ここに、建築は、可能か 第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」が1/18より開催中。今回の展示は2012年の8/29~11/25に開催された第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞した日本館の展示を再構成し、さらに「みんなの家」の完成後の姿を写真家・畠山氏の写真によって紹介している。
3F展示会場
現地で展示された「みんなの家」の百数十個のスタディ模型、スケッチ、動画が展示されている。作品の展示台は津波による浸水被害を受けた気仙杉の丸太(「みんなの家」でも資材となっている)を使用。壁面には畠山氏によるパノラマ写真が展示。
初期の段階の模型。伊東氏の呼びかけにより集まった3人の建築家、乾氏、藤本氏、平田氏。個性豊かな建築家がひとつのものをみんなでつくるということに最初はやはり不安な面もあったという。模型にはひとつひとつ、日付やコメントが記載されている。
最終的にまとまった「みんなの家」1/10模型とスケッチ。
中庭にはモックアップが展示されている。
4F展示会場
4Fでは畠山氏の写真により建設のプロセスを見ることができる。
関連の書籍は1/22に発売予定。
関係者のみの内覧会では、「みんなの家」の管理人の菅原みき子さんも参加をし、建設に至るまでの話や現在の「みんなの家」の様子を話した。
関連のシンポジウム「だれのために建築は建てられるのか― 「みんなの家」から学んだこと」は3/11に津田ホールにて開催予定。事前申込制で申込は2/17まで。(詳細はこちらより)
3F展示会場
現地で展示された「みんなの家」の百数十個のスタディ模型、スケッチ、動画が展示されている。作品の展示台は津波による浸水被害を受けた気仙杉の丸太(「みんなの家」でも資材となっている)を使用。壁面には畠山氏によるパノラマ写真が展示。
初期の段階の模型。伊東氏の呼びかけにより集まった3人の建築家、乾氏、藤本氏、平田氏。個性豊かな建築家がひとつのものをみんなでつくるということに最初はやはり不安な面もあったという。模型にはひとつひとつ、日付やコメントが記載されている。
最終的にまとまった「みんなの家」1/10模型とスケッチ。
中庭にはモックアップが展示されている。
4F展示会場
4Fでは畠山氏の写真により建設のプロセスを見ることができる。
関連の書籍は1/22に発売予定。
関係者のみの内覧会では、「みんなの家」の管理人の菅原みき子さんも参加をし、建設に至るまでの話や現在の「みんなの家」の様子を話した。
関連のシンポジウム「だれのために建築は建てられるのか― 「みんなの家」から学んだこと」は3/11に津田ホールにて開催予定。事前申込制で申込は2/17まで。(詳細はこちらより)
2013年1月18日金曜日
東京ビッグサイト「第1回東京デザイン照明展」にて
次世代照明(LED/有機EL)、デザイン照明、照明技術に関する専門展「ライティング ジャパン2013」は、東京ビッグサイト西棟にて本日17時まで(主催:リード エグジビジョン ジャパン株式会社)。
第1回東京デザイン照明展会場にて、福岡の(株)イー・エル・テクノ(EL Techno Inc)の出展作品「アクリルランプ/たんぽぽ」。
デザイン:齋藤正春+ EL Technoデザインスタジオ、サイズ:W6×D6×K9.5㎝
会場配布のカタログによれば、この「たんぽぽ」以外にも別の素材を入れたシリーズを展開予定とのこと。
第1回東京デザイン照明展会場にて、福岡の(株)イー・エル・テクノ(EL Techno Inc)の出展作品「アクリルランプ/たんぽぽ」。
デザイン:齋藤正春+ EL Technoデザインスタジオ、サイズ:W6×D6×K9.5㎝
会場配布のカタログによれば、この「たんぽぽ」以外にも別の素材を入れたシリーズを展開予定とのこと。
2013年1月17日木曜日
六本木《メルセデス・ベンツ コネクション》移転オープン
六本木の東京ミッドタウン前にあった《Mercedes-Benz Connection(メルセデス・ベンツ コネクション)》が、外苑東通を乃木坂駅方向へ100メートルほど引越した。前の建物も未だ建っていたが、あれは期間限定ショップだったらしい。
1月18日(金)にオープン、17日夜はレセプションが行なわれていた。公式FBが詳しい。
1月18日(金)にオープン、17日夜はレセプションが行なわれていた。公式FBが詳しい。
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