東京・湯島の文化庁国立近現代建築資料館にて開催される「
みなでつくる方法 吉阪隆正+U研究室の建築 」展プレス発表会に伺う。
本展示では、U研究室から寄贈された「吉阪隆正+U研究室建築設計資料」約8,500点をもとに、吉阪氏が提唱した「不連続統一体―DISCONT」と、吉阪氏に共鳴した若い協力者よって構成されたU研究室による、プロジェクトを、図面、吉阪氏自身の言葉、模型、関係者への聞き取り、現存する建築断片などで構成した4つのゾーンで展示構成されている。
第1章「住居について」では、「まちづくり」の出発点である住居に注目し、吉村氏の自邸の計画図面、実測図面を展示。ロフトスペースに行方不明だった壁面に飾られていた「漢詩のレリーフ」が展示されている。
第2章「造形について」では、ル・コルビジェ事務所勤務後、吉阪隆正研究室(U研究室)での活動を展示。アトリエを自邸に移し、より多くの人を巻き込んで計画された「大島元町復興計画(1965年)」等の資料や図面を展示。
第3章「組織について」では、ピラミッド型の組織構造を否定し、自立した個人が集まった集団の場である「不連続統一体―DISCONT」と、模型と図面を囲んでディスカッションを重ねながら形を決めていく「集団設計」の手法に迫る。
第4章「文明について」では、吉阪氏の思想を様々な資料から探っていく。今回の展示で使用されている数字はメビウスの輪を世界モデルに描くダイアグラムを用いて描かれている。
ロフトスペースでは、U研究室関係者インタビュー映像や、実際に使用されていた製図台、吉阪氏お気に入りの虎の置物、青焼き図面、実際に使用されていた手摺や建具が展示されている。
吉阪邸模型
中央の模型を囲むようにある展示台には、吉阪氏の図面や資料を展示している。
入り口では建築家の他に、教育者、アルピニスト、文明評論家としても活躍していた吉阪氏の活動を、当時の記録フィルム等を用いて紹介している。
2016年3月13日まで。