2019年2月21日木曜日

企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~内覧会

日本科学未来館(東京・お台場)において、2月8日(金)から始まった企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~【主催:日本科学未来館、読売新聞社、フジテレビジョン、BS日テレ】内覧会へ。
本展公式サポーターANZEN漫才の二人と四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン【日立建機】
本展は、普段立ち入ることができない工事現場の内側を探検する企画展。初の国産油圧ショベルや、ブルドーザ、ホイールローダ、最新の四脚クローラ方式双型コンセプトマシンなど、多種多様な大迫力の重機の実物が勢揃いする。
さらには、ゴーグルをかぶるだけで地面の下の様子を把握できる映像システムや、水中など危険が伴う現場で作業員の安全を確保する遠隔操作技術など、工事現場に導入された先端技術を実機や映像で紹介。
工事現場に秘められた人類の知恵や重機の仕組み、重機が文明に与えた影響など、様々な角度から“掘り”下げる。

展示構成は大きく7つから構成される。
この記事では、展示の一部をレポートする。

【プロローグ】「地球」工事中!―文明を築く技術
人類誕生からこれまでの土木技術の営みを絵巻調のイラストで紹介。また、最新の双重機の実機を展示し、重機に関する過去から近未来を紹介する。

【第1章】「大地」工事中!―世界を拓く重機たち
土砂をすくいあげたり、大地の形を整えたりすることのできる重機を紹介するエリア。ブルドーザやホイールローダの実機を間近で観察し、大地を切り拓く力強さや迫力を感じられる。

【第2章】「都市」工事中!―建物、街、生活をつくる
街中の大規模工事現場の様子を紹介するエリア。工事現場の万能選手である油圧ショベルの実機や、ジャンボジェット機と同じ重量を吊り上げることができる大型クレーンの運転席やフックなどを展示。
また、2020年東京オリンピックに向けて急ピッチで建設が進められている「新国立競技場」の建設の様子も映像や写真で紹介している。
日本初の油圧ショベル ユンボY-35【キャタピラー】
SCX3500-3 クローラクレーンの運転室【住友重機械建機クレーン】
クレーンの滑車の仕組みを体感で理解できる
NEO作業服や工程表

【第3章】「都市」再・工事中!―解体の美学
街中で行われている解体工事について紹介するエリア。狭い土地の中でいかに効率的に、また周囲に影響を与えないように解体するか、解体技術にも様々な工夫が凝らされている。本章では、解体現場で活躍する油圧ショベル用のアタッチメントを紹介。

【第4章】「未来」工事中?―これからもくらしを支えるために
重機をとりまく技術革新や未来の工事現場を紹介するエリア。現在では、ICT(情報通信技術)やロボット技術の導入により、より効率的にかつ安全に工事を進められるようになってきている。また、炭素繊維など、新しい素材を取り入れた技術開発も進んでいる。土木・建築技術に有用な新しい技術を紹介するとともに、そうした技術によって実現するかもしれない未来の社会について想像を膨らませる。

【撮影スポット】ミニ油圧ショベルなどに乗って、記念撮影!

タカラトミーの「トミカ」重機コレクション

【エピローグ】
重機が活躍する現場やそこで働く人々の様子を大迫力のシアターエリアで体感し、人類と重機の深い関わりをみる。

マニアや子供達だけではない人たちにも親しみを感じられる本展は5月19日(日)まで。
会期中には、さまざまなイベントも予定。
入場料金など詳細はこちらを参照のこと。

2019年2月18日月曜日

ブラザー販売 東京オフィスリニューアル内覧会

ブラザー工業株式会社(社長:佐々木一郎)の国内販売子会社であるブラザー販売株式会社(社長:三島勉)は、コミュニケーションと自社製品活用を活性化することでアイデアやイノベーションが生まれるオフィスを目指し、東京オフィスの執務エリアを2月中旬に全面リニューアルした。
ブラザーグループは、2016年度より中期戦略「CS B 2018」が掲げる事業・業務・人財の変革を実施。ブラザー販売では、「B to Bへの転換」というキーワードを掲げ、業務や人財の変革を行っている。
その一環として、クリエイティブな思考ができ、アイデアやイノベーションを生み出す場へと転換すべく、東京オフィスをリニューアル。
東京で働く従業員が、半年かけて課題の洗い出しや理想のオフィスを模索した結果、フロアごとの人員構成の偏りや会議室不足などの課題解決、フリーアドレスやリフレッシュエリアといった「部門横断型」の交流を増やす工夫をするとともに、自社製品を積極的に活用できる環境に生まれ変わらせた。
フリーアドレス
リフレッシュエリア
オープンミーティング

■コミュニケーション活性化
「見える・動く・出会う」をキーワードに、フリーアドレスを導入したフロアレイアウトやクイックミーティングスペース、リフレッシュエリアなどを導入し、「部門横断型」の交流を増やす工夫がされた。収納スペースを削減できたことにより、空いたスペースを有効活用することができるようになった。


プリンター活用例
ラベルライター活用例
Web会議システム
■自社製品の積極活用
プリンターをはじめとする自社製品を積極的に社内で活用できる環境に。プリンターは全フロアの消耗品を一括管理するための自社ソフトウェア「BRAdmin」や送り状専用プリンタードライバーを活用するなど、顧客の立場に立った使い方をする中で得た気づきを、ビジネスのお客様に向けた提案に生かす。Web会議システム「OmniJoin」による遠隔会議、ミシンやスキャンカットを自由に使用できるソーイングスペースなども設置。



ブラザーの東京オフィスは、“働き方”も”自社製品活用”もLABOのように実験を続けることで、B to Bへの転換を目指す。1階ショールームも来年度中にリニューアルを始めたいとのこと。

2019年2月13日水曜日

「ワイルド・エコロジー:能作文徳展」

 プリズミックギャラリーは、誰でも自由に来場できる、オープンなギャラリー。200511月の開設以来、これからの世の中をリードする建築家、クリエイター、など若手を中心に個展を開催し続けている。
「建築」に様々なかたちで携わり活動する彼らに場を提供し、考えていることを自由に表現・情報発信できる場であってほしいとの思いから、展示計画・内容はすべて出展者に委ね、毎回それぞれの個性溢れる展覧会となっている。

本展覧会では、SDレビュー2017に入選した「西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー」を中心として、「マテリアル」、「エネルギー」、「フード」に着目した生態学的建築群を紹介する。

 「フードコモンズ」東京電機大学3年生設計課題
食を起点とするコモンズ(共有資源・共有空間)を「フードコモンズ」と呼び、リサーチしている。この「フードコモンズ」というテーマを東京電機大学の3年生の設計課題に出題した。まずは食に対する弱者とはどのような人たちか、食の問題を引き起こしている仕組みとは何か、食と人々の間にどのような障壁があるのかを議論した。一人暮らしの高齢者、夕食を一人で済ます子供たち、子育て世代、アレルギー、ベジタリアン、イスラム教徒、移民、災害時の非常食、食品ロス、過剰包装、都市農業、大豆、鶏、魚など様々なテーマに取り組んだ。

「ピアノのある長屋」 
東京、中目黒の住宅地に建つピアノ教室付きの住宅と2つの賃貸住宅が複合した長屋。敷地北側には3mを超える崖があり、土砂崩れの恐れのある範囲となる1階部分を鉄筋コンクリートとし、それ以外を木造とした。焼杉塀で囲まれた前庭、樹脂アルミ複合ペアガラスの窓、吹き抜けのある玄関土間、明かり障子を並べ、道路から距離を取りつつ、階段的に開放できる仕組みとなっている。

Bamboo Theater
敷地はフィリピン、マニラにあるヴァルガス美術館の前庭。用途はパフォーマンスアートのための野外劇場である。アジアの若いアーティストやキュレーターが集うことから、アジア・モンスーン 地域の多くで主食となっている「米」が、アジアの共通性となっていることに着目して、米に関係する物質循環のネットワークの中で、どのような建築ができるかを模索。マニラの市場で見つけたカラフルな米袋を屋根葺材に、米農家の庭に植わっている竹(農機具や杭や小屋に使われている)を構造材に用いて、仮設的でありアジアのお祭りのような賑やかな場所が作り出された。

「高岡のゲストハウス」
敷地は富山県高岡市。屋根の単位を生かしながら、既存家屋を、祖母の住まい、食堂、ゲストルームの3棟に分解した。中庭を設けて、プライバシーを確保しながら家族以外の友人を受け入れる、開かれつつ程よい距離を保つような構成にした。祖母が引っ越ししないですむように、住みながら施工するため3段階に工事を分け、解体の際にでてきた素材を建物の資源としてリユースした。

「西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー」 
自身の事務所兼住宅。東京、西大井にあるバブル期に建てられた鉄骨4階建ての中古住宅と土地を購入し、解体直後に引っ越し、住みながら自分たちで少しずつ改修を始めた。壊すことで生じた「あな」を起点にして、建物は都市の中の生態系と再び繋ぎ直される。都市とワイルドは矛盾した言葉だが、都市の中で自生する雑草のような強さが表現された住宅になっている。

会期は2019.2.22(金)まで。開廊時間は平日10:00 18:00となっている。