南池袋2丁目で建設が進む「豊島区新庁舎」、現在の姿。昨年2月に着工、竣工は2015年(平成26年)末の予定(詳細:豊島区公式サイト>新庁舎整備事業ページ)。
施工は大成建設、設計・監理は日本設計(構造設計協力:大成建設)、外観および一部共用部のデザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所。
今年7月に聴講した「建築家フォーラム第122回:ランドスケープ・プラスの仕事」に登壇したランドスケープ・プラス代表の平賀達也氏の話によれば、台形状の中・低層部分の壁面と10Fの屋上は緑化される予定。名称はそれぞれ「豊島エコミューゼ」「豊島の森」。
北西側からの見上げ。
地下3階+地上49階という規模。1Fから10Fが庁舎部分と事務所・商業施設、11Fから49Fに住宅432邸が入るという大型複合タワーで、建物名称は公募で「としまエコミューゼタウン」に決まっている(参照元:南池袋二丁目A地区市街地再開発組合+東京建物+財団法人首都圏不燃建築公社 3/19発信リリースPDF)。
南東側からの見上げ。
住宅部分の「Brillia Tower 池袋」は今春モデルルームが公開され、すでに全室完売とのこと。
場所はこのへん。現在位置:地下鉄有楽町線東池袋駅の2番出口付近。地図上で「南池袋第一区民集会室」と表示されているエリアがサイト。
高速道路の高架越しの眺め。現在は16-17Fあたりか。高層部分はおそらくこの約3倍の高さに。
注/本画像は先週金曜日10時頃に撮影したものです
2013年11月13日水曜日
2013年11月12日火曜日
ゼロファーストデザイン、DI CLASSEコラボレーション展
代官山のゼロファーストデザインにてTOKYO DESIGNERS WEEKの期間中、DI CLASSEとゼロファーストデザインのコラボレーション展が行われた。
光が生み出す美しい影がコンセプトのナチュラルな照明DI CLASSEのイメージを、空間デザインも行うゼロファーストデザインの重厚感あるイメージに合わせ「森の光に迷い込む」というテーマで展示。

11月1日には、パーティーが行われ一般の方も参加可能でデザイナーやコーディネーターとの会話を楽しんだ。
ゼロファーストデザインのウィンドウスペースにはファンがつくほど好評。今後はクリスマス仕様が予定されている。
DI CLASSEもlux di classeにてクリスマスイベントが開催予定。
秋のデザインイベントの後は寒くて楽しい季節がやってくる。冬のイベントも楽しんでみてはいかがだろうか。
ゼロファーストデザイン公式ホームページ
DI CLASSE公式ホームページ
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展示会
2013年11月11日月曜日
エーディコア・ディバイズ新作展示発表
広尾にあるエーディコア・ディバイズのショールームにてブランドA-modeの新作発表が行われた(東京ショールームは11/6~8で開催)。A-modeは2009年にLA建築にインスパイアされイメージしたブランドで、2014年の新作は自然で優しい素材や色づかいを大切にしたデザイン。
新たにロサンゼルスで撮影した写真を掲載している新総合カタログ2014-15も配布を開始。
ダイニングセット
無垢材のフレームを持ち、ゆとりのあるミドルサイズのダイニングチェアと
素材感を感じさせるうずくり加工の無垢天板にスチールの脚部を組み合わせたテーブル。
テーブルの脚部は取り付け位置がボルトにより変更可能。
リビングセット
ウェーブスプリングを用いしっかりとした座り心地のラウンジチェアは、背の高さもハイとローの2タイプある。ローテーブルは上写真のダイニングテーブルと同じデザイン。
脚のスチールの色が以前は、ブラックとシルバーのみだったが、新作よりビンテージブラックという炭色のような黒が仲間入り。
こちらが背がハイタイプのラウンジチェア。
L字型のリビングソファは、背中のクッション(ハイバックバージョンも有)の取り外しが可能。
座面にはベットのマットレスにもつかわれているポケットコイルスプリングを使用していて、デイベットとしても使用したりと様々な使い方が出来る。
写真の張地は優しい生地感のイタリア製フランネルチェック。
ラウンジソファは、以前のモデルよりサイズアップしたもので、背もたれの3次元フォルムが身体を包み込む。
新作展示発表会は、週明け11/11・12で名古屋ショールーム、11/14・15で大阪ショールームにても開催される。
ダイニングセット
無垢材のフレームを持ち、ゆとりのあるミドルサイズのダイニングチェアと
素材感を感じさせるうずくり加工の無垢天板にスチールの脚部を組み合わせたテーブル。
テーブルの脚部は取り付け位置がボルトにより変更可能。
リビングセット
ウェーブスプリングを用いしっかりとした座り心地のラウンジチェアは、背の高さもハイとローの2タイプある。ローテーブルは上写真のダイニングテーブルと同じデザイン。
脚のスチールの色が以前は、ブラックとシルバーのみだったが、新作よりビンテージブラックという炭色のような黒が仲間入り。
こちらが背がハイタイプのラウンジチェア。
L字型のリビングソファは、背中のクッション(ハイバックバージョンも有)の取り外しが可能。
座面にはベットのマットレスにもつかわれているポケットコイルスプリングを使用していて、デイベットとしても使用したりと様々な使い方が出来る。
写真の張地は優しい生地感のイタリア製フランネルチェック。
ラウンジソファは、以前のモデルよりサイズアップしたもので、背もたれの3次元フォルムが身体を包み込む。
新作展示発表会は、週明け11/11・12で名古屋ショールーム、11/14・15で大阪ショールームにても開催される。
2013年11月10日日曜日
六本木ヒルズに「ネオレストカフェ」2日間限定オープン
六本木ヒルズ内 大屋根プラザに、TOTO(株)による「ネオレストカフェ」が11/9(土)、10(日)の2日間限定でオープン。
同社の製品である、タンクレスのウォシュレット一体成形便器「ネオレスト」の発売20周年を記念したイベント「NEOREST×4CREATORS」の一環で、先の「東京デザイナーズウィーク2013」出展ブースに引き続き、トラフ建築設計事務所、橋田規子、野老朝雄、ミヤケマイの4組の作家・建築家とのコラボレーション。
トラフ建築設計事務所とアーティスト野老朝雄氏による、バースデーケーキをモチーフとした円形ステージ上に並べられた「ネオレスト」には、誰でも自由に座ることが出来る。中央に堆く積まれているのは、会場でアンケートに答えるともらえる本日発売の「トイレットペーパー型川柳集」。放物線状に配された「ネオレスト」はもしや「苺」か?
会場は「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」前、大屋根の下。ふだんからテーブルと椅子が置かれたオープンスペースとなっているが、会期中は丸テーブルの天板が野老さんのグラフィック(紋)仕様に。山梨から出店したというカフェのドリンクを買い、どちらの「椅子」で味わうもよし。
会場では、先の「TDW2013」における展示の一部も再現。美術家・ミヤマケイ氏による鏡を使った作品ブースの出口付近には、10/17に発表された「第9回トイレ川柳」入賞作品および上位の"名句"3首が書かれた"トイレットペーパー"がさがる。
3輪オートバイ「トイレバイク ネオ(Toilet Bike Neo)」の現物展示も。同バイクは、家畜の糞尿や生活排水から出るメタンガスから生成して作られるバイオガス燃料で走る(公道走行中の様子は、2011年9月開設の「トイレバイク ネオ」twitterや、 昨年8/29付の Youtube 上で公開されている)。
会場で貸し出している、白い○○○が付いた専用ヘルメットを被り、ネオレストの座席に股がる子供らに混じって、大人の姿もちらほら。
会期最終日11/10(日)のオープンは11時から20時まで。
なお、11月10日は「いいトイレ」と読めることに因んで日本トイレ協会が1986年に制定した「トイレの日」。会場では15時から、今回のイベント全体の監修と空間設計を担当したトラフ建築設計事務所ら出展作家によるトークショーを開催予定(予約不要、無料)。出展作家プロフィールなど詳細はTOTOニュースリリースを参照のこと。
同社の製品である、タンクレスのウォシュレット一体成形便器「ネオレスト」の発売20周年を記念したイベント「NEOREST×4CREATORS」の一環で、先の「東京デザイナーズウィーク2013」出展ブースに引き続き、トラフ建築設計事務所、橋田規子、野老朝雄、ミヤケマイの4組の作家・建築家とのコラボレーション。
トラフ建築設計事務所とアーティスト野老朝雄氏による、バースデーケーキをモチーフとした円形ステージ上に並べられた「ネオレスト」には、誰でも自由に座ることが出来る。中央に堆く積まれているのは、会場でアンケートに答えるともらえる本日発売の「トイレットペーパー型川柳集」。放物線状に配された「ネオレスト」はもしや「苺」か?
会場は「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」前、大屋根の下。ふだんからテーブルと椅子が置かれたオープンスペースとなっているが、会期中は丸テーブルの天板が野老さんのグラフィック(紋)仕様に。山梨から出店したというカフェのドリンクを買い、どちらの「椅子」で味わうもよし。
会場では、先の「TDW2013」における展示の一部も再現。美術家・ミヤマケイ氏による鏡を使った作品ブースの出口付近には、10/17に発表された「第9回トイレ川柳」入賞作品および上位の"名句"3首が書かれた"トイレットペーパー"がさがる。
3輪オートバイ「トイレバイク ネオ(Toilet Bike Neo)」の現物展示も。同バイクは、家畜の糞尿や生活排水から出るメタンガスから生成して作られるバイオガス燃料で走る(公道走行中の様子は、2011年9月開設の「トイレバイク ネオ」twitterや、 昨年8/29付の Youtube 上で公開されている)。
会場で貸し出している、白い○○○が付いた専用ヘルメットを被り、ネオレストの座席に股がる子供らに混じって、大人の姿もちらほら。
会期最終日11/10(日)のオープンは11時から20時まで。
なお、11月10日は「いいトイレ」と読めることに因んで日本トイレ協会が1986年に制定した「トイレの日」。会場では15時から、今回のイベント全体の監修と空間設計を担当したトラフ建築設計事務所ら出展作家によるトークショーを開催予定(予約不要、無料)。出展作家プロフィールなど詳細はTOTOニュースリリースを参照のこと。
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モビールブランド「tempo」発表展示会 11/10(日)まで
恵比寿南のアートブックショップ/ギャラリー POST にて、日本では初となるコンテンポラリーモビールのブランド「tempo」の設立と作品披露をかねた展示会が開催されている。
「tempo」を立ち上げたのは、日本各地の工場や職人・デザイナーなど人と人を繋ぎ、各地それぞれの文化や技術、素材の特性をいかした商品開発によって、数々のオリジナルプロダクツを世に送り出してきた、群馬県邑楽郡に事務所を構える(有)mother tool 。
このたび mother toolでは、素材に精通したデザイナーや建築家と考える新しいモビールブランド「tempo」を立ち上げます。「重力」「バランス」「リズム」「素材」「動き」・・・ tempoのモビールの特徴は、これらの要素をダイレクトに感じられるよう具象的な表現ではなく幾何学などの抽象表現でデザインされていることです。すべての製品はデザイナーが考える重力やバランスへの解答であり、時間と空間にアプローチした新しいプロダクトです。
それは「アッセンブルのプロフェッショナル」によってバランスが損なわないよう、丁寧に手作業で組み立てられています。ひとつひとつの音が集まりハーモニーを奏でるオーケストラのように多層的な魅力が詰まっているプロダクト、それがtempoのモビールです。ーー以上、「tempo」公式サイトより転載。
参画したデザイナーは、寺田尚樹氏、藤森泰司氏、DRILL DESIGN(林裕輔氏+安西葉子氏)、MUTE(イトウケンジ+ウミノタカヒロ)、村澤一晃、そしてmother tool。DRILL DESIGNは「tempo」のディレクションと本展の会場構成も手掛けた。
右手前:DRILL DESIGN「constellation」
中央:藤森泰司「throughout」
左奥:村澤一晃「satellite」
地券紙から作られた段ボールによる商品パッケージもDRILL DESIGNがデザイン。但し、箱の中身—モビールが壊れないよう、かつ美しく納めるかについては、箱のサイズも含めて各デザイナーに一任された。
右奥:前述・村澤一晃氏「satellite」。
中央:DRILL DESIGN「brain」
左奥:mother toolが手掛けた「perspective」
DRILL DESIGN による「brain」をはじめとして、空調の送風でゆらゆらと揺れ動き、刻々と変化する壁に落ちた影も美しい。
会場では、各モビール作品に実際に触れて、バランスの具合を試すこともできる。
カラフルなアクリル・スティックによるモービル作品は、寺田尚樹氏の「I’m only sleeping」。下の画像はパッケージ。
寺田氏は上記のほかにも、小さな錘(おもり)の反対側に写真やカードを取り付けることで完成する「please Mr. postman」も出展中(弊社FB掲出の画像を参照)。
なお、ブランド名の「tempo(テンポ)」にちなんで、それぞれの作品には楽曲名があてられている。
DRILL DESIGN「energy flow」の素材はステンレスとガラスチューブ。垂直のガラスチューブを下に引っ張り、離すと、モービル全体がスローモーションのように上下する。
左手前:MUTEがデザインした「circle waltz」。大小3つの輪の素材は、巻き尺などに使われるカーボンスチール(高炭素鋼)。重さは僅か15グラム。
ほとんどの作品は100グラム以下またはその前後と軽量なので、画鋲でとめて吊り下げられる(「throughout」など一部の作品を除く)。
カラーバリエーションや価格など詳細は、「tempo」公式サイトを参照のこと。各ページをスクロールすると、作品やブランドロゴがくるくると回転するのもモビールブランドらしい楽しい仕掛け。
会期は11/10(日)が最終日。開廊は POST 営業時間に準じた12時から20時、入場無料。
「tempo」を立ち上げたのは、日本各地の工場や職人・デザイナーなど人と人を繋ぎ、各地それぞれの文化や技術、素材の特性をいかした商品開発によって、数々のオリジナルプロダクツを世に送り出してきた、群馬県邑楽郡に事務所を構える(有)mother tool 。
このたび mother toolでは、素材に精通したデザイナーや建築家と考える新しいモビールブランド「tempo」を立ち上げます。「重力」「バランス」「リズム」「素材」「動き」・・・ tempoのモビールの特徴は、これらの要素をダイレクトに感じられるよう具象的な表現ではなく幾何学などの抽象表現でデザインされていることです。すべての製品はデザイナーが考える重力やバランスへの解答であり、時間と空間にアプローチした新しいプロダクトです。
それは「アッセンブルのプロフェッショナル」によってバランスが損なわないよう、丁寧に手作業で組み立てられています。ひとつひとつの音が集まりハーモニーを奏でるオーケストラのように多層的な魅力が詰まっているプロダクト、それがtempoのモビールです。ーー以上、「tempo」公式サイトより転載。
参画したデザイナーは、寺田尚樹氏、藤森泰司氏、DRILL DESIGN(林裕輔氏+安西葉子氏)、MUTE(イトウケンジ+ウミノタカヒロ)、村澤一晃、そしてmother tool。DRILL DESIGNは「tempo」のディレクションと本展の会場構成も手掛けた。
右手前:DRILL DESIGN「constellation」
中央:藤森泰司「throughout」
左奥:村澤一晃「satellite」
地券紙から作られた段ボールによる商品パッケージもDRILL DESIGNがデザイン。但し、箱の中身—モビールが壊れないよう、かつ美しく納めるかについては、箱のサイズも含めて各デザイナーに一任された。
右奥:前述・村澤一晃氏「satellite」。
中央:DRILL DESIGN「brain」
左奥:mother toolが手掛けた「perspective」
DRILL DESIGN による「brain」をはじめとして、空調の送風でゆらゆらと揺れ動き、刻々と変化する壁に落ちた影も美しい。
会場では、各モビール作品に実際に触れて、バランスの具合を試すこともできる。
カラフルなアクリル・スティックによるモービル作品は、寺田尚樹氏の「I’m only sleeping」。下の画像はパッケージ。
寺田氏は上記のほかにも、小さな錘(おもり)の反対側に写真やカードを取り付けることで完成する「please Mr. postman」も出展中(弊社FB掲出の画像を参照)。
なお、ブランド名の「tempo(テンポ)」にちなんで、それぞれの作品には楽曲名があてられている。
DRILL DESIGN「energy flow」の素材はステンレスとガラスチューブ。垂直のガラスチューブを下に引っ張り、離すと、モービル全体がスローモーションのように上下する。
左手前:MUTEがデザインした「circle waltz」。大小3つの輪の素材は、巻き尺などに使われるカーボンスチール(高炭素鋼)。重さは僅か15グラム。
ほとんどの作品は100グラム以下またはその前後と軽量なので、画鋲でとめて吊り下げられる(「throughout」など一部の作品を除く)。
カラーバリエーションや価格など詳細は、「tempo」公式サイトを参照のこと。各ページをスクロールすると、作品やブランドロゴがくるくると回転するのもモビールブランドらしい楽しい仕掛け。
会期は11/10(日)が最終日。開廊は POST 営業時間に準じた12時から20時、入場無料。
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2013年11月9日土曜日
「ホームセンターの資材だけで家を建てる男」@タモリ倶楽部 ON AIR

足場のクランプを含めて建設資材の殆どがホームセンターで廉価で手に入り、建設工事を実践しているのは極めて興味深い。
画像はオンエアのテレビ画面より(工事看板上では設計者は名和研二氏との連名)。
上野の森美術館「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展」
上野の森美術館でにて「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展 『清須会議』までの映画美術の軌跡、そして・・・」が10/12(土)から11/17(日)まで開催されている。
種田陽平氏は武蔵野美術大学油絵科在学中に寺田修司監督作品『上海異人娼館』(1981年公開)に絵画助手として参加、以来映画を中心に、テレビ、CM、舞台、ミュージックビデオなど幅広い分野で美術監督を務めている。 美術監督協会の公式サイトに拠れば、美術監督とは「映画製作における美術部門の総合責任者」とある。装飾、塗装、作画、造形などに秀でた映画製作会社の職人的な美術スタッフをとりまとめる。
種田氏が手掛けた主な作品に、岩井俊二監督『スワロウテイル』(1996)、リーチ・ガイ監督『不夜城』(1998)、押井守監督『イノセンス:Gost in the Shell2』(2004)、『空気人形』(2009)、『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ』、美術展では東京都現代美術館での「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」(2010)などがある(種田氏の公式サイトはこちら)。
本展では、三谷幸喜監督とのコラボした映画作品を中心に、映画セットの模型や図面、撮影に使用された小道具、建て込み中の貴重な映像などを通じて、映画における美術の仕事の一端を垣間見ることができる。
来場者を迎えるエントランスの左右に掲示されたバナーには、本展を象徴する「リサーチし、イメージし、設計し、つくりあげる、映画のために、街をつくる、街の中に部屋をつくる、人が集まり映画が始まる」の文字が。下地のビジュアルは、ロケハンでの写真やスケッチ、イメージボードの画など。「CGではなく、実際につくっているということを展示を通して伝え、何かを感じ取って欲しい」という種田氏からのメッセージ。
最初の展示室の出入口は、レトロな映画館を思わせるつくり。
種田氏が初めて三谷監督とタッグを組んだ『THE 有頂天ホテル』(2006年公開)の展示。
「全てのシーンをホテル内で撮れるような映画をつくりたい」というリクエストに応え、劇中に登場する4タイプのスイートルームやロビーラウンジだけでなく、ホテルのコンセプトから立ち上げ、1951年創業の(架空の)クラシックホテル「HOTEL AVANTI 」を誕生させた。
会場には、ホテル内の室内プレート、キーホルダー、アメニティ、劇中でチラリとしか映らない小道具の数々も展示されている。施主名が有頂天観光(株)の「HOTEL AVANTI 改修工事見取り図」のパネルも。
架空の港町の中でストーリーが展開する『ザ・マジックアワー』(2008公開)。東宝の5つのスタジオを使い、スタジオセットとしては当分破られないスケールで、「入江市守加護)いりのい市すかご)」のメインストリートを作り上げた。
物語の中心となる「港ホテル」「クラブ赤い靴」「天塩ビル」前のセットはリアルスケールだが、一番奥は1/2スケールになっている。また、カメラには映らないビルの隙間には空き缶が挟まっていたらしい。
「ステキな金縛り」(2011年公開)は法廷が舞台。現代の日本の裁判所にはないすり鉢式の円形状とし、映画ならではの演劇性を含ませた。
会場にも展示されている法廷の床は大理石に見えるが、実は木板で、塗装部のスタッフがそれらしく描いたもの。場面によってはこういう「つくり物感」が出るような演出が必要な場合もあるという。
同展オフィシャルブック(発行:ぴあ)に掲載されている種田氏へのインタビュー記事に拠れば、映画や舞台美術の世界に入ってくるのはデザイン科出身者が多く、ディテールからイメージを膨らませていくのが一般的だそうだが、種田氏の場合、先ずイメージ全体をひとつの大きな絵画のように捉えることから始まる。登場人物を取り巻く世界全体から考えて、人物が立ち振るまう小さな部屋や空間にイメージを落とし込んでいくのだという。
海外からのオファーも多い種田氏。なかでも名高いのは、クエンティン・タランティーノ監督作品『キル・ビル Vio.1』、クライマックスシーンに登場する「青葉屋」のデザインだろう。
「青葉屋」のセットは、旧北京撮影所最大のスタジオに鉄骨で堅牢に建てられた。「青葉屋」以外の日本パートでも種田氏が美術監督を務めている。
チャン・イーモウ監督『The Flowers of War ; 金陵十三釵」』(2011、日本未公開)。
東京ディズニーランドを上回る広い敷地に、主舞台となる教会のほか、劇中で爆撃される市街地、城門エリア、水路のある色街などがオープンセットでつくられた。
『The Flowers of War』を凌ぐスケールでは、台湾市近郊に10ヶ月かけてイチから6つの集落を建設した、ウェイ・ダーション監督作品『Warriors of the Rainbow ; セデック・バレ』。ほかキアヌ・リーブス初監督作品『Man of Tai Chi』、三谷氏の舞台『ベッジ・パードン』の美術資料なども展示。セットの写真パネルや図面、模型など、一見して建築展と見紛う構成で、種田氏がいう通り「映画は建築」なのかもしれない。
11/9(土)より公開の映画『清洲会議』の展示。種田氏は黒瀧きみえ氏と美術スタッフにクレジットされ、同作品の美術監督を務めた。
撮影に使用された1/10スケールの「清洲城」の二階建て天守の模型。
この時代に天守を有する城があったどうかは諸説あるが、映画上のフェィクとして「実在したかもしれない清洲城」がデザインされた。種田氏いわく「銀閣寺のイトコみたいな建物」。
杮葺(こけらぶき)の屋根は薄い板を一枚一枚貼り付けていった精緻なつくり。その一方で、画としてみた時に細くなってしまう柱は実際の建築寸法よりも太くしたり、屋根の反り具合など、各所で意図的なデフォルメが施されている。
映画の中の清洲城は、平安時代の寝殿造りを模した平屋の建物で、池がある中庭を中心に主要登場人物の居室が配置されている。それぞれの部屋の主の性格を表現したようなインテリアや衣装になっているそうだ(衣装デザインは黒澤和子氏)。
展覧会オープン前日に行なわれたプレス内覧会には、種田氏と三谷氏が出席、共につくりあげてきた4本の作品を振り返るとともに、展覧会のみどころなどを語った。
本展会場で有料で貸し出している音声ガイドは三谷氏と種田によるもの。4作品のサウンドトラックをバックに、作家と監督自身の声で、約30分間・20のガイドが楽しめる(清洲城の歴史解説を除く)。また展示の最後に、三谷監督が映画『清須城』のセット内を案内する映像の上映もあり。
告知:映画『清洲会議』公式サイトで11/5発信のNEWSによれば、本日11/9(土)17時より会場内にて種田氏によるギャラリートークが開催される(要入場料、予約不要)。
種田陽平氏は武蔵野美術大学油絵科在学中に寺田修司監督作品『上海異人娼館』(1981年公開)に絵画助手として参加、以来映画を中心に、テレビ、CM、舞台、ミュージックビデオなど幅広い分野で美術監督を務めている。 美術監督協会の公式サイトに拠れば、美術監督とは「映画製作における美術部門の総合責任者」とある。装飾、塗装、作画、造形などに秀でた映画製作会社の職人的な美術スタッフをとりまとめる。
種田氏が手掛けた主な作品に、岩井俊二監督『スワロウテイル』(1996)、リーチ・ガイ監督『不夜城』(1998)、押井守監督『イノセンス:Gost in the Shell2』(2004)、『空気人形』(2009)、『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ』、美術展では東京都現代美術館での「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」(2010)などがある(種田氏の公式サイトはこちら)。
本展では、三谷幸喜監督とのコラボした映画作品を中心に、映画セットの模型や図面、撮影に使用された小道具、建て込み中の貴重な映像などを通じて、映画における美術の仕事の一端を垣間見ることができる。
来場者を迎えるエントランスの左右に掲示されたバナーには、本展を象徴する「リサーチし、イメージし、設計し、つくりあげる、映画のために、街をつくる、街の中に部屋をつくる、人が集まり映画が始まる」の文字が。下地のビジュアルは、ロケハンでの写真やスケッチ、イメージボードの画など。「CGではなく、実際につくっているということを展示を通して伝え、何かを感じ取って欲しい」という種田氏からのメッセージ。
最初の展示室の出入口は、レトロな映画館を思わせるつくり。
種田氏が初めて三谷監督とタッグを組んだ『THE 有頂天ホテル』(2006年公開)の展示。
「全てのシーンをホテル内で撮れるような映画をつくりたい」というリクエストに応え、劇中に登場する4タイプのスイートルームやロビーラウンジだけでなく、ホテルのコンセプトから立ち上げ、1951年創業の(架空の)クラシックホテル「HOTEL AVANTI 」を誕生させた。
会場には、ホテル内の室内プレート、キーホルダー、アメニティ、劇中でチラリとしか映らない小道具の数々も展示されている。施主名が有頂天観光(株)の「HOTEL AVANTI 改修工事見取り図」のパネルも。
架空の港町の中でストーリーが展開する『ザ・マジックアワー』(2008公開)。東宝の5つのスタジオを使い、スタジオセットとしては当分破られないスケールで、「入江市守加護)いりのい市すかご)」のメインストリートを作り上げた。
物語の中心となる「港ホテル」「クラブ赤い靴」「天塩ビル」前のセットはリアルスケールだが、一番奥は1/2スケールになっている。また、カメラには映らないビルの隙間には空き缶が挟まっていたらしい。
「ステキな金縛り」(2011年公開)は法廷が舞台。現代の日本の裁判所にはないすり鉢式の円形状とし、映画ならではの演劇性を含ませた。
会場にも展示されている法廷の床は大理石に見えるが、実は木板で、塗装部のスタッフがそれらしく描いたもの。場面によってはこういう「つくり物感」が出るような演出が必要な場合もあるという。
同展オフィシャルブック(発行:ぴあ)に掲載されている種田氏へのインタビュー記事に拠れば、映画や舞台美術の世界に入ってくるのはデザイン科出身者が多く、ディテールからイメージを膨らませていくのが一般的だそうだが、種田氏の場合、先ずイメージ全体をひとつの大きな絵画のように捉えることから始まる。登場人物を取り巻く世界全体から考えて、人物が立ち振るまう小さな部屋や空間にイメージを落とし込んでいくのだという。
海外からのオファーも多い種田氏。なかでも名高いのは、クエンティン・タランティーノ監督作品『キル・ビル Vio.1』、クライマックスシーンに登場する「青葉屋」のデザインだろう。
「青葉屋」のセットは、旧北京撮影所最大のスタジオに鉄骨で堅牢に建てられた。「青葉屋」以外の日本パートでも種田氏が美術監督を務めている。
チャン・イーモウ監督『The Flowers of War ; 金陵十三釵」』(2011、日本未公開)。
東京ディズニーランドを上回る広い敷地に、主舞台となる教会のほか、劇中で爆撃される市街地、城門エリア、水路のある色街などがオープンセットでつくられた。
『The Flowers of War』を凌ぐスケールでは、台湾市近郊に10ヶ月かけてイチから6つの集落を建設した、ウェイ・ダーション監督作品『Warriors of the Rainbow ; セデック・バレ』。ほかキアヌ・リーブス初監督作品『Man of Tai Chi』、三谷氏の舞台『ベッジ・パードン』の美術資料なども展示。セットの写真パネルや図面、模型など、一見して建築展と見紛う構成で、種田氏がいう通り「映画は建築」なのかもしれない。
11/9(土)より公開の映画『清洲会議』の展示。種田氏は黒瀧きみえ氏と美術スタッフにクレジットされ、同作品の美術監督を務めた。
撮影に使用された1/10スケールの「清洲城」の二階建て天守の模型。
この時代に天守を有する城があったどうかは諸説あるが、映画上のフェィクとして「実在したかもしれない清洲城」がデザインされた。種田氏いわく「銀閣寺のイトコみたいな建物」。
杮葺(こけらぶき)の屋根は薄い板を一枚一枚貼り付けていった精緻なつくり。その一方で、画としてみた時に細くなってしまう柱は実際の建築寸法よりも太くしたり、屋根の反り具合など、各所で意図的なデフォルメが施されている。
映画の中の清洲城は、平安時代の寝殿造りを模した平屋の建物で、池がある中庭を中心に主要登場人物の居室が配置されている。それぞれの部屋の主の性格を表現したようなインテリアや衣装になっているそうだ(衣装デザインは黒澤和子氏)。
展覧会オープン前日に行なわれたプレス内覧会には、種田氏と三谷氏が出席、共につくりあげてきた4本の作品を振り返るとともに、展覧会のみどころなどを語った。
本展会場で有料で貸し出している音声ガイドは三谷氏と種田によるもの。4作品のサウンドトラックをバックに、作家と監督自身の声で、約30分間・20のガイドが楽しめる(清洲城の歴史解説を除く)。また展示の最後に、三谷監督が映画『清須城』のセット内を案内する映像の上映もあり。
告知:映画『清洲会議』公式サイトで11/5発信のNEWSによれば、本日11/9(土)17時より会場内にて種田氏によるギャラリートークが開催される(要入場料、予約不要)。
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2013年11月8日金曜日
ニーシング東京にて「グラフィティリン グ by 建築家・中山英之」開催中
南青山の「ニーシング東京」にて、「'Graffiti' Rings by Hideyuki Nakayama for Niessing (グラフィティリング by 建築家・中山英之)」が開催されている。
「二―シング東京」はドイツのジュエリーブランドNiessing社の日本1号店で、9/7(土)に同じ青山エリアから骨董通沿いに店舗を増床移転した。
空間デザインを手掛けたのはドイツの新進気鋭のデザインユニット「ドライフォルム」。店の奥の塗り壁の内装はドイツの土と職人の手で仕上げられるなど、貴金属のファクトリー、あるいはインダストリーといった「硬質」なイメージを排し、温かみのある空間となっている。
Niessing社はドイツ西部のフレーデンでウエディングリング専門の工房として1873年に創業、「美術と技術の融合」を掲げたバウハウスのデザイン思想を受け継ぎながら、職人たちの高い技術力とデザインセンスに支えられ、モダンジュエリーブランドしての地位を確立している。
同社のジュエリー・リング「Graffiti」は、スケッチや文字など描かれた線を、スキャニングして指輪の上に彫り込み、世界で1つしかないリングをオーダーできる。 今回、中山氏が描いた2種類のドローイングによる Graffiti Rings「リングのリング」と「メタルの木」が誕生、10/24(木)より披露されている。
「メタルの木」「リングのリング」には、それぞれ森と水を連想させるドローイングが描かれています。指の上で回すと、森の奥行きが変わり、泡の密度が変化し、ちいさなリングの上に、スケーレスな風景が広がります。――主催者発表ニュースリリースより<中山英之氏によるコメント>を全文転載。
作品発表にあわせて、中山英之建築設計事務所の過去の作品模型と、二―シングのジュエリーがコラボレーションしたインスタレーションも展開中。
「小さすぎるビル」
(ショーケースの裏側・通り側からの画像 : photo Takumi Ota)
「草原の大きな扉」
「K湖のN邸」
11/2(土)には同店にて、中山氏と今回のディレクションを務めた岡田栄造氏(S&O DESIGN代表)のトークイベントも開催された。
今回の企画が持ち込まれる前から、中山氏は二―シングのジュエリーについて造詣が深かったという偶然の経緯がある。
インスタレーションの展示は11/10(日)まで、オープンは「二―シング東京」営業時間(11:00-19:30、水曜定休)に準じる。
「二―シング東京」はドイツのジュエリーブランドNiessing社の日本1号店で、9/7(土)に同じ青山エリアから骨董通沿いに店舗を増床移転した。
空間デザインを手掛けたのはドイツの新進気鋭のデザインユニット「ドライフォルム」。店の奥の塗り壁の内装はドイツの土と職人の手で仕上げられるなど、貴金属のファクトリー、あるいはインダストリーといった「硬質」なイメージを排し、温かみのある空間となっている。
Niessing社はドイツ西部のフレーデンでウエディングリング専門の工房として1873年に創業、「美術と技術の融合」を掲げたバウハウスのデザイン思想を受け継ぎながら、職人たちの高い技術力とデザインセンスに支えられ、モダンジュエリーブランドしての地位を確立している。
同社のジュエリー・リング「Graffiti」は、スケッチや文字など描かれた線を、スキャニングして指輪の上に彫り込み、世界で1つしかないリングをオーダーできる。 今回、中山氏が描いた2種類のドローイングによる Graffiti Rings「リングのリング」と「メタルの木」が誕生、10/24(木)より披露されている。
「メタルの木」「リングのリング」には、それぞれ森と水を連想させるドローイングが描かれています。指の上で回すと、森の奥行きが変わり、泡の密度が変化し、ちいさなリングの上に、スケーレスな風景が広がります。――主催者発表ニュースリリースより<中山英之氏によるコメント>を全文転載。
以上3点の画像 : photo Takumi Ota
作品発表にあわせて、中山英之建築設計事務所の過去の作品模型と、二―シングのジュエリーがコラボレーションしたインスタレーションも展開中。
「小さすぎるビル」
(ショーケースの裏側・通り側からの画像 : photo Takumi Ota)
「草原の大きな扉」
「K湖のN邸」
「K湖のN邸」の部分拡大 : photo Takumi Ota
11/2(土)には同店にて、中山氏と今回のディレクションを務めた岡田栄造氏(S&O DESIGN代表)のトークイベントも開催された。
今回の企画が持ち込まれる前から、中山氏は二―シングのジュエリーについて造詣が深かったという偶然の経緯がある。
「The Niessing Ring(ザ・ニーシングリング)」(画像:主催者提供)
同ブランドを代表する「ザ・ニーシングリング」は、リングのアームの張力だけでダイヤモンドなどの石を固定し、固定のための爪を一切不要とした画期的なものだが、このデザインコンセプトのテキストをかつて読んだ時、中山氏は「これは建築だ!」と感動を覚えたそうである。
インスタレーションの展示は11/10(日)まで、オープンは「二―シング東京」営業時間(11:00-19:30、水曜定休)に準じる。
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